セルフィアにもう一人オリキャラをぶち込みたくなった話   作:からすま

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もうそろ幸せにしてあげるべきなのかな。
でも不幸成分が足りない。
マジで行き当たりで書いてるから予定は未定。


九話

 

 結局私はセルザを助ける方法を見つけることなく部屋に戻ってきてしまった。町の人達にも協力してもらおうにも、セルザが死んでしまうなんて話すわけにはいかない。

 ベッドに横になろうかと思ったとき、目の前に小さなモンスターがいるのに気づいた。

 

「?…チロリ?珍しい…。」

 

 今日は色々あって疲れていたから部屋に入ってくるまで気付かなかった。町の中まで入ってくるなど滅多に無いだろうけど、人には無害なモンスターだし見逃されたのかもしれない。

 

「…ねぇ、どうしたらいいかな…。どうしたら、セルザを…」

 

 チロリを撫でながら色々考えていると、私に向かって飛び付いてきた。少しすると何かを咥えて離れたが…

 

 

「?…あ、セルザから貰ったお守りが!返して!!」

 

 セルザの羽をあしらったアクセサリーがチロリに取られてしまった。チロリはそのまま部屋を出て町の外へ向かって行ってしまった。諦める訳にも行かず、探せる限りは探そうとすぐに跡を追うことにした。

 

「あ、いた!」

 

 町の外へ出て見回すと簡単にチロリは見つかった。もう夕方で辺りは暗くなってきたが、チロリは鮮明に見えている。付かず離れず、追い付けないが見失わないように跡を追う。

 

 まるで誘われているかのように。

 

 

・・・

 

 

 

 また食堂で夕飯にしようかと外に出ると、沈んだ表情で町を歩くフレイを見かけた。俺を刺してしまったことをそんなに気にしてるのだろうか。

 俺が行って気分が晴れるか分からないし、更に気を落とすかも知れない。時間が解決するだろうと暫く様子を見ることにした。

 

 だが、町から走り出すフレイを見てすぐに追いかけることにした。こんな暗くなってきた時間に外へ走るなんて余程の事があったのだろう。

 傷を無理やり治療してフレイの跡を追う。何かを追っている様だが…何が見えているんだろうか。

 

 森まで追いかけて探していると、崖を前にして走り出すフレイを見つけた。そして、そのまま崖から落ちてしまう。

 すぐに俺も崖から飛び降りてフレイに風の魔法で落下速度を緩めようとした。

 

 すると俺が魔法を発動させる前に、空気のクッションのような物がフレイを包むのが見えた。それは俺にも同じものが起こる。決して自然現象などではなく、誰かが意思をもって助けてくれたような。

 降りた俺はフレイの元へ行く。

 

「あ、カインさん。チロリが私のお守りを持って行っちゃって、追いかけてたらこんなことに…えへへ」

 

 何も無くてよかったが、チロリだなんて…。

 

「あ、あの、一緒にチロリからお守りを取り返して欲しいんですけど…良いですか…?」

 

 着いて行くのは構わないのだが、地面に"エスケープ、用意"と簡単に書いて注意する。

 

「分かりました。その、傷は…」

 

 服を少し捲り傷の有るところを見せつける。かなり無理して治したのでまたジョーンズさんが濁った目で説教してくるだろうな。

 

「良かった…。本当にすいません…帰ったら何でも言ってください。できることならお手伝いしますから。」

 

 …なんでも、か。他の人にも言ってないか心配になる。

 

 モンスターを倒しながら進むとフレイが追いかけていたチロリを見つけた。青いオーラを纏う水晶と共に。

 

 ルーンスフィア、こんな所に落ちていたのか。やはり早く崖の下も探索すべきだったな…。

 

 そんなことを考えてるとフレイとチロリの鬼ごっこが始まった。端から見ると可愛い小動物と戯れる少女の図になってるが、本人は頑張ってお守りを取り返そうとしている。

 そんな一人と一匹を横目にルーンスフィアを回収するとチロリはまた奥へ逃げていく。

 

「あ、もう!また奥まで行っちゃった…それってカインさんが探してた物ですか?」

 

 ルーンスフィアを懐に入れながら頷く。

 

「私も見つけたら持ってくるようにしますね」

 

 更に奥に進むと人工物がいくつか見える。まだ動く仕掛けや、階段など明らかに人の手が入っている。住居にでもしていたんだろうか。

 谷を進むと森の開けた奥地に出た。チロリは最奥へと向かったので俺達も直ぐに追いかける。

 

 中に入ると前に蝶のヒト型モンスターの居たところに大きな木が生えていた。…このエリア全体に嫌な空気が満ちている、どこからモンスターが来るかが全く分からない。

 

 剣を抜いて警戒し、それを見たフレイも同じ空気を感じたのかいつでも魔法を撃てるような態勢を取る。

 

