ポケモン廃人、知らん地方に転移した。【完結】   作:タク@DMP

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第75話:割れる空

 ※※※

 

 

 

 雲一つない大空。

 2匹の竜が、自由に飛び回る。

 2匹は番。いつも一緒。

 決して離れることは無い。

 

「次は、あの島目指して飛ぼうよ!」

「ああ。飛ぼう。何処までも!」

  

 楽しかった。

 とても、嬉しかった。

 彼と一緒に飛べれば、他に何も要らなかった。

 なのに──

 

「急に嵐に襲われるなんて……」

「とんでもない寒波だ……何故気付かなかったんだ……気圧の変化に……!?」

「げほっ、ごほっ」

「おい……どうした? 何処か悪いのか?」

「う、うん。あの山に降りて……」

 

 ──運が悪かった、としか言いようが無かった。

 サイゴクの霊脈はポケモンの進化にすら影響を与える。

 故に、彼らの力が多少狂ってしまってもおかしくはなかった。

 平時ならばそれでも問題なかった。

 しかしこの日、サイゴクは──異例の寒波が迫っていた。

 2匹の力はより弱まり、寒波が収まるまで、人の寄り付かない山に身を寄せるしかなかった。

 山の上は雪が降り積もっていた。

 

「いつになったら、止むのかな……」

「……大丈夫だ。俺が付いている」

「……ん。心配なんか無いよ」

 

 それでも──彼女に不安など無かった。

 隣には彼が居る。それだけで安心できた。

 しかし、幾ら無限の竜と言えど、所詮は生物、そしてポケモンの範疇は出ない。

 

「起きろ……敵が来た……!」

「えっ……!?」

 

 弱った獲物の気配を感じ取り──彼らが身を寄せた洞穴の周囲に、氷のポケモンが大量に迫っていた。

 仲間を引き連れたマニューラ。

 そして、巨大な体躯のツンベアー。

 普段の二匹ならば勝てない相手ではない。

 しかし今、二匹は低温によって著しく力が奪われつつあった。

 

「ニュゥーラッ!!」

 

 飛び掛かるマニューラの群れ。

 彼らにエスパー技は通用しない。

 ”りゅうのはどう”で何匹が吹き飛ばすが、次々と仲間が現れて鉤爪でその身体に傷をつけていく。

 

「守る……絶対にッ……!!」

 

 大吹雪が吹く中。

 彼の力は徐々に失われ、傷も増えていく。

 ツンベアーの打撃を受け、マニューラに身体を引き裂かれ、血が噴き出していく。

 見ていられなかった。

 このままでは彼が死んでしまう、と確信していた。

 

「やめっ、やめてよ!!」

 

 思わず──彼女は前に躍り出た。

 戦う彼を庇う為に。

 そして、最大限のドラゴンエネルギーを爆発させ──敵達を皆まとめて吹き飛ばし、倒れた彼を運んで崩れる洞窟から抜け出すのだった。

 

「ごめんね……本当に、ごめんね……守れなくって……私が弱虫の所為で……傷つけちゃったね……」

 

 傷ついた彼を背負い、彼女は雪山をふらふらと進む。

 もうどこに進めば抜けられるか分からなかった。

 それでもまだ、後ろから敵の気配が感じられる。

 意識は互いに朦朧としていて、

 

「……もう、いい、謝るな……」

「でも……わっ」

 

 彼は──彼女を雪の中に押し倒す。

 

「……じっとしてろ。俺が……お前を守る」

「ッ……でも」

「お前だけは……飛んでくれ……俺が居なくなっても」

「嫌だ。嫌だよ……私……それなら、一緒が良いよ」

「……お前が自由に空を飛んでくれるのが……俺は嬉しい」

 

 もう2匹共、戦える気力などなかった。 

 寒気が二人の意識を奪っていく。

 

