ポケモン廃人、知らん地方に転移した。【完結】   作:タク@DMP

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第63話:壁を乗り越えて、その先へ

 ※※※

 

 

 

「──氷が、解けていくッス……!?」

 

 

 元の空間に戻った直後。

 おやしろ周辺を覆っていた氷が次々に消えていくことにノオトは感嘆していた。

 

「やった──やったッスーッ!! 氷が、氷が解けた!! メグルさんたち、やったんスよ!!」

「……っ」

 

 信じられない、と言わんばかりにアルネは辺りを見回す。

 夜はもう、明けていた。

 まだ暗い空に、明の明星がおやしろを祝福するように光り輝いていた。

 フーディンを瓢箪に戻し、すぐさまアルネはその場から離れようとする。

 しかし、ジュペッタに首を掴まれてしまい、動けなくなってしまうのだった。

 

「何処へ逃げるつもりなのです?」

「……わかった。降参。逃げも隠れもしない」

「全て吐いて貰うのです。貴女のようなロクデナシ、まともな尋問がされるとは思わないことなのですよ」

「今回ばっかりは、姉貴に賛成ッス。犯した罪があまりにも多すぎるッス」

「ふん……」

 

 不貞腐れるアルネ。反省の色はそこに欠片も無い。

 それが余計に、姉弟の怒りを駆り立てたが、彼らは抑えた。

 抑えなければテング団と同じになってしまうからだ。

 そして彼らが怒りを露にせずに済んだのは──よく知る声が聞こえてきたからである。

 

 

 

「──おーい!! ヒメノちゃーん!! ノオトー!!」

 

 

 

 メグルとアルカが走ってくるのが見えた。

 彼らに向かって、ノオトも大きく手を振り返す。

 

「二人共ーッ!! やった!! やったッス!! 三羽烏、捕まえたッスよ!!」

「そ、そっかぁ……皆、勝ったんだぁ」

 

 そして、アルカの視線は──ジュペッタに襟首を掴まれているアルネに向く。

 

「……アルネ」

「無様だって笑う? ……私はこれでも、姉さんの為に……」

「笑わないよ。……ただボク達は、向いている方向が違ってた。それだけだ」

「……」

 

 がくり、と彼女は顔を伏せた。

 そして一言、呟いた。

 

 

 

「……助けて。()()()()

 

 

 

 空が裂けた。

 全員の視線はそこに注がれる。

 音も無く、前触れもなかった。

 

「空が、割れた……!?」

「何スか、いきなり!?」

「答えなさい! 一体、これはどういうことなのです、三羽烏!!」

「……タマズサが、来てくれた」

「誰だよタマズサって──」

 

 明星は、赤い空に飲み込まれる。

 その場の空気が一気に変わった。

 そこから静かに──天狗が舞い降りた。

 

 

 

「──カッカッカッカ、俺様の()に手ェ出すのは、何処のバカ共だコラ」

 

 

 

 黒い仮面。

 そして、山伏の装束の上から黒い鎧を着こんだ男。

 背中からは鉄色の羽根が伸びている。

 遅れて、全長3メートル程の巨大な烏が甲高い鳴き声を上げて現れるのだった。

 

(……鋼の鎧鳥……アーマーガアか……ッ!?)

 

 

 

【アーマーガア(ヒャッキのすがた) わるがらすポケモン タイプ:???/???】

 

 

 

 アーマーガア。全身を鎧に包んだカラスのようなポケモンで、ガラル地方ではタクシーとしてインフラに貢献しているポケモンだ。

 しかし、その姿はメグルの知るものとは大きく違う。

 銀色に光り輝く鎧に全身を包んでおり、顔だけが真っ赤な面の如き仮面に覆われているのだ。

 そしてそれを引き連れる男もまた、これまでのテング団の人物とは一線を画す威迫を放つ。

 

 

 

「……俺様の嫁から手ェ離してくんね?」

 

【──テング団ボス”三羽烏”タマズサ】

 

 

 

 タマズサは、ヒメノとジュペッタに詰め寄る。

 あまりの威迫に、ヒメノは後ずさった。

 殺される、と第六感が叫んでいる。この男は、今までの敵とは何かが違う、と。

 

(こいつは、ヤバいのですよ……ッ!!)

