宇宙戦艦ヤマト 迷い子達のアンサンブル   作:soul

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第二十七話 『ジャスパー』

 巨大戦艦『アルテミス』内部に導かれた『ナデシコD』の円盤部と『ナデシコC』は、かの船の力により地獄の恒星風が吹き荒む青色巨星から未知の宙域へと運ばれ、目の前には巨大な宇宙ステーションが存在した。

 

 その後、何も言わずに姿を消した『アルテミス』の行動に戸惑いの表情を浮かべるナデシコ・クルーだったが、未知の宇宙ステーションを目の前にして、何時までもその事だけに構っている訳にはいかなかった。

 

 ユリカはアゥインとノゼアに前方の宇宙ステーションとのコンタクトを取るように指示を出したが、いくら通信を送っても何の反応も帰って来ない。二人の報告に訝しんだユリカは、センサーを使って宇宙ステーションを調べるよう二人に頼むと色々な事が分かってきた。

 

 センサーの計測結果によればステーションの全長は百キロを超え、基本素材にはユリカ達の知らない金属も含まれており、傘状の上部構造物は最大で三十キロほどの大きさがあり、見ると全長四百メートルの円盤部も余裕で通れそうな巨大な扉が見える――だが、その巨大さに反してエネルギー係数は小さく。このステーションは放棄されたか、休眠状態である可能性が高かった。

 

【それじゃ、行きましょうか】

『待ってください』

 

 再び『ジャスパー』が文字を紡ぐが、ルリがそれに待ったをかける。

 

『貴方の目的は何なんですか? 何の為に『ナデシコD』に潜み、私達に何をさせようと言うのです?』

 

 ウィンドウに映るルリの金色の瞳にナノマシンの光が走る。

 その容姿も相まって、人智を超える何かのようにも見える――が、そんなルリへの回答は人を食った物である。曰く【それは秘密です】と丸まっこい文字で答える『ジャスパー』だが、勿論それで収まるとは思っておらずジト目で見つめる一同に向けて文字が追加された。

 

【……聞きたい事もあるだろうけど、それはステーションに入港してからね】

 

 そう文字が追加されるのを待っていたかのように宇宙ステーションの傘状の構造物にある扉が開く。

 

『……至れり尽せり、という訳ですね』

 

 恐らく休眠状態であるステーションの扉が開いた事で、手の平で踊らされているような感覚を覚えたルリはため息を一つ付いた。

 

 


 

 

 休眠状態にある宇宙ステーションの上部構造物にある扉が開いた事により、『ナデシコC』と円盤部は傘状の上部構造物内へと進入する――扉の大きさは全長四百メートルもある円盤部でも余裕で通られるほど大きなものであり、利用する宇宙船も円盤部と同規模の物を想定していると思える。

 

 先行する『ナデシコC』が先に扉を潜って上部構造物の中へと入り、続いて円盤部が構造物の中へと入る――休眠状態とはいえ、上部構造物の内部は仄かな光に照らされていて周囲を見回すには問題がない。大型ウィンドウに映る上部構造物の内部の広さに、ユリカもジュンも言葉を失う――構造物の内部は巨大な空洞となっており、中心にある円筒形のドッキングポートの傍には幾つかの宇宙船が係留されている。大きさ的には『ナデシコC』と同等の規模を持っており、円盤状の船体から後方に向けてディストーション・ブレードのような構造物を支柱で支えているような構造をしている。そんな宇宙船が十隻以上も上部構造物内には存在していた。

 

『この空洞内にある宇宙船はすべて停止状態にあります。どの船からもエネルギー反応はありません』

 

 センサーを使って近くに存在する宇宙船を調べていたアゥインの報告に、ユリカとジュンはステーションが休眠状態という読みも間違いではなかったと感じた……このステーションは、何らかのトラブルで放棄された可能性が高い。

 

「……ジュン君」

「ああ、これは幸運なのかも」

 

 どのような理由で放棄されたのかは分からないが、この未知の星域で補給の当てもない自分達に取って有益な存在になるかもしれない――そこら辺は調査の結果次第になるだろうけど、まずは取り急ぎしなければならない事がある。