「俺は楽しかった……お前に会えて……本当に楽しかった……」

「やだ、やだよ……!! 嫌だ……!!」

 

 彼の右腕から──最後の力を振り絞った”りゅうのはどう”が放たれる。

 

 

 

「……俺が……お前を守るって決めたんだ……自由に空を飛ぶ、お前を……!」

 

 

 

 爆音が鳴り響き、それで敵の気配は皆散り散りになっていく。

 そして彼の身体は──がくり、と彼女にもたれかかるのだった。

 

「伏せてろ……まだ敵が来るかもしれない……」

「ッ……」

「嵐が、止むまで……俺が守る……」

 

 だがもう、二人共、意識を保つことは出来なかった。

 ドラゴンポケモン最大の敵は──寒気。

 そこにダメージが蓄積していれば、彼らが生命を保つことなど出来なかった。

 

 

 

「嫌だよ……嫌だ……まだ、まだふたりで飛んでいたいよ……」

 

 

 

 ※※※

 

 

 

 寿司屋を出た先はとても寒く、冷たい氷に閉ざされた雪山だった。

 しかし、空は禍々しい赤へと変わり果てており、吹雪は止まっている。

 

「さ、寒い……何処だ此処は……!?」

「俺達ゃ……よく分からねえ場所に連れ去られたみてーだな」

「ねえ、あれ見て!!」

 

 アブソルが指を差した。

 メグル達は思わず立ち尽くす。

 目の前には、重なり合って息絶えた2匹の竜の姿があった。

 

「……死んでる……」

 

 ニンフィアがぽつり、と呟いた。

 息は無い。二匹共冷たくなっている。

 

「ラティアスと、ラティオス……だよな……痛ッ……!?」

 

 メグルは頭を押さえた。

 二匹の屍を引き金に、散逸していた記憶が連鎖するようにして繋がっていく。

 

「そうだ……思い出した……ッ」

 

 彼の手には──オージュエル。

 そして、錆びた刀が握られていた。

 凍えた世界の中、横たわる二匹のむげんのりゅう。

 背後に立つ、仲間達も──何処か決心したように空を見据える。

 

「……そこに居るんだろう。ラティアス。ずっと、俺達を見てたんだな」

 

 ──ッ

 

 赤い空に、黒い靄が浮かび上がる。

 彼女は──骸竜は音も無く、そこに降り立った。

 

 ──ままならないものね ゆめも うつつも なにもかもが

 

「……ラティアス」

 

 ──あのひとと とべるゆめが みられるとおもったのに みえるのはずっと このけしき

 

「……思い通りにいかないものなんだよ! 現実も、夢もね!」

 

 ニンフィアが前に進み出る。

 

「だから……もうやめようよ。本当は分かってるんじゃないの!? もう戻れないって……!」

 

 ──あなたに なにがわかるの ニンフィア すきなひとといっしょにいられている あなたが

 

「初めて見た時に……あんたの目も、体も冷たくって……とても怖かった。だけど、悲しい気持ちはとても伝わって来た」

 

 ──きづいていたのね ニンフィア

 

「今のあんたも同じ……泣いてるじゃない……! 見てられない!」

 

 ──それでも あきらめられない わたしは くりかえす あのひとと とべるそらを めざす

 

「……ラティアス。他のヤツは無事なのか? アルカにノオト! リュウグウさん! 皆は……!」

 

 ──いまだに ゆめのなか わたしがこうなら かれらもけっして しあわせなゆめはみてないだろうけど

 

 

 ふわり、と浮くと──ラティアスの目の炎が一際激しく灯った。

 

 

 

 ──ゆめのなかで しんでも やりなおせる また ちがうゆめをみるだけ げんじつとちがって

 

 

 

 ※※※

 

 

 

 夢は繰り返す。

 

 

「また、太古の時代だ……! 一体、どうなってるの……!?」

 

 

 

 また何度も同じ理想を見せつけ、

 

 

 