 

「カッカッカ! 離さねえなら──ちょーっとだけ遊んでやろうかなぁ」

 

 天狗の男は十手を取り出す。

 そこには、オージュエルが埋め込まれていた。

 そして、アーマーガアの赤い面とそれが反応し──

 

 

 

「アーマーガア──ギガオーライズ”マガツカガミ”」

 

 

 

 ただでさえ大きかったアーマーガアの身体が、更に大きくなっていく。

 翼には赤いシグナルが浮かび上がり、周囲には光を跳ね返す鏡が浮かび上がり、ユニットのように彼を護る。

 その姿は、メグルの知る”キョダイマックスアーマーガア”と酷似したものであった。

 

 

 

【アーマーガア<ギガオーライズ> わるがらすポケモン タイプ:???/???】

 

 

 

 

「何だ、これ……!?」

「デカい、デカすぎるよ……!?」

「全員、退避するッス!! 姉貴も!! あいつはヤバいッス!!」

 

 全員がその場から離れた。

 ジュペッタもアルネを離し、ヒメノを庇うようにして地面に臥せる。

 

「……オオワザ”マガツフウゲキ”」

 

 アーマーガアが甲高く吼える。

 巨大な竜巻がその胸元で巻き起こり、更に浮かび上がる鏡がそこに紫電を放ち、竜巻は雷雲となって突き進む──

 

 

 

【アーマーガアの──マガツフウゲキ】

 

 

 

 

 ──おやしろの中心たる第一御殿を粉々に打ち砕くのだった。

 稲光は木造の建築を食い荒らし、風禍はコンクリートさえも飲み込む。

 中の神棚も、御神体も、全て巻き込み、第一御殿は──瓦礫の山と化すのだった。

 嵐が止み、漸く起き上がったヒメノは、本来そこにあったはずのものが無いことに気付き、地面へへたり込んでしまう。

 

「ご、御殿が無くなってる……!」

「おー、スッキリスッキリ♡ 綺麗さっぱりだなァオイ」

「……こんな事なら、最初っからタマズサがやれば良かった」

「バーカオメー、俺様が最初っから出向いたら手の内明かしちまうし──何より面白くねえよなあ?」

「お、面白い……!? あんた、面白半分で……オレっちたちのおやしろを──痛ッ!!」

 

 ノオトの頭を足蹴にしながら、タマズサは「なんか勘違いしてねーか? オメー」と言い放つ。

 

「……お前ら平和ボケしたサイゴクの人間には分からねーかもだがな……戦争ってのは、辛いモンだ。すっげー心が痛む行為だ。今こうして俺様がオメーを踏みつけてるのも、心が痛む行為だ、分かるな?」

「あっ、があ、ががが」

「ノオト!!」

「だからこそ、遊び心ってのが必要なのさ。楽しむ心、大人になると忘れちまうよなァ。んー、俺様ってもしかして今、すっごく良い話してる?」

「……こいつ……ッ!」

「来るかァ? テング団。()()()()()()()()()()()良いところだぜ? ──テメェみたいなクソガキの頭を潰しても許される」

「がぎっ……!」

 

(いけない──)

 

「ニンフィア──スピードスターッ!!」

 

 メグルが叫ぶと共に星型弾がタマズサ目掛けて飛ぶ。

 しかし──それを、彼は十手の一振りで全てかき消してしまった。

 

「なッ……!?」

「おう坊主。オメー見所あるな。この俺様・タマズサが何者か知っての狼藉か? ……とか言っちゃってみたりする」

「……離せよ。そいつは俺の仲間だ!! 足を退けろ!!」

「……良い啖呵の切り方だ。──でも俺様、命令されるのがキライでね。命令するのは好きなんだけどなー、何でだろうなぁー、おかしいよなぁ? 人間って分かんねーよなぁ」

「がぁっ!?」

 

 タマズサは、ノオトの頭を思いっきり蹴飛ばす。

 仮面越しだが、その視線はメグルに向いていた。

 

「──つー訳で、お前ムカついたから死んでくれ──”マガツフウゲキ”」

 

 竜巻がアーマーガアの胸を起点として巻き起こる。

 それがメグル目掛けて飛んで行く。

 地面が抉れ、衝撃波だけで周囲の壁も吹き飛ばした。

 直撃すれば、身体が木っ端微塵になる風圧。そして紫電。

 それが束になってメグルに襲い掛かる──

 

 

 

