セルフィアにもう一人オリキャラをぶち込みたくなった話   作:からすま

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二十二話

 

 

 光に包まれたエゼルバードとセルザ。そこには項垂れて虚空を見つめるセルザの身体。

 

「……セル、ザ……?ねえ、セルザ……!!」

 

 

「クゥクゥ……。クゥーッハッハッハッハァ!!これだ……!これが余の欲していたものだ……!!」

「神の力に神の器……!世界を総べる者にふさわしい形!!素晴らしい!素晴らし、ぐう……!?」

 

「フレイ……」

 

「セルザ!?」

 

「たのむ……わらわを……倒してくれ…」

 

「……そんな!?」

 

「こやつごと、はじまりの森へ送り返す…もはや、それしか…たの、む……こやつを……止めて、く……ぐ、ぐああぁぁぁあああぁぁぁ!!」

 

「セルザァァーーーーーー!!!!!」

 

「……っさすがに……最後まで悪あがきしてくれるな…しかしそれでこそ、今まで神とあがめられていた者だ。……さて、」

「どうだ?アースマイト!セルザウィードと融合した余の姿――汝の目にどう映る!?」

 

「…………」

 

「哀れだなあ、フレイ。同情するよ……せっかく余があらかじめ忠告していたのに。だが、安心するが良い」

「汝の守り通せなかったこのセルザウィードの力、余が、責任を持って使い尽くしてやろうではないか!」

「新たな神として!!この世界を総べるためにな!!」

 

「……っ、エゼルバード……!」

 

「おお、そうだ!余に力を与えてくれた、汝とネイティブドラゴンに感謝して、まず手始めに汝らの大切にしていたセルフィアの町を焼き払ってやろう」

「この竜も、それなら満足してくれるに違いない!」

 

「エゼルバードオオオオォォォ!!」

 

「来い!アースマイト!!余が受けた屈辱と挫折を味わいながら!!絶望の中で、一欠片の救いもなく!這いつくばるがいい!!」

 

 エゼルバードは竜の身体を大きく回転させ尾や翼で私達を吹き飛ばす。近づこうとするとブレスを吐き、人の時に使っていた魔力弾を更に威力を強くして撃ってくる。

 ミドリとクロは飛んでくる弾を避けたがブレスに飲まれ動かない。

 私もいくつもの魔力弾に晒されて避けきれずに被弾してしまう。そこへ百に近い数の弾を撃たれてボロボロになりながら転がってしまう。

 

「……く……そ…っ…こんな……ヤツに……」

 

「良い……イイぞ……アースマイト……!」

「余はソレが見たかったのだ!!余を苦しめたアースマイトが、為す術もなく地を這う姿を……!」

 

「貴様たちアースマイトは確かに尊敬に値する。なぜなら、余に屈辱を味わわせた唯一の存在だからな」

「だが……余はその屈辱を、決して忘れはしない……忘れてはいないぞ……!アースマイト!」

「何度も、何度も、何度も、」

「何度も何度も何度も何度も数えきれぬほど夢に見た!!」

「キサマに倒されたときのことを!何度も! 何度も!!」

 

「……なんの、ことだ……」

 

「余はその夢を見るたび、胸が張り裂ける思いだったのだぞ?」

「だから……余の想い、受け取ってくれ」

「苦しめて、苦しめて、苦しめて、」

「苦しめて苦しめて苦しめて苦しめて苦しめて苦しめて苦しめて苦しめて苦しめて苦しめて苦しめて苦しめて苦しめて苦しめて苦しめて」

「苦しめて苦しめて苦しめて苦しめて苦しめて苦シめて苦しメて苦しめテ苦シめて苦しめテ苦シメて苦しメテ苦シメて苦シメテ苦シメテ」

 

「その末に!根絶やしにしてくれるわ!!アースマイト!!!」

 

「まずはキサマの愛するものからだ。そこの犬、神竜と融合した余には見えているぞ?」

「モンスターの身体にニンゲンの魂が混ざった、何とも奇妙なモノよ。…その魂に映るニンゲン、ノーラッドとの会談で見たことがあるぞ?」

 