「またハーレムだ……元に、戻ったのか……!?」

 

 

 

 また何度も同じ絶望を彼らに見せる。

 

 

 

「シャワーズが、生きておる……じゃと……!?」

 

 

 

 ※※※

 

 

 

「……元に戻してくれ、ラティアス」

 

 ──むりだよ わたしには とめられない それに とめたら あのひとと とぶそらは えいえんにない

 

 骸竜が全身に霊気を身に纏う。

 メグル達は身構えた。

 戦わなければ、此処から出る事は出来ない。

 

「俺達は進まなきゃいけない」

 

 ──それが どんなにつらいみちでも? すすむさきがつらくっても?

 

「そうだな。ちょっと前の俺なら……きっと間違いなく、永遠の夢を選んだかもな。やり直しが効くし、思い通りだ」

 

 痛くもないし辛くもない。

 仮に死んでも元通り。また理想の夢に戻って来られる。

 そんな夢の世界だったとしても、メグルはそこに浸る気にはなれなかった。

 

「今の俺は……引き返すにはあまりにも大きなものを背負い過ぎた」

 

 手持ちのポケモン達を見やる。

 彼ら1匹1匹が、必死に生きている。ゲームのデータとは違うのだ。

 

「こいつらと喋って分かったんだ。こいつらはやっぱり俺の仲間で、俺に期待してくれて、俺の指示を待ってる。俺はポケモントレーナーとして……こいつらの望む”メグル”で居たい!!」

 

 ──そう ざんねん

 

「何より……こんな辛い夢を繰り返す……お前を放っておけない!!」

 

 

 

 竜の骸に赤いパルスが走る。

 一際強い霊気が、そしてサイコパワーが彼女の身体に充填されていった。

 

 ──たしかにわたしは まぼろし……でも みたいゆめは ある……とまるわけにはいかない……!

 

 

 

【ヒメマボロシ げんむポケモン タイプ:???/???】

 

 

 

 メグルは──ふと、後ろを振り返る。

 そこに立っていたのは、ポケモンの姿に戻った手持ち達だった。

 ニンフィアが、オドシシが、バサギリが、アブソルが、ヘイラッシャが、シャリタツが。

 喋る事こそ出来なくなったものの、戦って前に進む道を彼らは選んだ。

 

「ッ……やっぱお前らは、その姿の方が落ち着くわ!」

「ふぃーあ!」

「ブルルルルゥ!!」

「グラッシャー!」

「ふるーる!」

「ラッシャーセー!!」

「スシー!」

 

 ──ちがうわ たたかわせてあげるの ……ゆめのなかで わたしに さからってもむだってことを おもいしらせてあげるために

 

 やってみなければわからない、と言わんばかりに彼らは吼える。

 メグルの服も制服からいつもの旅ジャージ姿へと戻っていた。

 首に掛かったゴーグルを目に掛け──叫ぶ。

 

 

 

「一斉攻撃だ!! ”ハイパーボイス”!! ”がんせきアックス”!! ”バリアーラッシュ”!! ”シャドークロー”!! ”アクアブレイク”!!」

 

 

 

 ニンフィアが大声量で衝撃波を放つ。

 しかし、ヒメマボロシの姿は消え、すぐさま両の腕に霊気をまとわせ、ニンフィアを吹き飛ばす。

 そこをバサギリとオドシシが同時に突貫し、飛び掛かるが──切り裂いても、そして頭突いても手ごたえがない。

 気が付けば、骸竜は直上。そのまま両腕から”りゅうのはどう”を放ち、二匹を撃墜せしめる。

 

「ふるーる!!」

 

 今度はアブソルが影で剣を作り出し、ヒメマボロシの身体を切り裂かんと次々に飛ばしていく。

 しかし──霊の身体さえも引き裂くシャドークローを受けても、彼女の身体はびくともしない。

 

 ──そのていどのつよさじゃ……なにもまもれない

 

