もしも秋名スピードスターズが北関東最速クラスのチームだったら   作:にしむー

31 / 67
狂気のガムテープデスマッチは、慎吾のクラッシュという形で幕を閉じた。数日後、樹は手に入れたばかりの愛車、ハチゴーを秋名山に持ち込み、初めて峠で走るつもりだった。しかし、そこに余計な連中が現れた……


Act.31 屈辱のハチゴー

 

 

 

 

 

樹「くぅ〜〜〜!!楽しいぃ〜〜やっぱ峠は楽しいよォ!!」

 

拓海「そういうもんなのか……?」

 

 

 

自らの手で走りたかった樹に対し、毎日仕事で走らされている拓海。

 

 

 

 

秋名山の頂上で談笑していると、何やらややこしい連中が顔を出してきた。

 

S13と、180だ。

 

 

 

 

モブA「よぉ兄ちゃん、あんた達も走ってるのかい??」

 

モブB「走るったって、ハチロクだぜ!?今時ハチロクはねぇだろぉ(笑)」

 

 

 

 

樹「なんだよお前ら!俺の車はハチロクじゃなくて、ハチゴーだよぉ!!」

 

 

 

 

モブC「聞いたか!?ハチゴーだってよ!!」

 

モブ一同「ハーーーーっハッハッハッハッ!!ハチロクじゃなくてハチゴー!!笑わせるぜ!!現存してたよかよそんな車!!」

 

 

 

 

モブA「峠走るんだったら、もっとマシな車に乗ってくるんだな!わかったかガキども!」

 

 

 

 

\ドッ/

 

 

 

極めつけにハチゴーのタイヤを蹴り、走り去っていった。

 

 

 

モブA「せいぜい、原チャリに煽られねぇように気をつけてくれや!!」

 

 

 

\フォオオオオオオン/\プシュー/\フォオオオオオオン/

 

 

 

走り去っていく2台。

 

 

 

 

 

樹「うっ………ううっ…………」

 

泣きそうな顔をする樹。

 

しかし、拓海が黙ってはいなかった……!!

 

 

 

 

 

拓海「樹、助手席に乗れ!!誰が何と言おうと、樹の大切な車なんだ……この車の本当の限界を、今からみせてやるからな……!!」

 

 

助手席に乗る樹。

 

 

樹「ううっ……拓海……って、うぁああああああ!!!」

 

 

 

 

 

ハチゴーでスピンターンを決めて一気にダウンヒルに入る。

 

 

 

 

 

一方、連中は……

 

 

\ギィィ/

 

\キューーキコキコキコ/

 

 

 

モブA「ヒヒッ、やっぱこれだぜぇ」

 

 

 

所詮サイドブレーキドリフトしかできない連中だった。

 

 

 

 

 

 

一方、とんでもないペースで峠を下るハチゴー。

 

ハチロクと基本的には同じボディの構成なので、乗り味は池谷のS13以上に似ているようだった。

 

ハチゴーは今、パワーの少ない秋名のハチロクと化していた……!!

 

 

 

 

 

樹「ゔぁあああああ!!わかった、わかったよォ!!拓海、もういい、もういいからァ〜!!」

 

拓海「許せねぇ、あの連中……怖いかもしれないけど、よく見ておけよ樹!!」

 

 

 

 

拓海はキレていた。キレた時の拓海は誰にも手がつけられなくなる。

 

 

 

 

 

そして、前の車のテールランプが見えた……!!

 

 

 

 

 

 

モブC「後から何か速え車が来やがった……俺の180をナメてもらっちゃ困るぜ!?」

 

 

 

 

 

スケートリンク前の全開区間。一気に差が広がる。

 

 

 

 

 

モブC「なんだァ?消えた……気のせいか……?」

 

 

 

 

 

ところが……!!

 

 

 

 

 

モブC「………!!!」

 

 

 

 

全開区間後のS字コーナーをいくつか曲がった瞬間、その車は後ろに張り付いていた……!!

 

 

 

 

拓海「………!!」

 

 

 

 

サイドブレーキドリフトしかできない180を、思いっきりアウトからパス!

 

 

 

 

モブC「うげぇ!!さっきのハチゴーじゃねえか!!一体どんなチューンしてんだよ!?」

 

 

 

 

ハチゴーはほぼノーマル、格好だけの鋳造アルミホイールを履いているのみに過ぎない。

 

 

 

 

そして次はすぐ前を行くS13だ。

 

 

 

 

モブA「何だ……?速いマシンが一台来てたのか………?フッ、チギってやるぜ!!」

 

 

 

 

しかし、同じ程度の腕では、拓海の前には手も足も出ない。

 

 

 

 

同乗するモブB「よく見たら後ろの車、さっきのハチゴーっぽいぜ!?」

 

モブA「んなわけねぇだろ!!ハチゴーがS13についてこれるわけ……」

 

 

 

 

即座にS13をかわす拓海。

 

 

 

 

モブA「うげぇーー!!ハチゴーだァ!!ハチロクの間違いじゃねえのか!?」

 

 

しかし……全開区間手前のヘアピン……

 

 

 

モブB「でも見ろよ、あのロール……」

 

モブA「やっぱりあの車……」

 

モブA・B「ハチゴーだぁあああ!!!」

 

 

 

 

あまりに動揺し、ガードレールに擦りまくる2台。

 

 

 

 

そして、戦慄したのかS13と180の連中はその場に車を止める。

 

 

モブA「ひょっとして………」

 

モブB「あいつら……」

 

 

 

 

モブ一同「幽霊〜〜〜!?!?」

 

 

 

 

 

拓海「しっかし何だ?このタイヤ……ちっとも食いつかねぇ」

 

 

 

 

 




拓海の腕により振り回されたハチゴーは、ヘタなシルビアを凌駕するほどに速かった。古いタイヤにも関わらずだ。この出来事は樹の記憶に刻み込まれ、後々秋名スピードスターズを大貢献させることに繋がっていくのだった……!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。