もしも秋名スピードスターズが北関東最速クラスのチームだったら 作:にしむー
………店長が心当たりがあるといった、S13のエンジンの話。
S13の想像以上のダメージに上の空だった池谷も、顔色が変わった。
店長がとある所に電話を掛け、池谷に話しかける。
店長「池谷……朗報だ。おまえのS13、エンジンCA18だったろ」
池谷「ええ……そう…ですけど……」
やや不思議そうな顔をする池谷。
店長「思い通りだ……転がり込んでくるぞ……?とんでもないヤツが……!」
池谷「!?」
固唾を呑む池谷。
その内容とは……?
店長「聞いて驚け!全日本ラリー選手権で使われてた、ブルーバードSSS-Rのエンジンが手に入るかもしれないぞ!?」
池谷「その話、本当ですか!?」
あまりの仰天ニュースに、手の平を返したようにテンションが上がる池谷。
────ブルーバードSSS-Rとは、日産が小型セダン・ブルーバードをベースに開発した、本格的なラリー用マシンである。簡単に言えば、日産版ランエボ・インプのような存在である。奇しくもそのエンジンは、池谷のS13と同じ、CA18なのだ……!
SSS-RのCA18には、イギリスのF1エンジンメーカーでもあるコスワースが製作した鍛造ピストンに、専用のハイカムが組まれている。
さらにそれが、全日本ラリー用にチューニングされているのだ。峠のステージにはもってこいの、ストリートには反則級ともいえるスペシャルエンジンというわけだ……!────
店長「だがもちろんタダで……というわけにはいかない」
池谷「そのエンジン……いくらで譲ってもらえますか……?」
店長「いくらという話じゃない……お金で手に入るような代物じゃないからな……池谷にエンジンの換装作業を手伝ってもらう」
店長「自分の車に自ら魂を吹き込むんだ……お前の気持ちが政志……あぁ、俺の知り合いの車屋のことなんだけどなぁ、そいつにお前の想いがどれだけ伝わるか……それによってどうするか決めさせてもらう。またとないチャンスだぞ池谷、さぁどうする!?」
池谷「やります……いえ、やらせてください!!」
店長「よっぽど惚れ込んでるんだな……あのS13に……お前、一人の女の子をずっと大切にするタイプと見たぞ……?(笑)」
池谷「S13は、俺のパートナー……いや、恋人みたいなものですから……!」
店長「(やはりな……あのSSS-R、政志に話しつけといて正解だったぜ……池谷はそういう奴だって信じてたからな……)」
店長「そしたら池谷、そのエンジンの目処が立ち次第、また連絡する!」
池谷「わかりました!お願いします!!」
全日本ラリー仕様ブルーバードSSS-Rのエンジンが持ち込まれるのは、やはり店長や文太の旧来の知り合い、そして後に秋名のハチロクに搭載されるグループA用の4A-Gを入手することになる、政志の自動車工場だった。
果たして、今後池谷のS13は、どのような復活を遂げるのか……!?
(次話 2022.09.18 17:40 公開予定)