セルフィアにもう一人オリキャラをぶち込みたくなった話   作:からすま

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五話

 

 旅行の時のいい夢を見て起きれた。今日は取り敢えずセルザウィード様の所に行って話を聞いてからもう一度ヨクミール森にでも探索しに行こう。

 

 流石に謁見に向かうには早すぎるので町を歩いているとハープの音楽と透き通る声が聞こえてきた。

 

~♪、~~♪…~、♪

 

 朝の少し湿度のあるヒンヤリとした空気に流れるゆっくりとした音楽。思わず足を止めて聞き入ってしまう。演奏が終わり、ハープを奏でていたエルフに声を掛ける。

 

"良い曲だった"

 

「え!?あ、あははっ…お恥ずかしい…。ありがとうございます。そう言って貰えると音楽家冥利に尽きます!」

 

 前にも変なエルフの芸術家に合ったことが有ると伝える

 

「いや、それはどうかなぁ…。うちの人たちが少し特殊なだけでそんなことは無いと思うけど…」

 

"レインボーらしい"

 

「あー…、何となく分かってしまった…。今目の前のお店は食堂なんだ。私そこで働いてて、店長はちょっと変な人だけど味は保証するから良ければ寄って行って下さい!」

 

"機会があれば"

 

 

 

 竜の間へ行く間に「アナタ怪しいわね!持ち物検査よ!」と冤罪を掛けられ無駄な時間を過ごしてしまった。

 広間へ着き、人がまばらになるのを見計らいセルザウィード様の元へ向かう。

 

「…カインか。大方検討はついておる」

 

 また人払いをしてもらってから話を進める。

 

 "昨日ヨクミール森でフレイと共に戦闘、その際守り人が解放されたように見えました"

 

「うむ、御主の見たことは間違い無い。正確にはフレイのアースマイトとしての力が、守り人の解放に関連している」

 

"それによる影響は?"

 

「…このまま順調に解放していけば…持って三ヶ月、といった所か」

 

"知っているのは?"

 

「いや、お主だけじゃな。内密にして貰えると助かる」

 

"迅速に終わらせます"

 

 

 話が終わった俺は荷物を取りに宿へ戻る。整理をしてる中でマヒロンが減っていることを思い出した。ポーチには9個ずつ入れるようにしているのだが、少しでも足りていないと不安になってしまう。

 

 丁度受け付けにシャオがいたので場所を聞いて向かう。

 

「ジョーンズさんの所に売ってるはずだが。宿を出て真っ直ぐ行ったら突き当たりを右に行くとあるようだ」

 

"助かる"

"夕飯は食堂で済ませる"

 

「了解した。では気を付けて行ってくるといい!」

 

 言われた通りに向かうと薬マークの建物を見つけた。とても分かりやすい。

 建物を見ていると扉を開けて白衣を着た男性が出てくる所だった。

 

「…?、見ない顔ですね。旅の方ですか?」

 

"薬の補充"

 

「貴方…声が…。私はジョーンズと言います。この診療所の院長です。既製品はそちらの棚にありますので、ゆっくり選んで下さい」

 

 棚から必要な薬をいくつか見繕い会計を済ませる。

 

「……カインさん。ちょっとここに座ってください……いいから早く、座ってください。……3度目はありませんよ?」

 

 すぐに出る予定だったので立ち止まって考えていると有無を言わさない声色だったので大人しく座る。

 

「…やはり…。左目、しっかり処置していないでしょう。おそらくそちらの腕も。キュアなど魔法で無理やり治したとしても傷が塞がるだけで、血が残って壊死したり細菌で大きな病気になってしまうんですよ?」

 

 そうなのか…寝るとき傷があったところが熱くズキズキと痛むので納得した。

 

「こちらの台に横になって下さい。今から処置します。」

 

 え?今から?

 

「はい、今からです。部分麻酔をかけますので寝るか天井でも見ていればすぐ終わります。」

 

 言われた通りに処置台に横になる。

腕からやって貰ったが…いや、待て、この人目瞑ってないか?

