もしも秋名スピードスターズが北関東最速クラスのチームだったら 作:にしむー
啓介「ほら!どいたどいた!スタート位置に付くぜ!!」
涼介の追っかけ「キャーーーー!!涼介さーーーん!!負けないでーーーー!!」
京一「くっ……こざかしい……」
啓介によりFCとエボⅢの2台は誘導され、ダム湖の橋の上にあるスタート地点につく。
啓介「アニキ……今日はどんな作戦で行くんだ……?」
涼介「今日の相手……京一は、去年より格段に進歩している……生半可な仕掛けは通用しない……だが、奴はモータースポーツ仕込みのテクニックを信用しすぎている……そこが勝負の分かれ目になる……!!」
啓介「そうか……あんなランエボ野郎なんかに、絶対負けんじゃねぇぜ!!」
涼介「勿論だ……負けるつもりはない……!!」
一方……
清次「京一……今日の作戦はどれで行くんだァ……?」
京一「シミュレーション……Xだ」
清次「何だァそりゃ!?シミュレーションXだと!?聞いたことねぇぜ、そんな作戦」
京一「対高橋涼介のために、今日まで練り上げてきた、涼介スペシャルの作戦だ……今日のバトルは……俺が勝つ」
清次「あんなコジャレた野郎に、今の京一とエボⅢが、負けるわけがねぇ!!」
それぞれ、わかる人間にしかわからないような表現で、作戦を説明した。
そして、いよいよ火蓋は切って落とされる……!!
啓介「勝負は一本!!カウント行くぞ!!」
ギャラリー達「ワァァァァァァァ」
ギャラリー達の歓声は最高峰に達する……!!
啓介「スタート10秒前!9!8!7!6!5!4!3!2!1!」
そして……
啓介「GO!!」
\キューキュキュキュキュ/\プァアアアアアアン/
\キュルキュルッ/\フォオオオオオオ/\パン/
スタートは、4WDであるエボⅢが圧倒的に有利だ。そのまま4輪のトラクションを活かし、FCの前に出た……と思われたが……!?
\フォンンンンンン/\パパッ/\フォオオオオオオオ/
エボⅢ、京一は一瞬アクセルを緩めた。
涼介「フッ……京一のやつ……わざとアクセルを緩めやがったか……だが関係ない……勝つのは俺だ……!!」
\パァアアアアアアア/\プシュー/\パァアアアアアア/
涼介が前に出た!!
ギャラリー1「よっしゃあ!!高橋涼介が前だ!!いっけぇ!!」
ギャラリー2「あんなランエボ野郎、高橋涼介なら目じゃねえぜ!!」
一方……
清次「コイツら……まるで解ってねェ……京一の本当の恐ろしさを……」
秋名のハチロクに負けてから、冷静に物を考えるようになった清次。
そして……
ハチロクターボの男「スタートではランエボのドライバーが圧倒的に有利だったはずだ……それなのに奴は道を譲った……この微妙な駆け引きが、わかるか和美?」
和美「へぇ〜、そうなんだ……私には、どっちも全開にしか見えなかったなぁ」
ハチロクターボの男「勝つためには、ただ前に出るだけじゃダメなんだ……時には後ろにつくことも重要なんだ……人生でも、人間関係に於いても、ただただ前を突っ走るだけじゃダメなんだ……時には一歩引くことも大事なんだ……」
和美「そっかぁ……」
どうやらこのハチロクターボの男、非常に人間くさい性格をしているようだ。
そして、いよいよ大勢のギャラリーが待つ第一コーナー、中低速ヘアピンへと、2台は差し掛かる!!
\キィーーーー/\パァンンンンンン/\パァンンンンンン/
\キィーーーー/\フォンンンン/\パパッ/\フォンンンン/
2台連なって、一気にブレーキング!!
そして!!
ギャラリー「ヤバい!!突っ込んでくるぞォ!!」
\ギャアアアアアアア/
\プァン プァン/
\フォン フォン/\パン パパン/
ダム湖の橋の全開ストレートから、一気にブレーキング、そしてとてつもないスピードレンジで、コーナーに突入していった!!
ギャラリー達「ワァァァァァァァァ!!」
ギャラリーA「これが群馬と栃木との最強ドライバー同士の走りかよォ!!」
ギャラリーB「てっきりこのまま路肩まで突っ込んでくるかと思ったぜ……あんなマシンコントロール……見たことねぇ!!」
そして、ダム湖周辺の平坦な中高速セクションに入る。どちらかというとFCが得意とするようなセクションだ。
涼介「お前が何をたくらんでいるのかは知らない……だが、ここで引き下がるわけにはいかない……!!」
京一「俺がなぜ後ろについたのか、お前にはわかるか、涼介……しばらくは、じっくりとその自慢のFCケツを拝ませてもらおう……」
この区間は、全開のコーナーと短いブレーキングの後スーッと曲がるような、そういう区間が続く。
そしていよいよ、超高速下りストレートへと突入する……その後には複合ヘアピンが待ち構える……!!
\プァアアアアアアア/
\フォオオオオオオオ/
2台共、一歩も引かない膠着状態だ。そして……!!
ギャラリーC「おっ!来たぞ!!この下りストレートからのヘアピンへの進入が見せ場だ!!」
ギャラリーD「ヤバい!!2台共突っ込みすぎだァ!!」
しかし……!!
\ギャアアアアアアアア/
一気にスライドさせ、減速しながらヘアピン初期のRの緩い区間に、とてつもないスピードで飛び込んでいく。そして、一気にRがきつくなると……!?
\プァン プァン プァアアアアアア/
\フォン/\パパッ/\フォオオオオオオ/
2台共、見事なアクセルワークとステアリング操作で、ヘアピン1つ目をクリアした。
ギャラリーC、D「何だ………今のは………」
続いて、低速3連ヘアピンだ。1つ目は、崖の上から常に水が滴り落ちており、路面は常に川状の水溜りになっている。
涼介「フッ………ここがストリートの面白いところだ」
京一「涼介……そういうことか……考えることは同じだな……」
2台共、明らかなアンダーステアでコーナーに侵入する。だが……?
\バシャッ/\つるっ/\ギャアアアアアア/
なんと2台共、水溜りをきっかけにオーバーステアを作り出し、一気にヘアピンのインへ向かった。そして……
\ギャアアアアアア/
\ギャアアアアアア/
残りの2つのヘアピンも、振り返すようにしてクリアしていった……!!
ギャラリーE「エンジン音とスキール音が聴こえるぞ!!もうすぐそこまで来てる!!」
ギャラリーF「スタートでは高橋涼介のFCが前だったらしい……どっちが先だ……!?」
超高速ダウンヒルからの複合ヘアピンと、その後の3連ヘアピンを、とてつもないドライビングテクニックと峠センスで、2台共駆け抜けていった。ここからいよいよセンターラインと路肩のラインが引かれていない集落セクションへと突入する。果たして、ここから先に動きはあるのだろうか……!?