ポケモン廃人、知らん地方に転移した。【完結】   作:タク@DMP

6 / 225
この世界の食文化に触れていますが、世界観を濃密に書くとなると避けられない描写になるので、書きます(鋼の意志)


第一章:晴嵐吹くおやしろ
第6話:この世の全ての命に感謝して、いただきます


 ──博士からは「サイゴクはとにかく山道が多いからねっ! 費用は出してあげるから、ちゃんとした装備で旅をしなよっ!」と言われており、さぞ過酷なんだろうとメグルはぼんやり考えていた。

 しかし、旅に出て1日目の終わり頃には、ぜぇぜぇ言いながら杖を突いている彼が居るのだった。

 徒歩オンリーの旅は辛すぎるものがある。それをこの世界の人間は当たり前にやっているのだから、メグルからすれば驚きであった。ポケモンの技を受けても多少は平気らしいので、やはりそもそもの身体の頑強さが違うのかもしれない、と思い直す。

 

(とはいえ、初っ端からマジで山に入るとは思わなかったな……過酷すぎやしないか)

 

 地図で見ると大したこと無さそうに見えるが何とやら、というやつであった。

 ここから何日間かかけて途中にある町を2つハシゴして、セイランシティに歩いて行くというのだから過酷そのものだ。

 尚、実際の山口市と下関市は、最早電車を使った方が良いレベルの距離であることを追記していく。ポケモンの世界の縮尺は、メグルの住んでいた世界のそれとは異なるのだ。

 

「なっさけないわねー、そんな状態じゃあリングマが出ても逃げられないんだからっ」

「山道、辛……んでもって怖!! リングマ出るのかよ」

「この辺りだと──本当にごくごくたまにね。逃げないと死よ」

「ぷっきゅるるるる」

「オメーも笑ってんじゃねえよ! ずっとボールの中に居た癖によォ!」

 

 相も変わらず性格の悪いイーブイであった。

 

「言ってる場合? 結局ポケモンの一匹も捕まえられて無いじゃない」

「うっ」

 

 山道を進んでいると、次々とポケモンが現れてきてそれの相手をイーブイを繰り出して戦う。

 ……ところまでは良かったのだが、なかなかポケモンが捕まらないのである。

 

「1つは弱らせ方が甘いわね。ポケモンがまだ動ける時は、ボールに入っても出てきてしまうわよ」

「体力バーとかあれば良いんだけどな」

「?」

「何でもない、こっちの世界の話だよ」

「それと、ノーコンは鍛えるしかないでしょ」

「うう……面目ねえ」

 

 メグルは元々、投擲系の球技はあまり得意ではない。そして、硬く、思ったよりも軽いモンスターボールは、投げれば明後日の方向へと飛んでしまったり、そもそも飛距離が伸びなかったり。

 そのまま野生ポケモンが逃げてしまうケースも多々あった。そして、それはイーブイからしても消化不良のようである。

 だが、メグルからしても消化不良には違いなかった。今日出会ったのはナゾノクサにコラッタ、イシツブテだ。捕まえておけば戦力にはなっただろうが、全部逃げられてしまった。

 

「まあ、最初からモンスターボールを上手く投げられる人間なんてそうそういないけどね。でも、ポケモンが強い人は大抵、ボールを投げるのも上手いわ」

「だとしても自分のノーコンっぷりに死にたくなるんだけど……」

「慣れていくしかないわ。慣れは遠くても一番の近道よ」

 

(嫌だな……球技への強さが手持ちの屈強さに繋がる世界じゃないか。めんどくせぇぇぇ~~~!!)

 

 元の世界でも、メグルはノーコン過ぎて、よく笑われたものであった。

 此処でもそれが足を引っ張るのか、と頭を抱える。

 

「でも今は腹ごしらえよ。暗い顔しないのっ」

 

 そうやってメグルが項垂れているうちに──彼とユイの目の前に、ジューッと豪快な焼き音を立てた肉汁たっぷりの大きな()もも肉が目の前に出されるのだった。

 

 

 

「──来た来た! 待ってたんだから! お肉の焼ける音って、どうしてこうも心が躍るんだろっ!」

 

 

 

 ──食事処「やまぶし亭」。山道を進むと、突如として絢爛としたこの食事処が現れるのは驚きであったが、この52番山道を進むトレーナーはこの「やまぶし亭」を目当てに訪れるのだという。

