セルフィアにもう一人オリキャラをぶち込みたくなった話   作:からすま

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二十一話

 

 

「来たか、アースマイトよ。待ちくたびれたぞ」

 

「エゼルバード!何をするつもりだ!」

 

「クゥクゥ……。何をそんなに興奮している?余の力を目の当たりにして、いささか焦りを感じているのか?」

「だとしたらいささか残念だな。フレイ」

 

「え……?」

 

「アースマイト……大地に愛され、ルーンの加護を受けた者たち。余もまた、大陸の覇者にならんとしたとき、その力を持つものに苦しめられた」

「しかし……今は感謝しているのだよ。いや、それどころか敬意を払っているとさえ言っていい。汝らアースマイトは、人などではたどり着けない境地。神の座にもっとも近い存在だと余は思っておる。」

 

「一体なにを……」

 

「汝もアースマイトなら、あまり余を落胆させてくれるな。この石を取り戻したいというのなら、その手で、その力でもって、余を止めてみせるがよい!!」

 

 エゼルバードの背後に数えきれない数の魔法陣が瞬く間に浮き上がる。その全てが煌めいたかと思うと一斉に魔力の弾が発射された。クロとミドリは左、私は右に弾けるように別れてエゼルバードへと距離を詰める。

 

「ケモノ風情が!余に触れるなァ!!」

 

 私より早く攻撃を仕掛けた2匹は集中砲火を受ける。何発かは受けているが、致命傷を避けて確実に魔法と牙をその首元へ狙う。だが一歩及ばず背後の魔法に撃たれ後方へ転がってしまう。

 ようやく追いついた私の槍での一撃は、難なく魔力の盾で防がれてしまった。しかし事前に槍へと溜めた魔力をその場で開放し雷が盾を貫き、エゼルバードの身を焦がす。大半は盾で防がれてしまい、肌が焼ける程度にとどまってしまう。

 

「クゥクゥクゥ……。さすがはアースマイト……。これだ……!これが余の求めていたチカラ……!!思えば、以前の余は実に愚かだった。この世界を総べることが余の望みだったが……アースマイトこそが、その望みの小ささを気付かせてくれたのだ」

 

「たとえこの世界を総べることができても、ただの人間には、この世界の神になることなどできぬ。しかし……アースマイトならばどうだ?余の野望を打ち砕いた、あの力を持つものならば!」

 

「神竜すらも封印するという魔法を操るその存在になれたのならば!!」

「神すら打ち砕くその力で、神になれぬはずがないではないか!?」

「そして、余はついにたどりついたのだ!!」

 

「それが私達の作り出したルーンスフィア…?」

 

「そうだ!これもまた汝らの作りしもの!!感謝するぞ、アースマイト……!これで余も、神の頂にたどり着く権利を得たのだ!!」

 

「……っ!そんなことのために、ルーンスフィアを……!!」

 

「そんなこと、だと……?」

 

 

 

「力を持ったものが、知ったようなことを言うなァ!!余は、アースマイトに敗れた後……血眼になって、アースマイトになる方法を探したのだ!」

「探して、探して、探して、」

「探して探して探して探して探して!!」

 

「そして、ついにたどりついたのだぞ!!故に見よ!アースマイト!!これが汝らの力を得た、余の真の力だ!!!」

 

 エゼルバードは魔力自体を繭の様に身体全体へ纏わせる。クロはミドリを背に乗せ、爪に風を纏わせて振り抜くが甲高い音を出して弾かれる。

 私も先程と同じ2割程の魔力を込めて雷を抜き放つが同じ様に弾かれてしまった。

 

「…クゥクゥ……クゥクゥクゥ……!クゥーッハッハッハ!!」

「これがアースマイトのチカラ!これこそがルーンスフィアのチカラか!毛ほどの苦痛を感じぬ……!自らの限界さえ見えぬ……!!素晴らしい!まさに神に匹敵する力だ!!」

 

 

「くそ……ここで負けるわけにはいかない……セルザを……助けるって…約束したんだ……!」

 

「ふん……。まだそのようなことを言っておるのか……いつまであの死に損ないの神に頼るつもりだ?あのような竜に、もはや価値などあるまい。神に代わるこのチカラさえあれば……!汝もそうは思わぬのか!?」

 

