もしも秋名スピードスターズが北関東最速クラスのチームだったら   作:にしむー

64 / 67
桐生・梅田で惨敗したエンペラーを引き連れて、自分の走る金山まで招待した健二。他の峠とは雰囲気が違い、滅多に見ない大量のランエボに金山は湧いた。そして、いよいよ本格的にコースイン。対向車線のある狭いコースで、京一は何かを得られるのか?そして健二は何を目論んでいるのか……!?


Act.64 走り屋達の楽園(中編)

 

 

 

\チッカッチッカッチッカッ/

 

ハザードを焚いて全車コースインするのを待つ京一。

 

 

 

そこに、健二につられて他の車も付いてきた。

 

これだけの大世帯のランエボ軍団、一緒に走りたくないわけがない。

 

 

 

そして……

 

京一「行くか」\コクン/

 

1速に入れる京一。

 

遂に一往復目……!!

 

 

 

 

\フォオオオオオオ/\パン/\フォオオオオオオ/

 

 

 

清次「行くぜ!京一!!」

 

\フォオオオオオオ/

 

 

 

そして他のランエボも追随する。そして……!

 

健二「よっしゃ!ここで磨いた俺の腕を見せてやるぜ!!」

 

池谷「見せてくれよ!お前の腕!!」

 

 

 

池谷を隣に乗せて、健二も全開でスタートした。

 

 

 

だがエンペラーにとっては初のコース、レイアウトは覚えていない。そして下りは上ってくる車とすれ違う可能性がある。

 

狭いこのコース、京一は順応できるのか……!?

 

 

 

 

京一「くっ……涼介の言った通りだ……対向車が……怖い。右車線に出た途端、どっと汗が出る。気付けばアクセルペダルを踏む足が緩んでいる……無意識にブレーキをいつでも踏める体制に入っていたのか……?」

 

 

 

だがさすがは京一。初めてのコースにも関わらず、それなりのペースで下っていく。

 

 

清次より後ろからは、少しずつ差が開いていく。そして、健二の所まで来ると大渋滞だ。

 

 

 

 

池谷「おい……何か前のランエボ達、明らかに遅くないか?エンペラーの下っ端ともなるとこのレベルなのか……?」

 

健二「それもある……だがこのコースは、台数が増えれば増えるほど渋滞になるんだ」

 

池谷「そうなのか……」

 

 

 

 

これは、バトルではない。

 

そのため、健二も仕掛けに行くことはしない。

 

 

 

 

池谷「にしても、凄くなったなお前の180……直線でもランエボにひけを取ってないよ」

 

健二「そりゃあ伊達に毎日毎日工場勤めで汗流してねェからなァ!これぐらいパワー出して当然よ!」

 

池谷「一体何馬力ぐらいなんだ……?お前の180」

 

健二「そうだなァ、今んとこはまだ280馬力ってとこかなァ」

 

池谷「に、280!?しかも、今んとこって……」

 

健二「まだ付いてけねェんだよ……ここで最速クラスの奴らに、上りで」

 

池谷「そうなのか……で、最終的にはどれぐらいまでやるんだ……?」

 

健二「大体350馬力以上には持っていく予定だよ」

 

池谷「350って……そんなの、秋名のヒルクライムでも充分通用するレベルだぜ!?そこまでやる気なのか、健二」

 

健二「おうよ!スピードスターズにも、ヒルクライム担当が必要だろ?」

 

池谷「健二……」

 

 

 

 

ここで健二の真意を知った池谷。そしてこの会話を、エンペラーに付いて行きながらしていた。エンペラーの下っぱ程度ともなると、付いて行くのは余裕だった。

 

 

 

そしていよいよ、コースを下り切る。そこで方向転換、上りへと移る。

 

 

 

京一「何とか下り切った……対向車は来なかったな……つまり、行き止まりの駐車場の上からは下って来ないということだ……」

 

 

清次「さすがだぜ京一……初めてのコースでここまで飛ばすとはなァ……お前がいなかったら、こんなペースで走れてはいなかったぜ……」

 

 

 

全車方向転換が終わり、ハザードを焚いて待っている京一の後ろの隊列が整った。

 

先程止まっていたセリカGT-Fourとロードスターも付いてきている。

 

 

 

京一「よし……次は上り……来る時に一度走っている……行くぜ……!!」

 

\フォオオオオオオ/

 

 

 

 

いよいよ上りが始まった。他のランエボ達、健二、そしてセリカ、ロードスターと続く。

 

 

 

上りともなると、ハイパワーマシンはそのポテンシャルを真に発揮する。そして、一度走っている上りだ。下りよりもペースがいい。

 

 

 

 

池谷「おっ、上りとなるとさっきの下りより良いペースじゃないか」

 

健二「そうだな……一度俺が先導してるし、少し慣れてるのかもしれねェ」

 

 

 

またしても、エンペラーに付いて行きながら会話を交わす二人。

 

一方……

 

 

 

京一「なぜだ……やはりだ……上に停まっていたセリカとロードスターは付いてきていた……そして最初にいたインプ、シルビア、MR2は休んでいた……上からマシンが下ってくることはない……だが……100%そうとは限らない……対向車線で、俺は攻めきれない……これがストリートのテクニックなのか……涼介」

 

 

 

上から来ないとほぼ判っていても、対向車線で攻めきれていないことを自覚する京一。

 

京一「涼介……お前はこれを攻めきれていたというのか……やはりお前はストリートの天才だ」

 

 

 

 

そして、行き止まりの頂上の駐車場に戻ってくる……!

 

 

 

 

樹「すげえマシン達の轟音……帰ってきた……!!健二先輩の隣、次は俺の番!!くぅ〜!!」

 

 

 

 

全車頂上に付き、再びマシンを駐車場に並べる。

 

マシンを降りて健二のところまで行く京一。

 

 

 

京一「この1本で、色んな事がわかった……恩に着るぜ……」

 

健二「そりゃあ良かったじゃねェか!夜は長いんだし、もっと走っていけよ!」

 

京一「あぁ……そのつもりだ……」

 

 

 

 

京一「よし、お前ら!もう1本行くぞ!!」

 

京一は、ここで対向車への恐怖心を完全に克服するつもりのようだ。

 

そしてエンペラーのランエボ達は、再び走り出す……!!

 

 

 

 

樹「健二先輩〜!!次は俺の番っすよォ〜!!」

 

池谷「ははっ、交代だな樹、健二、なかなかいい走りしてるぜ!?お前、耐えられるか!?」

 

樹「ばっ、バカにしないでくださいよォ!!」

 

 

 

 

だが、健二は走り出さない。

 

樹「何やってるんッすかァ!?行きましょうよ健二先輩!!」

 

健二「そうしてやりたいが……まだエンペラーの連中はコースの習熟で攻めきれてない……あいつらが一段落したら……とっておきのを見せてやるよ!!」

 

樹「健二先輩〜!!楽しみっすよォ〜!!」

 

 

 




エンペラーが金山のコースを習熟するのを待つ健二。そして対向車線の苦手意識を克服するのに躍起な京一。エンペラーが一段落したあと、健二は樹に金山の全開ダウンヒルとヒルクライムをお披露目する……!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。