 返しに”りゅうのはどう”が放たれる。

 未来予知でそれを予感していたアブソルは即座にそれを躱すが、その先にはヒメマボロシが朽ち果てた腕を振り上げており──

 

「るぅっ!?」

 

 ──地面に沈められるのだった。

 雪に押し付けられるアブソルは呻き声を上げるが、追撃と言わんばかりにヒメマボロシの虚ろな目が光り、念動力がアブソルを襲う。

 だがそこに、シャリタツを口に入れたヘイラッシャが飛び掛かり──ヒメマボロシを突き飛ばそうとする。

 

 ──しつこい

 

 しかし、空中でヘイラッシャの動きは止まり、そのまま思いっきり巨体は投げ上げられ──

 

「しまッ……!!」

 

 

 

 ──メグルを、押し潰すのだった。

 

 

 

 ※※※

 

 

 

 ──暗い部屋だった。

 振り返ると、ポケモン達の姿はなかった。

 

「……お前ら? 何処行ったんだ?」

 

 問いかけたが、返事は無い。

 電気を灯けると──メグルは思わず仰け反りそうになった。

 自室だ。それも、大学に進学してから1人で暮らしていたアパートの部屋だ。

 そこには誰も居ない。ベッドの上にニンテンドーSwitchが置かれているだけだ。

 

「ッ……俺はいつか、此処に帰ってくるのか」

 

 メグルはぽつり、と呟き、思わずSwitchの電源を起動する。

 それはメグルの記憶のままのセーブデータの「ポケットモンスター ソード」が入っていた。

 

「……懐かしいな」

 

 もう、それほどに日時は経っていた。

 きっととっくに、こちらでは「ポケットモンスター スカーレット・バイオレット」が発売されているだろう、と彼は予想する。

 

「この旅が終わったら……俺は、此処に帰るのか……」

 

 嫌だなあ、とメグルは思ってしまった。

 あれだけ帰りたかった自室なのに、今は帰りたくない。

 しかし──ふと部屋のカレンダーを見る。11月19日。

 「ポケットモンスター スカーレット・バイオレット」の発売日になっている。

 

「大人しくゲームでもやってろってことか? やり直しが効くからなあ、ゲームは」

 

 メグルは──Switchの電源を切る。

 机の上には、錆びた刀がぽん、と置かれていた。

 

「……冗談じゃねえよ。だとしたらゲームも現実も……ましてや夢もナメてやがるぜ」

 

 夢の世界はやり直しが効く? ゲームのように?

 ゲームだって取り返しのつかない瞬間は沢山ある。

 あの日掴めたかもしれない勝利も、うっかり倒してしまった色違いポケモンも。

 決して戻ってくることはない。

 だからこそ──メグルは必死だった。必死にゲームに打ち込んだのだ。

 

 

 

「……わりぃ。まだやり残してる事、いっぱいあるんだ。あいつらが待ってるから」

 

 

 

 ※※※

 

 

 

 ──メグルは思わず起き上がる。

 ヘイラッシャの身体を──バサギリが、オドシシが、ニンフィアが──支えて受け止めている。

 

「ッ……お前ら……!」

「ふぃるふぃーあ!」

 

 ニンフィアが苦しそうにリボンでヘイラッシャの身体を押しのけた。

 どすん、と巨体は地面に落ち、再びヒメマボロシの方を睨む。

 まだ終わっていない。まだ戦える。その場に居る全員が闘志を燃やしていた。

 メグルの手には、やはり錆びた刀が握られていた。

 ”よあけのおやしろ”の秘宝。アケノヤイバの力が込められた刀。

 霊気さえも切り裂くアケノヤイバの力は、幻想さえも破壊する。

 

 ──その さびたかたな……! それが わたしのゆめをみだす……!

