ORS白き皇女は悪堕ちしたい~安価は原作ヒロインの肯定ペンギンでした~ 作:サッドライプ
アインくん先に出してるのになんでムムルちゃんの登場をここまで引き延ばしたんだ作者は……
そこまで脳破壊が書きたかったというのかッ!!?
まあ、うん。
※清楚姫の産卵適正○…人間、精霊、魔族、触手、狂天使、異獣、変異獣、天使、女神、オルク
狂天使シリーズですが、流石に常時腹からホルモン生肉を自給自足してる最グロのあいつを出すつもりはないのでご安心ください。
「わふふ~♪やっぱり子供たちは可愛いのです~」
「ふふっ、本当に。ラムちゃんもこっちおいでー」
『ル゛ル゛ラ゛ー♪』
新生デルピュネの始動より数週間後。エトナで入庫中のベヒモスの飼育車輛――ティアが最初に産卵してからザハークの眷属の幼体達を成育するスペースとして利用されている部屋に、二人の少女の姿があった。
一人は車掌のムムル。灰色の体毛をした
今も喉を鳴らしながらじゃれついてくるケルベロスやマンティコアの幼体達をあやしていて、至るところからもふもふという擬音が聞こえてきそうな毛玉一塊の状態である。
もう一人は医療スタッフにして新生デルピュネの宰相シルヴィア。諸々の処理も落ち着いて―――彼女でなければこんなに早くひと段落などしていないだろうが―――新たに生んだ眷属達と母子の時間を過ごしている。
今は元が人と同じ形であったのが分かる程度に体の大部分“だけ”獣化し(つまり指だの乳房だの微妙に人間そっくりのパーツが散見される)、更に目玉が大量に分裂して眼窩から溢れさせた天使、『狂天使アラキバ』ことコウガちゃんを膝で寝かせ。
『ル゛ル゛ラ゛ー♪ル゛ル゛ラ゛ーラ゛ーラ゛ーラ゛ー♪』
「あ、エースお姉ちゃんの歌ですね!上手ですよーっ」
上半身鈍色の硬質金属、下半身は刺々しい結晶で構成されながら閉ざした瞼から常に血涙が流れている少女型天使、『狂天使ラメエル』ことラムちゃんの妙に耳鳴りがする歌を嬉しそうに聴いていた。
…………なんというか微笑ましさと正気度の落差が酷い絵面だが、別にムムルは隣の光景を意識から除外しているとかそういうことはない。
むしろ時折彼女は、ベヒモスで働き出して以来の付き合いである『医務室の優しいお姉さん』にいたわりと尊敬の眼を向けていた。
処女を強引に奪われて子供まで卵で産まされた時はムムルも強いショックを受けた。しかし日雇い労働者として単純作業でその日暮らししていた自分達姉弟を拾ってくれたアスタがテュポーンへの反乱を決意したと聞いて、戦力としてその恩に報いる為産卵母体となることを受け入れた。そういう意味では、かつて命を救われた恩でティアに献身するシルヴィアとムムルは同じと言える。
だが
(でもシルヴィアさんはあの子達を全然拒絶しなかったのです)
母体となった女の中で一番飼育車輛で幼体達の世話をしているムムルから見ても、彼女がジュデッカやエーテルウィスプなど可愛らしい外見をしている子と異形の仔を差別して接していたことは一度としてない。同じようにあやし、抱き締め、産まれてきたことを祝福してあげていた。
自分に同じことが出来るだろうか、と思う。もし自分が産んだ仔の外見がああだったら、果たして産卵母体を続けられただろうか。
今でこそシルヴィアのあるべき母親の姿を見て、もし自分から異形の仔が産まれても受け入れる決心はしているが、それも実際に起こった時貫けるかは断言出来ないくらいなのだ。
それでも、と懐の狐巫女幼女を高い高いしながらムムルは思う。
自分が母としてシルヴィアに及ばずとも、自分が産んだ仔の母親は当然自分しかいないのだ。そうである以上、これから産む仔も含めて自分なりに精一杯愛情を注いであげたいと思う。
「元気に育つのですよ」
「きゅきゅー?こんっ!」
「ふふっ」
琥珀色の尻尾を上機嫌に揺らしながら、ムムルの面影がある可愛らしい幼女は笑顔で頷く。意味が通じているかは不明だが、祈りのとおり元気であるだけで満足だった。
と、ちょうどその時だった。
『お母様、ムムルさん、すみません』
「あ、ジュデッカ!いらっしゃい」
シルヴィアの最初の子である蒼髪の魔族が飼育部屋の扉をノックし、主の許可と同時に入室する。その美貌は常の艶然とした笑みを保っているが、母親に分かるくらいには緊迫感を全身から漂わせていた。
「―――アルトン軍三個小隊が国境を侵犯。四天将ピアサの姿が確認されています」
「指揮車輛に移動します。ごめんなさいね、また今度」
緊急の報告を受けるなり、甘える子供達を宥めて立ち上がるシルヴィア。反乱前のベヒモスの日常ではほぼ見なかった真剣な表情に、ムムルの気も引き締まる。
