もしも秋名スピードスターズが北関東最速クラスのチームだったら   作:にしむー

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中里の秋名のハチロクへの挑戦状を、本人の許可なしに勝手に焚き付けた樹。それが災いして、当日の予定時刻近くにハチロクが文太に使われていた。夜の9時半になり帰ってきた文太。果たして約束の10時に間に合うのだろうか……?


Act.23 本気の勘違い

 

 

 

 

 

\ファン ファン ファアアアアアン/

 

 

 

急いで秋名山に向かう拓海達。

 

健二の180に、池谷か同乗している。

 

 

 

 

一方、秋名山では……

 

 

 

 

\ペェエエエエエン/

 

樹が原付で頂上まで向かっていた。もし拓海が来なかった場合、ナイトキッズの面々に平謝りするつもりでいた。

 

 

 

 

 

夜9時50分。拓海とハチロクは一向に姿を見せない。

段々と妙義ナイトキッズの雰囲気はピリピリとした雰囲気となってきた。

 

 

 

 

中里「あの野郎……いつまで待たせやがる……どこまで人をコケにしたら気が済むんだ……!!」

 

 

 

 

樹「(ヤバイよ……もし拓海が来なかったら俺、どんな顔して謝ればいいんだよォ……謝るだけじゃ済まされないよォ〜!!頼む、来てくれ拓海ぃ〜!!)」

 

 

 

 

そして、約束の時間になった。

 

まだ拓海達は来ていない。

 

樹「(あぁ……終わりだぁ……俺、どんな目に合わされるんだろう……)うう……たのむよ拓海ぃ〜!!来てくれよォ〜!!助けてくれェ〜!!」

 

 

 

 

その時……!!

 

\ファンンンンン/\ファンンンンン/

\キュキュ/

 

聞き慣れたエンジンの音。

 

ヘッドライトに照らされる樹。

 

 

 

 

 

 

拓海「なーにやってんだ樹〜!道路の真ん中でへたり込んで」

 

樹「た、た、…………たうびぃ〜〜(拓海〜〜)!!」

 

拓海「ほーら、轢くぞ轢くぞ!!」\ファン ファン/

 

樹「拓海……本当に来てくれた……ありがとう命の恩人〜!!」

 

拓海「ごめんな、遅くなって」

 

 

 

 

拓海は、やや予定時刻をオーバーしたものの、なんとか中里の元までたどり着くことができた。

 

しかし、安堵しているのもここまでだった……

 

まさかこの後、予想外の展開になろうとは……

 

 

 

 

 

特に、健二の180に……

 

 

 

 

 

中里「まさかお前だったとはな……秋名のハチロクのドライバーが……」

 

拓海「確かに、周りからはそう呼ばれてますけど……」

 

 

 

 

 

しかし、中里の本題はここからだった……

 

中里「それよりもだ……おい、180の貴様……」

 

健二「おっ……オレ……!?」

 

中里「この前のダウンヒルでは散々コケにしやがったな……人をバカにするのもいい加減にしろよ……!!」

 

健二「へぇ…??何のこと……??」

 

 

 

 

あの時の健二の180は、拓海によるドライブだった。そして、健二は第一ヘアピン以降気絶していたので、何のことなのかサッパリわからない……

 

 

 

 

 

中里「すっとぼけるのもいい加減にしろよテメェ……このままだとタダじゃ済まさねぇからな……」

 

「さんざん煽った挙げ句、途中でバトルを止めて逃げやがって……人をイライラさせる天才だな……」

 

健二「へ?へ!?」

 

半ばパニックになる健二。

 

 

 

 

 

拓海「この前、そのGT-Rの後ろ付いていったの、オレですよ」

 

拓海はすべての事情を察知し、間に割って入る。

 

拓海「このワンエイティの持ち主はこの健二先輩なんですけど……気になって少し走らせてみただけなんです。そしたらいつの間にか先輩、助手席で気絶しちゃってて……それで引き返したんです」

 

 

 

 

 

中里「フッ……そういうことだったのか……あれは様子見だったと……(様子見であんな走りができるってのか……!?)」

 

拓海「あの時、カニ走りの時代はもう終わりだって言ってましたよね……その言葉が気になって、本当なのかどうか、試してみたかったんです。ハチロクに乗ってきてなくて、健二先輩のワンエイティを借りたんですよ」

 

中里「(前乗ってたS13とほぼ同じマシンで、あそこまで付いてこれるのかコイツ……)お前、わざわざハチロクで登場して手ェ抜くってのか……!?」

 

拓海「いえ……そういうつもりじゃ……それに多分、慣れてるハチロクのほうが速く走れますよ」

 

中里「何ふざけたこと言ってやがんだ……ハチロクのほうが速いわけないだろう……!!」

 

 

 

 

 

 

啓介「どうかな、それは」

 

 

 

 

 

 

終わらない口論に、まさかの啓介が間に割って入った……!!

