もしも秋名スピードスターズが北関東最速クラスのチームだったら   作:にしむー

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上りで紙コップの水をこぼさないドリフトの走りを、自らの愛車S13で感じた池谷。あまりのレベルの違いに驚くと同時に、S13でも拓海とハチロクと同じような走りができることに気付く。その感覚を忘れないうちに、秋名山の走り込みを開始する池谷だった……!!


Act.15 池谷の覚醒

 

 

 

 

池谷「今日は本当にありがとう、拓海」

 

拓海「いえ、問題ありませんよ。こちらこそ、初めて違う車運転させてもらって、貴重な経験になりました」

 

 

 

 

 

お互いに良い経験となったようだ。

 

さて、ここからが本番。いよいよ池谷が自ら、S13をドライブする。

 

池谷と拓海、運転席と助手席を入れ替わる。

 

拓海による本格レクチャーを受けられると考えてのことだ。

 

 

 

 

 

少し前、拓海は池谷の運転が怖かった。それは、ブレーキングやステアリング操作、アクセルワークがちぐはぐで、あまりにもヘタクソだったからだ。

 

しかし、今回は違う。拓海の横に乗った直後、それに政志による秋名スペシャルの隠しチューニング……今回は拓海にもアドバイスの余地がある。それほどまでには池谷は上達している。

 

そしてそれを、同じく180で健二と樹が追う。

 

 

 

 

 

池谷「よし!気合い入れていくぞぉ!!でも絶対にクラッシュなんかさせないからな……!」

 

拓海「あんまり……無理しないでくださいよ……(怖かったからなぁ〜、この前は)」

 

 

 

 

 

\フォン フォン/\フォオォォォォ/

 

クラッチを繋ぎ、発進する池谷。

 

そしていよいよ、先程と同じようにアクセルを全開にする……!!

 

 

 

 

 

\フォアァァァァァァ/\プシュー/\フォアァァァァァァ/

 

「(最高だよ……このフィーリング……いつまでも感じていたい………)」

 

相変わらずニューCA18のフィーリングに感動する池谷。

 

しかし、そんなこともつかの間、いよいよ中高速の1コーナーに突入する……!!

 

 

 

 

 

池谷「(よし……ここだ……!!)」

 

\フォンンーーーー/\フォンンーーーー/

 

 

 

 

 

ブレーキングしながらヒールアンドトゥをしてシフトダウン。

 

前までの池谷では考えられないほどのレイトブレーキングだ……!!

 

しかし、拓海の感覚に慣れきった今、それをレイトブレーキングとは感じない。これが同乗走行直後に練習をする最大の強みだ。

 

 

 

 

 

\シャアアアアアア/

 

 

 

 

 

コーナー手前からスライドを始め、1コーナーに進入する。

 

今までの池谷では考えられない走りだ。

 

 

 

 

 

\フォン フォン フォオーーーーー/

 

適度なカウンターステアをあてながら、アクセルを軽くポンピングさせてリアに適度に荷重を載せてスライドを安定させた後、パーシャルスロットルで安定姿勢に入る。

 

 

 

 

 

池谷「………!!(よし、ここだ!!)」

 

\フォアアァァァァァーーー/

 

 

 

 

 

見事なタイミングでアクセルを開け、コーナー終了手前で立ち上がり姿勢に入る。

 

そしてアクセル全開、次のストレートへと入った。

 

 

 

 

 

拓海「今の……そこそこ良かったですよ……」

 

池谷「本当か?拓海」

 

拓海「はい……そりゃ、俺に比べたら少しブレーキングが手前だったり、曲がる速度もゆっくりだったりしましたけど……全然怖くなかったです、まだ練習途中だった頃の俺にくらいにはなってますよ」

 

池谷「(やっぱりこれで良かったんだ……方向性は間違ってない……!!)」

 

 

 

 

 

次のコーナーの前に、つかの間の歓喜に浸る池谷。

 

そしてまた次の中高速コーナー。

 

 

 

 

 

\シャアアアアア/

 

再びコーナー手前でS13の姿勢を変える池谷。

 

拓海のドライビングによる車の動きが、身体に染み付いているようだ。

 

 

 

 

 

そしていよいよ、第一ヘアピン……!!

 

池谷「(よっしゃあ!ここで本領発揮だ……!!)」

 

 

 

 

 

今までとは明らかに違う車の動きを見せた。

 

ブレーキングポイントは明らかに奥になっている。

 

荷重を乗せたり抜いたりするのとステアリングの操作のタイミングがピタリと合っている。

 

自由自在とまではいかないが、その素質を見せるようなドライビングだ。

 

 

 

 

 

\キューーーキコキコキコキコ/

 

\フォン フォン フォオオオォォォォォォ/

 

池谷「………!!」

 

 

 

 

 

池谷は、難所の一つである秋名の下りの第一ヘアピンを、見事なブレーキングドリフトで抜けてみせた……!!

 

もちろん、サイドブレーキなど使っていない。純粋なブレーキングドリフトだ。

 

 

 

 

 

拓海「池谷先輩、すごく上達したと思いますよ」

 

池谷「やっぱり、そうなのか……自分でも信じられないんだ……下りと上り一本ずつ、拓海の横に乗らせてもらっただけで、こんなに感覚が身につくとは思わなかったよ」

 

拓海「役に立ったんなら……良かったです」

 

 

 

 

 

この調子で、下りの秋名を攻めていく池谷。

 

一方、180擁する健二と、横に乗る樹は……

 

 

 

 

 

健二「池谷……本当に人が変わりやがったぜ……まるで拓海が走ってるみてぇじゃねぇか!」

 

樹「すげーっすよ池谷先輩!!それに比べて、なにやってるんっすか健二先輩!!」

 

健二「いやあんな技いきなりムリだよ……」

 

 

 

 

 

樹「池谷先輩にできるんだったら、健二先輩にもできるようになるっすよぉ!!」

 

健二「本当かなぁ……今度本当に、池谷が言ってた通り、拓海の運転、横乗りさせてもらおうかな……?」

 

樹「絶対その方がいいっすよぉ!!なんたって、拓海のスーパーダウンヒルっすよぉ!?」

 

健二「そうだな……考えてみるよ……」

 

 

 

 

 





と、この調子で下っていく、池谷のS13と健二の180。

しかしこの後、ハチロクじゃない故に起こる下りでのマシンの変化が、両者のマシンに現れることになる……これが池谷のS13を、後々ダウンヒルスペシャルとしての性格も併せ持つ、超オールラウンドマシンとして仕上がるきっかけになるとは……誰も予想だにしなかった……!!
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