もしも秋名スピードスターズが北関東最速クラスのチームだったら 作:にしむー
樹「くぅ〜〜〜!!楽しいぃ〜〜やっぱ峠は楽しいよォ!!」
拓海「そういうもんなのか……?」
自らの手で走りたかった樹に対し、毎日仕事で走らされている拓海。
秋名山の頂上で談笑していると、何やらややこしい連中が顔を出してきた。
S13と、180だ。
モブA「よぉ兄ちゃん、あんた達も走ってるのかい??」
モブB「走るったって、ハチロクだぜ!?今時ハチロクはねぇだろぉ(笑)」
樹「なんだよお前ら!俺の車はハチロクじゃなくて、ハチゴーだよぉ!!」
モブC「聞いたか!?ハチゴーだってよ!!」
モブ一同「ハーーーーっハッハッハッハッ!!ハチロクじゃなくてハチゴー!!笑わせるぜ!!現存してたよかよそんな車!!」
モブA「峠走るんだったら、もっとマシな車に乗ってくるんだな!わかったかガキども!」
\ドッ/
極めつけにハチゴーのタイヤを蹴り、走り去っていった。
モブA「せいぜい、原チャリに煽られねぇように気をつけてくれや!!」
\フォオオオオオオン/\プシュー/\フォオオオオオオン/
走り去っていく2台。
樹「うっ………ううっ…………」
泣きそうな顔をする樹。
しかし、拓海が黙ってはいなかった……!!
拓海「樹、助手席に乗れ!!誰が何と言おうと、樹の大切な車なんだ……この車の本当の限界を、今からみせてやるからな……!!」
助手席に乗る樹。
樹「ううっ……拓海……って、うぁああああああ!!!」
ハチゴーでスピンターンを決めて一気にダウンヒルに入る。
一方、連中は……
\ギィィ/
\キューーキコキコキコ/
モブA「ヒヒッ、やっぱこれだぜぇ」
所詮サイドブレーキドリフトしかできない連中だった。
一方、とんでもないペースで峠を下るハチゴー。
ハチロクと基本的には同じボディの構成なので、乗り味は池谷のS13以上に似ているようだった。
ハチゴーは今、パワーの少ない秋名のハチロクと化していた……!!
樹「ゔぁあああああ!!わかった、わかったよォ!!拓海、もういい、もういいからァ〜!!」
拓海「許せねぇ、あの連中……怖いかもしれないけど、よく見ておけよ樹!!」
拓海はキレていた。キレた時の拓海は誰にも手がつけられなくなる。
そして、前の車のテールランプが見えた……!!
モブC「後から何か速え車が来やがった……俺の180をナメてもらっちゃ困るぜ!?」
スケートリンク前の全開区間。一気に差が広がる。
モブC「なんだァ?消えた……気のせいか……?」
ところが……!!
モブC「………!!!」
全開区間後のS字コーナーをいくつか曲がった瞬間、その車は後ろに張り付いていた……!!
拓海「………!!」
サイドブレーキドリフトしかできない180を、思いっきりアウトからパス!
モブC「うげぇ!!さっきのハチゴーじゃねえか!!一体どんなチューンしてんだよ!?」
ハチゴーはほぼノーマル、格好だけの鋳造アルミホイールを履いているのみに過ぎない。
そして次はすぐ前を行くS13だ。
モブA「何だ……?速いマシンが一台来てたのか………?フッ、チギってやるぜ!!」
しかし、同じ程度の腕では、拓海の前には手も足も出ない。
同乗するモブB「よく見たら後ろの車、さっきのハチゴーっぽいぜ!?」
モブA「んなわけねぇだろ!!ハチゴーがS13についてこれるわけ……」
即座にS13をかわす拓海。
モブA「うげぇーー!!ハチゴーだァ!!ハチロクの間違いじゃねえのか!?」
しかし……全開区間手前のヘアピン……
モブB「でも見ろよ、あのロール……」
モブA「やっぱりあの車……」
モブA・B「ハチゴーだぁあああ!!!」
あまりに動揺し、ガードレールに擦りまくる2台。
そして、戦慄したのかS13と180の連中はその場に車を止める。
モブA「ひょっとして………」
モブB「あいつら……」
モブ一同「幽霊〜〜〜!?!?」
拓海「しっかし何だ?このタイヤ……ちっとも食いつかねぇ」
拓海の腕により振り回されたハチゴーは、ヘタなシルビアを凌駕するほどに速かった。古いタイヤにも関わらずだ。この出来事は樹の記憶に刻み込まれ、後々秋名スピードスターズを大貢献させることに繋がっていくのだった……!!