「お前になんて分からない……セルザは……セルザは大切な友だちなんだ。私が記憶を失ってセルフィアに来て……はじめてできた大切な友だちなんだ!お前みたいな自分勝手な人に価値がどうのなんて言われたくない!」

 

 

「………………つまらん……」

 

「つまらん、つまらん、つまらんぞ!アースマイト!!そのような戯れ言、余は期待しておらんのだ!!!」

 

「もうよいわ。……死ね」

 

 そういって手に集めた魔力を私達へと向ける。

 

 瞬間その体は外から撃たれた砲撃によってブレて当たることは無かった

 

「……何事だ?」

 

「おーーーイ!フレイーー!!」

 

「聞こえていますかーーー!?王都からの援軍が到着しました!現在、この浮遊城内部を制圧中です!」

 

「ついでに、強力な助っ人も連れてきたゼ!だかラ――」

 

「エゼルバードを倒して!!」

 

「一緒に帰るゾオオオ!!!」

 

 突如突風が吹き顔を覆う、手を離して目を開けると、極彩色の翼と緑の鱗をを持った優しい竜。セルザウィードだった。

 

「セルザっ!?だ、大丈夫……なの?」

 

「なんじゃ、その顔は?」

 

「だ、だって……」

 

「ルーンスフィアを一つ取り戻してくれたじゃろ。あれのおかげでなんとかなっとる。……ふふん、ニヤニヤしおって。そんなにわらわが恋しかったか?」

 

「うん…!うんっ……!!」

 

「そうか……」

 

「セルザこそ、久しぶりに私と話せてうれしいんでしょ?」

 

「な、なにを言うか!別にそんなこと……っ!!お主、まさか…!!いや、今は目の前にいる敵じゃな」

 

 セルザはクロを見て何かを口にするが首を振って落ち着く。

 

「……全く、なんというルーンの量じゃ……あれがルーンスフィアの力か。確かに、人の身には余りそうじゃの」

 

「……ごめん、セルザ。ルーンスフィアを取り返すって、約束したのに……」

 

「……その約束、守るつもりはないのか?」

 

「え?」

 

「そちとわらわで、今からルーンスフィアを取り戻す。これで約束通りではないか。そうじゃろ?」

 

「セルザ……うん!そうだね!」

 

「さて、話が済んだのなら、そろそろ手合せ願えるかな?ネイティブドラゴンにアースマイトよ」

 

「ふん……。人間風情がナマイキを言いよるのぅ」

 

「人間……?バカを言うな!!余はそのような小さな存在ではない!!余はアースマイト!大地とルーンの加護を受けしもの!!いや、今やその頂に立つものだ!!」

「ただの人間なんぞには――この舞台に立つ資格さえないわ!!」

 

「愚かな……アースマイトも人間じゃ。それに、キサマのその力は紛い物に過ぎん。度を越えた力を行使すれば、いずれ肉体が破綻するぞ」

 

「……そうだな。神の魂にこの器はあまりに不釣り合い。故に、仕方のないことだ。そして――この肉体が崩壊せし時こそ、余が人の身を捨て、神へと昇華する時!」

 

「……これ以上の問答は無意味か。フレイ、ぬし達も、いけるか?」

 

「もちろん!」

 

「来い!!余の進化の礎となるがいい!!!」

 

 セルザは尾に光を纏わせてエゼルバードへと叩きつける。すると纏っていた魔力の繭がひび割れ、流れるようにブレスを吐く。繭は粉々になり、よろけたエゼルバードに2匹と私で攻撃を仕掛ける。

 肌は切り裂かれ、肌は焼け焦げる。しかし傷など関係ないとそのまま魔力弾を自分ごと爆発させてきた。

 

「大丈夫か!!」

 

「っ!なんとか大丈夫!」

 

「ぐ…っ…素晴らしい…素晴らしいぞ……流石ネイティブドラゴン。流石アースマイト…これでこそ…余の考えは間違いではなかったと言える…」

 

 その場にフラフラと立ち竦むエゼルバード。なんとしても膝はつかない意志が見える。

 

「……限界じゃな。人の身にあれほどのルーンを宿せば、こうなるのは目に見えておった」

 

 