「カッカッカ! ……なかなか気骨があるねぇ、サイゴクの()()も」

 

 

 

 ──はずだった。

 竜巻を受け止めたのは──氷の呪いから解放されたアケノヤイバだった。

 その正面には五本の剣が浮かび上がっており、必死に竜巻を押さえつけている。

 

「エリィィィス……ッ!!」

 

 だが、流石に分が悪い。破壊的な竜巻を前に、押し込まれそうになっている。

 それを見て、メグルもオージュエルを取り出した。

 

「──ニンフィア、オーライズ!!」

「ふぃーあ!!」

「”あかつきのごけん”だ!! アケノヤイバの援護をしろ!!」

 

 すぐさまニンフィアもオーライズし、”あかつきのごけん”を顕現させて竜巻を抑え込む。

 だが、それでも押し返すことは出来ない。故に二匹は剣の向きを反らせて──空に向かって竜巻の勢いを受け流した。 

 エネルギーはしばらくすると逃げていき──竜巻は消え去るのだった。

 しかし同時に、アケノヤイバもニンフィアも力を使い果たしてしまったのか、その場に重なるようにして倒れ伏せる。

 一方、アーマーガアは稚児の遊戯と言わんばかりに、全く疲れた様子を見せていない。

 

「何とか、なった……ッ!!」

 

(噂に聞いてたけど、やっぱりタマズサのアーマーガアは……最強だ……こんなやつ、勝てる訳無い……!!)

 

(何なんスかアイツ……! あの破壊力のオオワザを、あんなに気軽に撃てるんスか……!? 出力は”むげんほうよう”や”メルトリアクター”の比じゃねえッスよ!?)

 

(ガラル地方のダイマックス技のダイジェット……いえ、キョダイフウゲキを上回るのですよ……ッ! それをおやつ感覚で撃てるのはイカれてるのですよ……ッ!!)

 

「カッカッカ! こりゃあいい、オーライズを使いこなす異国のガキか。お前……名前は?」

「……メグルだ」

「お前みたいなヤツが居ると、戦争が楽しくなるな。良いぜー、また遊ぼうや。いつ暇?」

「ッ……」

「答えろよー、陰キャちゃんか? ま、いーわ。どうせ俺様が来たいときに来るし」

「……」

 

 メグルは言い返す事すら出来なかった。

 圧倒的な力の差を前に、逆らう気力すら奪われていた。

 もう一度”マガツフウゲキ”を放たれれば、此処にいる全員が今度は殺戮される。

 

「タマズサ。行こ」

「カッカッカ、分かってるよ、俺様の可愛い子猫ちゃん」

 

 彼はアルネの手を引き、再び時空の裂け目にその身を委ねる。

 仮面の下はどんな表情か伺い知れない。

 しかし、軽薄な態度や口調からは一周回って狂気すら感じ取れる。

 

 

 

「赤い月は俺様達が頂くぜ。この戦争をたっぷり楽しんだ後でな」

「アルネは……今回の雪辱は必ず晴らすから。何時の日か、絶対に」

 

 

 

 ※※※

 

 

 

 ──幸い。

 早朝ということもあり、防衛で殆どの人間が出払っていたこともあって、第一御殿の中には誰も居なかったので怪我人は居なかった。

 だが”マガツフウゲキ”によっておやしろは破壊されており、瓦礫の山となっていた。

 

「……悔しいッス。折角、勝ったと思ったのに……」

「タマズサ……テング団で最強の男。誰もあいつに勝てるヤツが居ないから、あいつがトップに居る……そんな男だよ」

 

 恐らく、これまでの三羽烏の中でもタマズサは図抜けて強い。

 アーマーガアの破滅的な強さは勿論の事、本人のフィジカルの強さもだ。

 だが何よりも恐ろしいのは、陽気で軽薄な態度の中に全くと言って良い程人間味を感じない事である。

 豪快に笑っていた次の瞬間には、冷酷な顔で人を殺している。そんな男だった。

 そんな中意外だったのは、タマズサのアルネへの呼び方だった。

 

「あいつ、アルネの事を嫁とか何とかいってたぞ」

「……あの分だとアルネが三羽烏になってるのは、タマズサが惚れ込んでるから、だと思う」

「組織を私物化してる、って訳か……あの強さじゃ、誰も逆らえないよなあ」

「……強くなるしかないッス」

 

