孫悟空とウマ娘   作:猫ネコ

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・投稿が遅くなりすみません。10月からまた頑張ります。

・こちらを読む前に、フュージョンと残像拳についてお調べください。 動作の細かい描写はないので知ってないと訳が分かりません。

・温度差注意





黄金世代『ひま』 ウララ「あ、じゃあフュージョンしよっか!」

 

 

 

 

 

 

 

スペ「フュージョンってなんなの?」

 

グラス「直訳すると融合、ですね」

 

ウララ「"ゆーごー,,はちょっと良く分からないけど、2人が全く同じ動きをして、ちょー強い人に合体するんだって!」

 

スカイ「びっみょーに分かるような分からないような…」

 

キング「まぁ、直訳通り2人が1人になるって事でしょ。………そんなバカな…」

 

エル「でも悟空さんが言うって事は冗談や嘘ではないと思いマスよ?」

 

キング「だから困るのだけど…。もし仮に合体してしまったら解除方法とかあるのかしら?」

 

ウララ「うん。30分しかなれないから勝手に終わっちゃうんだって!」

 

スカイ「それなら仮に合体出来ても心配する必要ないし、やろっか。このままジッとしてても退屈だしね〜」

 

エル「エルも賛成デース!」

 

ウララ「決まりだね!それじゃあまずは2人1組を、」

 

グラス「スペちゃんッ!」ガタッ

 

 

ウララが言い切る前に動いたのはもちろん彼女。

 

 

エル・キング・スカイ(うわっ、出た…)

 

 

もはや分かりきった行動だが、あからさま過ぎると、グラスに白い目を向ける3人。

呼ばれた本人であるスペは理解不能とばかりに目を丸くしていると、グラスがゆっくりと歩きスペの正面に立った。

 

 

スペ「どうしたんです、か?」

 

グラス「スゥ…ハァァ……スペちゃん」     

 

スペ「ほぇ?」

 

 

重く深い深呼吸をするとスペの手を取る。

 

 

キング(この子強過ぎるわね…)

 

エル(グラスはもう大和撫子やめるべきデス。お淑やかどころか、ガメツイデース)

 

スカイ(え、ちょっと待って…。合体するって事は"アレ,,なの?"アレ,,言っちゃうの?)

 

 

三者三様の想いを込めて引いた目をしながら見つめる。

グラスはそんな事はお構いなしにスペの手を引くと、引き寄せられるようにスペの体が密着した。

 

 

スペ「ぐらすちゃん?」

 

グラス「スペちゃん。ぜひ私と合体し、スペシャルワンダーを作り上げましょう」

 

スペ「すぺしゃるわんだー?…あ!合体した時の名前かな?エヘヘ…カッコいいね!良いよ!」

 

グラス「スペちゃん!」

 

 

 

キング(良かったわね、喜んでもらえて。かなり際どい発言だったけど)

 

エル(スペちゃんじゃなかったらアウトデェス)

 

スカイ(やっぱスペシャルワンダーか、…実はもっと前から妄想してたなんて事ないよね?)

 

 

目の前で手を握り合う2人。キャッ!キャッ!と周囲の空間に白い花を咲かせていると、

 

 

ーー爆弾は落とされた。

 

 

 

ウララ「あ、合体するには身長も近くないと駄目なんだって。グラスちゃんの相手だと、ウララは小さ過ぎるからセイちゃんだけかな」

 

グラス「………………………は?」

 

スペ「ありゃ、そうなんだ。残念だね…」

 

グラス「そん、な…………………」ガクッ

 

スペ「今度はどうしちゃったの!?」

 

 

もう隠すつもりはないのか、スペの目の前で膝をつくグラス。

 

 

キング「…今のは酷いわね」

 

エル「同情しマスよ、グラス……」

 

スカイ「ウララ、話し続けよう」

 

ウララ「え、良いの?」

 

スカイ「うん。グラスちゃんのダメージ回復待ってたら日が暮れちゃう」

 

 

グラス「ぁぁぁ……ぁ…ぁぁ……….」

 

 

ウララ「う、うん。セイちゃんがそう言うなら」

 

キング「先に合体に関する事を全て聞きましょ。細かい所はそこから聞けば良いじゃない」

 

スカイ「そういう事〜」

 

