もしも秋名スピードスターズが北関東最速クラスのチームだったら   作:にしむー

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林道セクションへと突入した、京一のエボⅢと涼介のFC。京一が先行、さらにここはエボⅢが得意とするセクションだ。涼介をもってしても、ついていくのが精一杯、さらに山頂を境に路面は荒れ放題、更にFRのFCにはキツくなる……このままバトルは決着してしまうのか……!?


Act.61 群馬 vs 栃木 魂のバトル!(後編)

 

 

 

 

京一「フッ……所詮ストリートのテクニックなど、こざかしいものに過ぎない……モータースポーツ仕込みのテクニックを前にして、公道の幼稚なテクニックが、敵うはずがないんだ……!!」

 

 

 

そしてこの後、林道には4つのタイトヘアピンが待ち構える。ジムカーナ仕込みの京一にとっては、更にチャンスだ。

 

 

京一「じゃあな……俺の勝ちだ……お前のFCでは無理があったな……」

 

 

\ギャアアッ/\ギャアアアアアア/

\フォン フォン/\パパン/

 

 

京一「このフェイントモーションからのヘアピンの立ち上がりは、勝負を決めに行くという……意思表示だ!」

 

 

一方、涼介は……

 

\キィイイイイイ/

\プァン プァン/

 

舵角の小さいドリフトで、なんとか京一に離されずに付いて行く。

 

 

 

\ガッシャン/

 

ギャラリーK「おい!あの高橋涼介が、路肩に乗り上げたぞ!?」

 

ギャラリーL「違う!あそこまで攻めないと、付いて行けないんだ!」

 

 

 

 

そして残すは2つのタイトヘアピン。

 

\フォン フォン/\パパン/

 

\プォン プォン/

 

 

 

ギャラリーM「うひょー!!見たかよあのヘアピンの立ち上がり!まるでWRCさながらだぜ!!」

 

ギャラリーN「恐ろしい……次元が違うぜ……あの2台……!!」

 

 

 

この後は、湿った路面の超高速ダウンヒル林道の後、一気に道幅が開け、さっきまでの林道が嘘のような道幅の広い超高速ダウンヒルセクションを残すのみだ。未だ高橋涼介は後ろ。このままでは、京一の勝ちである。

 

 

 

京一「俺が抜かれることはもうない……抜くスペースなどない……このまま俺がチギって……ジ・エンドだ!!」

 

だが、京一がそんな事を思っている間に、涼介には1本のラインが見えていた……

 

 

 

涼介「やはりな……勘違いじゃない……お前の弱点は……見切った!!ここを乗り越えれば……チャンスはある!!」

 

涼介は京一のとあるポイントに気付き、確信した。

 

 

 

京一「………フゥウウウウ」

 

深呼吸をし、勝利への道を全開で駆け抜ける。そして、林道セクションはもう終わる。

 

京一「低速セクションからカタパルトのように高速セクションに弾き飛ばされるのは、地元いろは坂の定番だ……終わったな……涼介」

 

 

 

そこに!!

 

 

 

\キュキュッ/

 

京一「!?」

 

バックミラーに映るライトが、急に右方向に動いた!!

 

涼介「っ!!」

 

 

 

林道が終わった瞬間、緩く左に曲がりながら右側にもう一つの車線が現れる。

 

ここはブラインドコーナーで、対向車がいつ来るのかわからない。

 

だが涼介には、全て見えていた……!!

 

 

 

 

\プァアアアアアアアン/

 

新たに現れた車線に、即座に移る涼介。

 

京一「何だとォ!?」

 

 

 

 

本当にビビっていたのは、実は京一の方だったのだ……!!

 

京一「クソっ!!最後の最後だというのに……バカかテメェは!?」

 

涼介「………!!」

 

 

 

 

 

一気に道幅が広くなった超高速ダウンヒルセクションを、並んで駆け抜けていく2台。

 

 

 

 

京一「マズい……インを取られる……!!」

 

涼介「京一、お前の弱点は、ここだ!!」

 

 

 

 

1台だと全開で抜けられる超高速コーナーも、2台並べばアクセルオフが必要だ。そして4WD最大の弱点は……荷重が抜けたときの高速コーナーだ!!

 

 

 

ギャラリー達「ワァアアアアアアアア!!」

 

 

 

ギャラリーO「すげぇ!!完全に横並びだ!!」

 

ギャラリーP「一体どっちが勝つんだァ!?」

 

 

 

 

涼介「この領域でお前が攻めきれることは……まずない!!」

 

 

いよいよ最終の中速S字だ……!!

 

 

 

 

\キィーーーー/\ギャアアアアアア/

 

前へ行かせまいと、FCを塞ごうとした京一。だがそれ以上に……!!

 

 

京一「お前……なぜそこにいる!?」

 

 

 

 

恐ろしいほどの突っ込みで、京一のブロックを、更にブロックしたのだった……!!

 

 

 

 

 

勝負は決した。

 

ギャラリー達「ワァアアアアアアア!!」

 

 

 

ギャラリーQ「俺たち栃木エリアの……完敗だ……」

 

ギャラリーR「まさか……こんな僅差で……」

 

 

 

 

ゴール地点を先に通過したのは、半車身前で、涼介のFCだった……!!

 

執念が勝ち取った勝利だった。

 

 

 

 

 

京一「涼介、お前に聞きたいことがある……」

 

涼介「何だ……」

 

京一「俺のモータースポーツ仕込みのテクニックが、俺がなぜ涼介にこうも敵わないのか……頼む……教えてくれ……」

 

 

 

 

因縁の相手である涼介に、潔く謙虚に勝てない理由を聞く京一。

 

 

 

 

涼介「…………ドライビングのテクニックに於いては、俺とお前に差はない」

 

京一「慰めはよせ……」

 

涼介「俺とお前のテクニックの差じゃないと、言っているのさ」

 

京一「何……?どういうことだ……?」

 

 

 

 

涼介は続ける。

 

 

 

 

涼介「お前の弱点は……対向車への恐怖心にある……お前の主戦場である、サーキットやジムカーナでは、対向車は存在しない。そしてお前のホームコースである、日光いろは坂もまた……一方通行で対向車が存在しない!!」

 

 

京一「!!」

 

 

涼介「いつ対向車が飛び出してくるかわからない林道セクションで、お前は踏み切れていなかった……そして林道が終わる瞬間の左コーナーも……お前は反射的に道幅いっぱい使わず、対向車線を開けてくれていたのさ」

 

 

京一「うっ……」

 

 

涼介「これが、ストリートのテクニックだ……たしかに俺も本来対向車が通る右車線は恐い……だが経験と勘次第で……攻め込むことができるようになるんだ……そこが、俺とお前の勝敗を決めた差だ」

 

 

京一「くっ……わかった……恩に着るぜ……涼介……」

 

 

もうすぐで勝利に手が届くところで、半車身先行を許して敗北を喫した京一。先程までのテンションが嘘のように、シュンとしてしまった……

 

 

 




京一が勝つと思われたこのバトル、まさかの最後の最後で涼介が仕掛け、僅かな差で涼介の勝利に終わった。ストリートにはストリートのテクニックがある……そう京一は深く知ることとなった。京一率いるランエボ軍団は、群馬から完全撤退しようとしていた。しかしその京一の前に、意外な人物が現れた……!!
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