もしも秋名スピードスターズが北関東最速クラスのチームだったら   作:にしむー

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秋名のダウンヒルで最もスピードが乗るスケートリンク前の全開区間に差し掛かった3台。ここで中里が一気に仕掛けていく!!しかしその後の中速コーナー区間で32GT-Rの後ろについたハチロクに乗る拓海は、中里の弱点を見抜き、それを池谷に伝えていくことになる……


Act.25 中里、本領発揮

 

 

 

 

 

 

 

全開区間に入り、一気にアクセルを踏み込み全力で加速する中里のGT-R。

 

かなり開いていた拓海との差が、みるみる縮まっていく……!!

 

 

 

 

\フォオオオンンン/

 

 

 

「俺の本気の走りはここからだぜ……!!どこまで付いてこれる……!?」

 

一瞬で拓海を抜き去り、有頂天になる中里。

 

 

 

 

一方……

 

啓介「なぁ兄貴、今回藤原のトレノは……勝てると思うか……?」

 

涼介「あぁ、勝てる、勝算は十分にある」

 

啓介「タイヤか……!?」

 

涼介「あぁ、そうだ、それにブレーキもな」

 

 

 

 

中里の乗るBNR32型のスカイラインGT-R V-Specは、純正から100馬力上乗せで380馬力にまでパワーアップされている。しかしその弱点は、1500kgという重量だ。その重さに加え、超フロントヘビーな重量バランスの悪さもある。

 

 

 

 

拓海の乗るハチロクは、純正でも1トンを切る940kg、さらにそこから軽量化等もされているだろう。ロールケージ等の、重量の増す剛性アップパーツも付いていない。概ね900kgとして考えてもいいだろう。

 

 

 

一方中里は、エンジン以外手を加えていない。それはつまり、重量はハチロクに比べ1.5倍以上、600kgも重いという計算になる。

 

 

 

秋名の急勾配において、これを止めたり曲げたりするのがいかに大変か、容易に想像がつくだろう。

 

 

 

 

更にR32GT-Rの重量バランスは、フロント:リアで、60:40にもなる。フロントタイヤだけで、ハチロクの全重量と同じかそれ以上を支えている計算になる。

 

この下りにおいて、ブレーキングとコーナリングで、GT-Rのフロントタイヤにいかに負荷がかかるかは、想像に容易い。

 

 

 

 

涼介「いよいよ中里が本気を出しやがったな……!!だが、そのペースがいつまで持つか……」

 

啓介「あぁ……」

 

 

 

 

血の上りやすい中里は、一度モードに入ると周りが見えなくなる。そう、それは自らの愛車に対してもだ。

 

 

 

 

 

全開区間で、実に中里の32のスピードメーターは、180km/h近くまで達していた……!!そこからのフルブレーキング!!

 

 

ギャラリー「やべぇ!!GT-Rがものすごいスピードで突っ込んでくるぞォ!!」

 

 

 

 

\キィィィイイイイイイイイイイ/

 

\フォンンンンンン フォンンンンンン/

 

ものすごい速度域から、旋回速度まできっちりブレーキングをする中里。

 

 

 

丁度ここは展望台のところ、ギャラリーの多い場所だ。200km/hにも迫ろうかというほどの速度から、一気にブレーキングする中里の姿は、流石に迫力があったようだ。真っ赤になったブレーキローターを横目に見せて、走り去っていく。

 

 

 

ギャラリー「さすがはGT-R、すげぇブレーキングだ!!ブレーキが真っ赤っ赤になってたぜぇ!!」

 

 

 

 

しかし……

 

ギャラリー「ハチロクが少し遅れてるぞ!!」

 

 

 

 

 

 

 

本当に迫力のあるのはここからだった……!!

 

 

 

ギャラリー「やべぇ!!スライドしながら突っ込んできやがる……!!逃げろォ!!」

 

 

 

 

 

 

だが……

 

 

 

\シャアアアアアアアア/

 

\フォン フォン/\フォオオオオオオオ/

 

 

 

 

見事なレコードラインを描き、とてつもないスピードで突っ込みながら曲がっていくハチロク。

 

 

 

 

 

ギャラリー「なんだよ……アレは……!?まるで神業だぜ……!!」

 

 

 

 

 

続いて高橋涼介のFC。

 

 

 

 

ギャラリー「やべぇ!!FCも来るぞ!!」

 

やはりコーナー手前からマシンをスライドさせる。

 

 

 

 

 

\キューーーキコキコキコキコ/

 

こちらも見事なブレーキングドリフトだ。

 

 

 

 

 

 

\パァアアアアアア/

 

ロータリーエンジン特有のサウンドを轟かせ、さらの峠の奥深くまで走り去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

この辺りを境に、高橋涼介の様子が変わった。

 

 

 

 

啓介「アニキ……さっきから全然喋らねぇ……まさか、本気で走ってるのか……!?」

 

 

かつては赤城の白い彗星と呼ばれ、群馬エリアで伝説的な存在となっていた涼介すらも付いていくのがやっとのペースで、拓海は走っていたのだった……!!

 

 

 

そして、それに反比例するかのように口数が増えてきたのが、32に抜かれた後の拓海だった……

 

 

 

「やっぱりだ……あのドライバー、リアタイヤを使いこなせてない」

 

 

 

 

 




急勾配の秋名を、全力で逃げる中里の32GT-R、それを離れたところから追う拓海と池谷が乗るハチロク、そして更にそれを後ろから見物する高橋兄弟の乗るFC……この後のコーナーが続くセクションで、拓海が核心を付く言葉を次々と発する。果たして中里は拓海にはどう映っているのか……!?
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