 

啓介「おれはコイツとダウンヒルをやって気付いたんだ……数字の性能だけじゃ、ダウンヒルはダメなんだ……峠は奥が深いんだってことを、このハチロクに背後霊のように喰い付かれて、まじまじと見せつけられた。それが、あの結果だ」

 

中里「フッ……そういうことか……それは面白い……サーキットで速いクルマが公道でも最速だってことを証明する時が来たわけだな……今夜このハチロクに勝って、この中里毅が、群馬で最速であるってことを証明してみせるぜ!!」

 

 

 

 

啓介の登場により、なんとか話は丸く収まり、このままハチロクとGT-Rによるバトルに突入することになった。

 

 

 

 

拓海「(見てみたいな……この人の本気)」

 

拓海はまだ勘違いをしている。

 

 

 

 

 

 

スタート地点に止めてある32GT-Rの横にハチロクを止める拓海。この前のバトルで、多少バトル手順の要領は掴んだようだ。

 

中里「勝負は下り一本!いいな!?」

 

拓海「わかりました……」

 

 

 

 

 

池谷「ちょっと待ってくれ!!」

 

 

 

 

 

突然ストップをかける池谷。

 

池谷「拓海の、ハチロクの助手席に、俺を乗せてくれないか……?」

 

 

 

 

 

中里「ウエイトハンデってのか……まだバカにするつもりなのか!?」

 

池谷「そうじゃない!俺、秋名が地元なのに情けないくらい遅いから……このバトルを助手席から見学させてほしいんだ……頼む、この通りだ……!!」

 

 

 

 

 

半ば土下座状態で頼み込む池谷。

 

 

 

 

 

中里「ふっ……そこまで言うんならいいだろう……助手席に人を載せたほうが重量バランスも良くなる……ましてやこの下りだ……バランスが重要になる下りでは、むしろ有利に働くかもしれない……それに、この秋名のハチロクが敗れる瞬間も見れるんだ……特別に許可してやる……!」

 

池谷「恩に着るぜ!」「拓海、いいよな……!?」

 

拓海「構わないですよ……池谷先輩は俺の助手席で気絶しなくなったんで、大丈夫だと思います。それより不思議なんですよ……俺が本当に凄いのか、まだよく解らなくて……池谷先輩、横で色々教えてください」

 

池谷「わかった……できる限りのことはする……!!」

 

 

 

 

 

中里「(助手席で気絶……!?あの180の野郎もそうだったが、こいつらそんなにレベル低いのか……?それとも……!!)」

 

 

 

 

 

中里「高橋啓介!これでお前がバトルした秋名のハチロクとは少し条件が変わる……この条件でもし俺が勝ったとしても、文句なしだ……それでもいいな……!?」

 

啓介「あぁ、構わねぇぜ」

 

 

 

 

 

 

 

 

健二「じゃあ、カウントは俺がとるぜ!」

 

 

 

 

いよいよ中里と、池谷を乗せた秋名のハチロクとのバトルがスタートする……!!

 

 

 

 

健二「スタート5秒前!4、3、2、1、GO!!」

 

 

 

 

\キューキュキュキュキュキュ/\ファアアアアアアア/

 

その時……!!

 

涼介「行くぞ啓介!特等席からこのバトルを見せてやる……!」

 

急いで涼介のFCの助手席に乗り込む啓介。

 

 

 

 

 

ギャラリー1「おいおい!高橋涼介のFCまで飛び出していったぞォ!!」

 

ギャラリー2「このまま群馬最速決定戦になっちまうのか〜!?」

 

 

 




池谷を乗せたハチロクと32GT-Rが飛び出し、それを涼介のFCが追う形となり、バトルはスタートした。このバトルで、拓海のバトルに同乗する池谷が得るものが、後々スピードスターズの大躍進に、大いに繋がっていくのであった……!!
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