 シャクドウシティ周辺の名物らしい。

 それを見ながら、バツが悪そうにメグルは周囲を見回す。瓦の屋根の建物は、多くの人やポケモンでにぎわっている。

 店内の客は観光客や屈強そうな作業員など様々だが、皆がうどんや鶏もも肉、そして巨大なおにぎりをつつき合っているのだった。 

 注文していた「山賊焼き」がやってきて、ユイはご機嫌だ。メグルも、向こうの世界で小耳にはさんだ程度ではあったが、想像を超える大きさの鶏もも肉を前に圧倒されていた。

 よだれが出て来そうである。

 

「良いのか? わざわざこんなものまで奢って貰って……俺、バチが当たるよ」

「あたしのワガママで来て貰ったんだから、いーの。博士から貰ったおこづかいは、旅で役立てなさいな」

「もしかして、コレ目当てだったのか? 52番道路を選んだのって」

「そうよ? だけど、サイゴク地方にはもっと険しい山道があるの。今のうちに慣れて貰わないと困るんだから。そして、しっかり食べて体力もつける!」

 

 「いただきまーす!」と、その小柄さとは考えられない程豪快に肉にしゃぶりつくユイ。

 それを見ていると、メグルもガマン出来なくなり──思い切って噛り付くのだった。

 

「んまいっ!?」

「んふふっ、そうでしょそうでしょ!」

 

(表面はパリパリの皮、中の肉は噛めば噛むほど肉汁が溢れてくる。鶏肉ってのはあっさりとしているモンだが、下味もタレでしっかり漬け込んである、何よりも豪快な焦がし醤油が日本人の心を鷲掴み……無限に食えるぞ!?)

 

(添えてるネギも、やたらとデカいけど味の薄さは全く感じない、むしろ漬け込んである。焼き鳥のネギマのネギって滅茶苦茶うまいけど、それがそのままバカみたいなサイズで出てきたカンジだ……!)

 

(んでもって、爆弾おにぎりもボリューム満点……このために、山超えしてよかったまである……! 運動すると、やっぱり飯はウマくなるもんなんだな……!)

 

 思わず夢中になって齧り付いてしまった。

 しかし、サイズもあってかなかなか無くならない。

 

「本当にうめーよ、いつか返すわ! 倍にして!」

「出世返しで良いよ」

「おう、約束するわ。──ところでさ」

 

 山賊焼きを半分まで食べた所で、メグルはふと一つの疑問がわき上がってくるのである。

 

「この肉さ、すっげーうまいんだよ。しかもデカいし。俺の世界には無かったぜ、こんな()()

「そうね。良い()()でしょ?」

「……んで、この肉ってさ……何の肉なんだ?」

 

 

 

 

「え? カモネギだけど……」

 

 

 

 

 その場に沈黙が横たわる。

 

「……」

「書いてるじゃない、52番山道名物・カモネギの山賊焼きって」

「……」

 

 くわっくわっ、というカモネギの鳴き声が頭の中に響き渡った。

 カモネギとは文字通りネギを背負ったカモのポケモンである。

 

 

 

(──分かってたけどさあ!! じゃなきゃ、何の肉を食ってるんだって話だったけどさあ!!)

 

 

 

 よくよく考えていれば、ゲームでも薄っすらポケモンの肉を食べているという匂わせはあったのである。

 だが、そこに触れるのはタブーであるという風潮がポケモン界隈にはあった。ヤドンの尻尾を食べたり(サン・ムーンのアローラ地方など)、カマスジョーが美味であることが図鑑に記されてはいたが、ポケモンはあくまでもボールを投げたら友達になってくれるキャラクターであることが前提だからだ。

 しかしこの世界ではポケモンはキャラクターではなく、実際に生きている生き物である。

 

「どーしたのよ?」

「い、いや、そうだよな。冷静に考えりゃ、そうだよな。悪い、大丈夫。ちゃんと食べるから」

「なぁに? イヤだっていうの?」

「違う! 違うから! ちょっと気になってただけ!」

 

(モ〇ハンのモンスターの肉を食べるとなるとあんまり抵抗は湧かないけど、ポケモンの肉を食べるとなると途端に抵抗感が湧くのは何でだ? やっぱり、ボールを投げたら仲間になるからか? 頭が良いからか?)