「わたしも一緒に行くのです。ケリー、他の仔のお世話、任せたのですよ!」
「がうっ!」
ティア達が対応を話し合っているだろう政庁と通信が繋がる場所に急ぐ二人。気を散らしている余裕はなかったから、廊下の逆方向側に倒れている陰には気付かなかった。
他の男に産まされた子を母親の顔で愛でる初恋の女性と、その男に誑かされて同じように母親の顔をしている大切な姉。治まらない頭の激痛にも構わず彼女らの顔を扉の隙間から無心に覗いていた巨狼が、無音の内にメイドに蹴り飛ばされて倒れていた姿を。
二人の後に続いて、飼育部屋の施錠を確認していたジュデッカだけが彼を一瞥する。
「――ちっ」
言葉もなく、侮蔑の舌打ちを一つだけ。憧れの君の産んだ娘にそんな冷たい感情を投げつけられたアインは。
「………、アレ?」
下腹部に熱くいきり立つ何かを感じていた。
勿論精神耗弱状態の彼にその熱の正体を思考する能力は今はない。
娘でこれなのだから、あの人にそうされたら一体どれほど―――なんて。
…………。
デルピュネから緩衝地帯を挟んで最も近いアルトン公国。
メスキア大陸中央部の山岳地帯に置かれたこの国は対魔族戦争の要衝といえ、峻険な岩山は天然の要害であり魔族の逆侵攻に対する城砦として機能している。逆に言えば補給線の確保も手間であり、これまで神竜族の侵攻は北のニヴェルネ回廊か南のクシナダ公国からというのが常であった。
そして確認されたアルトン軍は僅か数百。精鋭を選って来てはいるのだろうが、武力侵攻と見るには小兵に過ぎる。
それを如何に見るべきか。
「デルピュネの政変を受けての威力偵察。あるいは何らかの交渉の打診でしょうか」
「神竜族が魔竜族相手に交渉の打診?馬鹿な、前者と見るべきだ」
参謀のシルヴィアが相手の思惑を推し量り、対神竜族に関しては協力するとしているテュポーンが可能性の一つを否定する。
「いえ、ピアサがもし私が新生デルピュネの中心に居るという情報を得ているのなら、話し合いを望んでいるのかもしれない」
「アルトン公国って、そういえば……」
一方ティアは確信なさげにそれに反論した。
同じ四天将の娘で将来的に公国を継ぐ同年代の竜姫ということで、ティアとピアサは幼馴染として親交が深い。エリーシスから落ち延びたティアが真っ先に頼ろうとしたのも、先代の急逝により既に国主となっていた彼女の下であったくらいだ―――テュポーンが初対面の
アスタもそのことは当然覚えている。
「仮に向こうの思惑が交渉だったとして、何を話し合うってんだよ?エリーシスの事は聞いた、一緒にガシェルを討ちましょうと言ってくれるってか?」
「それは……」
「仮にピアサ=アルトンがティア姫の親友でも、代替わりしたばかりで四天将としても公王としても彼女の発言力がそこまで高いとは思えません。神竜族の総意を踏まえて動くと認識しておいた方がいいでしょう」
ザハークの指摘とシルヴィアの忠告の通りだ。国も家族も奪われたばかりで一杯一杯になっていた頃ならともかく、ピアサさえ頼れれば光明が見えるなどという楽観はティアも立てていない。ましてテュポーン経由の情報だが、メスキアでは大神官ガシェルの暴虐は伏せられてティア=エリーシスがエデンへの叛逆者であるというのが公式になっているという。
―――でもあの子なら。ずっと親友として過ごして来たピアサなら、ガシェルなんかより自分のことを信じてくれるのではないか。
だって数十年ぶりに再会したシルヴィアですら私の言う事を全部肯定してくれたんだもの……その甘い期待は、仲間や眷属達と共にベヒモスで出撃してアルトン軍と対峙し、一人だけ歩み出て話し合いの姿勢を見せたピアサに応えるまで続いていた。
…………。
「久しぶりね、ピアサ」
「ティアっ!」
同じように軍を静止した状態で、その中間で相対する親友はたった数か月前に会った時と何も変わらなかった。愛嬌のある童顔に浅葱色のツーアップの髪型や低い身長でやや幼く見える容姿。
だが軽やかな純白の羽根を拡げる美しい翼に、紅の軽鎧の腰帯から下げた細剣は確かに四天将に受け継がれる竜装イヴェレン。初陣を終えたティアが改めて見ると、確かな将としての覇気を感じる。
「まずは元気そうで何よりだわ」
「貴女の方こそ……」
こうして今まで感じられなかったことが分かるくらいに、ティアの方には本当に色々なことがあったが、彼女が親友であるという認識は変わらない。ピアサも自分の姿を見て安心したような顔をしてくれているから、互いの友情に曇りはないということでいい筈だ。