 何か見えない力でクロの身体が空中へ持ち上がり、エゼルバードの目の前へと浮いてくる。そしてその首を掴んで更に持ち上げる。

 

「グガァッッ!!」

 

「!!何をする気!?やめて!!」

 

 締め付けられているのかとても苦しそうな声を上げ、低い唸り声を出しながらエゼルバードを睨む。

 

「名は……カインとか言ったか……?」

 

 一瞬だけ時が止まったような感覚がする。周りの音が聞こえなくなり、エゼルバードの声が反響するような気がした。

 

「……う、そ……カイン、なの…?どうして、モンスターに」

 

 エゼルバードはもう片方の爪を持ち上げ、ゆっくりと大きく振りかぶり、クロを、カインを切り裂く。辺りに血飛沫が飛び、エゼルバードの顔にも降りかかる。

 

「ガア"ァァァ"ア"ア"ア"ア!"!!!」

 

「いやっ!!!いやぁぁあ!!やめろォオオ!!!」

 

「ふんっ、穢らわしいっ!」

 

 カインをコチラへ投げ捨て、その体を抱きしめるが受け止めきれずに転がる。カインは荒く息をしながらもその身体に受けた傷から血を止めどなく流す。

 これ以上血を流してしまうと不味いと思い手で覆うが、傷が大きすぎて意味をなさない。

 

 傷を塞ごうとした手を温かい血が流れる。命が、漏れていく。

 

「さて、次は近くを飛ぶハエの始末か…?」

 

「ぃや、やだ、止まって……、み、みど、おきて。おねがい。起きて!ミドリ!カインが!!」

 

 側に倒れる精霊、ミドリを揺らすが意識は戻らない。自分は回復が使えない、適正が無い事を酷く恨む。

 

「み"どりぃ"!!お"願いだから、起きてぇ"っ"」

 

 溢れる涙は止まらず、喉は枯れてもミドリを起こそうとする。カインの身体が冷たく、軽くなっていく気がした。

 

「…うっ、ご主じ――っ!!」

 

「っ!みどり!お願い、キュアを!!」

 

 目が覚めたミドリは目に入った光景に目を開き即座にキュアをカインへ唱える。何度も唱えてやっと塞がった傷と、上下する身体を見て一先ず安堵する。しかし池のように流した血は多く、放っておくと危険なのに、ダメージが大き過ぎて体が動かない。

 

「無理をするな。フレイ。そのまま、ゆっくりとソコで見ているがいい。キサマの大事なものが、目の前で消えていく様を、存分にな?」

 

 そしてエゼルバードは近くを飛んでいた、ダグとアーサーさんが乗った飛行船を魔法で攻撃する。煙をあげて落ちていく飛行船を見つめて、頭が真っ白になる。

 

「…あ………ダグ、アーサーさん…………私が、止めなきゃ……」

「でも……………もう、力が入らない……」

 

 

 

 ……ごめん、セルザ……

 

 

 

  …………ごめんね、みんな…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――あきらめるな、フレイ。

 

「え……?」

 

 胸の辺りが温かくなり、胸元を見る……そこにはセルザの御守りが光を放っていた。

 

 

 

 "忘れないで……!フレイちゃん"――

 

 

 "お前は1人じゃない"――

 

 

 "俺たちは、アンタのつかむ未来を信じてるから"――

 

 

 "だから、無事に帰ってきなさい"――

 

 

 淡い光が身体を包み、町の人達の思いが、力が、お守りを通して集まってくる。その光はカインとミドリにも集まって傷を治していく。

 

 

「傷が治って行く……それに力が……!」

 

 

 "フレイ"

 "わらわの心も、そちに託すぞ"

 "じゃから――目の前にいる、そのニセモノを――そちの手で、倒してくれ"!!