「カインさん。あまり無理しないで下さい」

 

 二人で周りを見ていたが、風を切り裂くような音がしてフレイの方を振り向くと、後ろから鋭い木の枝が頭目掛けて伸びていた。すぐさま伸びていた枝を叩き斬る。

 

 音の方へ振り向いたフレイは切った枝を見て目の前に見える5mほどの大きな樹自体がモンスターだと気付いた様だ。

 

「!!カインさん!足元に気をつけて下さい!」

 

 足元を見ると土がもぞもぞと動き、突如枝が地面から飛び出して攻撃してくる。後ろに跳び退き逃れることができたが、樹のモンスターは自身の体を囲うようにリンゴを回して空中にいる俺に投げてきた。

 

「させません!ファイアーボール!」

 

 フレイの援護によって地面で体勢を整えることのできた俺は残りの投げてきたリンゴを斬ってモンスターに近付く。

 

"一心一刀!!"

 

 体の大きいヤツには効果抜群のようで体に大きな傷を負わせた。攻撃を受けた木のモンスターは大きく叫ぶと視界を覆うほどの大量のリンゴを飛ばしてきた。

 隙間を掻い潜りフレイと共にモンスターへと剣を振るう。しかし、それを待っていたかのように周囲を鋭い枝に囲まれてしまった。どうにか打開するために近くにいたフレイを抱き寄せ魔法を発動させる。

 

"ダークネス"!!

 

 自分を中心に底無しの闇が円状に広がる。こちらを狙っていた枝は闇に飲まれて根本から消えていった。

 闇魔法は強力な代わりにルーンを大量に消費してしまうが、躱しきれない攻撃を打破するためならば仕方がないだろう。

 

 モンスターの予想を裏切り、俺の魔法から飛び出したフレイの剣戟がモンスターを削っていく。やられてばかりはいないと太く束ねた枝を槍の様に伸ばす。俺のことなど眼中に無いように狙う槍を前に出て受け流す。

 

「これで、終わり!!」

 

 フレイは俺の横を通り、大きな隙を晒したモンスターにトドメとばかりに剣を突き刺す。モンスターは小さな光となり、始まりの森へと帰っていった。

 

「…ふぅ、危なかったです。助かりました、カインさん。でも多分カインさんならあのままでも斬れたんじゃ…?」

 

 安堵で気付かなかったが、俺の横にチロリがいた。突然腹に体当たりをしてきて、咄嗟の事に尻餅をついてしまった。チロリは俺のポーチからルーンスフィアを盗んで森の奥へと置いた。

 すると辺りはルーンに満ちて、淀んだ空気が浄化されていく。暗かった森はルーンの輝きでとても明るく照らされていた。

 

「!!、これなら、セルザを!!」

 

 割れたルーンスフィアが守り人達の代わりになるのを見抜いたのか…?ただのチロリが?

 

"つたえて"

"わたしたちも"

"あなたをみまもっている"

 

「!今、森全体から声が……そっか…。わかった、必ずセルザに伝えるよ」

 

 

 

 入り口から気配を感じて振り向くと遺跡であったゼークス兵士達よりも格の高い鎧を着た男が来ていた。

 

「ほう、これがルーンスフィアか。凄まじい力だな…。陛下が欲しがるのも納得だ」

 

「…!誰ですか…!」

 

「お前ら二人の事は調べさせて貰ったよ。カイン、フレイ。調査に出た部隊が帰ってこないし、お前も気づいているんだろう?」

 

 男は飄々とした態度で此方へ歩みを進める。そして相手が剣の柄に手を伸ばした瞬間に縮地で距離を詰めて斬りかかるが、返す剣で受け止められる。

 

「ハハハッ!!そうカッカするなよ!そういえば報告によるとその女は記憶が無くなっているんだったなァッ!!」

 

 っ!!

 

「お前も愛する女の為に腕も無くし片目も見えていないんだろッ!?声も出せないんだなぁ!!誰を助けてそうなったのか教えてやろうかァッ!!」

 

「何を…、私のことも知ってる…?」

 

 コイツが何か喋る前にどこか、遠くへ…。

 俺は兵士を巻き込んでテレポートを使う。光に包まれ転移する前にフレイへと微笑む。

 

「ま、待って下さ

 

 

 

・・・

 

 

 

 

「ま、待って下さい!!カインさん!!」

 

 言い終わる前にカインさんは鎧の人と転移の光に包まれて消えてしまった。2人が居た場所には、草を踏みしめた跡が残っただけだった。

 

「…」

 

 あの鎧の人は私とカインさんを呼んでいた。腕と片目が無くなった理由も知っている様子で…。

 

 今は信じてカインさんを待とう。

 

 

 




あーあ、もう自分でもなに書いてるかわかんねぇや。
ここから暫くフレイだけになります。
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