2つが限界だぁぁあっ!来週の更新はないねっ!ごめんなさいっ!
「何やってんだあいつ?」
手すりにルフィと並んで階下を、パールを見下ろす。
いきなり大きな悲鳴を上げたパールに誰もが困惑して視線が集まる中、パールはその場に蹲って震えだした。
「──ちゃった濡れちゃっまずい雨だ雨だ雨はダメだ雨の中なのに外になんていたらダメダメダメダメ隠れなきゃ隠れなきゃ隠れなきゃ! どうして雨なんだよ雨なんか嫌いだふるな降るな降るなあぁあ火がないないないないなんでだよそんな事ってなきよああああ消えた消えた消えた消えた、ひ、火がぁぉあ火ぃぃ火ぃぃ……! マズイよ怖いよ火がないなんてぇぇえ゛ああ゛ああ゛もうダメだこんな゛のダメだ怖いよ怖い゛よ怖いよ怖い゛よぅぅ゛うう……っっ!」
……怯えてる?
炎という拠り所を消されたからか、蹲ったままパールはブツブツブツブツ独り言を繰り返し続けている。
クリーク一味が困惑しながら声をかけても、それにまるで反応がない。
「パールッッ!! 目ェ覚ましやがれっ! 俺の船で隊長張ってたやつがこれ以上の無様を晒すなっ!! 起き上がれっ、立って戦えっ! その"鉄壁”でヤツらを蹂躙しろ、パールッッ!!」
クリーク当人からも檄が飛ぶ。
それでも、一向に蹲ったままだった。
「! アイツッ!」
突然ルフィが飛び降りた。
何事かと行方を目で追う。
ルフィが着地して「おいっ!」とパールに向かって叫びながら駆け出す。
急にどうしたんだろう?
訳も分からない状況に戸惑っていた時、ふと、何かが飛んでくる音に気付いた。
そのタイミングで、大きな何かがパールに墜落し、ヒレが大きく陥没した。
……鉄、球?
大きなトゲトゲしい鉄球がパールを押し潰すように落とされていて。その鉄球から伸びた鎖はクリークの手元に繋がっていた。
「──や、ろう……っっ!!」
ルフィが怒りも顕に呻き、クリークを睨みつけている。
手元を誤ったのかと思っていた私は、ルフィの動きとその表情から察してまさかと息を呑んだ。
「なにやってんだ、ソイツはおまえの仲間だろうがっ!!」
「何を憤っているのか知らんが、仲間だ? バカか、そりゃ部下だ。いや、部下だったグズさ。そんな腑抜け、俺の部下にはいらねェんだよ。目的の船を焼こうとし、敵前で無様を晒す、そんな失態ばかりの役立たずを隊長に据えていたなぞ思うと、今やれるなら死体を引き裂いてやる所だ……っ!」
──……なにアイツっっ!
耳を塞ぎたくなるような物言いに、手すりを握り締めていた。
「お前もう、その口閉じてろっ!!」
叫んで、ルフィが駆け出す。その寸前。
「ぐぁっ」
ゼフさんの悲鳴に、「オーナーッ!?」と幾つもの叫びが重なった。
今度は何と下を覗き込んで絶句する。
店の入り口で見守るように、最後の砦のように立っていたゼフさんが、倒れていた。
ギンは倒れたゼフさんの頭に片手で銃を突きつけて、残る片手にはへし折った義足を手にしていた。
アイツ、ゼフさんを人質に……!
「さぁ、言いたいことは分かるだろアンタら。とっとと、ここを出ていきな」
サンジを始め、コックさん達が激しく怒鳴る。
ギンは無表情のまま、淡々と「出ていけってんだ聞こえねェのか」と催促した。
……私なら。
音符と流線を駆使して2人を引き離せる。まだ正面の皆に気を取られてる、今のウチに!
「ウタッ!!」
ルフィの叫び、焦りを孕んだそれに私は奥へ、店側へと身を投げ出すように跳んだ。
連続する銃撃音。
伏せながら振り返れば、クリークの銃撃でテラスの手すりが破壊されていく所だった。
「──アイツッ!」
「動くなよ雑用っ! ウタちゃんを狙われて怒るのは俺もだが、動けばクソジジイが殺されちまう」
「……わかってる! ウタ、無事だなっ!?」
いま起き上がったらまた撃たれる、かもしれない。
下からも見えるような位置に「大丈夫」とスタンプを出す。
ルフィやコックさん達の安堵が聞こえた直後、再びクリークの銃撃を受けてスタンプが散った。
「お前の能力が人質を取った今1番に厄介だからなっ! そこで
……バカにしやがって!
もんの凄く湧いた苛立ちを込めて、ちゃんと遠い位置のクリークから見えるように大きく目立つように激しく明滅する「中指立てる」スタンプを空高くに! う、ちょっと目眩が。
そして秒で撃ち抜かれた。っち。うぁ、少し視界がふらふらする……けどちょっとスッキリ。
「おいこらウタお前! 今のって昔マキノにやるなってエースと一緒になって言われたやつじゃねェか! そういうのは、そう、──はしたないからやめなさいっ!(※声真似)」
うわルフィ声きもちわるっ。
なによ! ふん、ちゃんと目を合わせられないから伝わらないだろうけどね!?