 

「ホシノ艦長、船を固定したらこちらに来て欲しい」

『了解しました』

 

 ルリの返事を聞いてジュンは右手に左拳を打ち付けて気合を入れる――船を入港している時に『ジャスパー』よりメッセージが送られて来たのだ。ステーションの中央構造物にある会議室の場所を添付して。

 

「そこで待つ、か。上等だ!」

 

 


 

 

 『ナデシコD』から離脱した上部円盤部の奥――艦内図にも記されていない、ネルガルの調査チームも見つけられなかった秘密の区画。それほどの広さではないうす暗い密室の中央部には半円筒のシステムが一つ置かれていた。それは丁度人一人が寝られる程の大きさで、何時から置かれていたのか表面には埃が積もっていた。

 

 半円筒の傍にあるコンソールに光が灯り幾つかのデーターを読み込むと、半円筒の表面に緑色の光が走って待機状態から目覚める――そして暫くすると半円筒の上面が開いて中から少女が起き上がった。

 

 銀色の髪を短い感じのボブカットの下には金色の目が眠そうに細められて、如何にも億劫そうな表情を浮かべた少女は半円筒の機械の内側に満たされた培養液の雫を掬うと目の前に持ってきてシニカルな笑みを浮かべる。

 

「やっぱり慣れないわね、この感触……」

 

 

 しばらくすると端に手をかけて身体を培養液から立たせると床へと降り、備え付けられたソニック・シャワーで身体に付着した不純物を落とすと、用意してあったインナーと宇宙軍の制服を纏うと秘密の区画より出て行った。

 

 


 

 

 謎の宇宙ステーションへと入港したナデシコ・クルーは『ジャスパー』より提供された中央構造物のデーターから、会談場所に指定された会議室に近い展開式エアロック――ボーディング・ブリッジが使えるかどうかを調べていた。

 

『……エアロックの様式が違う為に使用可能には時間がかかります』

「……やはりか、そうなると作業用のエアロックを使うしかないな」

 

 アゥインの調査結果を聞いたジュンはユリカやルリと協議した結果、中央構造物にある作業員用のエアロック近くまでシャトルで行って直接乗り込む事として円盤部と『ナデシコC』よりそれぞれシャトルが飛び立ち、作業用エアロックに近づく。

 

『……大丈夫、解析できます』

 

 作業用エアロックのコンソールに接続して解析作業に入ったアゥインは、作業用ゆえに簡単な暗号処理しかされていないお陰で比確定簡単にパスワードを解析してエアロックを開ける。

 

 エアロックが開き、アゥインを先頭に複数の宇宙服を着た人間が内部に入る――作業用なので広くスペースが取られており、十名以上の宇宙服を着た人間が入ってもかなりの余裕があった。

 

『エアロック内に空気を注入――空気は十分に呼吸可能です』

『簡易検査によればウイルス等の反応もないです』

 

 宇宙服に装備された簡易測定器を使ってアゥインとノゼアが注入される大気の組成と危険なウイルスのチェックを終わらせると、ほどなくして大気の充填が終わる。

 

 エアロックで宇宙服を脱いだナデシコ・クルーは呼吸可能な空気の中に妙な匂いがする事に顔を顰めるが、長らく休眠状態であろうステーションで呼吸が出来るだけ幸運だと割り切って宇宙基地の通路へと足を踏み入れる――『ジャスパー』の送ってきたメッセージには会談に参加するクルーの指定がされていた。

 

 艦長ミスマル・ユリカとホシノ・ルリ、副長アオイ・ジュンとタカスギ・サブロウタ、科学担当のイネス・フレサンジュ、整備班よりウリバタケと数名、そしてアゥインとノゼアのオペレーター勢が参加を要請されていた。

 

「通路の大きさを見ると、この基地を使用していたのは私達と同じくらいの体格の生命体のようね」

 

 通路を見回しながらイネスは推察するが、周囲の反応は冷淡なものであった――何故なら、この宇宙基地に係留されている宇宙船の船体には船名と所属を表す文字が記載されていたのだ……アルファベットで。最初それに気づいた時、円盤部の艦橋内に奇妙な沈黙が流れた。