ウララ「分かった!それじゃあ説明するけど、合体の条件は2人が決まった動きを同時にするのと、身長が近いヒト。これで出来るんだって!」

 

エル「その決まった動きはウララ知ってるんデスか?」

 

ウララ「うん!合体は出来ないけど、面白そうだから悟空さんと何回かやったんだぁ!」

 

スペ「見せてもらう事は出来るかな?」

 

ウララ「もちろん!早速やるから見ててね!」

 

 

そう言うと離れた位置に行き、腕を重ねて水平に伸ばした。

 

ーー始まる。

 

悟空が言ったからには本当に合体をするのだろう。好奇心旺盛なウマ娘達は内心ワクワクした気持ちを抑えきれずにいた。

 

 

ウララ「ーーー行くよっ!」

 

エル・キング・スカイ・スペ

『どうぞっ!』

 

グラス「……お願いします」

 

 

 

 

彼女達は目撃する。最強の作り方を。

 

 

 

ウララ「まず最初は腕を水平に伸ばす!」シュバッ

 

『ふむふむ』

 

 

 

ウララ「そして、ーーフュュュュ、」カタカタカタ!

 

『……………ぇ、』

 

 

 

ウララ「この時3歩分動く!…次、ジョンっ!」ガチンッ

 

『ウワァ…』

 

 

ウララ「気をつけるポイントは膝を90度にする事!反対に伸ばした手の形はグー!……最後、ハァッッッ!」ビシッッ!

 

『oh…』

 

 

ウララ「この時も膝を気をつけてね!真っ直ぐ伸ばすの!そして指先同士をくっつける!」

 

『……………キッツ…』

 

 

 

ウララ「どう?動きは単純なんだけど、細かい所を間違えちゃうから結構難しいんだよ!」

 

『……………』

 

 

彼女達は無言を貫いた。

口を開くと指名が来そうだから。

全く同じタイミングは難しいが、動き自体はウイニングライブでダンスを取り入れる彼女達にとっては特別困難ではない。

最初の構えを見た時は思ったのだ。戦隊モノのヒーローみたいでカッコいいと。……動き始めたら駄目だった。

 

ーー乙女に小刻みのガニ股横歩きが出来るか!!

 

完成ポーズなんてマヌケ過ぎる。

しかし、やろうと言った手前中止には出来ない。

 

 

ウララ「それじゃあまずはペアを組む所からしよっか!」

 

キング・エル・グラス・スカイ・スペ

『最初はどうぞ!!!』

 

 

乙女心を守る押し付け合いが始まった。

 

 

 

ウララ「ありゃ。みんな譲り合いっこになっちゃった。まぁでも、やるとしたらグラスちゃんとセイちゃんで。キングちゃん、エルちゃん、スペちゃんって組み合わせかな」

 

『!!!!!』

 

 

スカイ「………エルはああいうの好きでしょ。ヒーローっぽいじゃん。遠慮しなくて良いよ。エルがしたいって言ったら2人も付き合ってくれるだろうし」

 

エル「ッ!…え、エルはヒーローよりもヒール推しなんで解釈違いデース。……それにキングはまだしも、エルとスペちゃんは落ち着きないので完全に同じ動きが出来ないかと。グラスとセイちゃんは阿吽の呼吸で一発デース」

 

グラス「! そうですねぇ。……確かに私とセイちゃんは、とっても!凄く!あり得ないほどに仲が良いので楽勝だと思います。

……仲が良い"(ふう),,の貴女達とは大違いですね」

 

エル・スペ「「は?」」

 

スカイ(っしゃー!決まったぁ!ナーイスグラスちゃん!)

 

 

グラスの挑発に秒でノッた2人だったが、

 

 

キング「落ち着きなさい」グイッ

 

エル・スペ「「ぐえっっっ」」

 

 

キングに襟首を引っ張られた。

 

 

エル「止めないでくだサイ!あんな事言われて黙っていられマセン!」

 

スペ「そうだよ!私とエルちゃんは"(ふう),,なんかじゃなくて本当のホントのほんとに仲良しなんですからぁ!」

 

キング「……ん、スペさんちょっと来て」

 

エル・スペ「「無視された!?」」

 

エル「しかもエルなんて置いてけぼりデース!」

 

キング「エルさんは後でね」チラッ

 

スカイ「!!…………………、」

 

 

両手を上げて抗議するエルを尻目に、キングはスペの手を取って少し離れた。

 

 

スカイ(あの眼…。キングは何を企んでいるの?)

