もしも秋名スピードスターズが北関東最速クラスのチームだったら 作:にしむー
〜週末 秋名山山頂 午後9:00頃〜
健二の180と共に、秋名山を登っていく池谷のS13。普通に走っているだけでそのフィーリングに惚れ惚れする池谷。
今日は樹、拓海も連れてきている。樹は先輩たちと絡みたくて、拓海は池谷がある頼み事をお願いしたくて、共に連れてきていた。そうこうしてる間に、頂上に着いた。
健二「はぁーーー!やっと秋名山でお披露目だぜ、池谷のS13」
池谷「ようやく生まれ変わった俺のS13が、本格的にシェイクダウンだ……!」
樹「楽しみっすよぉ!!池谷先輩の、生まれ変わったS13の走り!!」
拓海「……なんで……俺まで……?」
頂上で軽く談笑した後、いよいよ健二の180と、池谷のS13が走り出す……!
健二「さぁ行くぞ池谷!SR20の底力、今一度見ておけよ!?」
池谷「ふっ、どうかな……俺のS13、前とは全く違うぜ……?そんな大口叩いて、大丈夫なのか……?」
別にバトルするわけではないが、共にランデブー走行をする。もちろん腕や性能が劣っていると、離されたり煽られたりする。
助手席には、樹が池谷のS13に、拓海が健二の180に乗ることになった。
\フォンーーフォンーーーー………フォオーーーーーー/
ゆっくりとクラッチを繋ぎ、走り始める両者。
池谷が先行、健二が後追いする形だ。
そして、アクセル全開……!!
\フォーーーーーーーン/\プシュー/\フォーーーーーーーン/
池谷のS13は、最初のストレートの加速で、健二に追いつかれるどころかむしろ少し突き放している。こんなことは今までにはなかった。
健二「どうなってんだよ池谷!?本当に凄いぞ?お前のS13」
池谷「凄いよS13、なんてスムーズな加速なんだ……!!」
1コーナーである中速コーナーに差し掛かる。もちろんブレーキは何も弄っていないので、ここのフィーリングは変わらない……はずだった………
池谷「ヤバい……いつもよりスピードが乗ってる上に、エンジンかスムーズすぎてエンブレが弱い…………ヤバい……間に合わない……!!」
樹「ヤバいっすよ池谷先輩!!明らかにオーバースピードっすよ!?」
池谷「くっ……ヤバい……!!いや、絶対にクラッシュなんかさせない……!!」
店長や政志の言っていた、『自らの手で愛車に魂を入れる』真価が、このような限界領域において遂に発揮される……!!
後方の、健二擁する180。
健二「おい池谷、いくらなんでも突っ込み過ぎじゃないか?お前にそのスピードで突っ込めるのか??」
拓海「そんなに速いっすか?流して走ってるようにしか見えないっすよ……」
健二「おいおい、本気か拓海!?(本当にすごいな拓海……これで流してるって……)」
池谷は、いつもより速いスピードで1コーナーに進入した。しかし、ここでフィーリングの違いが効果を発揮する……!!
池谷「行っけぇ!!俺のS13!!」
\ギャアアアアア/ \フォン フォン/
池谷「!?……なんだ、これは……!?突っ込める……!!こんなフィーリング、初めてだよ……俺にこんな走りが、出来たのか……!?」
樹「すごいっすよ池谷先輩!!あのオーバースピードでコーナー曲がりきるなんて、流石っすよ!!」
池谷のS13のフロントフェンダーには、池谷の要望通り、事故の後遺症の帳消しを兼ねて、サイドブレースバー、つまりフロントフェンダーの剛性アップのパーツが付いてあるわけだが、それがステアリング操作のダイレクト感を生み出している。
しかし、それだけではない……実は政志が、秋名のハチロクを手掛けたノウハウとして、こっそりS13の足まわりのチューニングを、少し変更していたのだった……!!
\フォン フォン フォアァァーーーーーー/
池谷「!!……抜けた!!あのスピードで、1コーナーを……!!」
健二「やりやがった……池谷……あの突っ込みをコントロールしやがった……あいつ、密かに練習なんかしてなかったよなぁ……?」
偶然ながら、政志の秋名スペシャルのチューニングの神髄を、知らず知らずのうちに感じた池谷。この後も順調に峠を下っていき、徐々に健二の180を突き放していく……
健二「ダメだよ……追いつけない……アイツ人が変わったみたいに速くなりやがった……エンジンが生まれ変わるだけで、こうも走りが変わるもんなのか……?」
拓海「(この人達、これ本気で走ってるのか……?これが普通の人の感覚なのか……?)」
「健二先輩の走り……怖いっす」(下手であるため)
途中でUターンし、再び頂上に戻る。
健二「なんだよ池谷〜!!お前のS13があんなに速くなるなんて、思いもしなかったぜ〜!!」
池谷「確かに俺のS13は速くなった……でも、それだけじゃない気がするんだ……すげえ乗りやすいっていうか……コントロールできるんだよ……フェンダーに剛性アップのパーツ付けてもらったのもあるかもしれないけど……俺の腕も、S13と共に一皮剥けたような気分だよ……」
樹「凄かったっすよ〜さっきの池谷先輩の走り!まるで別人でしたよ!でも不思議といつもより構えなくてよかったんっすよね〜。エンジンもスムーズなのはなんとなく俺でもわかるんっすけど、なんかコーナーもスムーズっていうか」
拓海「(ううっ………怖かったぁ〜!!………でも池谷先輩の走り、なんとなく前と違う………怖くなさそうだった)」
そして、池谷は拓海に本題を切り出す。
池谷「拓海、折り入って頼みがある……」
拓海「どうしたんですか……?あらたまって」
池谷「俺のS13、拓海の運転で、一回俺を横に乗せて走ってくれないか……?」
拓海「うーん……俺、ハチロク以外運転したことないから……自信ないっすよ……あんま速くないと思うんで、横に乗っても意味ないと思いますよ……」
池谷「それでもいい、そこをなんとか頼む、拓海……!!」
拓海「そこまで言うなら……わかりました池谷先輩。でも、ペース落として走りますよ……何にも参考にならないと思いますけど……とりあえず流して走ってみますね」
池谷「ありがとう、拓海、恩に着るぜ」
いよいよ拓海の手によりニューS13が走らされることになった。助手席には池谷が乗る。果たして池谷は、拓海から何かを得ることができるのだろうか……!?