死神に転職して幻想入りしました ~東方死転職~ 作:生おろしのレンコン
ミコトは布団の中から飛び起きる。
息遣いは荒く、心臓は早く鼓動している。
そんな騒がしさに対し、日差しが窓から差し込み、人の行き交う音に鳥の鳴き声、それ等を感じながら、ミコトは深く深呼吸し、心を落ち着かせる。
だが、頭の中で隠岐奈の言葉が何度も反芻される。
「..一体何なのかさっぱりだが.....出来ることをした方が良いのか?..」
心配事だらけだが、元はと言えば映姫から任せられた仕事、関係あると思わしきこの件を中途半端に放り投げる訳にも行かない。
たが、布団の中で考えるのもどうかと思ったため、とりあえず、汗だくの身体を流そうと布団から出るのだった。
外にある井戸で上半身を流し、これからどうするかについて考える。
隠岐奈が言うには、異変とやらに巻き込まれる..と言うより、その中心人物となってしまうらしい。
どうしてかは分からない。が、確かなのは幻想郷に迷惑を掛けてしまう、という事だ。
「困ったな...まだ幻想郷についても..この身体についても把握しきれてないのに..」
井戸の近くで頭を抱え、そう呟いていると、後ろから慧音の声が聞こえてくる。
「随分悩んでいるようだが、何かあったのか?..良ければ、私が聞いてやらんこともないないが..」
人の手を借りずに事が済めばいいのだが、恐らくそんな簡単には行かないのだろう。
現に、ミコトより遥かに力があり、幻想郷の住人であろう隠岐奈が目の前で消えていったのだ。
ならば今のうちから対策をするべきなのでは?そう思ったミコトは、真剣な顔で慧音に話し始める。
「実は..凄くややこしい話になってしまって...」
そう言ってこれ迄の経緯を話し続ける。
隠岐奈が自分の目の前に現れ、伝言を託して消えていった事、これから起こるであろう異変に注意するべき..等を軽く話した。
それを聞いていた慧音は途中難しい表情を見せながらも、何か考えているようだった。
ミコトが話終わると、慧音は深く頷き、考えがまとまったのか話し始めた。
「成程、そんな事があったのだな...。一先ず、これは私の方から霊夢に伝えておこう。..それに、ミコトはこれから気を抜く事を無いようにしてくれると有難い。ミコトが中心となるなら、必然的にすぐ近くで異変が起きるのだからな。この前のフランドールの様に...。..取り敢えず、私は霊夢の元に行くが、留守番頼んだぞ」
慧音はそう言うと、家の中に戻って行った。
ミコトも慧音の後に続き、留守番の為に居間へと向かうのだった。
慧音が家から出て半刻程、ミコトは家の中にあった書物を読んでいた。
主に幻想郷の成り立ちや歴史について調べており、一体どの様にこの場所が作られたのか、作られた当初の幻想郷はどうなっていたのか、調べていくに連れて理解出来ていった。
忘れない様に、白紙に軽くメモのように書き記す。
遥か昔、この幻想郷と外の世界を隔てる壁、博麗大結界が無かった頃、ここら付近は力が物を言う世界だったようだ。
だが、段々と紫や隠岐奈等の力の強い妖怪や神が秩序を作り上げた。
その為、その秩序に逆らう妖怪達は退治されたようだが、一部妖怪はその力や考え方のあまり、旧地獄と言われる場所で罪人として閉じ込められている。
博麗大結界が完成した後は、月からの使者が来るなど様々な面倒事、所謂異変が起きたが、比較的平和に終わっている。
「ざっとこんなもんか...。調べたとて、役に立つとは限らないが..知識は付けておかないとな。それより..気になるのは罪人についてだな...」
ミコトが調べていて一番気になった場所、旧地獄の罪人について。
特に何の変哲もない事が書かれているのだが、何か引っかかる。
旧地獄については何も知らない筈なのに、知っている様な気がする。
所謂デジャブ、知らない言葉が頭の中で反応してしまう。
だが、ミコトはモヤモヤするのが嫌いなため、更に書物を漁り続けた。
更に一時間程経ち、ざっと目を通す事は出来た。
今は日が丁度真上で腹も空き始めてくる頃合、何か食べる物を買い出しに行かなければ行けなかったミコトは、少し家を空ける事にした。
外に出て、近くにある八百屋で買い物を済ませる。
日差しが降り注ぐ中、家に向かい歩いていたが、その間にも考えを巡らせる。
一体自分を巻き込む異変はどの様なものなのか、何が原因で起こるのか。
そんなことを考えながら歩いていると、何か違和感を感じ、立ち止まる。
「...?寒くなった....?」
足元が冷気に包まれる感覚になる。
試しに後ろに走って戻ってみると、そこは蒸し蒸しとした気温。だが、また問題の場所に戻ると、ひんやりとしている。
ふと顔を上げてみると、森の方角から霧が漂っていた。
冷気の原因はそれのようで、ミコトは一人安心していた。
「何なのかと思えば..ただの気象現象じゃないか....一人警戒して損したな...」
ほっと安堵の息をつき、家に帰る為に森へ背中を向ける。
その瞬間、背後から爆発とも、地震とも取れる音、揺れを響かせた...。
ちょいと失礼、おろしレンコンです。
この東方死転職ですが、筆が段々と落ちてきてしまっております。
まだ設定の方を再度コネコネしている途中なので、いきなり音信不通となる場合があります。
まぁ..このシリーズは自己満なので待つ方は少ないと思いますが...なるべく早めに土台を再構築しておきます。
以上、お知らせでした。