 

「アケノヤイバ様々だぜ。目に見えてるモンだけが全てじゃないってことだ!」

 

 ──ゆめのなかにいれば しあわせな きのうのままで りそうの みらいのままで いられるのに

 

「だとしたら夢の見せ方がヘタクソだったな、ラティアス。今の俺の理想は、こいつらと居るこの瞬間だ!!」

 

 ──そのさきが どんなにつらいものでも?

 

「……確かに幸せな未来になるかは分からねーよ。でも、不幸な未来があるかも分からない!」

 

 立ち上がり、メグルは再び敵に目を見据える。 

 

「……だから俺は……こいつらの居る今を、必死に生きるぜ。お前の分までな」

 

 ──おわらせるな わたしを かってに!! まだ おわりたくない!!

 

(如何にもゴーストっぽい見た目……夢を見せるならエスパーも健在か? ドラゴン技も使ってるけど……)

 

 メグルはアブソルに向かって錆びた刀を投げる。

 起き上がった彼女は「グルルルル」と唸り声を上げながら、それを口で咥え、起き上がる。

 

「どっちにしても……夜明けの剣で、幻夢諸共切り伏せる!!」

「フルルルッ!!」

 

 オージュエルを握り締める。

 錆びた刀はオーラとなってアブソルに纏われ、彼女はアケノヤイバの力を再び手にする。

 

「ギガオーライズ──”アケノヤイバ”!!」

 

 ──むだよ このわたしは ゆめで まぼろし げんじつせかいにいるわたしには いたくもかゆくもない

 

「なら……この夢の空間をブッ壊す!!」

 

 ──ッ!!

 

 念動力でアブソルを攻撃しようとするヒメマボロシ。

 しかし、そこにニンフィアとバサギリが飛び掛かり、更にオドシシがしがみつくことで発動させない。

 エスパー技は使い手の集中が必要となるからだ。

 ならば、とヒメマボロシは骸の口を開け──アブソルに向かって”りゅうのはどう”を放つが、今度は身を挺してヘイラッシャがそれを受け止める。

 

 ──じゃまを しないで──ッ!!

 

 二発目。

 再び口から”りゅうのはどう”がアブソル目掛けて放たれる。

 しかし今度は、倒れたヘイラッシャの口からシャリタツが飛び出すのだった。

 

「──オレスシーッ!!」

 

 ヘイラッシャの口から飛び出したシャリタツも”りゅうのはどう”を放ち、それを受け止める。

 両者の火力は拮抗し、なかなか決着が付かない。

 

「踏ん張れシャリタツーッ!!」

「スシスシーッ!!」

 

 両方のドラゴンエネルギーがせめぎ合い、中央で爆ぜ、ポケモン達を吹き飛ばす。

 この時点で時間は十二分に稼ぐことが出来た。

 

「オオワザ──”あかつきのごけん”!!」

 

 

 

【アブソルの あかつきのごけん!!】

 

 

 

 ──させない!! わたしはまだ おわりたくない……!! むげんのそらをとぶんだ──ッ!!

 

 

 

【ヒメマボロシの ラスタードリーム!!】

 

 

 

 空間に切れ目が現れ、それがカッと開かれ、巨大な穴と化す。

 その先は一寸先も分からない闇。

 その中にメグル達を吸い込まんとばかりに、引きずり込んでいく。

 だが、五本の刀はその穴の中央を目掛けてまとめて飛んで行き──

 

 

 

「暗く冷たい夜も……いつか、明るく明けるんだ!!」

 

 

 

 ──明けの明星の如き眩い光を放つ。

 

 

 

「いっけぇぇぇぇッ!!」

 

 

 

 大穴に太陽が現れたようだった。

 そこを起点に夢の世界に亀裂が入っていく。

 

 

 

 ──そうか やっと わかった なんでかれらを あつめて ここによんだのか

 

 

 

 ヒメマボロシは──悟る。

 

 

 

 ──わたしは おわらせて ほしかったんだ わたしじしんの ゆめを──

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