もしも秋名スピードスターズが北関東最速クラスのチームだったら 作:にしむー
池谷「いらっしゃいませ〜!!(……!!この前の32……)」
突然池谷たちのGSに現れた中里。
中里「おっ、お前昨日の……散々コケにしやがって……!!」
池谷「何のことかサッパリわからねえが、何の用だ!?」
中里「……まぁいい……ガソリンはいらねぇ……」
池谷「(何しに来たんだこいつ……まさか……!?)」
中里「仲間から聞いたんだ……ここのスタンドに来れば、秋名のハチロクのドライバーに会えるってな……」
池谷「くっ……(やはりハチロクに挑戦してきたか……!!)」
中里「ハチロクのドライバーに伝えておいてくれ……俺が秋名のハチロクに勝って、群馬で最速だということを証明してみせるってな……!!」
\バン/ \フォオオオオオオオン/
それだけ言い残して走り去っていった。
そこに秋名のハチロクのドライバーがいるとは知らず……
池谷「拓海、マジになることなんかないからな!S13や180ならまだしも、あのGT-Rって車、ハチロクじゃ相手にならないくらい速い……」
拓海「そうなんですか……?」
池谷「あぁ、今回ばかりはやめておいた方がいい」
拓海「そう……ですか……」
空返事をする拓海。何か決めあぐねているようだ。
〜後日、週末〜
樹「いらっしゃいませ〜っ!!(この前の、黒の32!!)」
中里「この前の返事を聞きに来た……秋名のハチロクの返事は……!?」
樹「もちろんOKですよぉ!!秋名のハチロクは、秋名山じゃ絶対負けないっすよ!!」
ノリで勝手に返事をしてしまった樹。
中里「わかった……今週の土曜夜10時、秋名山の頂上で待っている……!!」
樹「わかりましたぁ!!」
\バン/\フォオオオオオオオン/
その場を立ち去る中里。
樹「ノリで返事しちゃったけど、大丈夫っしょ!!拓海ならやってくれるよぉ!!」
その時は拓海は非番、池谷も休憩中で居なかった。
ところが……
池谷「何ぃ!?中里のバトル、勝手にOKしただとぉ!?マズいよそりゃあ!!」
「拓海の腕をもってすりゃ、S13や180ならどうにかなるかもしれない……だけどハチロクじゃ流石に無理だよ……あんなFRと4WDのいいとこ取りしたようなマシン……ハチロクで勝てるわけないよ……」
樹「マジっすかぁ!?どっ、どうしよう……拓海になんて声掛ければいいんだ……」
しかし、横で聞いていた拓海。
拓海「俺、やめる気ないっすよ……」
池谷「!?」
拓海「昨日、健二先輩の車で、そのGT-Rって車に付いていったんです」
池谷「(やっぱり追いついてたのか……)それで、どうだったんだ!?」
拓海「なんか、本気で走ってないみたいでしたよ……リアタイヤ、全然使ってませんでしたし……ブレーキかけるのも、真っ直ぐ走ってるときにしかしてませんでした」
「だから見てみたいんです……あの人が本気を出したらあの車がどれくらい速くなるのか……そして俺が本当に速いのかどうか……」
池谷「(リアタイヤを使う……?まぁいいや)本気を出してなかったから追いついただけだ、本気を出されちゃあ、いくらお前とハチロクでも、勝ち目ないぞ……!」
拓海「それでもいいっすよ……とにかく知りたいんです、俺がどこまでいけるのか」
池谷「拓海……」
この時拓海は勘違いをしていた。あのとき中里は、本気で走っていた。それに拓海は、流して走らせていた180で、追いつくどころか煽る形になっていたのだ。そして更に、ハチロクのほうが、下りでは総合的に見て180より速い。
と、なんだかんだで当日バトルすることになった拓海。しかし、そこにまさかの障壁が……
夜9時頃。
ハチロクが、ない!
拓海「どうします?池谷先輩の車貸してもらえるなら、バトルしますけど」
池谷「それはダメだ……相手は『秋名のハチロク』に挑戦しに来てるんだ……高橋啓介を破ったハチロクにな……ハチロクに勝たないと、相手は納得しないんだ」
拓海「そういうモンなんですか……」
事情がよく解らない拓海。だが、ハチロクでないとダメだということは解った。
拓海「(なんで今日に限ってハチロクがないんだよ……バカ親父、ハチロク返せ!!)」
夜9時30分頃……ようやく文太が帰ってきた。
拓海「親父、今日この車でバトルすることになったんだ、すぐ乗ってくけど、いいか?」
文太「あぁ……」
拓海「ところで親父……GT-Rって車……そんなに速いのか……?」
文太「あぁ、とんでもなく速えよ……」
拓海「それで、どうなんだ……ハチロクじゃ、勝ち目あるのか……?」
文太「余裕だね……秋名の下りじゃ話になんねぇよ……勝つね」
文太は、秋名の下りでGT-Rに起こり得る事態を、予測していた……
拓海「わかった、行ってくる。ガソリン満タン、約束だからな」
拓海は何か事情ありげな様子だった。
健二「とにかく急がねぇと、間に合わねえぜ!!早く行くぞ!!」
拓海「わかりました」
すぐにその場を後にする。
文太「(ふっ……今度はGT-Rか……勝ってこいよ)」
文太とハチロクが帰ってきて、なんとか時間ギリギリ間に合いそうな拓海。しかし、早とちって責任を取ろうと、秋名山頂上には今回のバトルを申し受けた「張本人」が先に到着していた。いつまで経っても来ないハチロクに、ピリピリしたムードになっていく秋名山と妙義ナイトキッズのメンバー達。果たして、拓海は約束の時間に間に合うのだろうか……!?