ORS白き皇女は悪堕ちしたい~安価は原作ヒロインの肯定ペンギンでした~ 作:サッドライプ
「いや、その理屈はおかしい」
作者もそう思う展開が今話ラストにあります。
ORS補正でもなんでもいいのでそういうもんだと流してください。ぶっちゃけ過去最大級に雰囲気だけで書いてます。
せっかく考えたのに一度きりなのもアレなので、オリジナル†竜唱†まつり開催。生暖かい目で閲覧推奨。
旧文明の汚染を色濃く残す結晶領域アストライアは、資源の枯渇が進む浮遊大陸で最もソーマ鉱石の残る大地だったが、神竜族も魔竜族もそこに開発の手を入れようと考えたことはなかった。
理由は至極単純で、踏み入れた者は一切の例外なく帰ってこない死の領域だからだ。
詳細は分からずとも特級の危険が潜伏していることには間違いない。
両陣営とも絶滅戦争を繰り広げている最中なのもあるとはいえ、互いの指導者であるガシェルもヴァジェトも手出し無用を配下に厳命する程度にはリスクに見合わないと判断された場所なのである。
その脅威の正体―――結晶生物ラグナ=イデア。竜杯の制御が『多数決』であるなら、自分に都合のいい『投票者』を増やそうという試みで造られた古代の実験体達。竜杯に認識されるよう人間の脳と魂を持つことを前提にデザインされた生命がまともな製造法な訳もなく、そしてそれらは汚染された大地に適応してより禍々しい進化を遂げた。
そして今、創造神によって闇黒の力を宿し天上の世界の戦場に招かれている。
「硬えっ!!クソうぜえっ!!」
結晶生物達の最大の特徴は、生半可な攻撃では罅一つ入らない硬さ。しかもその硬さが状態変化を拒絶する
熱も酸も毒も呪いも無意味。純粋かつ圧倒的な衝撃力を直撃させて粉砕するか、針の孔を通すような一点集中で急所を貫通するかしか破壊手段がない。
そして歴戦の猛将達といえど易々とそれが出来る相手ではない。
虚ろな泣き顔の少女が中に居るクラゲ型は爆裂を繰り返す魔力球を弾幕のように吐き出し続けるし、ケタケタと狂った笑い声を上げ続ける人面蠍は鋼鉄製の機兵ですら黒曜の鋏で剪断してくる。
わざとらしいアルカイックスマイルを浮かべたドス黒い顔を生やす異形の花がまき散らす光粒。それを吸い込んだ巨躯の魔獣が戦場の只中で酩酊を始め、憤怒の形相の人面竜が踏み潰しながら爪でズタズタに引き裂いていく。
殺戮を本能に刻まれた
「くぅ…ッ!!統率が全く取れていないのがせめてもの救いですね、これはっ」
「黒いラグナ=イデアと
外部干渉を弾く
「最初から投入してこなかった理由がよく分かるわね、まったく!」
エルがこれまで潰してきた造天使達の残骸を操って敵の猛攻に対する使い捨ての壁にし、その壁ごとヴェリトールが重戦斧アスラを叩き付けて結晶達を砕き割る。それでも後続がわらわらと湧いてくるが、レヴィアが絶刀アンドルディースで地形を氷に変えて足並みを乱させた。
冷凍標本にしても力ずくであっさりと抜け出してくる厄介な相手だが、地を這うタイプの異形は地面が氷と雪に変わることで動きが阻害される。入れ代わりに躍り出たザハークとティアがその隙を致命傷に変え、一方でY-MANが浮遊するクラゲ達を狩っていく。
「まずいです、シルヴィア姉様っ」
「ジリ貧ね。物量戦になればこっちの不利だわ」
強化された尖兵相手でも対抗できない訳ではないが、メルトセゲルへの攻撃にまで手が回らない。
攻撃魔術は樹木型の一層硬い結晶生物に阻まれた為、戦場を薄い霧と重力の網で包んで敵の攻撃に干渉・緩和させる役割に回ったヴィーヴルとアスタ。両名の焦った声に対し、揺るがぬ愛らしい声音でシルヴィアが号令を下した。