 

 

警戒心を最大まで引き上げて思考を巡らせる。

 

一方でキングは難航していた。

 

>…ーーええっ!そんな恥ずかしい事を私が!?

>ええ、そうよ。

>ううっ、私がやって意味ありますか?

>逆に貴女じゃないと意味がないわ。

>で、でも……、

>……………ニンジン3個。

>え、

>今なら特典で私がつくわ。一緒に食べましょう。

>私に任せて!

>その言葉を待っていた。

 

 

作戦会議終了。

自信満々の顔付きで再びスカイとグラスの正面に立った。

 

 

スカイ(さて、何をして来るのやら…)

 

エル「うわーん!エル1人は寂しかったデース!」ダキッ

 

キング「はいはい、悪かったわよ。お詫びと言ってなんだけど、フュージョンは彼女達にしてもらうようにするから」ナデナデ

 

エル「わおっ!キングとスペちゃんのタッグ技デスか?」

 

キング「ちょっと違うわね。スペさんと組むのは………私じゃない」ニヤリ

 

スカイ(おかしい。フュージョンなんて私もグラスちゃんもお断りだ。何を言われたって絶対にしない。そしてそれはキングも分かってるはず。なのに…あの自信は何なの)

 

 

不敵に笑うキング。

 

 

もし、自分がキングの立場なら、

 

 

 

この場で1番有効に使える手は…、

 

 

 

スカイ「………ま、さか…」

 

キング「今更気付いても遅い」

 

 

スカイは首が捩じ切れる勢いで彼女を見た。

 

 

そう。この場で唯一の弱点を持つ彼女を。

 

 

グラス「す、すす、しゅぺちゃん!?」

 

スペ「なぁにぃ〜、グラスちゃぁん」サスサスサワサワ

 

 

グラスにくっ付きながら腕や足を擦り合わせるスペ。

 

 

スカイ(くそっやられた!)「グラスちゃん!スペちゃんから離れて!」

 

グラス「スペスペスペスペスペスペスペスペ…」

 

スペ「ねぇ、グラスちゃん?」

 

グラス「ひゃいっ!」

 

スペ「私にさ、グラスちゃんの全てを見せて?カッコいい所。可愛い所。そして…合体するト コ ロ…とかぁ♡」

 

グラス「!………スペちゃん、離れていて下さい」

 

 

スペは無言で離れる。

そして、グラスはスカイの正面に立った。

 

 

グラス「セイちゃん」

 

スカイ「………………なにかな」

 

 

 

 

 

グラス「セイウンワンダーとグラスカイ。どちらが良いですか?」

 

スカイ「1人でヘッポコワンダーやってなよ…」

 

 

 

     ・

     ・

     ・

 

 

 

 

ウララ「それじゃあ準備は良いかな?」

 

グラス・スカイ「「………」」コクン

 

キング「こら、ウララさんが聞いているのだから返事をしなさい」クスクス

 

エル「グラァス!言葉は声に出さないと相手に通じマセンよぉ!」イヒヒッ!

 

グラス・スカイ「「………お願いします」」

 

ウララ「うんっ!一緒にがんばろーね!」

 

グラス(ぅぅ……何でこんな事に…)

 

スカイ(恨むよ、グラスちゃん)

 

ウララ「えっと、最初に動く時は3歩分だから……2人の間は6歩分かな」

 

グラス「はい…」スタスタ

 

ウララ「うん。で、やる時は"さゆーたいしょー,,だから気を付けてね!」

 

スカイ「りょーかい…」スタスタ

 

ウララ「まずは合わせるより動きを覚えよっか。私の真似してね!」スッ

 

グラス・スカイ「「…………」」スッ

 

 

エル・キング・スペ『………』プルプルプル

 

 

ウララ「そうそう!腕は伸ばしたまま円を描くように。せーの、フュュュュ……」カタカタカタ

 

グラス「ふ、ふゅゅ…」カタ..カタ..カタ

 

スカイ「フュュュ……」ノロノロ

 

エル・キング・スペ『…………』

 

 

 

 

エル・キング・スペ『………ぶはっ!!!』

 

