もしも秋名スピードスターズが北関東最速クラスのチームだったら   作:にしむー

45 / 67
池谷は、自分の自信のなさとすれ違いから、とうとう真子の気持ちを受け止めることができなかった。錯乱状態に陥り、碓氷峠を爆速で駆け抜け雄叫びを上げた。この頃から、池谷は人が変わったような走りを見せるようになる。そんな所に、遠方から群馬エリアに偵察に来た「戦闘機」が出現した……!!


Act.45 偵察に来た戦闘機

 

 

 

 

 

樹「ホント俺のハチゴー、上りだと死ぬほど遅えんだよなぁ……」

 

拓海「そうだな……」

 

 

 

 

土曜のバイト上がり、二人でハチゴーに乗って秋名湖までドライブに来ていた樹と拓海。

 

 

 

 

そこに、突如とんでもなく速いマシンが後ろから現れた……!!

 

拓海「おい樹!避けろ!後ろからすごい速い車が来てるぞ!!」

 

樹「うわっ!ホントだ!!」

 

間違えて左端ではなく右側に避ける樹。

 

拓海「おい樹、逆、逆!」

 

 

 

 

 

\フォンンンンン/

 

 

 

 

コンパクトなセダンボディに、大型のリアウイング……

 

まさしくそれは、三菱のランサーエボリューションⅣ、地上の戦闘機と言っても過言ではないマシンだ。

 

 

 

 

好敵手の車として、スバルのインプレッサWRXがいる。これら2台のライバル関係は、数十年前の戦時中まで遡る。

 

当時三菱は、かの有名な戦闘機である零式艦上戦闘機、通称ゼロ戦を、海軍向けに開発した。一方スバル、富士重工業の全身である中島飛行機は、一式戦闘機『隼』を、陸軍に卸していた。それぞれ海軍と陸軍の名戦闘機として、大戦中に第一線で活躍し続けた機体だ。

 

まさしくランサーエボリューションは、その流れをくみ、インプレッサと同じ戦場であるWRCで戦う、まさに現代の戦闘機であった。

 

 

 

 

 

拓海「すっげぇ速え……!!でもあの車……不思議な動きをするな……」

 

樹「げっ!!?ランエボ!!?ここいらでは見たことないマシンだぜェ……コンパクトなボディに、2Lのターボエンジン、そして4WDだぜ……?あんなの反則だよォ……」

 

拓海「(そうか……あの動き……4WD……!!)」

 

 

 

 

 

そうこうしているうちに、秋名湖に到着し、少し原っぱになったところで休憩する2人。

 

ところが、そこには例のランエボが停まっていた……

 

 

 

樹「ヤベェ〜!!さっきの、ランエボだァ〜!!」

 

拓海「気にすることないよ……俺、缶コーヒー買ってくる」

 

 

 

 

一人になる樹。

 

 

 

 

なんとそこに、ランエボのドライバーが樹の方に向かって歩いてきた……ガラの悪そうな、長髪を後ろで括った髪型の人物だ。

 

 

 

 

 

???\コンコン/

 

 

 

 

 

ハチゴーの運転席のウインドウをノックするランエボのドライバー。

 

樹の方「はっ、はぁ〜い(汗)」

 

ウインドウを開ける樹。

 

???「なぁ少年、ちょっと道を聞きてぇんだけどよォ」

 

 

 

 

意外と絡んできたりとかそういう類ではなかった。

 

……かに思われた。

 

 

 

 

樹「それなら、こっちの方が近いっすよォ」

 

???「ありがとよ少年……ところでよォ」

 

 

 

 

ここからが本題だった。

 

 

 

 

???「この秋名で、一番速いドライバーってのは誰だ……?」

 

樹「ひょっとして、秋名のハチロクに挑戦しようと、秋名に……?」

 

 

 

 

しかし、ランエボのドライバーから発せられた言葉は、心外なものだった……

 

 

 

 

 

???「あァ??俺たちがハチロクに挑戦??」

 

???2「クスクスクス」

 

ランエボの助手席に乗るドライバーも失笑する。

 

金色の短髪の頭に、タオルを巻いている。

 

 

 

 

 

???「もっと速い車に乗ってるなら話は別だが、車がハチロクだってよォ……冗談は顔だけにしてくれよ、レビンの少年」

 

樹「お前達……秋名のハチロクのこと……まだ何も知らないくせに……秋名のハチロクは、まだ一度も負けたことがないんだ!!FCにも、FDにも、R32にだって!!」

 

???「へへっ、そりゃあよっぽどヘタな奴が乗ってたんだろう」

 

樹「違うよォ!!どの車も、群馬でトップクラスのドライバーだよ!!」

 

???「ははっ、レベル低いねェ、群馬エリアも」

 

樹「くっ………!!」

 

 

 

 

 

拓海「やめとけ、樹」

 

自販機から帰ってきた拓海が、すかさず止めに入る。

 

 

 

 

 

???2「お前もだ、清次」

 

こちらももう一人の男が止めに入る。

 

 

 

 

???2「悪かったな……ウチのツレは口が悪くてな……俺たちはお前らをけなすつもりはない……そのハチロク、きっと相当な腕だろう」

 

 

 

 

一旦は希望の光が差したかに見えた。が………

 

 

 

 

???2「しかし、車がな……いくらドライバーの腕が優れていても、車がハチロクってのがな……」

 

清次「そういうことだ少年、バトルするなら、もっといいマシンに乗り換えるんだな……ハチロクなんか乗ってる奴ァ、アウトオブ眼中!頼まれたってバトルなんかしねェよ!!」

 

 

 

 

樹「くっ……くくっ………」

 

見たこともない秋名のハチロクをけなされて悔しがる樹。

 

 

 

 

清次「じゃあ行くか、京一」

 

京一「あぁ……」

 

 

 

\バン/

 

\フォオオオオオオ/

 

 

 

 

 

樹「クッソぉおおおお!!!!あのちょんまげ野郎!!!!」

 

拓海「ほら、樹、コーヒー」

 

樹「……っ、あっ、あぁ……サンキュー」

 

拓海「ほっとけばいいよ……あんな奴等……」

 

 

 

 

 

ほとぼりは、一旦醒めた。本人が、気にするな、ほっとけばいい、と言うのだから、急に冷静さを取り戻したのだった。

 

 

 

 

 

一方、道を聞いた後、秋名のダウンヒルの方面へと向かうランエボ。

 

清次「しっかし、なんでハチロクなんだ?バカなのか?群馬エリアの走り屋は……」

 

京一「いや……そんな事はないはずだがな……どうしてなんだ?(FCにも負けたことがないと言ってたな……まさか……涼介……!?一体どういうことなんだ……!?)」

 

 

 

 




この後、秋名のダウンヒルに突入するランエボ。しかし、バックミラーに一台のマシンのヘッドライトが映し出された。黄色いフォグランプに、横長のヘッドライト……一体そのマシンとは……!?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。