もしも秋名スピードスターズが北関東最速クラスのチームだったら   作:にしむー

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バトルの火蓋は切って落とされ、京一がわざと一歩引き、涼介先行でダム湖周辺のセクションは進んでいく。ギャラリーたちを湧かせながら次々と中高速コーナー、そして4連ヘアピンをクリアし、集落セクションへと突入していく2台。果たしてここでも動きはないのだろうか……!?


Act.60 群馬 vs 栃木 魂のバトル!(中編)

 

 

 

 

ギャラリーE「2台共ヘアピンをクリアしてきたぞ!!」

 

ギャラリーF「ここからが見せ場だ!がんばれ!高橋涼介!!」

 

 

 

 

集落セクション入口付近は、別の道路への分岐点がある。ここにギャラリーが大勢集まり、バトルを見守っていた。

 

 

 

 

 

ギャラリーE、F「FCが前だ!!」

 

 

 

\プォンンンンンン/

 

\フォンンンン/\パパッ/

 

 

 

ギャラリーE「ひぇ~!!あれが相手のランエボのミスファイアリングシステム!すげぇアフターファイアだぜ!!」

 

 

 

京一のエボⅢには、ラリーカーと同じターボラグを打ち消すシステム、ミスファイアリングシステム(別名アンチラグシステム)が搭載されている。

 

エンジン系統の寿命と引き換えに、ターボの弱点は相殺される。一瞬の操作ミスも許されない4WDには、まさに無敵のマシンと化すアイテムだ。

 

この集落セクション以降、それがどう活きるのか……?

 

 

 

 

京一「ふっ……涼介、こんなもんか……ハイパワーターボ、コンパクトなボディに4WD、そしてこのミスファイアリングシステムには、到底及ばない……」

 

 

この集落セクション序盤は、木造の家が少し立ち並ぶ箇所がある。車が停まっている場所もある。少しでもミスをすれば家は全壊だ。

 

そしてここは、道幅が狭い。涼介は、リスクを侵さぬよう、何が起きても対応できるよう、ここでは抜かれないと踏んであえて70%程度にペースを落としていた。

 

 

 

涼介「京一……相変わらずお前は解っていない……ここはストリートだ……閉鎖されたサーキットやラリーのステージとは違うんだ……!!」

 

 

 

そして、無事集落を抜け、本格的に山奥へと突入していく……!

 

路面は荒れ始め、路肩のない路面はドライバーの目が物を言う。

 

そこは二人共拮抗していた。

 

 

 

 

京一「涼介め……集落のところだけビビってスピードダウンか……そんなこざかしいことが、ストリートのテクニックってのか!?」

 

 

 

ここからは、荒れた路面にダスティな路面と続く。4WDのエボⅢに有利なセクションだ。

 

 

そして採石場セクション。道幅が一気に広くなり、昼間ダンプカーがまき散らす粉塵により路面は砂まみれだ。

 

 

 

 

京一「俺の見せ場は………ここだ!」

 

\フォオオオオオオ/\パン/\フォオオオオオオ/

 

 

 

ギャラリーG「おい!須藤京一のエボⅢがここで仕掛けた!!」

 

ギャラリーH「こんなμの低いところで仕掛けるなんて、どんな神経してるんだ!?」

 

(μが低い……摩擦係数が低い=グリップが効かない)

 

 

 

 

涼介「やはりここで来たか!!京一!!」

 

 

 

 

道幅が広いが、路面のμは著しく低い。そしてクネクネしたこのセクション。2台が並ぶことで、このセクションは一気に低速区間へと様変わりする!!

 

 

 

 

京一「フッ……」\パパン/

 

涼介「くっ……!!」

 

 

 

 

そしてそのμの低さを逆手に取って、4WDのアンダーステアをすべて帳消しにしていく。もちろん、その腕がある前提の話だ。素人ならアンダーステアをかえって助長させてしまう。だが京一は違った……!!

 

 

 

 

有効に使える僅かな幅を使い、振り返しながら曲がっていくエボⅢ。そして……

 

 

 

 

京一「コレで俺の勝ちだ……お前に抜き返すチャンスは……ない!」

 

 

京一の言う通り、この先には2台並ぶのがやっとの幅の、林道セクションが待ち構える。抜き場所など、ほぼないも同然だ。

 

そしてこの林道セクション手前を境に、群馬県から栃木県へと突入する。栃木県佐野市飛駒町のセクションだ。

 

 

 

 

涼介「ここで京一が仕掛けてくるのは大方目に見えていた……お前はそういう奴だというのは、俺が一番良く解っている……だが、それが命取りにならなければいいがな……」

 

 

京一「さて……ここから俺のホーム、栃木エリアだ……お前に前を行かせることはさせない……いや、ない!!」

 

 

 

 

林道セクションの手前で、2つのコーナーだけセンターラインと路肩のラインが現れ、まともな道になるように見える。

 

だがそこを抜けた瞬間……一気に2台は林道セクションへと突入する!!

 

 

 

 

京一「こんな狭い道では、お前どころかどんなドライバーも仕掛けられない……お前について来れるか……」

 

\フォオオオオオオ/\パン/\フォオオオオオオ/\パパン/

 

 

 

 

ギャラリーI「いよいよ林道に入ってきたぞ!!」

 

ギャラリーJ「須藤京一が前だ!!すげぇ、まるでWRCさながらの走りだぜ!!」

 

 

 

 

この狭い道は、まるでWRC(世界ラリー選手権)のステージのような場所だ。京一のエボⅢは、無類の強さを発揮する。

 

涼介「付いて行くのがやっとだ……ここはまだ路面がキレイに舗装されている……だが……」

 

 

 

 

林道の前半は、急なコーナーのない高速セクションだ。僅かな道幅を、とてつもないスピードで駆け抜ける2台。しかし、涼介はここで京一に付いて行くのが精一杯だ。そして……

 

 

 

 

\キィーーーーー/

 

\フォン フォン/

 

\プァン プァン/

 

秋名のハチロクの撒き散らしたオイルの位置を、二人共完全に把握しており、華麗にパス。

 

 

 

 

そしてそのまま2台は、林道の山頂へと突入する。ここから路面の性格が一気に変わる!

 

 

 

\ガタガタガタガタガタガタガタ/

 

涼介「クソっ……このままじゃ……」

 

あまりの路面の荒れ具合に、流石の涼介もフラつく。しかし京一は……

 

 

 

 

\フォン フォン フォオオオオオオ/\パン/

 

4WDの安定性を活かし、この路面でもビクともしない。

 

 

 

更に……

 

\つるっ/

 

\ギャアアアアアア/

 

 

 

常に湿っていて苔の生えた路面。FRのFCには、かなりきつい。半端なドライバーなら、即スピンして崖に張り付くか谷底行きだ。

 

 

 

京一「FCが離れたか……さすがのお前でも、物理法則を前にしては太刀打ちはできない……マシンの基本構造なくして、テクニックは活きない!!」

 

 

 

京一がFCを突き放しにかかる。このセクションでの京一の走りは、鬼神がかっていた……!!

 

涼介「予想以上だ……京一がここまでやるとはな……俺が仕掛けられるのは……もうあそこしかない……!!」

 

 




集落セクション後半に京一が仕掛け、順位が入れ替わった。得意の林道セクションを、恐ろしい速さで駆け抜けるエボⅢ。涼介にとっては、秋名のハチロク以来のピンチかもしれない。さらに、突き放しにかかられている。さて、このまま涼介とFCは、どうなってしまうのか……!?
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