「それで、用件を聞きましょうか。ここはもうデルピュネの国内、武装した集団で国境を侵すことがどういうことか、分からない訳ではないでしょう?」
けれど今のティアはデルピュネという国を背負う身だった。背後の自軍を守る意味でも、友誼にかまけた挨拶は最小限に済ませて切り込む。
ピアサもまたそんなティアに憂い顔をして、単刀直入に返した。
「神竜軍には現在、ティアの捕縛命令が出ています。メスキア本国まで出頭してください」
「抹殺命令じゃないのね。まあ公開処刑にした方が色々と都合がいい、ということでしょうけど」
「ティア!!」
事前にテュポーンから聞いていたから驚くようなことではない。だが空虚に笑いながら皮肉を漏らすと、翠竜姫は悲痛な声で訴えかける。
「お願いだから、私も一緒に行きますから、来てください。何かの間違いなんでしょう?ティアが神竜族を裏切るなんてある訳ないっ!」
「私を信じてくれるのねピアサ。ありがとう、でももう私は止まれない」
「そんなことないっ。私が口添えして、エデン様にきちんと釈明して、それで―――」
友を想う気持ち、討つべき敵になって欲しくないと足掻く気持ちに嘘はないのだろう。それは確かに美しい友情と形容すべき言葉だったのかも知れない。
「――――ガシェル様に謝りましょう?エア様の娘であるティアなら、きっと許してくれる筈です」
だが、どんな理由があろうとも。たとえ親友であっても。悪気がなかろうとも。
踏み越えてはならない一線は、確かに存在した。
「そう。あなたはそういうのね」
必死に言葉を繋ぐピアサは、ティアの声が突然熱を無くした平坦なものになったことに気付けない。纏う雰囲気が、睨めつける視線が、まるで友人に対してするものではなくなっていることに気付けない。表情が変わらないせいだろうか。――――感情が振り切れると、やっぱり空虚な笑みしか出て来ないというのは、
家族を、民を、夢を、誇りを、忠誠を、故郷を、幸せを、その全てを踏み躙り奪い去った
誇り高き母は四天将筆頭としてエデンに忠節を尽くしていたのに。あの男は味方面して城に入って騙し討ちしてきた。こちらが大神官の視察受け入れの準備に追われている中、道中の村々で無辜の民を石に変えたその足で。
こちらに非があるというならそれを鳴らすだけの権力をあの男は持っている。なのに一方的な虐殺を仕掛けて来た以上、後ろ暗いことがあるのはあの男の方だ。謝るべきなのは、懺悔して許しを乞うべきはあの男だ。
仇に頭を下げるなど死んでもあり得ない。それはティアに取って不可侵の一線。それを無遠慮に踏み越えて来た『親友』に、復讐姫は叩きつける。
∵WARNING!!∵WARNING!!∵
∵∵∵演算分岐点∵∵∵
【言葉を】ロウ+1
【行動を】カオス+1
【■■を】破滅+2
→【■■を】
∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵
何かが罅割れ、崩れ堕ちる音がした。
『ル゛ル゛ラ゛ー♪ル゛ル゛ラ゛ーラ゛ーラ゛ーラ゛ー♪』
→頭の中でなんか違うもん鳴ってませんかね…?
『狂天使ラメエル』
→可愛い置物。VBLだと強さは登場時期相応なのだが、装備可能アイテムの関係で地味に最高難易度でも師団に残っているツワモノだったりする。
『そういう意味では、かつて命を救われた恩でティアに献身するシルヴィアとムムルは同じと言える』
→邪念を孕んでるって意味では、性癖を満たしている清楚姫とムムルを同じと言うべきでは勿論全くない。
『可愛らしい外見をしている子と異形の仔を差別して接していたことは一度としてない。同じようにあやし、抱き締め、産まれてきたことを祝福してあげていた』
→掲示板で既出のとおり。産まされた仔が異形丸出しのバケモノならそれはそれでおいしい清楚姫。無敵。だがそれはそれとして、振る舞いだけは完全に聖女である。
『娘でこれなのだから、あの人にそうされたら一体どれほど』
→作者はアインくんをどうしたいの……?
『だって数十年ぶりに再会したシルヴィアですら私の言う事を全部肯定してくれたんだもの』
→清楚姫のおかげで親友のピアサへの期待値も原作より大きくなっていた模様。で、その分ティアの一番の地雷をド直球で踏み抜いたほぼ 原 作 そ の ま ま のあのセリフが何を招くかっていうと、ね。
『たった数か月前』
→何百年という寿命を持つ神竜族の時間間隔である。
原作知ってる人はロウ選択肢が全く選ばれない時点で分かってた気もしますが、ピアサはじめカオスルート脱落ヒロイン達の扱いはいちゃいちゃにはなりません。
アインくんの脳破壊(物理)イベントは起こさないので許して!