南洋の魔女たち~扶桑皇国海軍トラック島航空隊~   作:砂丘

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初投稿ですので初投稿なので、感想・誤字脱字があればよろしくお願いします。
批判、評価と一緒のご指摘は覚悟しております。
こちらはストライクウィッチーズの二次創作ですが、基本的には作品の世界観・各種設定のみを使用し、完全オリジナルでストーリーを展開させて頂きます。


南洋の空に舞う

1945年9月。大隅半島沖。

船が波を乗り越える規則的な揺れで机のコップの水が揺れる。ここは戦時徴用船、関西丸の船室。しかし、向かい合わせに座るのは共に十代の少女。

「志布志を出てから、ずっと外を見てるけどあなた、そんなに海が珍しいの?」

向かいに座る少女に、士官候補生の制服である紺詰襟の少女が言う。

彼女の名前は田門夕奈(たもん・ゆうな)。扶桑皇国海軍の航空歩兵。

「はい!知覧の街の周りは山ばかりですから。訓練で大刀洗まで初めて飛んだときには感動しました」

目を輝かせつつ返事をするこちらは陸軍の下士官服。彼女は鳥濱 桜(とりはま・さくら)。

扶桑陸軍航空隊のウィッチである。

「しかし、なんでまた陸軍さんがトラック基地に?」

夕奈が聞く。

「教育隊を卒業した後は、ビルマ駐留の飛行戦隊に配属の予定が、配属先の部隊が丸ごと壊滅してしまいまして」

桜は答える。

「それなら適当な他の部隊に編入されるでしょう?」

「恐らくは普通ならそうでしょうね。ですが、何故か陸軍と海軍との人材交流の為の派遣要員になる辞令が下ったんです」

桜の返答には、“困ったことになったものです”というニュアンスが含まれている。

「まあ、会った事のない人達の事を心配は出来ないわよね・・・」

夕奈は言う。

二人の話題が尽きた所で夕奈は椅子から立ち上がりベッドへ向かい、そのまま寝息をたて始める。

その姿に釣られるように桜もうつらうつらと船を漕ぎ始める。

 

 

道中ネウロイの襲撃・悪天候などは無く順調な航海が続く。

トラック島の中心、夏島まで残りが200キロ以下になったと船内に放送が流れる。

船内は徐々に慌ただしくなるが、直後に連続した汽笛の単音が響き左への急激な転針。続けて大波が船体に激突し、重い衝撃で船が揺れる。さらに今度は右へ大きく転針。

「えっと、この合図の意味と、今何が起きているんでしょうか?」

桜は夕奈に聞くが、

「これは非常汽笛!上で何が起きてるかまでは知らない!」

半ば怒鳴るように答えるや否や船室から飛び出し階段を駆け上がる。

そのまま艦橋に駆け込むと、ネウロイからのビームが船スレスレに着弾する光景と、船員の怒号が飛び交う光景が。

「トラック島からの増援はまだか!」

艦長の怒鳴るような質問が副長に飛ぶ。

「航空隊の到着には30分ほどかかるそうです!」

「ならば付近を航行中の艦船、特に空母はいないのか!」

数秒の沈黙の後、

「瑞鶴より緊急入電!“これより当艦は貴艦の援護へ急行する、しばし待て”とのことです!」

空母が来る、身を守る対空砲の無い商船には何よりの朗報である。

さらにこちらには航空歩兵が二名乗船。当然、彼女たちの飛行脚(ストライカー)もある。

「瑞鶴到着まで何としても持ちこたえる」

その宣言を背中で聞きつつ、二人は艦橋から甲板へと駆け下りる。




次回、《初実戦》。
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