スカイ・グラス「「吹き出すのが早い!」です!」

 

ウララ「ほらほら!集中しないと!ーージョンっ!」ビシッ

 

グラス「じょっ、じょん!」フニャ

 

スカイ「じょーん!」ヘニョ

 

ウララ「もーっ!そんなんじゃタイミング合わないし、膝が下がってるから合体出来ないよ!ーーハァッ!」

 

グラス「ハッ!……ぅぅ…」

 

スカイ「は〜」

 

ウララ「うーん……2人ともどうしちゃったの?ウイニングライブのようなカッコ良さがないよ?」

 

グラス「すみません…」

 

スカイ「だってさぁ……横にあんなのいたら出来ないよ…」チラッ

 

 

 

 

エル・キング・スペ『あはははははっ!……ハァ…ふう。…あははははははは!!!!ーー』ジタバタ

 

 

 

 

グラス「っくう。何たる屈辱」

 

スカイ「いい笑いモノだよ……」

 

ウララ「困ったなぁ。…でも、グラスちゃん達の方が困ってるよね…フュージョンやめる?」

 

 

2人を気遣った発言。ウララとて2人に無理矢理やらせたい訳ではない。

ウララは上目遣いで、耳をペタンと倒し、尻尾も垂れ下がった状態で2人の反応を伺った。

 

 

スカイ「っ、やめるわけないよ!ねぇ!グラスちゃん!」

 

グラス「当然です!私達はフュージョンをするために生まれて来たと言っても過言ではありません!」

 

ウララ「ほんとっ!?良かったー!」パァァァ

 

グラス・スカイ「「あはは!……ハハッ」」ズーン

 

 

 

キング「……甘々ね」

 

エル「やはりあの2人もウララには勝てマセンか」

 

 

だがやる気を出したのも事実。

さっきまでとは比べものにならないほどの熱意をもって挑んでいた。

  

 

 

グラス「フュュュ…ジョン!」

 

ウララ「グラスちゃん!ジョンの時の手はグーだよ!」

 

 

 

スカイ「フュュュュュュュ…」

 

ウララ「セイちゃん!足は3歩分!それだと多い!」

 

 

 

 

グラス「ハッ!」

スカイ「ハアッ!」

 

ウララ「最後の指がズレてる!もう一回だよ!」

 

 

 

グラス「フュュュ」

スカイ「ュュ…ジョン!」

 

ウララ「タイミングがバラバラ!もう一回!」

 

 

     ・

     ・

     ・

     ・

     ・

 

スカイ「フュュュ……ジョン!っ、うわっ!」コケッ

 

グラス「"スカイ,,!」ダダッ

 

スカイ「ごめんね"グラス,,。私、もうここまでかも…」

 

グラス「何言ってるの!私達の物語はまだ終わりじゃない!」

 

スカイ「…グラス…あ、なたは…つよく、いき、て…」

 

グラス「い、いやっ!スカイ!スカァァイっ!」

 

 

     ・

     ・

     ・

 

 

グラス「なんで同じ所で間違えるのですか!ハッ!の部分では外側の膝を伸ばさないと!」 

 

スカイ「言われなくても分かってるよ!」

 

グラス「分かってないから出来てないんじゃないですか!」

 

スカイ「うっさい!グラスちゃんだって自分ばっかで私に合わせてくれないクセに!」

 

グラス「なッ!セイちゃんがのんびりし過ぎなんです!」

 

スカイ「なんだってぇっ!?」

 

グラス「何ですかっ!」

 

 

     ・

 

     ・

 

     ・

 

 

 

 

ー 3時間後 ー

 

 

グラス「ハァ、ハァ、ハァ、…」

 

スカイ「っく、はあ………」

 

ウララ「ーーうんっ!完璧だね!それじゃあ!」

 

スカイ「うん。そろそろ決めようか」

 

グラス「そうですね」

 

 

 

 

スペ「……ねぇ、エルちゃん」

 

エル「分かってマスよ、スペちゃん……」

 

エル・スペ「「感動したあああああ!」」

 

スペ「だよね!だよね!なんか変なのあったけど、目の前であんなに頑張られたらこっちだって笑えないよ!」

 

エル「もう邪魔をしないようにして心の中で応援してマシタね!」

 

スペ「私も!」

 

キング「………」

 

 

キング(……………え、おかしくない?)

