もしも秋名スピードスターズが北関東最速クラスのチームだったら 作:にしむー
池谷「いらっしゃいませー!(何……?黒のエボIII……!?)」
樹「うわぁ〜!!まさかあの時の……ランエボチーム……!?」
京一「この前のハチロクのドライバーに会いに来た」
池谷「……!!」
京一は池谷に要件を話す。
池谷「(一体拓海に何する気だ……)」
何やら京一は、拓海に何かを吹き込んでいる。
京一「俺の言っている意味が解れば、梅田に来い……言いたいことはそれだけだ」
拓海「………」
\フォン フォン フォオオオオオオ/
拓海に何かを伝えたあと、走り去っていった。
池谷「拓海、一体何だったんだ?」
拓海「何だかよくわかんないっすけど……『俺の言っている意味が解れば梅田に来い』って言われました……」
池谷「あの野郎……ネチネチネチネチと……拓海、気にすることないからな!あんな奴の言う事、従うことないぞ!」
拓海「わかってますよ……別に、行く気ないですし……」
〜一方、梅田にて〜
清次「来ると思うか……あのハチロク」
京一「どうだろうな……俺の目論見では、来る確率は、40%くらいだと踏んでいるがな」
京一もそこまで本気で挑発したかったわけではないようだ。来てくれればラッキー、程度に思っていた。しかし……
レッドサンズメンバー1「おい……今の、秋名のハチロクじゃないか……!?」
レッドサンズメンバー2「間違いない……『藤原とうふ店』って書いた、白と黒のパンダトレノだ……!!」
そして、その光景を見た者は、他にもいた……
賢太「なぜ……アイツが……梅田に……!?」
啓介「クソっ……!!エンペラーの奴ら……藤原に何か吹き込みやがったか……!?あいつらめ……」
そして、梅田のスタート地点であるダムの橋の上で、京一は待っていた……
京一「よく来てくれた……歓迎するぜ」
清次「!!(なんだアイツ……この前と、目付きがまるで別人のようだぜ……何があった……!!)」
そして……
京一「楽しく走るための車と、速く走るための車と、何が違うのか、お前に教えてやる……これは講習会(セミナー)だ!!」
拓海「…………………!!」
いつもにはない別人のような顔付きの拓海。しかし、エンペラーに対して向けられているようではなかった。何かあったのだろうか?
ダム湖の橋の上に車を並べる2台。
例のように、ハンディキャップ方式だ。
そしていよいよ、講習会(セミナー)は幕を開ける……!!
\キューキュキュキュキュ/
\ファアアアアアアン ファアアアアアアアン/
ギャラリーA「ハチロクが飛び出した……!!」
ギャラリーB「一体何が始まるってんだ!?」
全開でスタートする拓海のハチロク。
橋の片端は歩道になっており、沢山のギャラリーやチームのメンバーがいる。
橋の直後の1コーナーは、中低速のヘアピン状のコーナーだ。
そこに待避所になっている場所があり、そこでも多くの人が見ていた。
ギャラリーI「やばい!!ハチロクが突っ込んでくるぞ!!オーバースピードだ!!」
ギャラリーII「うわぁああああああ!!」
\ギャアアアアアアア/
しかし、とんでもないスピードで、アクセルワークとステアリング操作で、キレた走りで1コーナーをクリアしていった……!!
清次「アイツの走り……この前とは違う……何かつっかえたモンがあって、そのフラストレーションを吹っ切るかのように、走っていった……俺には、そういう風に見えた……」
そしてハチロクが1コーナーから消えた直後、京一のエボIIIが動き出す……!!
\キュキュキュキュ/
\フォオオオオオオ/\パン/\フォオオオオオオ/
京一も1コーナーへ突っ込んでいく……!!
\フォンンンンンン/\パパッ/\フォンンンンンン/
賢太「そういやあの須藤って奴のランエボ、パンパンとした音と共に変な炎がマフラーから出ますよね……一体何なんっすか……?」
啓介「まさか……ミスファイアリングシステム……!?」
涼介「いいところに目をつけやがったな……京一……」
涼介は続ける。
涼介「ミスファイアリングシステムは、ターボラグの大きいハイパワーターボマシンの欠点を帳消しにしてしまう、WRCでも使われているシステムだ……アクセルを抜いた状態でも、わざと燃料を噴射させ、アクセルを踏み込んだ瞬間でもターボが過給できるようにする、つまりターボラグを打ち消すためのシステムだ」
賢太「それはつまり……」
涼介「4WDのターボマシンは、立ち上がりがとてつもなく速い……そこにターボラグのないレスポンスの良いアクセル……突っ込んで良し、立ち上がって良しの、峠には反則ともいえる、スーパーウェポンになるというわけだ」
賢太「そんな……藤原は、そんな奴を相手に、ハチロクで……!?」
啓介「一体、あの須藤ってやつ、どういうタイプの走り屋なんだ……!?」
涼介「アイツは、極めて合理的な作戦を取ってくるドライバーだ……派手なアクションは好まず、相手の弱点を嫌というほど突いて来る……テクニックが互角な相手なら、相手より有利なマシンを持ち込み、相手の隙を見て、楽に抜き去っていく……今回のバトルもそうだ……ハチロクには不向きの、平坦かつヒルクライムも混合されたコースだ……そういうところに目をつけて挑発を仕掛けるあたりが……良くも悪くも、京一だ……」
啓介「アニキにしては、えらく辛辣だな……」
涼介「俺は……アイツが嫌いなんだ」
何があったのか、拓海は京一の挑発に乗ってしまった。そして、圧倒的に不利な条件を背負い、この梅田まで来てしまった。そして遂に始まってしまった講習会(セミナー)……誰もが絶望的な結末しか思い描くことができなかった……しかし、実は秋名のハチロクは、秘密裏に大化けする計画が進んでいたのだった……!!