マキノもこういう時は、目にもの見せてやるって気持ちでやって良しって言ってましたからーっ!!(※言ってない)
「いきなり変な声だすな雑用っ」
「急におかんみてェなことを……」
「……はしたないっちゃまあそうだが」
「ウタちゃん意外に気が荒い……?」
「状況見えてんのかアンタらっ!」
敵だけどギンの言う通りだよ! ……それにしても完全に目をつけられた。
どうやら角度的に、向こうからは私が少しでも体を起こすと見えるらしい。
これじゃ動けない、それに目眩もしてきたし……どうしよう。
「カッカすんなギン。……船かクソジジイ、どっちか選べなんて言われてもな」
「……このジジイの命か船なら船を降りるだけでいい話だサンジさん。ジジイのだろうが命は命だ、船と比べられねェくらい大事なものだろ? 悪いとは思うが、俺は
「だとさクソジジイ。俺達が船降りなきゃここがアンタの墓になる。たまには助けでも求めてみるかい?」
「お、いおいおいおいおいっ!」
「サンジお前ふざけたこと言うなっ!」
「冗談言ってる場合じゃねェんだぞっ!?」
聞こえてくる下でのやり取りに目を見開く。
まるで見捨てそうなんだけどまさか本気じゃないよね?!
「ひよっこ共に助けを求めるなんぞ、そこまで落ちぶれちゃいねェつもりだ。なに、俺の最期がここになるってんなら、それもまた悪かねェさ」
オーナー!? ってみんなして悲鳴を上げて驚いてるけど私も同じ気持ちだ。
諦めてるように聞こえたけど、あのゼフさんがそんな事を言うなんて。
まだまだ死なねェみたいな事サンジに言い返してたじゃん。なんでそんなあっさり……。
「っは。どうせそんなクソみたいな戯言ほざくと思ったぜ──おいギン、それ俺に向けろ」
一瞬、しんとなった。
「俺が人質になる」
「……っに言ってんだか。人質ならこのジジイだけで十分だ」
「俺がそのジジイと代わるって話だ」
またもや、空気が固まった。
サンジいったいどういうつもりなの?
「おいチビナス、馬鹿な真似よせやっ!」
「うるせェよクソジジイ。アンタが
ゼフさんが囚われた原因がサンジ? なんの話?
私と似たような戸惑いの声も聞こえる。
サンジとゼフさんがずっと喧嘩ばかりしていた、仲の悪さは料理長の座をサンジが狙っていたからだと思っていたコックさん達のざわめきが、ふと大きくなった。
「テメェチビナス……っ!」
「おいなんの真似だよサンジさん……!」
「頼むならよ、このくらい何でもねェんだ。ギン、その人を放してやってくれ、人質には俺がなる。その人は俺の命の恩人なんだ。……昔、見ず知らずのガキだった俺を、テメェの足を犠牲にしてまで助けてくれた、大恩あるクソジジイなんだよ。死なせたくねェんだ。そんな姿1秒だって長く見たかねェんだ。だから頼む──この通りだ」
「船捨てりゃ助かる話だろうがっ、
「だとしても、俺が死ぬまではこのレストランはその人のモンだ。1秒でも長く、ここがその人の宝で在り続けるってんなら。俺はこの命、惜しくねェ」
「……ッッ、ワケが、ワカンねェよ……っ!」
「頭上げろやサンジッ! ダサい格好で下らねェことぶつくさと述べたてやがってっ! 誰がそんなことしろなんぞ言うか、頼むかっ、バカバカしいこた今すぐ辞めやがれっ! 俺はテメェに代わられたって何も嬉しかねェぞっ!」
「──へっ、じゃあ意趣返しだな。
「ぉ、まえ……っ!」
ほんの数日しか見ていなかったけれど、顔を合わせれば喧嘩ばかりのあの2人には、普段の様子とは裏腹に深い絆があったみたいだ。
「ダラダラダラダラと……ギンッ! 構うこたねェ、その男からでもジジイからでもいいっ、とっとと撃ち殺せっ!」
「し、しかし
「テメェまでまだ生ぬるい事を口走るなっ! 面倒クセェ、
「んなっ!?
「ううぅぅぉぉおおおお────っっ!!」
もしかして今この瞬間なら動けるんじゃ? という会話の流れに耳を澄ませていた矢先、ルフィの雄叫びが轟いた。
何事かと目線をやれば、空へと高々と伸びていく脚が見える。
この人質を取られてる状況でなんって大胆な事を……もう少しの間は伏せてた方が良さそう。
「ゴムゴムの、
ルフィの伸びた脚が瞬間的に巻き戻って、爆発的な衝撃と音がバラティエを震わせた。
なんか今でっかい何かが割れたような音「ヒレが砕けたぁぁああーっっ!?」──は、聞こえなかった聞こえなかった。そんな嘘だよねルフィまた何かぶっ壊したなんてそんなうふふふ……
理由は
理由は
「おおい雑用っ、このクソ野郎が何してやがるっ!?」
「アイツらの目的の、この船沈める」
「は──」
「──はぁぁああっ!?」
コックさん達もクリーク一味も敵味方関係なく、驚愕の叫びが海に木霊する。ぁあ、みみにひびく……ヘッドホンが欲しい。
ルフィはルフィでまーたルフィだし。今回は何が琴線に触れたのやら……。
「勝手しやがって……っ! 俺が受けた恩もそのデカさも、この店が俺にとって何かも知らねェヤツがふざけんなっ!」
「ふざけてんのはお前だっっ!!
──本気で怒ってる声だ。
なんとなく、シャンクスの事を言っているような気がした。
左腕を失ってまでルフィを助けた、シャンクスの事を。
「なら、……なら命張る以外に、命懸けで
一つの銃声が轟いて、いきなりのそれに私がびっくりしていたら、2人の口論は止まっていた。
決着まで書けなくてすまねえっっ!!(ポケモンたのすぃぃぃいい……っっ)