もしも秋名スピードスターズが北関東最速クラスのチームだったら   作:にしむー

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ランエボ軍団が秋名に「進駐」してきた際、真っ先に秋名のハチロクで拓海にダウンヒルを走らせる計画を立てた池谷。しかし、拓海は正式にスピードスターズのメンバーというわけではない。そんな中、とうとうそのランエボ軍団は妙義山に進出した。勝負はヒルクライム、妙義ナイトキッズのリーダー、R32GT-Rに乗る中里が相手になる。果たしてその勝負の行方は……!?


Act.48 戦闘機編隊、妙義山雷撃!!

 

 

 

 

〜土曜夜10時、妙義山にて〜

 

 

 

京一「勝負は上り一本、いいな」

 

中里「あぁ……てめぇらみたいなチンケな奴らに、負けるわけにはいかねぇ!!」

 

清次「へへっ、今のうちに余裕こいでるんだな……ランエボの恐ろしさを、嫌というほど見せてやるぜ!!」

 

京一「佐竹、カウントを頼む」

 

佐竹「わかりやした!京一さん」

 

 

 

佐竹とは、後に碓氷峠に出撃するランエボ軍団のメンバーの一人だ。清次には劣るが、ランエボ軍団「エンペラー」の中では実力派の一人だ。

 

 

 

 

佐竹「じゃあ行くぜ……5、4、3、2、1、GO!」

 

 

 

 

\キューキュキュキュキュ/

 

 

いよいよ妙義山でのバトルがスタートした。お互い4WD、スタートの蹴り出しの良さは互角だ。

 

 

ギャラリー1「中里が前だ!!いっけぇ!!」

 

ギャラリー2「あんな下品なランエボ軍団に、ナイトキッズの中里が負けてたまっかぁ!!」

 

 

 

 

慎吾「クソっ……あんな下品なランエボ野郎に、群馬エリアをバカにされて……俺の右手さえ使えりゃあダウンヒルでも……毅、今日だけはお前を応援してやるぜ……!!」

 

 

 

\フォオオオオオオン/\プシュー/\フォオオオオオオン/

 

中里「群馬の砦は、俺が守る……!!」

 

意気込む中里だった……が、しかし……

 

 

 

 

 

 

\ギャアアアアアアア/

 

\フォオオオオオオオ/

 

清次「へっ、峠となったら、GT-Rもオモチャみたいなもんだぜ……峠の王者は、ランエボだァ!!」

 

 

 

 

格の違う走りに、煽られて必死になる中里。しかし、プレッシャーへの弱さとキレやすさが災いし、遂に………

 

 

 

 

中里「くっ……!!」

 

\キュルキュルキュルキュル/

 

 

 

アンダーステアを誘発してしまった。ハイテクな駆動系を持つが故に、立て直しが効かない……そして……!!

 

 

 

 

\バァン!!ガアアアアアア/

 

中里「ガッ!!グワァアアアアアアアアアッ!!」

 

 

 

 

岸壁に激しく車体をヒットさせてしまった。

 

中里「くっ……くっ………クッソォオオオオオオオ!!!!」

 

 

 

 

事実上、エンペラーの清次の勝利に終わった。

 

 

 

 

京一「約束通り、ステッカーを貰おう」

 

慎吾「くっ……」\スッ/

 

京一\カチカチカチ/\パシュッ/

 

 

 

ナイトキッズ一同「っ………!!」

 

 

 

清次\スッ……ペタペタ/「お前らのおかげで、また一つ撃墜マークが増えたぜ……オレのリアウイングが、群馬エリアの負けたチームのステッカーで埋め尽くされる日も、そう遠くはないな……ヘッ」

 

 

 

彼らは、群馬エリアで負かしたチームのステッカーを真っ二つに切り裂いては、メインの戦力である清次のランエボのリアウイングに貼り付けていっていた。昔の戦闘機乗りがやっていた、撃墜マークのようなものだ。

 

 

 

 

慎吾「テメェら……ふざけんじゃねぇぞ……群馬にはもっと速え奴はいっぱいいるんだ……!!」

 

清次「負けたヤツが何を言っても、虚しいもんだなァ……」

 

涼しい顔をして答える清次。

 

 

 

 

京一「帰るぞ、清次」

 

清次「あぁ……」

 

用が済んだら、そそくさと帰るランエボ軍団。

 

 

 

 

\フォン フォン フォオオオオオオ/

\フォオオオオオオ/

\フォオオオオオオ/

 

 

 

 

ランエボ軍団『エンペラー』は、妙義ナイトキッズを「撃墜」し、「撤退」していく。

 

 

かつては卑怯な手を使って勝ちまくっていた慎吾ですら、彼らの蛮行には黙っていられなかった……

 

 

そして遂に翌週、エンペラーは秋名に乗り込んでくることになった。

 

 

 

 

 

〜週明け〜

 

樹「そういや池谷先輩、先週からS13見ないですけど、どうかしたんッスかあ?」

 

池谷「俺達もあのランエボ軍団、黙って見過ごす訳にはいかない……」

 

樹「それは、つまり……」

 

池谷「S13の戦闘力アップだ……拓海にばっかり負担かけさせる訳にはいかない……俺達秋名スピードスターズも、やればできるってことを証明してみせなきゃ……!!」

 

 

 

池谷は、真子との一件があってから、吹っ切れたかのように戦闘力を増した。碓氷峠というとてつもなくツイスティで荒れたコースでの鬼神の走り……あれから全てが変わった。

 

 

 

 

池谷のS13は、文太の旧友、政志の自動車整備工場にあった。

 

政志「あれから随分オーラが増したねぇ、このS13」

 

 

 

政志は長年メカニックを勤め、文太がラリースト(ラリー競技でのドライバー)をやっている時も、絶えずメカニックとして仕事をこなしてきた歴戦の猛者だ。一目見るだけで、ドライバーの腕の練度さえも見抜いてしまう。

 

 

 

 

政志「このタイヤの減り方……あの青年、尋常じゃないくらい進歩してるな……フロントとリアが、きっちりバランスよく減っている……フロントタイヤをこじった形跡もない……そういや文太が、毎日このS13の青年が息子の配達に付き合ってるって言ってたな……その影響か……?」

 

「えっと、今回の内容は……主にブーストアップだな……それ自体は簡単さ……大事なのはそれに付随する作業……吸排気、ECU、そしてパワーアップに付随した足回りの強化だな……ヒルクライムも走れる仕様ってトコかな……?CA18だと、300馬力くらいが妥当かな?だからブースト圧1.5キロ弱ってとこか?」

 

 

 

 

政志の手に掛かれば、ダウンヒルでもヒルクライムでも、秋名スペシャルのマシンが、ちょちょいのちょいで完成してしまう。問題はパーツの確保だ。S13のブーストアップ対応ECUが、エンペラーが秋名に進駐してくるまでに間に合うかどうか……

 

政志「あの池谷って青年……土曜日の3日前には完成させてほしいって言ってたな……何かあるな……?この土曜日」




妙義ナイトキッズがやられ、とうとう来週秋名へ進駐してくるランエボ軍団・エンペラー。拓海がダウンヒルで相手をすることが確定している。では池谷は一体、なぜこんなに急いでS13を仕上げようとしているのか……!?
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