 悔しそうにノオトが言った。

 頭には絆創膏が何枚も貼られていた。

 

「でも、追いつけるか、分かんねーッスよ、あんなの……」

「勝てるのかよ、あんな奴に……」

「今は無理だよ」

 

 アルカが言った。

 しかし、彼女はそれでも諦めていないようだった。

 

「だけど──それでも強くなるしかないよ。ボク達は、あいつに勝たなきゃいけないんだから!」

「……世界を救うのは、どうやら簡単な事じゃないみてーだな」

 

 あのタマズサも、アーマーガアも、文字通り最大の障壁足り得る強さだ。

 彼が動き出す前に、力を付けておく必要があるだろう。

 

(……でも、どうすれば……)

 

 

 

「──みみっきゅ! みみっきゅ!」

 

 

 

 ポケモンセンターでお通夜になっていた3人の耳に、奇妙な鳴き声が聞こえてくる。

 振り向くとそこには──黄色いズダ袋のようなポケモン・ミミッキュを抱きしめたヒメノが立っていた。

 

「良かった! ミミッキュ、元気になったんだな!」

「みみっきゅ!」

「……ええ。言葉も見つからないのですよ」

「ケタタタタタ」

 

 いつも笑っているジュペッタも心なしか、今はとても嬉しそうだった。

 

「こんな事を言っては……キャプテン失格だと思うのですよ。でも今は……皆が生きて此処にいるだけで、十分なのですよ」

「おやしろは……建て直せるッスけど、命は無くなったら戻って来ねーッスからね」

「……そーだな」

「うんっ」

「みみっきゅ! みみっきゅ!」

 

 ヒメノに抱き締められているミミッキュも嬉しそうにゆらゆら動いている。

 

「──んじゃあ、これからの事を考えなきゃだな」

「メグル様、残るおやしろは2つ……”ひぐれのおやしろ”、そして”なるかみのおやしろ”ですね?」

「ああ、そうだな」

「此処から近いのは”ひぐれのおやしろ”……クワゾメタウンですね」

「旧家二社の片割れか……ボクの正体、バレない方が良い?」

「いえ、こちらからキリ様に話を通しておくのですよー♪ 今回のせめてものお詫びに、アルカ様の旅路の不便を少しでも取り除くのですよー♪」

「なら良いんだけど……」

「そしてもう1つ、言わねばならない事があるのですよ」

 

 ヒメノは二人に近付く。

 そして深々と頭を下げた。

 

 

 

「ヒメノのワガママに付き合って貰って……本当に……ありがとうございましたっ!!」

 

 

 

 その目には涙が浮かんでいた。

 

「たくさん酷い事をしたし、酷い事も言ったのに……イッコンの為に、戦ってくれて……本当に──ひぐっ、うぐっ」

「泣かないでよ、ヒメノちゃん!」

「ああ。ミミッキュが元に戻ってよかったな」

「うぐっ……ひぐっ」

 

 ヒメノは、また泣いた。

 ずっとずっと泣いていた。

 

「泣き虫なのは……やっぱそっくりなんだねぇ」

「うるせーッス」

「良いじゃねえか。こんな日くらいな」

「……そうだね」

 

 

 

 ※※※

 

 

 

 ──次の日。

 メグル達は、イッコンタウンを後にすることにした。

 

「また! また力をお借りする時があるのですよ! その時は──よろしくお願いするのですよ!」

「ああ! こっちこそ世話になったな! 弟と仲良くな!」

「はいなのですよー♪」

「……ねえ、おにーさん。肝心のノオト、居なくない?」

「シャイなやっちゃなぁ」

 

 モトトカゲとオドシシに乗り込んだ二人は次の目的地目指して走り出す。

 クワゾメタウンに行くまでに幾つかの街と山道を経由することになる。

 それまでにどれだけ強くなれるか──タマズサと戦うなら、どれだけ鍛えても足りない。

 

「とにかくっ! 次の町に行くまでに、もっともっと強くなる。タマズサのヤツに敗けないくらい、な」

「ふぃーあ!」

 

 メグルの背中に掴まっているニンフィアも、意気込むように右前脚を突き上げる。

 やる気は十分、と言った様子だ。

 