 

 最も、前者はゲームの中でも食されているので「そういうもの」と考えられるのだろう。

 メグルは頭の中では割り切ることにした。何より、折角奢って貰ったのに嫌な顔をすればユイは傷つくだろう。それは忍びなかった。

 元居た世界でも豚やニワトリをペットにすることもあるし、家畜として食肉することもあるのだから。

 

(食わないと生きていけないもんな……何処の世界も同じか)

 

 現実はシビアであった。

 例えポケモンの世界であっても、人間に限らず全ての命は命を頂いて生きている。

 

「……因みに、この辺じゃ、他には何のポケモンを食べるんだ?」

「シャクドウ近辺だとジビエが有名だからね、色々あるわよ。シキジカとか、オドシシとか」

「へ、へえ……」

 

 天然の野生鳥獣を食する食文化をヨーロッパの言葉でジビエと言う。

 この世界のヨーロッパ──カロス地方辺りにも同様の文化があり、それがサイゴクにも伝わって来たのか、最近はオシャレな天然肉料理も多いんだとか何とか。

 

(んでもってシキジカ居るんだ……第五世代以降のポケモンも出るんだな。可愛いから食べるのは少しショックだけど、そんな事は言ってられないよな)

 

 シキジカは遠く離れたイッシュ地方に生息するポケモンだ。また、オドシシはジョウト地方では限られた場所にしか出現しない。

 だが、山岳地帯や森林の多いサイゴク地方には多数生息しているのだという。

 

「と、ところで……今の話を聞く限り、猟師とか居るのか?」

「そうそう、居るに決まってるじゃない。放っておくと農園どころか山そのものが食い荒らされるんだから。狩猟期間になると猟師が数を管理するの」

「……成程なあ」

「ウチの父さんも猟師で……ジビエの料理の研究もしてたんだ。キャプテンもやってたから、忙しかったのに、休みの日は私たちに料理を振る舞ってくれて」

「へえ、良い父さんじゃないか。俺の父さんなんて仕事で滅多に帰って来なかったのに」

「……ええ。自慢の父さんよ。父親ってだけじゃない。キャプテンとしても、尊敬できる人だから」

「そういや、キャプテン代理って言ってたけど、父さんの代理だったんだな。お父さんは今、何してるんだ?」

「……」

 

 ユイの顔が暗くなる。

 さぁっ、とメグルの顔から血の気が引いた。

 この気まずい空気、明らかに地雷を踏んだに違いない。

 そして、その理由が何故なのか何となく察しがついたのだった。

 

「……死んじゃった。半年前、だったかな」

「……ごめん」

「いいよ。いつか話すつもりだったし。誰かに話すと、楽になるんだ」

 

 力無く彼女は笑ってみせる。

 ずっと、無理に明るく振る舞っていたのだろうか、とメグルは推測する。

 誰がどう見ても疲れているようだった。

 

「ポケモンに背後からやられたみたいで……手持ちを出す前に襲われたみたい」

「……そうか」

 

 ユイは言った。

 サイゴク地方では、一般のトレーナーでは立ち入れない場所が多数存在する。

 その理由は──往々にして「危険」だからの一言に尽きる。ジョウト地方で言うシロガネ山並みの危険地帯が多数存在するらしい。 

 トレーナーが通る道路や山道、水道、そして洞窟は()()()()()()()()()()()()と言えてしまうほどらしい。

 そして放っておくと、そういった危険地帯からポケモンが降りてくることもあるので、ライセンスを持ったポケモントレーナーでもある”猟師”が数を減らさねばならないらしい。

 このように、常に自然と密接した環境にあるからか、”おやしろまいり”が出来るようになるのも17歳からなのだという。

 

「だけど、ポケモンを恨んではいない。人はポケモンの命を頂くもの。ポケモンが人の命を頂くこともあるだろう、って父さんは言ってたから。勿論、そんな事そうそう起こらないように努力するのがキャプテンや猟師の役目なんだけど」

「……シビアなんだな」

「カントーから来た人には、よく言われるわ。この地方では古くから身を守るためにも──皆、ポケモンを手に取って強くならなきゃいけなかったのよ」

 

(この地方、現代のはずなのに……実はヒスイ地方並みに危険なんじゃないか……? いや、ゲームじゃ分からなかっただけで、プレイヤーが行けない場所、知る由も無い場所では──こういう事が割とあるのか?)

 

「……そして、父さんの跡を継ぐためにも、あたしは早くキャプテンにならなきゃいけない。でも、ヌシ様があたしを認めてくれなきゃ、正式にキャプテンにはなれない」

「代理ってのは、そういうことか」

「……うん。町の人が言うには……焦ってるのが、ヌシ様に伝わってるんだって」

「……」

「だから、あたしも修行するんだ。早く、ヌシ様に認められるために……でも、この気持ちが既に焦ってるってことなのかな」

 

 やしろでの戦いで、突っ込んでいったのも焦りに起因する。

 父を亡くしたこと、そしてキャプテンという立場への責任感、今のユイは非常に不安定だ。

 しかし、これは彼女自身が解決すべき問題であり、来たばかり会ったばかりのメグルには何も出来ることはない。

 