 麻酔を入れられ目も開けられなくなってしまったが、耳から笑い声が聞こえてくる。

「フフフッ、フフフエヘヘアハハハハ」

 

 いや、怖い…怖いって。なんだこの診療所。

 

 

・・・

 

 

「終わりました。3時間程で麻酔も切れる筈ですので、それまでは安静にしてて下さい。それと、くれぐれも魔法で治さないように。緊急時以外は自然治癒に任せて下さい」

「喉の傷に関しては申し訳ありませんが、今からでは処置の仕様がありません」

 

 少し気怠い体で頷く。

 

「よろしい。では、そこのベッドに横になっていて下さい。ナンシー、彼を連れてってあげて下さい」

 

「えぇ、わかったわ、歩けるかしら?」

 

 

 ナンシーと呼ばれた人にベッドへ案内された。

 言われたベッドの横を見ると、昨日助けた女の子が目を覚ましていた。

 

「あれ?あたし、どうしてここに?」

 

「あら、目を覚ましたのね!ジョーンズ!昨日の子が目を覚ましたわよ!」

 

 その時丁度フレイが病院に入ってきた。

 

「おや、フレイさん。この間運ばれた子の目が覚めましたよ」

 

「本当ですか!?良かった…。え、カインさん!?そんな大きな怪我をしたんですか!?」

 

「落ち着いて下さいフレイさん。カインさんは杜撰な応急処置程度で傷を放置していたので無理矢理にでも治させて貰いました。安心して下さい。」

 

 なんか、そこはかとなくトゲがあるような…

 

「そうなんですね。良かった…。君は具合とか大丈夫?」

 

「うん。大丈夫だよ?」

 

「私はフレイ。君は?」

 

「コハクっていうの。あれ?おもしろい顔の人?じゃああなたが助けてくれた人なの?」

 

「えっと私だけじゃなくてそこのカインって人も一緒に助けてくれたんだ」

 

「そっかぁー…。ありがとーございました。」

 

「どういたしまして。君はどうしてあそこで倒れてたの?」

 

「うーん…。どうしてだろうねぇ、よくおぼえてないの。…なんだかとっても大切なことだった気がするんだけど…」

 

「おそらくモンスターに襲われたショックで記憶が曖昧になっているのでしょう」

 

「まぁ、思い出せないモノはしょうがないの!」

 

「そ、そうだね…」

 

 中々肝が座ってるな、天然なだけかもしれんが…

 

「それで、これからどうするの?」

 

 ドアを勢いよく開ける音がする。あ、不審者扱いした名探偵。

 

「その心配は要らないわ!ん?あら、隻腕の不審者じゃない、お大事にね。それよりそこの子、アナタ名前は?」

 

 なんだその不名誉な二つ名は…どうせ喋れないし迷探偵とでも呼んでやろう。

 

「あたし?コハクなの!」

 

「ふむ、コハクナノね」

 

「違うわよエっちゃん、コハクちゃんよ」

 

「なるほど、コハクね。いい?コハク。アナタうちに来なさい!」

 

「…うん?」

 

 突然だな…。

 

「と、突然ですね…」

 

「うん!わかったの!」

 

「ええ!?って、羽!?」

 

「こんな事件の匂いがする子放っておけないでしょ!ワタシはエルミナータ、エっちゃんと呼びなさい!」

 

「エっちゃん♪」

 

「よろしい。じゃあ我が家に案内するわ!行くわよ、コハク!」

 

「がってん承知なの!」

 

 バタバタと走っていく。

 

「もう…エっちゃんたら、怪我人もいるのに。ごめんなさいね」

 

「…あの二人は大丈夫でしょうか?」

 

「大丈夫よ。エっちゃんだって立派な大人なんだから」

 

 立派な…大人…?

 

 

・・・

 

 

 

 今日は探索に行くなと釘を刺されてしまったので町を見て回ることにした。町に流れる川の横にあるベンチに座っていると、セルザウィード様に仕えてる老執事がいた。

 

「おや、カイン殿でしたかな?何かご不便な点は御座いませんか?」

 

"風呂とか着替えが大変"

"名前を聞きたい"

 

「我が輩としたことが!大変失礼しました。わたくしヴォルカノンと申します。以後お見知りおきを」

 

"なんで執事を?"

