もしも秋名スピードスターズが北関東最速クラスのチームだったら   作:にしむー

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ある時、地元の街を歩いていた樹。だが、その瞬間に、樹は息を呑んだ……見慣れないピカピカのハチロクレビンが停まっていたのだ。思わずじっくり見回す樹。しかしそこに……


Act.67 樹の春

 

 

 

樹「ふんふふ〜ん♪」

 

相変わらずゴキゲンなご様子でぶらつき歩く樹。

 

だか、そこになんと……!!

 

 

 

 

樹「あああああっ!!!レビンだぁ!!綺麗なレビンだなぁ……」

 

思わずそのレビンに一目惚れしてしまった。

 

 

 

樹「すっげぇ!!熊谷ナンバー……埼玉から来てるんだぁ!!インチアップしたBBSのホイールにスポーツタイヤ、ロールケージも入ってる!!」

 

そして何より驚いたのは……

 

樹「なんだこれ!!ブーストメーターも付いてるじゃん!!てことはこのレビン……ターボ〜〜!!?ひょっとしてこれ、梅田に行った時健二先輩の180をブチ抜いてったやつじゃ……!?」

 

 

 

それに気付き、思わずその場ではしゃぎこんでしまう。

 

 

 

樹「こんなレビン……俺も乗ってみてぇよォ……!!ほっしぃほっしぃ!!ぜったいほっし」

 

???「ちょっと!!」

 

 

 

突然女性に話しかけられた。

 

まだ20歳前後の若い人だ。

 

 

 

 

???「それ、ウチの車なんですけど……!?何やってたんですか!?……ひょっとして、何かウチの車にイタズラしようとしてたんじゃないでしょうね!?」

 

樹「違うよ!!俺はこのレビンって車が好きで、つい見とれてただけだよォ!!」

 

???「この車が……?どこにでもある普通の乗用車じゃない!?」

 

樹「違うよ!このハチロクって車は、俺にとって特別な車なんだよ!!もういいよ!!気分悪い、ケッ!!」

 

 

 

 

樹はその場から立ち去った。

 

樹「ケッ、感じ悪い女ッ」

 

 

 

 

 

その後、その女性の元に、男が現れる。

 

男「悪かった、待たせたな」

 

女(???)「むっ………」

 

男「どうした和美、そんなふてくされた顔して」

 

和美(???)「むっ……何でもない」

 

男「まだ群馬に来たばかりだってのに、そんなんじゃダメじゃないか」

 

和美「わかってるよ……」

 

男「ほら、和美、行くぞ」

 

和美「わかった……むっ……群馬ってサイテー!!」

 

 

 

 

その二人組の正体は、先日梅田に顔を出して無理やり啓介とバトルしにかかったハチロクレビンターボの兄妹だった。

 

 

 

 

兄(男)「おい和美、何があったのか知らないけど、嫌なことがあっても、すぐカッとなっちゃダメなんだ……人間関係に於いても、接客に於いても、我慢しなくちゃいけない時は、我慢しなくちゃ」

 

和美「わかってるよ……わかってるけど……」

 

 

 

 

やはりこのレビンの男、相当人間臭い性格をしている。

 

本人はすぐカッとなって梅田であのような行動に出ておいて、妹に方便を垂れる兄だった。

 

 

 

 

 

〜後日〜

 

 

 

 

 

樹「ふんふふ〜ん♪」

 

またいつぞやの道を歩く樹。

 

 

 

しかしそこに……

 

樹「(あっ……あの時の感じ悪い女ァ)」

 

その女、和美は鯛焼きを買いにお遣いに出ていた。

 

 

 

鯛焼き屋のおっちゃん「はい、いらっしゃい」

 

和美「6コ下さい!5コは包んで、1コはここで食べますから」

 

鯛焼き屋のおっちゃん「はい、660円ね」

 

和美「(!!やだ……10円足りない……)すみません、1万円札でもいいですか……?」

 

鯛焼き屋のおっちゃん「悪いね……いま丁度釣り銭切らしちゃってて……」

 

和美「(どうしよう……)」

 

鯛焼き屋のおっちゃん「ふん〜……」

 

 

 

 

???「(ぽん)」

 

和美「えっ……??」

 

???「使えば?10円」

 

和美「えっ、あっ、ちょっと……」

 

 

 

正体は樹だった。

 

すぐその場から立ち去った。

 

 

 

和美「あっ、ありがとうございます!」

 

鯛焼き屋のおっちゃん「僕も少年に助けられたよ、また来てね」

 

 

 

 

鯛焼き屋の人に礼を言い、駆け足で樹の元に近づく。

 

和美「ありがとう!助かったよ!今度返すね!」

 

樹「別にいいよ、10円くらい」

 

和美「良くないよ!!住所が連絡先か、教えてよ!」

 

樹「………」

 

 

樹は渋々答える。

 

 

樹「俺、この先にあるスタンドでバイトしてるんだー」

 

和美「そうなんだ!私も最近、旅館で住み込みのバイト始めたんだ!知り合いのところだけどね」

 

樹「へぇー」

 

 

 

空返事をする樹。

 

 

 

和美「この前はついカッとなっちゃってゴメンね!私、何かあるとすぐ頭に血が上っちゃって……君、いい奴だったのね!」

 

樹「えっ……///」

 

 

 

思わぬ言葉に急に閉口してしまう樹。

 

 

和美「私、秋山和美!君は?」

 

樹「あっ……武内……樹……///」

 

和美「いつき君ね!私こっちに来たばかりだから友達いなくて……友達になってよね!それじゃ!」

 

\タッタッタッタッ/

 

 

 

走り去っていく、ポニーテールでトレーナーにズボンの、ちょっとボーイッシュな格好の女性。

 

 

 

 

樹「(ポッ)////」

 

心の中に、なにか明かりが灯った気がした樹。

 

 

 

 

樹「(もしかして……これって……春……!!?///)」

 

 

 




樹は、感じの悪いと思っていた女にまさかの再開を果たし、10円がきっかけでどうやら仲良くなりそうな予感。レビンの助手席の女の子の正体は、秋山和美という女の子だった。同じレビン繋がり、なおかつ友達になってほしいとの言葉……果たしてその行方は……!?
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