もしも秋名スピードスターズが北関東最速クラスのチームだったら   作:にしむー

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秋名山のハチロクとランエボのバトル、遂にランエボⅣを駆る清次がハチロクの前に出た。しかしこれが仇となり、まさかエンペラーの悪夢の始まりとなるとは、誰も予想だにしていなかった。たった一人の青年を除いては……!!


Act.50 泥沼の秋名山ドッグファイト

 

 

 

 

 

 

清次「へっ……これでハチロクなんざ、はるか彼方だぜ……」

 

 

 

バックミラーを見る清次。だが……!?

 

 

 

清次「……!!お前……何故そこにいる……!?離れるどころか張り付いてやがる……!!」

 

 

 

予想外のハチロクの戦力に、半ばパニックになる清次。

 

 

 

そして終盤。

 

 

 

清次「クッ……タイヤが言うことを聞かねェ……」

 

フロントヘビーなエボⅣのタイヤは、ダウンヒルで酷使されたが故に、タレてまともにグリップしなくなっていた。

 

 

 

 

そして、レッドサンズの二人が待つ終盤のコーナー……!!

 

 

 

 

賢太「ハチロクが後ろだ!!」

 

啓介「フッ……」

 

 

 

 

拓海「よしっ!!ここだっ!!」

 

\ギュイッ/

 

 

 

拓海は、秋名独特のテクニック「溝落とし」を、高難度版の立ち上がり重視で行った。レールに乗ったハチロクは、そのコーナリングを維持したままアクセル全開で立ち上がる。

 

 

 

 

清次「フッ……ここまで来たらもうハチロクに勝ち目はねェ……」

 

 

バックミラーを見る清次。ところが……!?

 

 

清次「あァ!?ハチロクが消えたァ!?」

 

 

ハチロクは、エボⅣの横に並んでいた。バックミラーから見えるわけがないのだ。

 

 

 

啓介「終わりだ……」

 

賢太「啓介さん……このバトル、どうなるんっすか!?」

 

啓介「どうもこうもねぇ……もうあのランエボに抜き返すチャンスはねぇ……」

 

 

 

 

そしてハチロクはエボⅣを抜き去り、そのままゴールした。

 

 

 

 

樹「拓海が……ハチロクが……ランエボに……勝ったァ〜〜!!!!」

 

 

 

ギャラリー全体が歓喜に湧く。秋名のハチロクが、群馬エリアを総ナメにしようとしていたランエボ軍団を、打ち破ったのだ。

 

 

 

しかし、一人だけは違った。急いで愛車に乗り、秋名を下っていく。

 

 

 

 

秋名山のふもと。

 

\ペシッ/

 

京一「俺が何に対して怒っているのか、わかるのか清次」

 

清次「わからねェ……なぜかハチロクが離れねェんだ……」

 

京一「当たり前だ!バックミラーを見るだけで、何が解るんだってんだ!!相手の後ろに付けば、もっと色んなことが解るんだ……」

 

清次「すまねぇ……京一……」

 

京一「いくら悔やんでも、この一敗が消えることはない……気を取り直して、次は赤城に乗り込むぞ……俺のターゲットは最初から高橋涼介だ……アイツさえ倒してしまえば、俺の気は済む……」

 

 

 

 

???「お前らの気が済んだら、それで終わりかよ……!?」

 

 

 

 

一人の青年が立ち上がった。

 

 

 

 

???「いい加減にしろよ……自分らが負けたら、それで終わりか!?そんな腑抜けた連中が、群馬エリアを総ナメなんて、まったく大きな口叩きやがる……群馬エリアも舐められたもんだぜ」

 

 

 

 

いつもなら清次が噛み付いているところだが、京一に叩かれてしみったれている所だ……そんな気力などない。

 

 

 

 

 

???「おい!撃墜マーク野郎!まさか下りで負けたから終わりじゃないだろうな……?お得意のヒルクライムはどうした!?ダウンヒルだけでお手上げか!?」

 

京一「………くっ………てめェ………!!」

 

「(ダメだ……ここでカッとなって下手な真似すりゃあ、墓穴を掘るだけだ……それに清次はこの有様だからな……)」

 

清次「……………」

 

まるで前までの威勢が嘘のような清次。

 

 

 

 

京一「S13の青年、お前の言い分はわかった。だが、生憎なことに清次はこの有様だ……馬鹿なことにタイヤも使い切って、人も車もバトルできそうにない……」

 

 

 

 

その青年の正体は……なんと池谷だった。

 

池谷のS13は、この瞬間のために戦闘力アップを行ったのだ。

 

 

 

 

京一「(清次がダメとなると……)おい、佐竹、お前走れるか!?」

 

佐竹「京一さん直々の指示とありゃア、思い切ってやってやりますよ!!」

 

 

 

 

佐竹は、前も述べた通り、後々碓氷峠へ進駐することになるドライバーだ。

 

 

 

 

京一「ダウンヒルのハチロクほどの戦闘力はないと見ているが……念のため、シミュレーション2で行け」

 

佐竹「わかりやしたァ!!」

 

 

 

 

池谷「シミュレーションだか何だかしらねぇが……さっさと来やがれ……!!もしヒルクライムで俺が負けるようなことがあれば……約束通りステッカーをくれてやる……それでいいな!?」

 

京一「あぁ……(こいつ……この前抜かれた時とは……少し違う……排気音……まさか……!!)」

 

 

 

京一は池谷のS13がパワーアップしていることに気付いた。

 

 

 

 

池谷「(秋名のハチロクを、そして後輩の樹を、散々コケにしやがったお返しだ……ボロボロになるまで叩きのめしてやる……)」

 

池谷はもはや狂気に満ちていた。

 

 

 

 

 

一方、頂上では……

 

ギャラリー1「おい、あのランエボ軍団、今度はヒルクライムでバトルするみてぇだぜ!?」

 

ギャラリー2「まさか……さっき降りてったS13……スピードスターズの池谷か……!?」

 

 

\ざわざわざわ/

 

 

ギャラリーの会話を聞いて、さっきとは一変して騒然とする周囲の人達。

 

 

 

 

池谷「いらねぇのか?お得意のハンディキャップ方式」

 

佐竹「舐めてんのかテメェ!?」

 

京一「挑発に乗るな、佐竹。冷静に行け。こいつに勝てば、少なくとも引き分けに持ち込める。ある意味チャンスなんだ。このS13、相当な腕だ。清次と偵察に行った時、ダウンヒルで一度抜かれてるんだ……気を抜くな」

 

佐竹「あの清次さんが……わかりやした!敵は必ず取ってやりますよ!」

 

 

 

京一「それじゃあカウントを取る……」

 

 

 

 

 




いよいよ、エンペラーへのやりすぎとも言える逆襲に踏み込んだ池谷。もしここまで大口をたたいて負けるようなことがあれば、悪評がたちまち広がってしまう。そんな状況に自ら身を置いた池谷。いよいよ秋名のヒルクライムバトルはスタートする。果たして池谷は、ヒルクライムでエンペラーの鼻をへし折ることができるのだろうか……!?
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