もしも秋名スピードスターズが北関東最速クラスのチームだったら   作:にしむー

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池谷は、真子の願いであった秋名のハチロク、拓海との碓氷峠でのバトルを取り付け、拓海と共に碓氷へ向かった。健二は池谷のことを、拓海をダシに真子ちゃんをいい気分にさせようとしていると勘違いし、激昂してしまう。果たして二人の仲はどうなってしまうのか……そんな中、拓海の初めてのビジターバトルが今、幕を開ける……!!


Act.41 ビジターバトル!

 

 

 

 

 

 

沙雪「そしたら、この碓氷峠のバトルについて説明するわね」

 

拓海「コクリ」

 

沙雪「碓氷峠は狭くてツイスティな上に路面も荒れてて横並びのヨーイドンはできないから、先行後追い方式ってバトルをするの。後ろの車が前の車を抜けば後の勝ち、前の車が後ろの車をブッちぎれば前の車の勝ち。バトルの前に、どっちが前後につくか決めるの。あたしらは地元だから、選択権はそっちにあげる。どうする?」

 

 

 

 

拓海「………」

 

 

 

 

少し考えた後、

 

 

 

 

拓海「後ろで」

 

 

 

 

沙雪「本当にそれでいいの?言っとくけどあたいらは並の速さじゃないよ!付いて来れる?」

 

 

 

 

拓海「やってみなくちゃわかんないですけど……それでいきます」

 

 

 

 

沙雪「わかったわ!(うそでしょ?この子初めてのコースで後追い……!?)それじゃあ、最初のコーナーを過ぎたところから全開に突入するわ……気合い入れていきなさいよ!」

 

 

 

 

拓海「わかりました……」

 

 

 

 

沙雪「さぁ真子!あたしらも気合い入れていくよ!!」

 

真子「OK沙雪、私達は碓氷峠を誰よりも速く走るんだからね……!」

 

 

 

 

池谷「(ま……真子ちゃん……)」

 

 

 

 

真子の遠ざかった背中が更に現実味を帯びてきて、顔面蒼白になる池谷。

 

 

 

 

沙雪「じゃあ間髪入れずに行くよ!!初めてのコースで大事なハチロク潰すんじゃないわよ!!」

 

 

 

\バンッ/ 

\バンッ/

 

 

\フォオオオオオ/

\ファアアアアア/

 

 

 

 

いよいよ2台のバトルがスタートに向かった……

 

 

 

 

一方、健二は……

 

健二「(このコース、ちょっと金山に似てるんだよなぁ……俺の腕がどれほど上達したか、ちょっと後ろから付いて行って試してみるか……!)」

 

 

 

\バン/

 

180に乗り込む健二。

 

 

 

\フォン フォン フォオオオオオオ/

 

 

 

 

拓海の少し後ろを、健二が付いていく。

 

 

 

 

そして真子と拓海は1つ目のコーナーを過ぎ、全開に突入する!!

 

 

 

 

 

\フォアアアアアア/\プシュー/\フォアアアアアア/

 

\ファアアアアアアアン/\ファアアアアアアアン/

 

 

 

 

 

後ろからスタートの瞬間を見ていた健二。

 

健二「うお、いよいよおっぱじめやがったぜ……こっちも全開だ……!!」

 

 

 

 

\フォアアアアアア/\プシュー/\フォアアアアアア/

 

 

 

 

 

健二の180は、エアロパーツを装備している。これは、秋名や赤城など比較的高速コースで真価を発揮する。碓氷峠のような低速テクニカルコースでは殆ど作用しない。

 

 

 

 

健二「くそっ……攻めきれねぇ!!」

 

 

 

 

2台の背中が少しずつ離れていく。

 

 

 

 

健二「ウソだろ拓海!?アイツここを初めて走るんだぜ!?一体どうなってんだァ!?」

 

 

 

 

スピードスターズの中では善戦していた健二だったが、流石に真子のペースは恐ろしく速かった。

 

 

 

 

180とシルエイティは、顔が違うだけで基本的には同じ車だ。

 

それで健二はエアロパーツで武装しているにも関わらず、離されてしまった。

 

 

 

 

健二「クッ、くそっ!!俺じゃ力不足だ……頼んだぜ……拓海……」

 

 

 

 

付いていけないと判断し、健二は道を折り返してスタート地点に戻った。

 

 

ほぼ同じ車に負けるとあっては、健二にとって相当な屈辱だった。

 

 

 

 

一方その頃、残された池谷と樹は……

 

樹「なるほど……車の中で、そんな話になってたんですね……」

 

池谷「そうなんだ……俺には真子ちゃんの背中が届かないなんてわかってる……でも、せめて願いだけは叶えてあげたかったんだ……真子ちゃんに言われたことも、どうせ俺なんかには似合わない夢物語だったんだよ……」

 

樹「なーに言ってるんっすか池谷先輩!!あんなかわいい女の人が、池谷先輩にそこまで言うんですよォ!!それが不純かどうかは置いといて、あんな女の人が、普通の男の人にそんなこと言わないっすよォ!!」

 

 

 

 

そこに、健二が帰ってきた。

 

 

 

 

健二「おいおい、なに突っかかってんだ樹は……」

 

池谷「………」

 

樹「池谷先輩ったら、あの真子っていう女の人の気持ち、ちゃんとわかってないみたいなんですよォ!!健二先輩からも何か言ってやって下さいよォ!!」

 

健二「なぁ……池谷……もう一度聞く……お前どういうつもりで拓海をこんな無茶なバトルに付き合わせたんだ……?」

 

池谷「それは……それは……」

 

 

 

 

樹に話した内容と同じことを話す。その後、こう切り出した……

 

池谷「真子ちゃんと会うのは、これで最後にしようと思うんだ」

 

健二「!?」

 

流石に驚く健二。

 

池谷「真子ちゃんに言われたことは、確かに驚いた。でも、俺にはそんなの似合わないよ……俺には真子ちゃんは不釣り合いだ……だからせめて最後に、願いを叶えてあげたかったんだ……そして拓海も、秋名以外でのバトルに興味を持ってくれた……だから、今日のバトルに至ったんだ……下心なんか、全くないよ……むしろ、俺なんかがあんな子と少しだけでも出会えただけで、ラッキーだったんだ……」

 

健二「池谷お前……さっきはすまなかったよ……キツイこと言い過ぎたよ……そこまで考えてたなんて、俺、知らなくて……」

 

池谷「いや、いいんだ……おれにはこれがお似合いだよ」

 

健二「池谷……」

 

 

 

強く責め立てたことを後悔する健二。

 

流石の樹も、なんと声をかけていいのか分からずダンマリしてしまった。

 

 

 

 

 

一方、バトルの方はというと……

 

 

 

 

真子「沙雪、私乗れてない!?」

 

沙雪「そんなことないよ真子!真子の走りは絶好調だよ!!これまでにないってくらいね!あの子が凄すぎるだけよ!アンタはバックミラー見るのやめな!自分の走りに集中して!」

 

真子「わかった……後ろを見てて、速く走れるわけないよね……もうバックミラーなんか、二度と見ない!!」

 

 

 

拓海「………っ!!」

 

\ギャアアアアアアア/

 

 

 

拓海はなんと、碓氷峠最速の走りに、いきなり付いて行ってみせていたのだった……!!

 

 

 




困惑する池谷と真子の関係。そしてまさかの初めての碓氷峠で最速のシルエイティに喰らいつく拓海。果たして、両者の結末は……!?
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