「余は……この世界の………王となるもの……これほどまでの……力……それすらも上回る、圧倒的な力……余はそれに……憧れたのだ……」

「その力を、この手にすることを……ただ一つ、目的としてきた……この世界全てを……治めるために……!」

「そして……ようやく、この力を……ルーンスフィアを手に入れたのだ……!」

 

「まだ分からぬのか、愚かな人間よ……所詮、人は人以外のものになれん。望む、望まぬに関わらず、何者もそれ以外になることなど出来ぬ。しかし、だからこそどの存在も等しく尊いのだ」

 

「いいや、違うな……」

 

「……なに?」

 

「それは、全てをあきらめたものの戯れ言よ。余は違う……その程度のことであきらめはせぬ……この程度の器で満足はせぬ。このルーンスフィアには、その理を覆すだけの力がある……!」

「キサマにも分かるだろう。死期を悟りしネイティブドラゴンよ。本来生まれ変わるべきキサマが、この世界に留まっているのは、果たして何のおかげなのか……」

 

「…………」

 

「余には見えるぞ…同じルーンスフィアの力をこの身に受けるものとして、その力を失った命の灯火が、今にも消えかけているのがなァ!!」

 

「……っ!、少し……力を使いすぎたようじゃな……そやつの言うように、……わらわもまた、限界じゃ……」

 

「それなら、早く残りのルーンスフィアを取り戻さないと……!」

 

「いや……」

 

「え……?」

 

「わらわの体は……とっくの昔に限界じゃった。それを……守り人たちが体を張って食い止めてくれていたのだ。その代償として、守り人たちの人生を狂わせてな……」

「全てのものには意味がある。ルーンスフィアもまた同じ。それのなすべきことは、それが生まれた時に決まっていたはず。それを自分勝手に使ってしまっては……わらわもまた、あやつと同じになってしまうではないか」

 

「セルザ………………でも!」

 

「……聞けぃ! ゼークスの皇帝よ!その石が存在するのは、わらわの命を救うためでも、人をアースマイトにするためでも、ただの人間を神に代えるためでもない!」

「ルーンとは生命力の源!大地にある全てに、生命力を与えるためにある!!その理をねじ曲げることは――」

 

「ネイティブドラゴンが一柱、この風幻竜セルザウィードが許さん!!」

 

 

「貴様……分かっているのか……?それはつまり……汝の死をも意味していると……」

 

「……かもしれぬな……じゃが、自らの宿命を自覚しながら、それを全うせずして、どうして胸を張ることができる?」

「この命として生まれて良かったと、どうして誇りを持つことが出来るというのだ!!」

 

「クゥクゥ……汝は一つ勘違いしているようだな……」

 

「……なに?」

 

「余は既に……己の生き方に誇りをもっておる……その余が、生涯を掛けて為し得ようとした目的こそが、人を超え、神と名の付く存在になることなのだ」

「そして……!我が手中にあるルーンスフィアが!この石を巡ってようやく生まれたこの状況こそが!!それを可能にするッ!!!」

 

「……エーテル……リンクッ!」

 

「なんじゃ…これは…!?引き寄せられる……!?」

 

 

「忘れたか?アースマイトよ……余がこのルーンスフィアを使い、研究を進めていたことを」

「それは人の身でありながら、アースマイトの力を得ること。その力により人とモンスターを融合すること」

 

「そして……!その力により、ネイティブドラゴンを生み出す方法。正確には!人の身を、神であるネイティブドラゴンに昇華させる方法だ!!」

 

「き……さま……!!」

 

 エゼルバードへと引き寄せられるセルザを助けるため攻撃をするが、また繭を張られてしまい攻撃は弾かれてしまう。

 

「セルザ!!っこの!なんで効かないの!」

 

「クゥクゥクゥ……なにを慌てているのだ。セルフィアのアースマイトよ。汝には言っておいたはずだぞ。汝が来なくともこちらから行かせてもらうとな……!」

 

「障害となる汝を先に倒してからと考えていたが……手間が省けたぞ。ネイティブドラゴンよ!」

 

「くぅ……!」

 

「さあ……!余の一部となり、汝の役目を果たすが良い!!」

 

 何度も攻撃をするがびくともせず、私達の抵抗は虚しくエゼルバードとセルザは光に包まれる。

 

 




エゼルバードお喋りすぎぃ!
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