「やることは最初から変わってません。相手が本気で圧殺しに来る前に一気に仕留める。
―――ブーストします、テュポーンの砲撃と同時に
「冥戒十三騎士が十の指し手、『白の賢姫』が未知を
もはや懐かしい記憶。もう一つの居場所からずっと支えてくれていた悪友たちの思い出を載せて最後の戦いの舞台で『凄惨姫』は詠う。
短杖の先端の宝玉の輝きが周囲を照らし、翠光が竜姫達の力を際限なく増幅させていく。
「心を縛られて自由を失ったボクにもう希望はない。でも生きたい、生きたい、生きたいんだ。道具ですらないお前に消されるなんて真っ平だよ―――潰れろ、不良品」
「このギリギリの戦いっ!!ああっ、最高よ。パパに屈服して良かったわ。
さあもっともっと熱くさせてよ、この氷獄を溶かす程にっ!!」
「大空を裂くは錆びた
「響かせるのは断末魔、眼に刻むのは鮮血の華。絶対零度の傲慢よ、私を喰らい、高みへ至れ……!絶刀アンドルディース!砕け散るまで、
決戦のドームに反響するは魔竜の二重奏。
同じ
「疑問を提示。どこかの
「ひゅー、そりゃ盛大な煽りだぜY-MAN。ま、ごもっともで―――自分の手で掴めなかった『もしも』なんて酒の肴にもなりゃしねえんだ。それとも『完璧な理想の世界』があったらそのティアに成り代わって横から掠め取る気だったのか?
んなクソみてえな独善でオレのもんを奪ってくる奴らがオレは憎くて憎くて仕方ない。お前は違ったのかい、オリジナルのティア=エリーシスさんよォ!?」
「結局お前はガシェルと同じだ。『みんなが笑顔で暮らせる世界』なんて言って、その『みんな』に自分しか入っていないからこんなことになった。
―――理想を騙る歪んだ邪竜、もう夢の時間は……終わりですっ!!」
「最高の男に抱かれて、可愛い子供達と眠る。しょーじきそれ以上の理想なんてわたしは知りません、要りません、異論は一切受け付けません。
はい証明終了。結果なんてとっくに出てるんだから、さっさと退場しなさいよポンコツティアぁっ!!」
「おあいにくさま、私は理想なんてとうに捨てたわ。そんなものにかまけたから母様は国を焼かれて家族を守れなかったのだから。
私の顔で私の家族を奪いに来るお前は性質の悪い冗談でしかない。絶対に守り切ってみせる―――お前とは、違うのよッ!!」
「我、聞くは鋼の駆動。我、視るはエーテルの輝き。唸り、嘶き、魂を燃やせ。其の名はZAN-ENハイパーネオマキシマム。叡智の結晶なりぃぃぃっっっ!」
「我が祈りは正義、汝が崇拝は堕落。いざ神前に、真理の天秤を掲げよ。宝珠カルクス、我は誓う。この世界に遍く清浄を齎すことを!」
「吹き荒ぶ嵐の咆哮は纏ろわぬ死者の狂想曲。我ら総意の下に誓いは一つ。迅雷の轟きを呑み喰らい、天穹を覇せ、イヴェレン!」
「言葉は不要、慈悲は無用、仇なるは万象。血牙槍キシャル、憎悪を糧に全てを闇黒へと塗り潰せ。これこそが神代の終焉!」
続くは堕ちた神竜の四重奏。災厄の魔神に侍る闇の四天将が叛逆のチカラを全開にして解き放つ。白き爆熱が黒造天使達をまとめて消し飛ばし、機械神のファルスレーザーを霧雨が包み込んで散乱させる。
道が開く。
「もはや語るまい。―――これでっ」
「決まりだああぁぁっっ!!」
そして旧き黒龍と覚醒した魔神が肉薄し、膨大な
『深刻なエラーが発生。被害率42%、自己修復機能稼働率低下。ラグーンナンバー138の脅威度を再修正、タスクメモリを自己保存と防衛に再配置―――』
「しぶといわね。さすがあたしの作ったシステムってところかしら?