 

「……何でこんな異郷の地でアルファベットが存在するんだ? あれはどうみてもプレフィックス・コードだろう?」

「プレフィックス・コード?」

「船名を表すアルファベットの前に『USS』とあっただろう? あれは昔に巨大な海軍力を保持していた国の海軍が、保有する艦船に付けて自国の艦艇であると示した文字だ」

「という事は、この宇宙基地を作ったのは地球人って事?」

 

 困惑するジュンが漏らしたプレフィックス・コードという言葉にミナトが反応するが彼女自身も困惑を隠せない……ペルセウス渦状腕のような人跡未踏の地でアルファベットを使う艦船が存在するのかという疑問に。

 

「……『アルテミス』の言っていた事が現実味を帯びてきたわね」

「……あの平行世界という言葉ですか?」

「私達の世界とは違う歴史を辿った世界――何らかのシンギュラリティ・ポイント(技術的特異点)によって劇的な変化が起こり、こんなペルセウス渦状腕にまで進出出来るほどに技術が進んだ地球人が作った宇宙基地」

「問題は何故そんな宇宙基地が放棄されたのか、ですね」

「皆さん、会議室が見えてきました」

 

 歩きながらこの宇宙基地について会話するイネスとルリの前をパットに会議室への案内図を持ったアゥインが先導する形で歩いていたが、目的地への扉が見えてきたので振り返って告げると一同の表情が引き締る――何時から『ナデシコD』のシステムの中に潜んでいたのか、あるいは最初からかもしれない――重要な局面においてメッセージという形で干渉してきた存在『ジャスパー』――かの存在とようやくまともな話をする機会を得たのだから。

 

 


 

 

 その部屋は比較的小さい部屋であった。室内の中央にはU字のテーブルが置かれて壁には大型のウィンドウと複数の小さなウィンドウが設置されているが、基地自体が休眠状態にある影響か室内に入る自動ドア以外のシステムは動かなかった。

 

「まぁ、空調が効いているだけでも儲け物だけどね」

 

 テーブルに顎を乗せてボヤくノゼアだったが、ジュンの咳払いに慌てて背筋を伸ばした。

 

「えー、えーと。あの覗き魔は、こんなウィンドウしかない部屋を指定して、何をする気なのかな?」

「……まぁ、色々とかくし芸があるようですし、何か理由があるのでしょう」

 

 バカな事をやって注意されている双子の妹をジト目で見ながらも、一応は答えるアゥイン……双子の漫才を見ながら思い思いに談話しているナデシコ・クルーだったが、ルリが指定された時間が近づいてきた事を告げると表情が引き締まる――そして指定された時間となり一同の視線がウィンドウ群に向けられる中、突然に会議室のドアが開いた音がして一同の視線がドアに向けられる――船の方で問題でも起こったのかと訝しむ一同の前に現れたのは、オレンジを基調にした宇宙軍の制服を着た一人の少女であった。

 

 普通の人間には現れない銀色の髪を短めのボブカットに揃えた眠たげな金色の瞳を持つ十代前半と思われる少女の姿を見て、会議室にいた一同は揃って驚きの表情を浮かべる――マシン・チャイルド特有の色彩を持つ少女に見覚えのないクルー達を尻目に、見知らぬ少女は眠たげな表情のまま会議室を横切ってテーブルの開いた席に座ると、席に座るクルー達を見回して話し出した。

 

「この姿では初めまして。私は対人類用のインターフェイスとして『ジャスパー』のよって製造されたアンドロイド――つまり、私が『ジャスパー』だ」

「……ネタはいいから」

「それが分かるとは、流石ノゼアちゃん。そういう訳で私『ジャスパー』が質問に答えるわ」

 

 にっこりと笑う少女『ジャスパー』に対してそっぽを向くノゼア。ユリカとミナトは驚いた表情を浮かべるが、ジュンとルリは視線を鋭くして『ジャスパー』を名乗る少女を見ている――『ナデシコD』のシステムの奥に潜んで、その存在を一切気取らせずに一方的にメッセージを送りつけた謎の『思考体』――そんな存在が肉の身体を持って自分達の前に現れたのだ。

