ORS白き皇女は悪堕ちしたい~安価は原作ヒロインの肯定ペンギンでした~ 作:サッドライプ
エルちゃん味方で敵ネームドもいないプライマルラグーンの攻防を長々とやってもあれなので、次話ぐらいにはメルトセゲル戦に入りたい・・・。
全身を揺さぶられたような酩酊感。
意識が一瞬明滅したかと思えば次の瞬間には全く別の景色が拡がっている。
生命の残骸達が塵となって覆い隠した灰の空から、漆黒の暗幕に宝石を散らしたような星空へ。無数の青い輝きが彩る神秘的な光景に、現実世界へと転移したティア軍の少女達は魅入られた。
「きれい……」
―――たとえその輝きの一つ一つが、一瞬前までの自分達と同じ滅びを宿命付けられた偽物の世界だとしても。
百メートル四方程度の立体に数百億トンの質量が圧縮されたラグーンキューブ。視界に映るだけでも千を超える煌めきの中にそれぞれガシェルの支配するメスキアがあり、滅ぼされるエリーシスがあり、復讐の炎に心を焼かれたティアが居る。その憎悪と悲憤のままに、彼女達は全力で生き抜いている。
たとえ戦いの果てに勝ち残ったとしても『お前の物語は理想の結末に辿り着けなかった』と一方的に断じられ。絶望の中で得た絆も愛情も、自ら産んだ子までも何もかもが無慈悲に電気信号一つで消滅させられるとも知らず。
「そうですね、きれいですよねー♪」
どこまでも虚しく残酷な煌めきを嗤いながら、星々とは似ても似つかない光差さぬ濃紺の眼で少女はただ未来だけを見据えていた。
全てを肯定すると決めた大恩あるお姫様と、長年の宿願を叶えてくれた愛する魔神。悪意のままに導いた覇道に付き合ってくれた家族や仲間達。そして母と慕ってくれる眷属達。彼女らの誰にもそんな結末を見せない為にここまで来たのだから。
欺き、陥れ、踏み躙り、反則的な知識を最大限に悪用し、遂には箱庭を脱して造物主に牙が届く。懸絶した才知と叡智の限りを尽くして進んで来た道程は、ふざけた言動と鮮やかな結果に隠れてはいるが断じて楽でも容易でもなかった。たかが同じ顔と名前をしている者達が居る程度で脇見なんてしていられない。
最後にして最大の難関を踏破すべく、
「観光気分もいいですが、それはこの地を制してからにしましょうね。
―――『進撃せよ』。いつも通り、荒らして侵して切り崩しますよーっ♡」
「「「「於雄押オオオオォォォーーーッッ!!!」」」」
打てば響くような鬨の声が、歴戦の軍勢として母の命令に力強く応えた。
………。
プライマルラグーン――――暗黒の天蓋に覆われた無数のラグーンキューブが浮かぶ球状の世界は、暴走した機械神が理想世界の演算を行う為だけに構築してきた環境である。その機能は
裏を返すと外敵の存在、ましてや
結果として創造の女神は圧倒的な地の利を持ちながら、侵攻するティア軍には制御下の機械兵器を差し向けるという凡手でしか対応できなかった。
演算中枢ルーラーズスパイアを始めとして数々の重要機関を有する、蓮の葉の形をした金属の大地セントラルプレート。ワープアウトしたデルピュネの位置座標から闇に浮かぶ異形の浮遊大陸に辿り着く為には、軍勢を収容した
そこに襲い掛かる、カラフルというよりはサイケデリックな色彩で塗装された金属製の翼持つヒトガタ達。かつて閉ざされる以前の天上の世界に居たとされる神話生物を模した
『で、でりゅ………出ちゃうのぉぉぉ~~~っっ♡♡』
古代文明の技術の集大成という意味では、始祖龍エデンと魔神ザハークがそれに当たる。
始祖龍の口から放たれた閃光が機械天使達の
初撃で敵軍を文字通りの半壊。更に至近の増援のあてを潰した形になったのはシルヴィア達の手腕どうこうと言うよりは、単にメルトセゲルの運用の問題だろう。
「あーあーお粗末というかなんというか。もっと上手く使えば活躍も出来たでしょうに、残念ですねえ」
永久の時を戦火のメスキアで活動していたエル―――ザハークの
が、そこは腐っても創造神。無数の浮遊大陸を生み出すリソースを考えれば、半減したと言っても立ちはだかる
防衛線に到達すると同時、全長数キロの巨躯を誇る始祖龍の周囲いたるところで熾烈な空中戦が火蓋を落とす。
飛行中の始祖龍の背に固定されて運搬されているティア軍では、眷属や竜姫に始祖龍の体毛や表皮組織から生成される神獣達などのうち飛行可能な戦力でしかまともな迎撃手段にならないからだ。
