才華学園にご用心!   作:メリー・ナノバ

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第2話 入学

「…新入生入場!」

 

「ふわぁぁ〜…眠」

 

入学式や始業式ってどうして眠くなるんだろう

催眠術でもかけられてるんじゃないだろうか

そう思いながら体育館へと入場していく

時は遡り、説明会の後

俺はおとなしく家に帰り才華学園について調べてみた。

 

「駄目だな、何一つでない」

 

かれこれ10分以上検索してはキーワードを変え検索してはキーワードを変える作業を繰り返していた

 

「んー、これで出ないなら諦めるか」

 

そう思いながら半ば諦めモードで[才華学園 退学]と検索する

 

引っかかった件数1件

 

出た

 

おいおいおいおい、まじかよキター

ええっとなになに?

 

[才華学園には進学しないほうがいいです]

[あそこで集められているのは生徒では無]

[]

 

は?

 

引っかかった件数0件

 

一瞬の出来事につい固まってしまう

苦労して引っかかった記事は十数秒で消え去ってしまった

 

「なんなんだよ、一体」

「やめだ、今日はもう寝よう」

 

今回の事で才華学園について分かった事は2つ

1つ、まともな学校ではない事

2つ、才華学園の情報は規制されている可能性が高い事

つまり、ネットで調べても情報は得られないという事だ

 

仕方ないがこれから調べても同じ結果だろうし

入学式まですることは無いな

 

入学式当日

 

「貴方達は我が才華学園の〜〜…」

 

理事長らしき人の話に興味等あるはずもなく

ボッーとしながら入学式が終わるのを待った

数十分後、入学式を終え教師の後を追い教室へと歩を進める

 

「よー、あんた名前は?」

 

所謂「陽キャ」に分類されるであろう男子生徒はこちらを見ながら隣に並び歩く

 

「日暮 紅葉だ、そっちは?」

 

「俺は木田 優馬(きだ ゆうま)だ、よろしくな紅葉」

 

グイグイ来るし、いきなり名前呼びとはな

いや、いいけども

 

「ああ、よろしく木田」

 

こちらも名前呼びでもいいが、名字のほうが早く呼べていいだろうし名字でいいや

 

そんなこんなで知人が出来た訳だが

これで最悪三年間ぼっちは防げるかもしれない

弁当とかも一緒に食えるだろうし、一人とは言えここで人脈が出来たのは大きい

 

そんな下らない妄想に浸りながら、木田と話しているとどうやら教室についた様だ

 

「黒板に座席表が貼ってあるので各自確認し着席しておいて下さい」

 

教師らしき人物に言われた通りに教室に入り黒板に貼ってある座席表を見るが

 

「変わってないな」

 

説明会の座席と全く同じだ

どうやら他の生徒の会話を盗み聞くに他も同じ様だ

 

ガラガラガラガラ

「座っているか?」

 

説明会で見たようなスーツ姿の女性

正しく俺達の教室での説明会を担当していた女だ

 

「私がこのクラス」

「1ー3(裏)の担任、鹿島(かじま)だ」

「とりあえず、一年間よろしく頼む」

 

説明会のスーツ姿の女性改め鹿島が担任のようだ

 

「まあ、まず生徒達で自己紹介してくれ」

 

鹿島の一言から生徒達で自己紹介が始まる

 

「えっと、日野森…」

「御影 裕司ッス…」

「えーっとぉ、平泉…」

「…玖島…」

 

自己紹介で相手の性格や個性とかは分かるもんなんだな

最初の日野森なんとかはおとなしい生徒

二番目の御影なんとかは運動系

三番目はギャル 四番目は暗い感じの

結構わかるもんだな…と次は俺か

 

「日暮 紅葉です、趣味は特に無いです。よろしくお願いします」

 

普っっ通ぅぅぅ

いやいやいやいや、何この特徴のない自己紹介

他の人の自己紹介を「フッ」って感じで語っといて

恥っっずぅぅぅ

 

こんな感じで自己紹介は続いてった

 

「私の番ね、椿 春歌よ。よろしくね」

 

自分の自己紹介のミスに後悔している間にどうやら椿まで進んでいたようだ

 

「なあ、あの子めっちゃ可愛くね?椿って子」

「それな、俺も思ってた」

「俺告ってみようかな…」

「おいおいやめとけやめとけ振られるに決まってるだろ」

 

どうやら椿の自己紹介は大成功に終わったらしい、恨めしいィィ

まあ、でも椿が人気になるのはある程度はわかっていた

金髪でポニーテールで胸も大きくて明るい

まさに童t…男の理想を詰め込んだ感じだ

 

正直椿の後ではどんなモデルでも霞むと予想できる

そんなモデル顔負けの椿の後で自己紹介した者等記憶に残る筈もなかった

 

「よし全員自己紹介は済んだな」

「では次に生徒証明帳を渡す、これはうちの生徒である事を証明すると同時に部屋や教室に入る切符にもなる」

「これを失くした場合は特例を除いて即退学となる、気をつけることだな」

 

いやいや、さらっとくっそ大事な物の紹介してきたな

そういうのは説明会で話しとけよ…

生徒証明"帳"という事はメモ帳でもあるのか

他に予定とかは書いてないのか見てみるか

 

「ん?なんだこれ」

 

〜生徒証明帳〜

13205 日暮 紅葉(E)

部活動:

委員会・生徒会:

部屋番号:32E387500

 

俺の名前の横にEがついているが、これはなんだ?