「俺に出来る事は何にもないけど、応援してるよ。いつかキャプテンになれると良いな」

「……ありがと。その気持ちは受け取っておくっ。でも、君こそ人の心配してる暇無いんじゃない?」

「……確かに」

「明日は、みっちり訓練を付けてあげる。そのためにも、しっかり食べるっ! あたしの前で残すのは許さないんだからっ!」

「分かってるよ! こんな旨い飯、残すわけないじゃないか」

「なら良かった!」

 

 残りの料理を平らげると、二人は手を合わせる。

 生物はすべて、何かの命を頂いて生きている。

 人がポケモンの命を頂くこともあるし、ポケモンがポケモンを、そしてポケモンが人の命を頂くこともある、とユイは語る。

 この地方は自然と密接しているが故に、そういった価値観が深く根付いているのだろう。

 ごちそうさまでした、の重みが実感できる夕食だった。

 

 

 

 ※※※

 

 

 

 ──サイゴク地方のポケモンセンターは山道の途中に建設されており、宿泊施設としての役割も果たしている。

 その一室のベッドで、メグルはイーブイの毛をブラシでとかしてやった。1日に1回、必ずこれをしないと毛並みが悪くなるらしい。

 そして、ボールに戻してやろうとすると──イーブイは枕を占拠して、ボールに戻るのを嫌がった。

 

「……よっぽど汚い部屋が嫌だったんだな」

「ぷっきゅるるるる」

「分かった、そこで寝て良いよ。俺もう少し起きてるし」

「きゅるるるるっ♪」

 

 すぴー、と横で枕を独り占めにしたイーブイの寝息が静かに聞こえてくる中、ベッドに寝ころびながら、捕まえるポケモンの事を考えていた。

 ノーコンは死ぬ気で克服しようと誓ったので、今は置いておくものとする。

 

(ボールの投げ方はマスターするとして……何を育てるか)

 

 山道が多いとなると、必然的にイシツブテのような岩・地面タイプのポケモンとの遭遇は多くなる。今日も、イーブイで戦っていたために倒すまで時間が掛かった。

 やはり、水タイプの加入はメグルにとっても急ぐべきことであったのである。とはいえ、進化に使うアイテムが無いのでイーブイを進化させることは今は出来ない。

 

(そもそもイーブイの進化は慎重にしたいし。水タイプは選択肢が沢山あるから、それはナシで)

 

 だが、山道では当然水タイプなど居るわけがない。山道は川からは遠く、外れてしまうので、狙いにはいけないだろう。

 

(んで、もう1つはやっぱり地面タイプだ)

 

 いずれ戦うであろうサンダースの事を考えると、そこらへんでゴロゴロ転がっているイシツブテを捕獲したいとメグルは考えていた。

 岩・地面タイプは攻撃面では非常に優秀で、更に特性:頑丈でどんな攻撃も一撃は耐えてくれる。攻撃力も防御力も高い。

 

(あいつシナリオだと便利なんだよな、対戦だといまひとつだけど。しかも、ユイに協力してもらったらゴローニャがすぐ手に入るんじゃないか?)

 

 イシツブテは最終進化に通信交換を要する。逆に言えば、友達が居なければずっと、第一進化のゴローンのままなのだ。

 しかし、今はユイが居る。通信進化は彼女に協力してもらえば良い。

 

(つか、ゲームじゃないからぼっちでSwitch2台で通信進化とか無理じゃねーか、あぶねあぶね)

 

 ぼっちで通信進化はポケモンあるあるの語り草である。涙を拭こう。

 

(そして、最後に──色んな相手に対応できるポケモンを用意したいんだよな。そんでもって山道を駆け抜けられる、背中に乗れそうなポケモンって居ないかな)

 

 そう考えていた矢先。

 今日の夕食の時、話に出ていた1匹のポケモンがメグルの中で浮上する。

 

 

 

 

(そういえば、()()()って……()()()()()()?)




【サイゴク地方観光メモ(1)】
サイゴクは、他の日本モチーフの地方と比べても自然が豊かで、野生ポケモンの生息圏が非常に広く、勢力も強い。古くから住んでいる人々も、安寧を求めて移住してきた人々も、平等に自然の恩恵にあずかると同時に獰猛な脅威に曝されてきた。そのため、他の地方に比べるとポケモンとの関係に対して割り切ったりシビアな考えを持つ人も多い。

【52番山道(さんどう)】
整備された登山道となっており、途中には「やまぶし亭」といった食事処やポケモンセンターも建設されており、トレーナー修行の場に適している。道中には、イシツブテやナゾノクサの他、シキジカといった、初心者トレーナーでも捕まえやすいポケモンが生息している。稀にオドシシが出現することもある。一方で、山道を逸れた途端にメブキジカやゴローン、そしてリングマといった進化系のポケモンの生息地が待っているため、非常に危険。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。