 

 様々な視線を集めた『ジャスパー』は こほんと小さく咳をすると席から立ち上がり、その場にいる一同の視線を集めながら会議室の奥にあるウィンドウの前まで来ると、眠たげな表情のまま口を開いた。

 

「私が何者か色々聞きたい事があるでしょうけど、まずは現状について説明しましょう」

 

 どこかで聞いたような事を言いながら振り返ると、その小さな手でウィンドウを軽く叩く。すると真っ黒だったウィンドウに光が点り、銀河系の姿が映し出される。

 

「……確かここは放棄された施設だったはずだよな」

 

 ボヤくような口調のジュンであったが、どうせ事前に仕掛けたのだろうとスルーする事にした。

 

「まず君達の乗っていた『ナデシコD』は、『ナデシコC』と共同でテンカワ・アキトの身柄の確保を目的とした作戦を実行中に、驚愕の事実を知ったミスマル・ユリカの身体を中心とした謎の現象によって未知の宙域――ペルセウス腕まで飛ばされた、と。ここまでは良いわね?」

 

 『ジャスパー』の説明に併せて映像を変えていくウィンドウに『芸が細かいなぁ』と嘆息するジュンを尻目に、目を半目にしてジト目を送り続けているアィウンとノゼア。『ナデシコD』のシステムに潜み、二人の必死の捜索すら痕跡を掴ませなかった『彼女』に思う所があるのだろう。

 

「今私達が居るペルセウス渦状腕は太陽系を含むオリオン腕に一番近い渦状腕であり、オリオン腕はペルセウス渦状腕の枝とも言われているわね。そして転移したばかりの『ナデシコD』は、現在位置を特定しようとしたけれど難しかった――さて、それは何故アゥインちゃん?」

「……それは恒星のデーターが違っていたから」

「そう、最初は観測からペルセウス渦状腕に転移したかと思ったが、NGC7538などの目に見える目印となる物が違っており、結局は銀河系の中心にあるいて座A*の観測で位置を特定したのよね」

「……NGC7538って?」

 

 首を傾げるユリカに、『ジャスパー』はNGC7538とは星形成領域――星のゆりかごであり、いずれは最大級の恒星に成長すると考えられている宇宙現象であると説明する。

 

「あの時、NGC7538は観測された数値よりずっと小規模でした」

 

 転移した当初を思い出しながら補足するアゥイン。それを聞いた『ジャスパー』は眠たげな目のまま一同を見回すと、確信について話し始めた。

 

「あの時、混乱したユリカ艦長は現実を否定した――テンカワ・アキトが死ぬなんてありえない、と――普通なら現実は変えられず、ユリカ艦長は絶望に沈むしかなかった」

 

 そして『ジャスパー』の視線はユリカに向けられる。

 

「だけど、火星の演算ユニットとダイレクトに接続されたミスマル・ユリカ艦長の思念は、時空間移動しか出来なかったボソン・ジャンプに何らかの変化を及ぼして世界を移動させた」

 

 それがこの世界であると『ジャスパー』は言う。

 

「何らかの変化と言うけれど、時空間移動であるはずのボソン・ジャンプをどうやって平行世界へと転移させたというのかしら?」

「さあ? ホントどうやって『ナデシコD』のデーターを別の世界の演算ユニットに送りつけたのか、皆目見当も付かないよ」

 

 イネスの疑問に、両手を上げるジェスチャーまでしながら小さく首を傾げる『ジャスパー』の姿に、あざとさと共に胡散臭さが倍増したように思える。

 

「まあ周囲の星々の軌道の変化だけでは不満というなら、明確な証拠があるわよ、それも大きいのが」

 

 そう言って『ジャスパー』は指を下へと向ける――彼女が指差したのは床、つまりこの未知の宇宙基地そのものが証拠だと言っているのだ。

 

「……この宇宙基地が?」

「そう、後で宇宙基地の構造を解析してみると良いわ。きっと私達の宇宙には存在しない成分が多々含まれているから」

 