 

 

成功する前提で手を取り合うグラスとスカイ。

卒業する生徒を見守るかの如く胸を撫で下ろすウララ。

努力する者に心を打たれて抱き合うエルとスペ。

 

そんな彼女達を順番に見ると、より一層困惑した。

 

 

キング(フュージョンの合体条件って、身長が近い者と全く同じ動作をする事よね。………出来てるじゃない)

 

 

グラス「セイちゃん、準備は良いですか?」

 

スカイ「もちろん!本気でいくよ〜」

 

キング(本気って何!?フュージョン成功の判断基準は心意気じゃなくて動作でしょう!!?)  

 

ウララ「さっきのホントに完璧だったよ!落ち着いてね!」

 

キング(だから完璧だったら出来てなければおかしいんだって!……え、なんなの?このキングがおかしいの?…いえ、そんなはずない。………私の考えが正しければ恐らく…)

 

 

 

 

キング(フュージョンにはもう一つ、重大なナニカが隠されている!)

 

 

名探偵気取りのキングは声に出す事なく断定した。

 

 

キング(……でも、勘違いかも知れないからゆっくり見させてもらうとするわ)

 

 

グラス「………セイちゃん」

 

スカイ「ん。こっちもOKだよ」

 

 

2人は目を瞑り、呼吸を合わせる。

静かながらも皮膚にビジビシと感じるほどの集中力。

 

 

エル・スペ・ウララ『……』ゴクリ

 

 

目を瞑ったままだというのに、2人は同時に腕を横に伸ばす。

 

そして、

 

ーー勢い良く目を開いた。

 

                

 

グラス「ッ!ーーフュュュ」カタカタカタ

 

スカイ「ジョン!」ガチンッ

 

 

グラス・スカイ「「ハッッッ!!!!!」」ビシッ!

 

 

ウララ「ミスなし!誕生するよ!さいきょーのウマ娘、、、が、」

 

 

ウララの目が点になる。

足の角度、腕の位置、手の形、最後の指を合わせる所まで全て完璧だ。

それなのに、目の前にいる2人は合体などしておらず、ヘンテコなポーズで指を合わせたまま止まっていた。

 

 

グラス「え、、、失敗?」

 

スカイ「うそ、でしょ…グラスカイは?」

 

キング(知ってたわ)

 

エル「で、でもウララも言ってマシタが間違えた所なんてなかったかと…」

 

スペ「うん。私もそう思う」

 

 

 

答えが出ない問題を考える一同。

 

 

その時だった。

 

 

ーーーーー"シュン!,,

 

答えを知る者が風切り音とともに現れた。

 

 

悟空「よっ!何か面白ぇ動きしてんの感じたから来ちまった!」

 

ウララ「悟空さんっ!あのね!えっとフュージョンしてて、でも間違ってなくて、なんでか分かんないけど、何でなの?」

 

悟空「す、少し落ち着けよウララ…。えーと、とりあえずフュージョンのポーズしてたのは間違いないみたいだな」

 

グラス「はい!何時間もかけたんです!なぜです!?どこが違ったのですか!!?」ズイッ

 

スカイ「フュュュの所は合ってる!ジョンが駄目だった!?それともハッ、なの!!?」ズイズイッ

 

悟空「ちょ、おめぇ達まで!キングぅ!説明してくれ!」

 

キング「ハァ…。簡単に言うとグラスさんとスカイさんがフュージョンをしたのよ。動きは完璧だったわ。なのに合体が出来なかった。なぜ?」

 

悟空「……………え?おめぇ達、もしかして本気で合体しようとしてたんか?」

 

スペ「? どういう事ですか?」

 

エル「まさか嘘ついたんデスか!?」

 

悟空「いや、そうじゃなくて」

 

 

いまいち噛み合わない問答が続くと見兼ねたキングが口を開く。

 

 

キング「悟空さん。フュージョンについて全部説明してくれないかしら?」

 

悟空「別に良いけど、ウララには話したぞ?おめぇ達だってウララから聞いたからフュージョンしたんだろうし」

 

キング「良いから、お願い」

 

悟空「? ああ。フュージョンっちゅーのは合体で、1人では大した事ねぇ奴でも、合体すればとんでもねぇ戦士が誕生する。身長が近い奴と〈"気,,を全く同じにして〉決められた動きをする。んでもってその動きっちゅーのが、」

