もしも秋名スピードスターズが北関東最速クラスのチームだったら 作:にしむー
〜週末〜
今、自動車工場の期間工として働いている健二だったが、なんとか時間が取れ、池谷と樹を乗せて桐生方面に向かっていた。
健二「なぁ池谷、どっちが勝つと思う……?」
池谷「そりゃあ、高橋涼介に決まってる……そうなってもらわないと困るぜ……!!」
樹「そうっすよ健二先輩!!あの高橋涼介なら、必ずやってくれますよォ!!」
そんなことを話しながら、いよいよ梅田のふもとの峠道に入る。
しかし、そこに突然後ろから現れた、一台の車……
健二「なんだァ……?後ろからスゲェはええ奴が来てる……」
池谷「地元の奴かもしれない。ここは無理するな、行かせろ」
健二「あっ、あぁ……」
\キィイイイイイイイン/\バシュ/
一同「何ィ!?ハチロク!?」
健二「俺のSR20をモノとせず、かっ飛んでいきやがった……行くぞ……お前ら、掴まっとけ……!!」
健二も、勤務先の近くにある峠、金山で、日々腕を磨いている。チューニングもかなり進んでいる。恐らく280馬力は出ているだろう。
健二「ダメだ……知らないコースだと、攻めきれねぇ!!」
ハチロクターボは、徐々に健二たちを引き離していく。
そして、立ち上がりの挙動を見て気付く池谷。
池谷「あのハチロク……時代遅れのドッカンターボか……あんな危険なマシンを乗りこなすなんて、相当な腕だぞ……」
健二「そうだな……こっちは3人も乗ってるしな……それに、もう目的地も近い……くっ……ここまでかァ……」
梅田は、ふもとの峠からスタート地点のダムの橋まで、そんなに距離はない。
健二たちは、追いかけるのを潔く諦めた……
健二「俺にはまだ、課題があるってことだなァ……」
健二は、ビジターでの走りの経験があまりない。ましてやバトルなどしたことない。金山では相当なレベルに達してきてはいるものの、知らない場所となればまだその真価は発揮できない。
一方、スタート地点周辺。
ギャラリーのマシンが沢山停まっている。
???「和美、見るならここがいいな」
???「そうね」
\バッ/
ハチロクから降りてくる男女二人組。
健二たちも偶然、そのハチロクの付近に停めることになった。
樹「うわぁあああ!!さっきの、ハチロク!!」
健二「しかも、女連れてやがるぜ……」
池谷「……………」
だが、何やらその場にいた高橋啓介と口論になっている。
???「何故だ?俺がハチロクだからか!?」
啓介「違う……今日はアニキのバトルの日だからな……水を差すわけにはいかないんだ」
???「くっ……」
啓介「誤解のないように行っておくが、俺達はハチロク乗りを甘く見ちゃいない……群馬エリアには、下り専門の凄いハチロクがいるんだ……そいつはバトルで負けたことがない……どんなクルマにもだ」
???「どんなクルマにも……だと……!?」
啓介「そうだ……俺だって、アニキさえもやられている……」
???「フッ……いい情報を聞かせてもらったぜ……」
啓介「そういうわけだから、俺は今日お前とはバトルできない……すまないな」
???「くっ……」
啓介「じゃあ俺は、コースの状況確認をしなくちゃなんねぇから、行くぜ……バトルはまた今度だ」
\バンッ/\プォオオオオオオ/
???「……………」
和美「ちょっ、兄貴、何考えてるの!?」
???\バン/\フォオオオオオオ/
和美「あ〜あ……また始まっちゃった……」
???「(強引なやり方になっちまったが、悪く思うなよ……!!)」
バックミラーを見る啓介。
啓介「フッ……来やがったな……どうしようもねぇ奴だぜ……そこまでやるならこっちもやらせてもらうっ!!」
ギャラリー1「おいおい何だぁ!?前哨戦か!?」
ギャラリー2「なんだあのハチロク!高橋啓介にピッタリ食いついてってるぞ!?秋名のハチロクかァ!?」
ギャラリー1「バカ、秋名のハチロクはトレノだろ!それに、熊谷ナンバーだったぜ!?」
\パァアアアアアアア/
\フォオオオオオオオ/\パシュ/
啓介「この音……あのハチロク、ターボチューンか……!?」
???「オラオラ!手ェ抜いてっとブチ抜くぜ!!」
\キィイイイイイキュキュキュキュキュキュ/
\パァァンンン/
\フォンンンン/
ギャラリー\ザワザワザワ/
突然の出来事に、ギャラリー達もざわつく。今回のバトルに、啓介とハチロクレビンとのバトルなど、組み込まれていないからだ。
2台はダム湖周辺のセクションを抜け、集落セクション、そして幅の狭い林道セクションへ突入した。ところが……!?
啓介「ヤバいっ!!オイルだ!!」
\キューキュキュキュキュ/
\ギャアアアアア/
路面が虹色に光っているところがあり、さらに昼間に他の車が通ったことにより、引き伸ばされている。拓海のハチロクがエンジンブローによりオイルをダダ漏れにさせてしまった場所だ。
???「!!」
\ギャアアアアアアア/
レビンターボのドライバーもそれを察知し、即座にスピンモードから停止を試みる。
\キュキュ/
間一髪のところで、オイルへの乗り上げと接触は免れた。
啓介「(全く……下見だってのに、ムチャさせやがるぜ……)」
???「(今日はここまでだ……勝負は預けとくぜ……)」
啓介にハンドサインを送るレビンの男。
\フォオオオオオ/
レビンターボは道を引き戻し帰っていった。
しかし、啓介の任務はバトルコースの状況確認。少し広い所で再びUターンして順路に戻り、ゴール地点まで様子を見て回った。そして、スタート地点に戻り、状況を涼介に伝える。
啓介「アニキ、大方は問題ない。だが、一箇所オイルが散らばっている場所がある」
涼介「藤原のトレノか……」
察しのいい涼介。おおかたオイルの散らばっている場所まで把握した。
コースの状況確認も終わり、いよいよ涼介vs京一のバトルが始まろうとしている。バラエティに富んだコースレイアウト、路面状況、道幅……魂のバトルが、いよいよ幕を開ける……!!