 にやりと笑う『ジャスパー』、そして彼女は小さく咳払いをすると会議室にいる一同を見回した。

 

「さて、平行世界へ転移した証拠として直ぐに挙げられるのはコレくらいね。後はイネスさん辺りが調べてくれるでしょう――では、本題に入りましょうか」

「本題?」

「そう本題――何の為に旧ナデシコ・クルーを集めたのか? 『ナデシコD』とは何なのか? そしてあの『ボーグ』という種族について」

 

 『ジャスパー』の言葉に、会議室に居る一同の顔が引き締まる。

 

「まずは何の為に旧ナデシコ・クルーを集めたのか? それは勿論テンカワ・アキトを救う為。けれど転移前のイネス・フレサンジュの説明にもあった通り、彼の身体は既にボロボロであり、ナノマシンによる負荷は限界にまで来ていた……そんな状態の人間を救うなんて並大抵の方法では無理があった――それこそ死者を蘇生出来る異星人の助力を得たほうがてっとり早い」

「……そんな方法を認める訳がないじゃない!」

 

 『ジャスパー』の物言いに怒りを顕にするミナト……死者を蘇生させる異星人が居るかどうかは別にしても、辛い別れを経験した彼女には死者を冒涜しているとしか思えなかった。

 

「まぁ、普通はそういう反応をするよね――だから次善の策として目を付けたのが『ボーグ』よ。彼らは完全な生命体を目指して優秀な遺伝子や技術を取り入れる種族であり、取り入れる為に用いられるのが『ナノプローグ』と呼ばれる微細な機械ね。これは生命体の体内に入ると免疫システムを抑制して、瞬く間に身体全体を巡って『ボーグ』へと同化する強力なシステム……それこそ古代火星文明のナノマシンすら同化してしまうでしょうね」

「……つまり『ボーグ』を使ってテンカワの奴のナノマシンを無力化しようという訳だ」

「そう、そしてテンカワ・アキトは『ボーグ』に同化されて『ドローン』となった。ならば後は彼を取り戻しさえすれば――」

「アキトの野郎は助かるって訳だな……だが、腑に落ちない事があるんだが?」

 

 会議室に入る前から不機嫌そうな顔をしていたウリバタケ・セイヤは、『ジャスパー』の話が進む度に不機嫌さが増していた。

 

「何でお前はそんなに事情に詳しいんだ? 『ナデシコD』のシステムに潜んでいたにしても、俺達の事に詳しすぎじゃねぇか? しかも、こんな宇宙基地の場所まで知っている――あの『アルテミス』って奴とどんな取引をしたのは知らねぇが、俺達を此処へ連れて来たのはお前だろ?」

 

 鋭い視線のまま、この作戦が始まって以来の疑念が炎となって吐き出される。火星近郊でユーチャリスを補足して以来、想像だにしない異常事態に巻き込まれて人跡未踏の地に飛ばされ、恐るべき異星人に襲われたかと思えば途轍もなく巨大な宇宙船に助けられて、着いた先が地球人の影が見え隠れする宇宙基地……出来過ぎといえばあまりに出来すぎている。

 

「そして何より、あの『ボーグ』って言う化け物に詳しすぎる――まるで事前に遭遇していたかのように、な」

 

 それは多かれ少なかれ誰もが思っていた事であり、大きな疑念となって『ジャスパー』へと向かう。疑念に満ちた幾重もの視線を受けながらも、『ジャスパー』は顔色一つ変えずに肩を竦めてみせてにやりと笑ってみせる――その笑いは禍々しく、『ジャスパー』は半月を描く唇を開いた。

 

「……知りたい?」

 

 




どうも、しがない小説書きのSOULです。

 謎の宇宙基地への導かれたナデシコ・クルーの前に現れた、『ナデシコD』の奥底に潜んでいた『ジャスパー』。彼女の言動はクルーの不信感を払しょくするどころか、より深めた――彼女は何を語るのか?

 次回 第二十八話 部屋の奥で待つ者。

 では、また近いうちに。
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