もしも秋名スピードスターズが北関東最速クラスのチームだったら   作:にしむー

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涼介から京一に告げられた、決戦のコース……それは、意外なものだった……だが、京一は、何をたくらんでか、意外な行動に走る。何か引っ掛かるものがあるのだろうか……?



Act.53 京一の挑発

 

 

 

 

 

池谷「いらっしゃいませー!(何……?黒のエボIII……!?)」

 

樹「うわぁ〜!!まさかあの時の……ランエボチーム……!?」

 

 

 

 

 

京一「この前のハチロクのドライバーに会いに来た」

 

池谷「……!!」

 

 

 

 

 

京一は池谷に要件を話す。

 

 

 

池谷「(一体拓海に何する気だ……)」

 

 

 

何やら京一は、拓海に何かを吹き込んでいる。

 

京一「俺の言っている意味が解れば、梅田に来い……言いたいことはそれだけだ」

 

拓海「………」

 

 

 

 

\フォン フォン フォオオオオオオ/

 

 

 

 

拓海に何かを伝えたあと、走り去っていった。

 

 

 

 

池谷「拓海、一体何だったんだ?」

 

拓海「何だかよくわかんないっすけど……『俺の言っている意味が解れば梅田に来い』って言われました……」

 

池谷「あの野郎……ネチネチネチネチと……拓海、気にすることないからな!あんな奴の言う事、従うことないぞ!」

 

拓海「わかってますよ……別に、行く気ないですし……」

 

 

 

 

〜一方、梅田にて〜

 

 

 

 

清次「来ると思うか……あのハチロク」

 

京一「どうだろうな……俺の目論見では、来る確率は、40%くらいだと踏んでいるがな」

 

 

 

京一もそこまで本気で挑発したかったわけではないようだ。来てくれればラッキー、程度に思っていた。しかし……

 

 

 

 

レッドサンズメンバー1「おい……今の、秋名のハチロクじゃないか……!?」

 

レッドサンズメンバー2「間違いない……『藤原とうふ店』って書いた、白と黒のパンダトレノだ……!!」

 

 

 

 

 

そして、その光景を見た者は、他にもいた……

 

 

 

 

賢太「なぜ……アイツが……梅田に……!?」

 

啓介「クソっ……!!エンペラーの奴ら……藤原に何か吹き込みやがったか……!?あいつらめ……」

 

 

 

 

 

そして、梅田のスタート地点であるダムの橋の上で、京一は待っていた……

 

京一「よく来てくれた……歓迎するぜ」

 

清次「!!(なんだアイツ……この前と、目付きがまるで別人のようだぜ……何があった……!!)」

 

 

 

 

そして……

 

京一「楽しく走るための車と、速く走るための車と、何が違うのか、お前に教えてやる……これは講習会(セミナー)だ!!」

 

 

 

 

拓海「…………………!!」

 

いつもにはない別人のような顔付きの拓海。しかし、エンペラーに対して向けられているようではなかった。何かあったのだろうか?

 

 

 

 

ダム湖の橋の上に車を並べる2台。

 

例のように、ハンディキャップ方式だ。

 

 

 

 

そしていよいよ、講習会(セミナー)は幕を開ける……!!

 

 

 

 

\キューキュキュキュキュ/

 

\ファアアアアアアン ファアアアアアアアン/

 

 

 

 

ギャラリーA「ハチロクが飛び出した……!!」

 

ギャラリーB「一体何が始まるってんだ!?」

 

 

 

 

全開でスタートする拓海のハチロク。

 

橋の片端は歩道になっており、沢山のギャラリーやチームのメンバーがいる。

 

 

 

 

橋の直後の1コーナーは、中低速のヘアピン状のコーナーだ。

 

そこに待避所になっている場所があり、そこでも多くの人が見ていた。

 

 

 

 

 

ギャラリーI「やばい!!ハチロクが突っ込んでくるぞ!!オーバースピードだ!!」

 

ギャラリーII「うわぁああああああ!!」

 

 

 

 

 

\ギャアアアアアアア/

 

しかし、とんでもないスピードで、アクセルワークとステアリング操作で、キレた走りで1コーナーをクリアしていった……!!

 

 

 

 

 

清次「アイツの走り……この前とは違う……何かつっかえたモンがあって、そのフラストレーションを吹っ切るかのように、走っていった……俺には、そういう風に見えた……」

 

 

 

 

 

そしてハチロクが1コーナーから消えた直後、京一のエボIIIが動き出す……!!

 

\キュキュキュキュ/

 

\フォオオオオオオ/\パン/\フォオオオオオオ/

 

 

 

 

 

京一も1コーナーへ突っ込んでいく……!!

 

\フォンンンンンン/\パパッ/\フォンンンンンン/

 

 

 

 

 

賢太「そういやあの須藤って奴のランエボ、パンパンとした音と共に変な炎がマフラーから出ますよね……一体何なんっすか……?」

 

啓介「まさか……ミスファイアリングシステム……!?」

 

涼介「いいところに目をつけやがったな……京一……」

 

 

 

 

涼介は続ける。

 

 

 

 

涼介「ミスファイアリングシステムは、ターボラグの大きいハイパワーターボマシンの欠点を帳消しにしてしまう、WRCでも使われているシステムだ……アクセルを抜いた状態でも、わざと燃料を噴射させ、アクセルを踏み込んだ瞬間でもターボが過給できるようにする、つまりターボラグを打ち消すためのシステムだ」

 

賢太「それはつまり……」

 

涼介「4WDのターボマシンは、立ち上がりがとてつもなく速い……そこにターボラグのないレスポンスの良いアクセル……突っ込んで良し、立ち上がって良しの、峠には反則ともいえる、スーパーウェポンになるというわけだ」

 

賢太「そんな……藤原は、そんな奴を相手に、ハチロクで……!?」

 

啓介「一体、あの須藤ってやつ、どういうタイプの走り屋なんだ……!?」

 

涼介「アイツは、極めて合理的な作戦を取ってくるドライバーだ……派手なアクションは好まず、相手の弱点を嫌というほど突いて来る……テクニックが互角な相手なら、相手より有利なマシンを持ち込み、相手の隙を見て、楽に抜き去っていく……今回のバトルもそうだ……ハチロクには不向きの、平坦かつヒルクライムも混合されたコースだ……そういうところに目をつけて挑発を仕掛けるあたりが……良くも悪くも、京一だ……」

 

啓介「アニキにしては、えらく辛辣だな……」

 

涼介「俺は……アイツが嫌いなんだ」

 




何があったのか、拓海は京一の挑発に乗ってしまった。そして、圧倒的に不利な条件を背負い、この梅田まで来てしまった。そして遂に始まってしまった講習会(セミナー)……誰もが絶望的な結末しか思い描くことができなかった……しかし、実は秋名のハチロクは、秘密裏に大化けする計画が進んでいたのだった……!!
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