もしも秋名スピードスターズが北関東最速クラスのチームだったら   作:にしむー

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(更新、長らくお待たせして申し訳ありません。筆者より)



桐生・梅田でブローしてしまったハチロクを載せた積載車は、拓海たちの地元・渋川方面へと向かった。国道を進み、遂に積載車とハチロクは家まで帰ってきた。


Act.57 政志の思惑

 

 

 

 

 

文太「よし、お前はここで降りろ……今日ぐらいはゆっくり寝て休んどけ」

 

拓海「お、おい……ハチロクは降ろさないのかよ……?」

 

文太「あのなぁ……エンジンぶっ壊れた車、こんなとこに置いててもしょうがないだろう……」

 

拓海「………」

 

 

 

 

 

拓海は、ここでハチロクと最後のお別れになる……そう思って、積載車から降りて立ち尽くす。

 

文太「じゃあな……」

 

拓海「………」

 

 

積載車の、ハチロクの姿を、最後の最後まで見届ける拓海だった。

 

 

 

 

家の鍵を開け、自分の部屋のベッドに横たわる。

 

 

 

 

(\ファアアアアアアアアア/\バァン!!/)

 

拓海「はっ!!」

 

 

 

 

さっき起きた嘘みたいな出来事が、何度も脳内で再生される。

 

拓海「親父……あんなこと言ってたけど……内心怒ってるんだろうなぁ……俺があんな無茶なバトルになんか乗ったせいで……」

 

 

 

 

拓海は、今日あった一連の出来事、梅田に繰り出すきっかけになった出来事まで、全てを悔いた。

 

 

 

 

一方……

 

政志「おうおう、見事にやっちまったなァ」

 

文太「あぁ……良くやった方だ……仕方ねぇよ……」

 

政志「どうやら、エンジンが先だったな……」

 

文太「そうだな……」

 

政志「どれどれ、いっちょ見てみるか」

 

 

 

文太は政志の工場に赴き、ハチロクを降ろしていた。

 

政志はハチロクのエンジンをチェックする。

 

 

 

 

政志「なるほどねぇ……こりゃ大惨事だったな……ブロックが逝ってるぜ」

 

文太「どうしようもねぇよ……」

 

政志「ふふっ、そりゃ残酷すぎる言葉だぜ文太」

 

文太「なんだ?意味ありげに」

 

政志「まっ、文太には関係ないことだがな!(笑)」

 

文太「ほぉ……まぁ、いっか」

 

 

 

 

政志には、秘策があった。

 

このエンジンを活かす方法……

 

だが、それはこのハチロクではない。

 

池谷から聞いていた、一つの話があったのだ。

 

 

 

 

政志「軽トラ一台あるから、代車代わりに乗ってけよ」

 

文太「助かるぜ……」

 

 

 

 

文太は軽トラに乗って、自宅へと帰った。

 

そして、いつも通りに晩酌する。

 

幾多の経験を積んできた文太にとって、これぐらいの事どうってことなかったのだ。しかし、拓海にとっては……

 

 

 

 

 

拓海「くそっ!全然寝れねぇ!!しっかし、親父帰ってきたのか……?いつも通りに晩酌なんかしやがって……思い入れってもんがないのか、あのクソ親父!」

 

 

文太には、全てわかっていた。

 

ハチロクに起こった出来事が拓海に及ぼす影響まで……

 

だから、壊れるか負けるかするまで、エンジンは積み替えないと言ったのだ。文太的には、エンジンが壊れるほうが経験になると踏んでいた。まさに文太の思惑通りに、事は進んでいたのだった。

 

 

 

政志「さぁて、明日にでもエンジン降ろすか……使えっかなぁ?シリンダーヘッド」

 




ハチロクは、政志の工場に降ろされ、秘密裏の計画が遂行されようとしている。そして、起こった出来事が衝撃すぎて眠れない拓海。全てを解っている文太。そして、政志の意味ありげな言葉。果たして、どのように事は進んでいこうとしているのか……!?




(今後は、3日に1話程度の更新になると思います。筆者より)
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