………さてさて、どうなることか。コマンドプロンプト、ラグーンドライブ・リネーム『エデン』『シルヴィア』」
深傷を負いしかしここからが本番とばかりに、絡みついていたコードの数々を引きちぎりながら飛び立とうとする機械竜。その埋まっていた大穴―――
瞬間、偽りの星天が輝きに染まる。
「な、なんですかこれ……っ!?何が起こってるんですか!?」
エルの困惑も当然だろう。降り注ぐ光がドームを貫き、再度増援として転移召喚されていた黒結晶達や黒造天使達が陽炎のように儚く消えていく。
『エラー……エラー……!メイン・サブ共に応答なし、バックアップ呼び出し不可……!システムメルトセゲル、オールグレー……!?』
機械神ですらその動きを完全に停止する。ドーム外で戦っていたアインやムムルの通信があり、外で戦っていた造天使の軍勢も次々と墜落して沈黙したらしい。
代わりとばかりに六枚羽の正真正銘本物の熾天使達が舞い降り―――ある少女、否、『女神』の下に
「輝けー流星のごとくー。黄金の最強ヒーラー、ハイパームテキシルヴィアでーす。はぁ、やっぱりこうなった……」
「し、シルヴィアなの……?」
不貞腐れた、不機嫌な、投げやりな、そんな平坦口調と裏腹に、どこまでも神々しい装い。足元まで伸びた髪は黄金に輝き、純白の絹を清楚に纏い、黒曜の竜角と竜翼を生やした―――“まるで在りし日の神竜王エデンのような”姿の少女が光来している。
………先ほどアスタがやったことはシンプルだ。
ソースコードが自分の流儀と同一なのをいいことに全
それだけなら単なるちょっとした悪戯にしかならないだろう……シルヴィア=ハマルティアという少女が、生物学的に魔神の眷属という意味での『魔族』であったのなら。
だが彼女は、向けられた信仰により存在がより高みへと昇華していく女神の器。なおかつ向けられた恐怖と憎悪に応じてより凶悪になっていく『魔族』の姫でもある。そう『観測』された異世界のイレギュラーなのだ。
そんな半神半魔の霊格が、億ですら利かない、全
ただ、まあ。大抵の
「
何者にも負けることのない、奇跡だって起こし放題の最強無敵の権能を手にしながら、当の彼女は何故かどこまでも限りなく不本意極まりない様子で叫んでいた。
「硬えっ!!クソうぜえっ!!」
→ラグーンをプレイした全触手達の魂の叫びである。
「コマンドプロンプト、ラグーンドライブ・リネーム『エデン』『シルヴィア』」
→メルトセゲルのOSはマイクロソ○ト製だった……?
『六枚羽の正真正銘本物の熾天使達』
→終盤強ユニットの代表格なのに出番なしはあれなので、ここで無理やり出演。
「輝けー流星のごとくー。黄金の最強ヒーラー、ハイパームテキシルヴィアでーす」
→それでもネタに走るのは忘れない。
「単なるちょっとした悪戯」
→まあ全ての
『生まれる力はそれこそ規格外』
→集めてる信仰だけで5桁か6桁くらい違うので、多分本気おでんとかシャリーア様相手でもワンパン。これなんてぼくの考えた最強(に頭の悪い)ORS。でも触手主人公には負けそうっていうか負けたがっている。
「
→はい、タイトル回収。ティア軍として完全勝利する為には試して損はない策だったし実際もうチェックメイトだけど、清楚姫(光堕ちしてしまった)個人にとっては前話予告通り大敗北である。そりゃ凄惨姫的にはさぞ気が乗らない策だったんだろう。