 

キング「もういいわ」

 

悟空「そうか?大事なとこなんだけど」

 

キング「動きは多分あってるのよ。単刀直入に聞くけど、私達がフュージョンする事は可能かしら?」

 

悟空「無理だ。おめぇ達は"気,,の操作出来ねぇだろ。もし仮に一瞬だけ同じになっても動いてる最中に"気,,が変動しちまう。決めつけんのは好きじゃねぇけど、今回だけは絶対出来やしねぇ」

 

キング「そう。確認だけれど、その事をウララさんには?」

 

悟空「言ったぞ。隠す事じゃねぇし、忘れる事でもねぇからな」

 

キング「ですって」

 

ウララ「そ、そうだっけ?あは、あはははっ…」

 

グラス・スカイ「「……………」」

 

スペ(あちゃぁ……ウララちゃん…)

 

エル(これは擁護のしようがありマセン…)

 

ウララ「え、っと、ごめんね?ウララちょっとお手洗いにぃ」

 

ーーガシッ

 

ウララ「セイちゃん?肩掴まれると動けない、かな。ウララ漏れちゃうよ?」

 

スカイ「ん?うん。……漏らせば?」

 

ウララ「ヒエッ、」

 

グラス「おやおや、怯えてしまって可愛いですね〜。こんなに可愛い子……どう調理しましょうか」

 

ウララ「ッ!あの、ウララね、えっとね、ちょっと用事があってね……だからね、」

 

グラス「ハァ…。自分の罪を認めれず挙句の果てには逃げる事だけ考えて言い訳ばかり」

 

スカイ「ウララさぁ、そんなんで恥ずかしくないの?キミのお母さんはヘッポコだけど逃げる事はしないよ?」

 

ウララ「ヘゥ」

 

キング「ちょ、ちょっと…。いくら何でもお母様を引き合いに出すのは駄目よ」

 

スペ「? キングちゃんの事だよ」

 

エル「世界広しと言えども、ヘッポコのマザーなんてキングしかいまセン」

 

キング「そうなの?それじゃあ別に良い…訳ないでしょうが!何で私が遠回しに貶されてんのよ!」

 

 

ウララ「あわわわわっ、悟空さん、助けて!」

 

悟空「いやー、正直怒ってるコイツら敵に回したくねぇから無理だな…。ちゅーか元々は合体出来ねぇけど遊び半分でやろうって言ってオラとやってたんじゃねぇか。何で忘れてたんだよ」

 

ウララ「途中から悟空さんと合体出来ないのは身長だけだと思ったんだよぉー!」

 

スカイ「うん。嘆くのはもういいからさ、裁きの時間に入ろうか」

 

グラス「どうします?悟空さんジェットコースター、フリーフォール、バンジージャンプから逆バンジーまでいけますよ」

 

スカイ「ふむ。ちょっと新鮮味に欠けるかな」

 

グラス「その心は?」

 

スカイ「…ウララに残像だしてもらおう」

 

グラス「詳しく」

 

スカイ「前に残像拳というワードを聞きましてぇ、聞いた話を私なりに解釈すると、高速スピードから複数の残像を残す技らしいんだよね」

 

グラス「把握しました。悟空さん、残像拳は背負ってる物などにも影響しますか?」

 

悟空「……おお。風呂敷や武器持ちながら出来たから問題ねぇぞ」

 

ウララ「っ、そんなぁっ!酷いよっ!」

 

スカイ「ぜーんぜん酷くないよ?酷いのはウララの方だよね?私達に出来もしない恥ずかしいポーズを3時間もやらせたんだから」

 

グラス「罪には罰を。ウララちゃんだけ例外なんて認められません」

 

ウララ「っ、」シュバッ!