「当然楽な道じゃねーと思うけど……地獄の底まで付いて来てくれるか? アルカ」

「勿論! こうなったら、火の中水の中草の中! とことんまで付いていきますよ!」

「うんうん、善きかな善きかな、向上心に溢れていて何よりッス。オレっちとしても、鍛え甲斐があって何よりッスね」

「……って何で当たり前のように居るんだオメーは!!」

 

 オドシシの横でダバダバと走るジャラランガ。

 それに乗り込むのは、当然ノオトである。

 彼はさも当たり前のように髪を掻きむしりながら言うのだった。

 

「いやー、オレっちもメグルさんたちに同行しろって姉貴に言われちゃって……ホラ、キャプテンだから二人の身分も証明できるじゃねーっスか」

「あー! 確かに! それ助かるよ! もし捕まったら弁明してくれるってことだよね!」

「捕まる前提で話すんじゃねえよ、心臓が持たねえ」

「それに、タマズサのヤローに一発入れねえと気が済まねーッス!! オレっちも、強くなってやるッスよ!!」

「……分かったよ。こっちとしても断る理由ねえからな!」

 

 これで旅のみちづれも三人目。

 半ば強引にではあるものの、キャプテンのノオトが加わったのだった。

 彼はジャラランガをオドシシに幅寄せすると、小声でメグルに耳打ちする。

 

(それに、アルカさんにアプローチするなら良い方法色々あるんで教えてやるッスよ、メグルさん。オレっち経験豊富ッスから)

 

(余計なお世話だマセガキ!!)

 

「おにーさん!! 前!! 前!!」

「えっ!?」

 

 アルカの声で思わずメグルはライドギアのハンドルを切る。

 オドシシはすんでのところで、ブレーキをかけ、その場に静止したのだった。

 茂みからポケモンが飛び出して来たのである。

 小型のポケモンらしく、視線を下に降ろしてみると──

 

 

 

「ふるーる♪」

 

 

 

 ──見覚えしかない黒い毛玉が目を輝かせてメグルを見つめているのだった。

 

「あっ、そういやお前! まだ捕まえてなかったな!」

「ふぃー……ッ!」

 

 ニンフィアの威嚇も意に介さず、アブソルはメグルに飛びついてくる。

 そして、ふと辺りを見回すと──親アブソル達も見送るようにメグル達を見つめているのだった。

 

「……どうやら、事件を通してメグルさんを認めてくれたみたいッスね」

「おやしろは壊れちまったけど……」

「そうッスね。でも、大事な人は守れたからじゃねーッスか?」

「おにーさん、今回もタルップル捕獲で活躍してましたしね!」

「むしろ俺はお前に助けられてばっかだったんだけど……」

「ふるーる!」

 

 アブソルは、親に挨拶するように一吼えすると、メグルの胸に飛び込み、頭を擦り付ける。

 当然それが面白くない女がいた。ニンフィアである。

 彼女は「本当に仲間にするの?」と言わんばかりにメグルを睨むが、

 

「言ったろ? ニンフィア。これから手持ちが増えても、俺のパートナーはお前だけだよ」

「ふぃっ!? ……ふぃーあ」

 

 虚を突かれたようにニンフィアは顔を反らしてしまうのだった。

 

(無自覚で女たらしの才能あるッスね、メグルさん……ポケモン限定で)

 

「つー訳でアブソル。これからよろしくな」

「ふるーる♪」

 

 メグルはボールをアブソルに当てる。

 旅のみちづれ。

 そして、旅の仲間である6匹が揃った瞬間であった。

 

「──よっし。そんじゃあちゃちゃっとクワゾメタウンに向かうぞ」

「あっ、置いていかないでくださいよ、おにーさんっ!」

「次の町まで誰が先に着くか、競争でもするッスか?」

「それ賛成! 敗けた奴はジュース奢りな!」

「じゃあ、ボクが一番乗りですねー!」

「負けねーッスよーっ!」

 

 目指す先はクワゾメタウン。

 三人の進む先には、砂嵐の舞う町、そしてまだ見ぬポケモンが待っている──

 

 

 

 ──第三章「永遠に輝けし明の明星」(完)

 

 

 

ここまでのぼうけんを レポートにきろくしますか?

 

 

 

▶はい

 

 

 

いいえ




最後にアンケートを用意しておきます。今考えている話が2つほどあるのですが、少し踏ん切りがつかないので、読者の皆様の意見もお借りします。
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