もしも秋名スピードスターズが北関東最速クラスのチームだったら 作:にしむー
池谷「なぁ、拓海」
拓海「なんですか、池谷先輩」
池谷「拓海って、秋名だけじゃなくて、よその峠も走ったことあるのか?」
拓海「いや……秋名だけですけど」
池谷「(そうか〜まいったなぁ〜)そういや拓海、よその峠、一回走ってみたいとか、そういう気はないか……?」
拓海「うーん………」
池谷「……………!」
拓海の回答をウズウズしながら待つ池谷。
拓海「……ありませんね」
池谷「(ガクッ)そうだよなぁ……」
期待外れというか、思い通りの回答に、おもわずズッこける池谷。そして、池谷は拓海に本題を切り出す。
池谷「拓海、実はお願いがあるんだ」
拓海「何ですか?」
池谷「実は、この前言ってた真子ちゃんが、拓海とバトルしたいって言ってるんだ……この夏で引退しようと考えてるみたいなんだよ……それで、最後の思い出にお前と走ってみたいって、そう言ってるんだ……あの高橋涼介とのバトル、見に来てたんだってよ……頼む!真子ちゃんのお願い、聞いてやってくれ……!!」
拓海「そこまで言うんなら、いいですよ……俺も、自分のテクニックが他の峠でも通用するのか、少し興味湧いてきました」
池谷「ありがとう拓海!恩に着るぜ!!じゃあ、そう伝えとくぜ!!」
拓海「わかりました……」
〜バトル当日、道中にて〜
ハチロクの車内。
樹「おい拓海、お前がいよいよビジターバトルデビューかよォ!!」
拓海「何だ?ビジターバトルって」
樹「何言ってんだよ拓海ィ!相変わらずボケっとしてるなァ!!地元以外の峠で、バトルすることだよォ!!」
拓海「そんなの、わかるわけないだろ……」
樹「とにかく、拓海が秋名以外でバトルするなんて……くぅゥ〜!!ホント拓海、走り屋らしくなってきたよォ!!」
拓海「そういうもんなのか……?」
一方、健二と池谷の乗る180の車内は、少し険悪なムードになっていた……
池谷は、今回のバトルに至ったいきさつを、健二にひと通り話した。しかしその経緯が健二に誤解を生み、剣幕を立てたのだ……
健二「お前、拓海をダシに真子ちゃんを誘おうなんて、どういうつもりだ!?お前、男として最低だぜそんなの……お前がもし本当にそんなマネするんなら……お前とは絶交だ!」
池谷「そういうつもりじゃ………すまねぇ、健二……」
池谷は自信を失っている反面、自分に起こっていることが信じられなくて、半ばパニックに陥っていた。その中で健二にこのように言われたことで、更にわけがわからなくなっていった……
そして、到着。碓氷峠……
???「あんたらが秋名スピードスターズって連中??」
池谷「はい、そうです……あっ……あの、この前はどうもすみませんでした……」
???「もういいよ、そんなの……あんなのしょっちゅうだからね……全く困るのよねぇ、下手なドリフト小僧に道塞がれるの……もうコリゴリなんだよねぇ……でも、そっちのハチロクは違うんでしょ?」
池谷「あぁ、もちろんだ」
真子「ちょっと沙雪!!いきなり突っかかったらダメでしょう!!」
沙雪「あぁ、ごめんごめん、自己紹介がまだだったわ……私は沙雪。真子のナビゲーターとしていつも横に乗ってんの。」
真子「私達インパクトブルーは、二人でひとつだからね……」
池谷「(真子ちゃん……)」
真子本人からインパクトブルーという言葉が出てきて、碓氷最速という実感が湧くと同時に、池谷の中で真子の背中がどんどん遠ざかっていく……
沙雪「そうよ……真子と私のコンビネーションで、碓氷峠を誰よりも速く走るんだからね!!女だからって手ぇ抜いてると、痛い目見るわよ……!!」
沙雪「で、ハチロクのドライバーは……?」
ハチロクの運転席から降りる拓海。
拓海「どうも……」
沙雪「(やだ……若い……しかも……何かかわいい〜!!)あんたが本当にあの高橋涼介を破ったドライバーで間違いないのね?で、名前は?」
拓海「藤原……拓海……」
沙雪「拓海くんって言うのね。いい男じゃない」
拓海「そ、そんな……///」
年上のお姉さんに褒められて、流石に少し赤面する拓海。
樹「おい拓海ィ!!なに赤くなってんだよォ!!これからバトルする相手なんだぜェ!?もっとこう、走り屋らしく、気合入れろよォ!!」
沙雪「そうよ!その子の言う通り、もっとシャキッとしなさいよ!!(不思議な子ね……普段はこんなにボケーっとしてるのに、バトルになるとあの高橋涼介の時みたいに、とんでもない走りをするのね……)」
拓海「あっ……すみません……」
樹「すみません、コイツいつもこんな感じなんですよォ〜」
沙雪「ホント、面白い子よね……」
沙雪「じゃあ、来てもらって早速で悪いけど、バトルについて説明するわ……!!」
そこで、ふと目が合ってしまった「二人」。
池谷「(真子ちゃん……)」
真子「(池谷さん……)」
池谷「あっ……あのっ…………」
真子「…………」
言葉にならない声を出すしかない池谷だった。
この後、沙雪が碓氷独特のバトル方式について説明し、いよいよバトルが始まる……池谷は、真子は、何を思うのか……?そして拓海は、初のビジターバトルをモノにすることができるのか……?いよいよ碓氷峠で、インパクトブルーと秋名のハチロクとのバトルが始まる……!!