 

「…話せば長くなりますぞ…」

 

"じゃあいい"

 

「………。左様ですか…」

 

 少しショックを受けたように去っていった。少しでも聞いてやれば良かったかな…。

 

 湖の方に歩くと以前見かけた金髪の女性騎士が剣を振るっていた。太刀筋や体の動きからかなり洗練された物であると見える。しかし基本に忠実過ぎるこの動きは、そこらのモンスターには良くても対人や上位の敵相手では意味を成さないだろうな。

 

「!!、いつからそこに!…何故、紙を?」

 

"素振りを初めた時"

"すまない、声が出せないんだ"

 

「す、すいません!声が出ないとは知らずに…あの、そんなつもりでは…」

 

"気にしてない"

 

「ありがとうございます。…少し、宜しいでしょうか?」

「以前貴方を町で見かけた時に思いました、こんなにも隙の無い人がいるのか、と。仕合っても勝てるイメージが全く湧かなくて…。あの!私に剣を教えてくれませんか!」

 

 少し渋りながらも紙にペンを走らせる。

 

"朝なら"

 

「…!!、はい!!ありがとうございます!!」

 

 

・・・

 

 

 忙しいのに師匠紛いのことを約束してしまった。自分の事ながら無責任だったな…。夕方になってきて腹も空いてきたので、約束していた食堂に行くことにした。

 食堂の前に不気味な像が飾ってあった。でっかい…エビ?なんかこの町に停まってる飛行船と似た気配がするな…。

 

 中に入ってみるととても人気な店なのか、かなり客が入っていた。朝に会ったエルフの女性が演奏していて落ち着いた店の雰囲気に仕上がっている。

 

「あ、来てくれたんだね!嬉しい~!町の人から聞いたよ、カインさん!私マーガレット、宜しくね!ポコさん、1名入りまーす!」

 

 カウンターの所にいるふくよかな男性の所へ連れていかれ注文する。

 

「ご注文はなんデショー!」

 

"ガッツリ"

 

「リョーカイしました!ガツガツごってり入りマシター!」

 

 そこまでは言ってない…。

 

 町の住人たちが大きな席で皆と食べていたので、少し離れた小さな席に座って待っていると料理が運ばれてきた。

 

「ポコリーヌ特性ドンドコモリモリ定食デ~ス!」

 

 もはやガッツリ要素無くなったな…

 礼をしてから箸をつける。

 

 米と味噌汁にコロッケ、フライドポテト、揚げた魚や野菜炒めなどが乗った大きな皿が置かれた。旅館の味と似ているからここから注文してるのだろうか。

 食べ進めてると声を掛けられた。

 

「カインさん、ここ座ってもいいですか?」

 

 声を掛けてきたのはフレイだった。構わないと意味を込めて頷く。

 

「まだ皆の会話に混じれるほど馴染めてなくて…。凄い食べるんですね」

 

 話しているとフレイの料理が運ばれてきた。自分と同じような料理が。俺に言えた事か?と出てきた料理とフレイの顔をじっとりと見る。

 

「…えへへ、畑仕事でお腹減っちゃって」

 

 変わらないな。

 

「…?」

 

"よく食べるな"

 

「も~、それ女の子に言っちゃ駄目ですよ」

 

"飛行船で襲ってきたやつはどんな格好だった"

 

「えーっと、紺色っぽい色の鎧を全身に着てました。どうかしたんですか?」

 

 やはりゼークス帝国か…、どこから漏れたんだ…?

 

「…カインさん?」

 

 

 カウンターに代金を払って店を後にする。フレイが何か言ってた気がするが考えることが多くて耳に入ってなかった。

 そのまま宿に戻り風呂に入ってから明日の準備をした。明日は遺跡の方に向かってみようと思いベッドに入る。

 

 

・・・

 

 

「なに?ルーンスフィアの奪取に失敗しただと?」

 

「はっ、第三調査部隊が任務に失敗したとのこと、対象は記憶を失っておりルーンスフィアの場所は未だ不明です」

 

「…フンッ…、そ奴等は処刑しておけ。無能な兵士はこの帝国に不要だ。ヤツがセルフィアに向かったということは完成品を運んでいたに違いない。乗っていた飛行船を隈無く探し、通ったルートをしらみ潰しに探し出せ!!」

 

「はっ!!了解致しました!」

 

「フッフッフ…もうすぐだ。ルーンスフィアを手にし、この大陸を、その次は世界だ…!!」

 

「まずは、セルフィアだ」

 




長くなっちゃった。
住人との絡み入れると長くなっちゃう。一応短く纏めたつもり。
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