 

スカイ「逃げた!」

 

グラス「悟空さん!捕まえてください!ウララちゃんに変な事教えたって、たづなさんに言いますよ!」

 

悟空「ッ!」シュンッ、ガシッ

 

ウララ「あーん!ずるいよぉ!離してぇええええ!」

 

グラス「悟空さんお願いします!」

 

スカイ「ウマ娘に残像が出来る程の速さを!」

 

キング「あ、首は抑えててね。切り返しの際に起こる重力で折れてしまうと痛いでしょうから」 

 

悟空「おう」

 

ウララ「キングちゃん!それ痛いだけじゃっ、ーーーー、」

 

スペ「ウララちゃん?」

 

 

視線の先にはウララを抱きかかえる悟空と、必死な形相を浮かべるウララが一時停止のように固まっていた。

 

 

エル「2人ともどうしたんデス?」

 

 

するとどこからか声が聞こえた。

 

 

>ぎゃ、ーー、たすけっ、ーー

 

エル「? っ!見てくだサイ!こっちにもいマス!」

 

グラス「これは、」

 

スペ「……後ろだけ、じゃないかも」

 

キング「! これが、残像拳」

 

 

右、左、真後ろ、更には上や壁などに出現する悟空とウララ。

 

その一体にスカイはゆっくり手を伸ばした。

 

 

スカイ「っ、すり抜ける!残像だ!」

 

『そうだ!』

 

 

悟空の声が後ろから聞こえた。

全員が揃って振り向くと、そこには宙に浮いた2人がいる。

返事をしようとした所で別の場所から声がした。

 

 

『これが残像拳!』

>ギャァァ

 

 

 

『昔はよく使ったもんだ!』

>タス、ケ…

 

 

 

『残像には"気,,が無いから大人になってからは使えなくなったけどな!』

>モウムリィィィ

 

 

 

『最初に見た時はオラもビックリしたぞ!』

>ッ、オエッ、

 

 

 

『ウララのトレーニングに使えるから最近は使ってる時が多いな!』

>……ハキソウ

 

 

グラス「も、もういいですよ!ありがとうございます!」

 

スカイ「私達の気は済んだから止まってぇ!」

 

悟空「おっ。だってよ。良かったなウララ!」

 

ウララ「ち、、、きゅうが、まわ、っ、、てるよ〜」バタン

 

スペ「ウララちゃーん!?」

 

キング「残像拳……これはとんでもない罰ゲームね」

 

エル「エルも気をつけまショウ…」ボソッ

 

 

     

 

 

ーーゴクゴクゴクゴク、

 

ウララ「ぷはぁっ、………おえっ、」

 

スペ「大丈夫ですか?」

 

ウララ「う、ん。ありがとスペちゃん」

 

スペ「いやー残像拳凄かったですね」

 

ウララ「ウララには何が何だか分からなかったよ…」

 

スペ「だろうね。でも全部終わってみると……ぶふっ!フュージョンをしてたグラスちゃんとセイちゃんが頭の中に出て来て笑っちゃうね!」

 

ウララ「………ぇ、」

 

エル(あ、オワッタ…)

 

キング(さすがに救えないわよ…)

 

スペ「あはっ!プププ!ふゅーじょん!はあっ!……あはははははっ!」

 

ーーガシッ

 

スペ「ははは………へ?」

 

グラス・スカイ「「………」」

 

スペ「………冗談です」

 

スカイ「そっか。じゃあこれからは冗談を言う時はしっかりと考えてね」

 

スペ「うん。ごめんね」

 

グラス「悟空さん、お願いします」

 

悟空「おお」

 

スペ「ヒッ、い、いや、謝ったじゃn、ーーーー」

 

 

 

 

 

 

 

 

次回予告:スペシャルウィーク

 

あ"ー、き"も"ち"わ"る"い"…でも楽しかったよ。

みんなといる時、どうでもいい話をしてる時は凄く好き。

毎日楽しい時間だけが続いていた。

 

 

 

 

ーーあの時までは、

 

 

 

……嘘だと思いたかった。けど、目の前で見ちゃったから嫌でも現実が私を襲った。

どこか調子が悪かったのか。実は脚を痛めていたんじゃないのか。

 

私の腕の中で目を閉じる貴女は何も答えてくれない。

 

困った事があるとすぐに貴方を頼る私はずるいですか?でも、ごめんなさい。私には力が無いから貴方に縋りつくしか出来ないんです。

 

 

 

 

「…おねがい、します……わたし、なんでもしますから……ひつようなことぜんぶやりますからぁ………おねがい悟空、さんっ、………たすけて、くだ、さい…」

 

 

「……………………すまねぇな」

 

 

 

 

   

   ー 天皇賞(秋) 出走 ー

 

 

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