 

 

 そっとカインを横倒し、力強く地を踏みしめ立ち上がる。

 

「ほう。まだ戦う意思があるか。尊敬を通り越して呆れる程だ」

 

「何度だって立ち上がるよ……私は一人じゃないから。みんなが、私たちの帰りを待ってるんだから!!」

 

「クゥクゥ……面白い!それでこそアースマイトだ!!ならば、再び絶望させてやろう!!!余がキサマから受けた屈辱と同じように……!何度でも、何度でもなァ!!」

 

 百、いや、それ以上の魔力弾が私を襲う。手にした槍を一振り、雷が弾をはじき、落とし、相殺する。

 

「ば、バカな……っ!」

 

 ブレスを吐く。槍をエゼルバード目掛けて虚空を突く。質量をもつブレスと雷が轟音をあげてぶつかり、互いに霧散する。

 

「来るな!来るなァァァ!!!」

 

 魔力を纏い光る爪を振り下ろしてくる。それに合わせるように槍を振り上げる。拮抗は刹那。竜の腕は弾かれ、雷はエゼルバードを貫く。

 

 エゼルバードは光に包まれ、セルザの体と人の体で別れる。

 

「セルザ!!」

 

「……なんて顔をしておる。ふふっ……わらわに、不可能はない……お主のお陰で分離できたぞ……」

 

「よかった…」

 

「ば、バカな……こんなこと……あるはずがない…!…神である、余が負けるなど……余は、神となる力を……完全な肉体を……手に入れた、はず、なのに……」

 

「……ちがうよ。何も手に入れてなんかない。アースマイトの力も、ネイティブドラゴンの力も。あなたのものじゃない」

 

「違う……!!余は……全てを手に入れていた……!それを……アースマイト……!またしてもキサマが……!」

 

「あなたを倒したのはアースマイトじゃない。ただの人間だよ」

 

「……!……なにをバカげたことを……!」

 

「力とは心と同じ。目に見えぬものじゃ。そして、心は相手から託してもらうことでしか手に入らん」

「じゃから……わらわは託した……思いと、力を。ただの人間たちにな」

 

「……バカな……余が……人に負けたというのか……?アースマイトになり、ネイティブドラゴンさえ超えた余が、ただの人に……!」

「ぐぉぉおおお!!!く、そ、おお、お…おおお………認めぬ。人間…なんぞにぃぃ……余が…余が…!!負けるわけが……!」

 

 膝をつき空へと慟哭をあげるエゼルバードの体が少しだけ透けて光が空へと消える。

 

「こ、これは……!?」

 

「ヤツのルーンがはじまりの森に吸い寄せられておる……」

 

「それって……」

 

「人の身でありながら、ルーンスフィアの力に染まりすぎたのじゃ……だが、ヤツの体はもう限界……」

 

「クゥクゥクゥ…!やはり…!余は…もはや人などではない……!これがその証拠……!」

「見よ!アースマイト!!余は神として帰るぞ!はじまりの森に!!故に認めよ!!アースマイト!!!」

 

「余の存在を!!」

 

「その崇高さを!!!」

 

「認めよ……!!認めろおおおおおぉぉぉ!!!アースマイトオオオオォォォ!!!」

 

 

 そうして体は全て光となって消えていく。消えた跡には何も残ってはいなかった。

 

 

「最後までくだらん肩書きに執着するとはな……しかし……ぐっ、!」

 

「セルザ!大丈夫!?」

 

「…ああ。……なんとかの……」

 

「よかった……!」

 

「よくぞ、エゼルバードを倒した、フレイ。辛かったじゃろう……」

 

「うん。でも、1人じゃなかったから。みんなで戦ったから平気だよ」

 

「そうか……そちが命をかけて戦ってくれたこと、本当に感謝している。ありがとう。」

 

「わらわを助けてくれてありがとう。フレイ」

 

「セルザ……私だけじゃないよ。町のみんなも一緒に戦ってくれたんだから。みんなにお礼を言わないと」

「セルザ?どうかした?」

 

「…ああ……そうじゃな。帰って、みなに礼を言わんとな……!さて、フレイ。わしの背に皆を乗せ、セルフィアに帰ろう!」

 

 

 

「うん!」

 

 

 




次はエピローグ書いて……どうしようかな
しばらくレスト×ヒロインの方書いて待っときます
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