ランク付けされているのか?Eランクということか?

部屋番号もなんだ?俺は寮のような紙は貰っていないし、サインもしていないが…

 

「その様子だと手帳への疑問点があるようだな」

 

鹿島に言われて気づいたが、皆もEや部屋番号に心当たりはないようだ

 

「まずは名前の横についている文字から話そう」

「お前らにはそれぞれA〜Zの単語がついている」

「そしてそのA〜Zの意味についてだが」

「これはお前らが見つけるんだ」

「では次に部屋番号の説明だ」

 

うーん、相変わらずだなこの先生は

会うのは2回目なのにこの大雑把で考えている事がよくわからん性格を見抜ける程にはわかりやすい性格をしている

 

やばい自分でも鹿島について何言ってんのかわからんくなってきたぞ

 

しかし意味だと?つまり俺はEである意味を探すのか?

これがクラス内のランク付けなのかどうかは定かではないが、ほっといてもいい内容でも無いかも知れない

それくらい今は情報が無い

っと、部屋番号の説明も聞いておかねばな

 

「お前らには一人一人に専用の個人部屋がある」

「それの鍵だ、部屋番号を打ち込む事で部屋に入れる」

 

個人部屋だって?そんなもんいつ使うんだ?自習の時間にしか使えなくないか?ここに住むわけでもあるまいし

 

「お前らが暮らす部屋なんだ、どう使おうが勝手だが窓を割った等の馬鹿をした場合は退学もしくは損害賠償が課せられる」

 

うそーん

いやいやまてまて、俺はそんな寮へのサインなんか

ピロンッ

誰かのスマホにLINEの通知音が届いた

 

「ごめんね、その学校って学生全員寮に入るみたいなの、伝え忘れてたわ、それじゃ学校頑張ってね 母より」

 

ふっっざけんなぁぁぁ

しかもタイミングバッチリ過ぎだろ怖えぇよ

 

その後は自由時間となり学園内を見て回っていいそうだが、俺は携帯をいじってた事がバレていて滅茶苦茶怒られた

 

「はー最悪だ…」

 

説教が終わり、げっそりとしている彼の心情は憂鬱な物だった

初めての寮生活が予告無しでいきなり始まったのだ

ため息の1つや2つは出るだろう

ため息はこれで56回目だが

 

「あらあら誰かと思ったら堂々と携帯を触ってた日暮君じゃない」

 

58回目のため息を出していると椿が話しかけてきた

 

「ん?あー椿か…今は少しショック受けてるんだ後にしてくれ」

 

「何よ、元気無いようね」

「まあいいわ、一緒に個人部屋に行ってみない?」

 

「いや、今はそんな気分じゃn」

 

「駄目?」

 

そんな上目遣いで見られても俺は何もしないぞ

 

「俺は個人部屋とやらがどこにあるかは知らんぞ」

 

俺はチョロインだったようだ

 

「大丈夫よ」

「きっと、なんとかなるわ」

 

その後は椿の方向音痴には苦労しながらもなんとか部屋にたどり着いた

ちなみに俺と椿が一緒にいた事で付き合っている噂が立っている事に俺達は気づいていなかった

 

「ふー見つけた見つけた、ここね」

 

扉には【椿 春歌】と書かれている表札がある

俺の名前のある扉も少し先にあった

 

「しっかしこの部屋の扉が並んでいる風景はホテルに似ているな」

 

見た目はお屋敷、中は学校、寮はホテルの見た目をしているとは驚きの連発だ

この扉が並んでいる風景を見てホテル以外の回答を得る事はこの学園関係者じゃない限りは難しいだろう

 

「俺も行って見るか」

 

俺は【日暮 紅葉】の表札を探した

 

「お、あったあった」

 

自分の部屋の扉の前に立ち、認証装置らしきものに部屋番号を入れていく

 

ピ~ガチャ

「おー」

 

見事だ

見事に真っ白で広い何もない空間がある

 

「あら?貴方ベッドとかは?」

 

自分の部屋を見て満足したのか、椿が俺の部屋を覗いてくる

 

「いやーそれが…」

 

俺は寮に関して今日知った事を話した

 

「はぁ!?」

「今日知った?だから何もないわけ?」

 

俺は黙って頷く

 

「じゃあ、あんたどうすんのよ」

 

確かに、どうしよう

 

「はぁ…じゃあ、私の部屋に泊まる?」

 

椿が親切心からの酔狂な提案してくる

 

「いやいや…ありがたいけど、男女が同じ部屋はだめだろ」

 

「じゃあどうすんのよ」

 

ぐっどうしよう

 

「問題ないぞ」

 

後ろから鹿島が声をかけてくる

 

「先生どういうことですか?」

 

俺は思わず聞き返してしまう

 

「親御さんから連絡があった、家具等の引っ越しが済んでいないようだな」

「さっき携帯をいじってたのもそれだったのなら早く言えば良いものを」

 

「あっ…す、すみません」

 

俺は目をそらして答える

 

「…」ジ~

 

なんか椿が見てる気がする

いや気のせいだな、ウン

 

「で、どうするんですか?」

 

「今業者が家具を運んでるそうだ、お前も手伝え行くぞ」

 

「えっそれは業者のしごとぉぉぉ…」

 

俺は鹿島に連れていかれ翌日筋肉痛になるほど、働かせられた

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