「あわわわ、すっごい揺れてるのです!?」
「ああもう、歯痒いわね……ッ!」
「ここまで来たらぶち抜くしかありません。耐えてください……!」
「シルヴィア姉様も、お気をつけて」
攻撃を受け続ける始祖龍の体表の振動が伝わる
ティア軍の本陣たるベヒモスには当然最も敵の戦力が向けられているが、そこは
それでも攻勢に出られず殻に籠るような戦局は焦れったいものだ。分かっていてもどうしても歯痒い思いを感じてしまう。
とはいえ、これまで破竹の勢いでメスキアもネフティスも蹂躙し浮遊大陸の覇権を掴んだ全
「タッチダウンだ!おら交代選手の登場だぜ!!」
「前哨戦にはちょうどいい。へばった連中は下がっていていいぞ」
セントラルプレート沿岸にダメージこそあるものの始祖龍が到達し着陸したのと同時に、待ちかねた地上戦力達が列車から出撃し、激戦を耐えた空軍に代わって殺到する
「冗談!まだまだまだまだっ、愉しい戦争はこれからじゃないのよメルジーニ!?」
「へっ。ジジイこそ張り切り過ぎて腰やるんじゃねえぜ!?」
戦線突破を支えた主力メンバーも健在で、戦闘の狂奔をそのままに逆襲劇の舞台で暴れ回る。
戦場の勢いは完全に傾いた。………それでなお軍に戦力温存の為の撤退を指示しないのもまた、やはり指揮者がメルトセゲルだからなのだろう。
敵が下手を打つからと言ってティア軍が容赦する理由はない。
そんな殲滅戦に移行し始めた戦線で、飛び切り異彩を放つ存在があった。
「相変わらず、私達が呼ばれる戦場ってキワモノの敵ばっかりよね。今回なんて親玉は創造神だってさ」
「ん。味方も極まってる。えっちい。でも呼ばれたからには頑張るの」
上質の苗床を大陸中からかき集めて、またザハーク自体も戦う度に封印解除と進化したことでかつての四天将に勝るとも劣らぬ強力な眷属が生まれるようになったが、彼女達はとびきりだった。
二房に結んだ銀髪に赤い鎧の少女が太刀を振るう度、幾十もの空間断裂が周囲一帯に顕現して敵だけを同時に両断していく。それをなんとか避けた敵、耐えた敵、なおも動く敵、飛翔する八本の神剣が一切合切寸刻みにしていく。死の八天刃が舞い戻るのは、羽衣を纏った緑髪の幼女に付き従うから。
どこか他の眷属達と異なる魂を瞳の輝きに宿しながらも、強烈無比な斬撃の嵐でもって魔神以上の殲滅数を誇る戦果を魔神解放戦線に捧げる両者だった。
『鋭敏な思考を妖艶な微笑の奥に押し隠して』
→ふざけた言動の割にマンチ思考な「食えない女」。ていうか安価だのなんだのと遊んでるのは大抵「遊びを混ぜても絶対に安全な範囲で」周囲への幻惑の意味合いが多分にあるという、タチの悪い腹黒軍師(ガチ)なORS凄惨姫。誰だこんなのにシルヴィアスペックの頭脳と各種スキル与えたの()
『外的の存在~は想定されていない』
圧倒的な年期の差があるのに竜杯をコントロールできるようになったばかりのガシェル相手に互角に持ち込まれてた時点でほぼほぼラグーンの演算に能力極振りだと思われるメルトセゲルばーさん。
まあ、竜杯ある時点で対抗策が無い相手は即デリート可能だし、昔のヴェリトールに完勝できた程度には防衛システムもすごいの作ってるけど、ロウトゥルールートで造天使軍の運用をほぼエルちゃん頼りだったのからも分かるとおりその辺りは全然まともな戦争の経験がないオリジナルティアなんだなーという感じ。
『で、でりゅ………出ちゃうのぉぉぉ~~~っっ♡♡』
→口から次元砲(ディメンションカノン)が出る。他の意味なんてありませんもの、ええ。
「冗談!まだまだまだまだっ、愉しい戦争はこれからじゃないのよメルジーニ!?」
→レヴィアさん狂奔の牙最大発動中。
『私達が呼ばれる戦場ってキワモノの敵ばっかりよね』
→だって君達下手したら高難易度の二週目終盤まで出番お預けじゃん……。
いや、ホロウで真っ先に鍵ガチャで赤い方落としてみたらゲームバランス崩壊したから残当だけど。
『二房に結んだ銀髪に赤い鎧の少女』
『羽衣を纏った緑髪の幼女』
→みんな大好き最強器兵コンビ。かわいいスサノオちゃんと超かわいいふーあちゃん。ただし戦闘力は凶悪なんてレベルじゃないっていうか場面によってはザハークさん以上。