もしも秋名スピードスターズが北関東最速クラスのチームだったら   作:にしむー

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下っていった中里の32GT-Rを、拓海は健二の180で追いかけ、とんでもない動きをさせる。あまりの走りに助手席に乗る健二は、池谷と全く同じ場所で気絶した。そして、あっという間に中里のGT-Rに追い付く。気絶した健二を乗せたまま、拓海は180をドライブしながら興味津々に中里の走りを観察する……


Act.21 ダウンヒルの走り方

 

 

 

 

中里「ふざけんなよ……秋名のハチロクより速い奴が、こんな所にいたのかよ……!!」

 

 

 

 

あまりの速さに、勘違いをする中里。

 

 

 

 

 

拓海は、初めての180なので、これでもペースを落として走っている。全く峠を攻めている自覚はない。タイムを測ると恐らくハチロクでかっ飛ばした時の方が速いだろう。しかし、それでも全開で下る中里のGT-Rに追い付くまでに、拓海の運転技術は洗練されていた。

 

 

 

 

 

中里「高橋啓介を倒したのは、本当はコイツなんじゃねえのか!?同じリトラで勘違いしていたのか……いや、そんなはずはねぇ、この目であのバトルの様子を、俺は見ていた……確かに高橋啓介を煽っていたのは、白と黒のパンダトレノだった……!!」

 

「ダウンヒルなら、FDも180も変わらねェ……突き放してやるぜ……!!」

 

\フォオオオオオオオン/\プシャア/\フォオオオオオオオン/

 

 

 

 

 

テクニカルヘアピンの次は、短い直線の後に中速コーナー、そして同じくらいの直線のあと、直角コーナーが待ち受ける。

 

 

 

 

 

 

拓海「やっぱ直線は早えや、あの車……でも次のコーナーで追いつきそうだな……ちょっと距離開けよう……」

 

健二「ふはぁ〜〜〜」

 

健二は相変わらず気絶したままだ。

 

 

 

 

 

 

一瞬のフルブレーキングの後、中速右コーナーに入る中里のGT-R。

 

エンジンブレーキのみで減速して距離を開けた後、慣性ドリフトで曲がる拓海と180。

 

案の定……

 

 

 

 

 

中里「クソっ……また張り付かれた……どうなってやがんだ……!?俺がS13の時とあの180、何が違うってんだよ……!!」

 

 

 

 

 

次は直角右コーナーだ。ライン取りとブレーキングポイントが難しい。テクニックの差がかなり出る場所だ。

 

 

 

 

 

先程より更に距離が詰まることを見越し、180のアクセルを緩める拓海。

 

中里「舐めてんのかテメェ……俺で遊んでるのか……!?」

 

「R32の底力、見せてやる……!!」

 

しかし、その走り方がダウンヒルに向いていないことに、中里は気づかない。

 

 

 

 

\フォンンンンンン フォンンンンンン/

 

フルブレーキングで一気にスピードを落とす中里。

 

見事なレーシングラインで、直角コーナーをクリアした。

 

しかし、またである……!!

 

 

 

 

 

中里「………!!アイツ……キレてやがる……!!」

 

コーナー脱出後、バックミラーには再び、ピタリと張り付いた180が映し出されていた……!!

 

 

 

 

 

拓海「あの人、相当速いらしいけど……流して走ってるだけなのかな……?」

 

勘違い男が、こちらにももう一人。もっとも、勘違いの仕方が全く違うが……

 

 

 

 

 

健二「ふにゃあ〜〜」

 

そんな事になってるとは全く気づかず気絶し続ける健二。

 

 

 

 

 

その後のコーナーは、キツい勾配で右・左と続くヘアピンだ。

 

そこを抜けると、スケートリンク入り口のある長い全開区間である。

 

 

 

 

 

中里「GT-Rはコーナーでもいけるってことを証明してみせるぜ……!!」

 

一気にフルブレーキング、そしてブレーキをゆっくりリリースしてフロント荷重を残しながらヘアピンを曲がる。出口が見えたら一気にアクセル全開、RB26の底力を見せる。

 

 

 

 

 

後ろから様子を見る拓海。今度こそ本当に流し運転に入り、ドリフトすらさせないようにした。

 

 

 

 

 

中里「フッ……付いてこれねぇだろうが……これがGT-Rという車だぜ……!!」

 

拓海「突っ込みは凄い慎重だけど、立ち上がり加速が凄い車だなぁ……」

 

 

 

 

「でも……操作が少し荒っぽいかも……あんな真っ直ぐブレーキ掛けてちゃあ、前のタイヤが最後まで持たない気がする……」

 

 

 

 

またしても核心を突く拓海。

 

そして、てっきり180が全開走行をしていると勘違いしている中里。

 

 

 

 

次の左ヘアピンも同様に進み、ついに全開区間へ突入した……!!

 

 

 

 

拓海「健二先輩、GT-Rって車、本当にそんなに凄い車なんですか……?」

 

 

 

 

 

 

………返事がない。

 

 

 

 

 

健二の方を向く……

 

 

拓海「あっ……またやっちゃった……俺、やっぱおかしいのかな……?普通にいつも通り走ってただけなんだけどな……」

 

 

結構前から健二は気絶していたが、全く気付かなかった。前を行く車に興味津々だった。

 

 

 

 

 

スケートリンク場前には、丁度折り返せるようなロータリーになっている場所がある。拓海はそこで引き返すことにした。

 

 

 

 

 

 

\フォンンンンンン フォンンンンンン/

 

180を減速させ、ロータリーで向きを変え、スタート地点に戻る拓海。

 

 

 

 

 

中里「フフッ……付いて来れねぇだろうが……所詮この程度さ……」

 

180がてっきり全開で下って来てると思い込み、攻め続ける中里。

 

 

 

 

 

 

秋名山頂上。

 

池谷「おい!180が帰ってきたぞ!!」

 

樹「どうかしたんっすかねぇ?……まっ、まさか健二先輩も……!?」

 

 

 

 

 

 

180、到着。

 

池谷「やっぱり……」

 

樹「安らかな顔っすねぇ……池谷先輩の時と、まるっきり同じっすよぉ……」

 

池谷「俺……こんな事になってたのか……」

 

 

 

 

 

拓海「すみません……またやっちゃいました……」

 

池谷「いや、拓海の走りなら無理もないさ……心構え無しでいきなりあのダウンヒル体験しちゃあ、そりゃこうなるよ……」

 

樹「健二先輩がなるってことは……まさか俺も……!?」

 

池谷「だろうな」

 

樹「ひえぇぇぇぇ!!」

 

池谷「だが、これを乗り越えないと成長はないぞ〜!?」

 

 

 

 

 

樹が愛車を手に入れてからの話になるが、意外にも池谷の予想は、外れることになる。

 

 

 

 

 

その頃、中里は……

 

中里「フッ……俺の勝ちだ……所詮はFRのカニ走り、付いて来れたのは序盤だけだったな……早く降りてこい……GT-Rの実力を嫌というほど諭してやる……!」

 

 

 

 

 

しかし、一向に降りてこない180。

 

 

 

 

 

 

20分は待った。

 

 

 

 

 

 

中里「舐めてんのかコラァ!!バトルしてたんじゃなかったのかァ!?」

 

 

 

 

 

 

 




無事頂上まで戻った180と拓海、健二。そしてバトルしていると勘違いして下まで降りて待ち続けた中里。しかし、中里はこの後、ついに秋名のハチロクへ向けてアクションを起こし始める……!!
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