やはり魔法科高校の魔王の青春は間違っているストラトス 作:おーり
アンケ次第では変更も考慮
詳しくは活動報告にて
どうやら間違った青春ラブコメが始まるようですよ?
転校生、と聞こえは良いものの、その実態は編入生だ。
高校という施設は『独り暮らし』が許容される年齢で修学する場所であるために、やり様によっては寮生活という者も数えるぐらいはいるであろうし。そもそも入学枠という区別意識が存在し、学力が物を云う教育機関に紛れ込む、要するに編入する為には試験が必須である。親の転勤によって移動します、という理屈がキチンと通用するのは義務教育までで、それに至らない狭き門こそが通例なのである。
まあ、俺を推薦してくれたのは政府側ですから、そんな関門なんぞ雲か霞の如くにしか見当たらなかったのですけれどね?
ついでに言うと1年時には『生徒会所属』という聞こえだけは良い肩書があったもので、2年からの編入は実にイージーゲームでしたけれど何か?
そもそもの問題点は、2年時から突然紛れ込んで来た異物に、既在していた生徒らが相応の対応を取れるかどうかである。
俺からの対処も、まああるのでしょうけれども。はっきり言って俺の対人スキルは鏡合わせだ。義務教育の過程で、同年代どころか教師とかも含めて碌な人物に出会っていなかったお蔭様で、相手に対しての『期待』というものを備えるに至らない、という対処法が完全に身についておられるのである。相手の対応によって相応の反射を返す、コレが一番なのだよワトソソクン。
これはもうあれだな。高3になってから田舎へ落ち武者った某銀髪番長を凌駕するレベルでベストな対応力であると見た。いや、完全に自己分析ですけれどね?
さて、話は件の編入した初日の一時間目より始まる。
此処は一つ、やっておこうかね。
前回起こった三つの出来事ォ!
一つ! 烏丸先輩のオールフィクションがやべぇ! 生徒一人を改名させて別の学校へ螺子込めるはいよるこんとん先輩マジニャルラト!
二つ! 書記の北山雫に文化祭でのライブに誘われる! 生徒総立ちのアリーナでズックズクにしてやんよというお誘いありがとうございます無理ですけれどッ!
三つ! 転校先の教室内にてピンク髪お団子ヘアにヒッキー呼ばわりされる! 誰だお前。
……これ三つ目だけでよかったな。
そんなわけで、漫画ならばメインヒロイン枠確実っぽい巨乳ちゃんを尻目に、指定された席へと着席する俺なのである。おわかり?
「ちょ、無視すんなし!」
「……いや、誰だよ。初対面で人の事罵倒するとか、そんなDQNに知り合いなんて居りませんけれど?」
ドラゴンクエストナギ、面白かったんだけどなぁ……。
益体も無い方向へ思考がシフトしつつも、キチンとなぁなぁに対応する俺マジ
「……ねぇ由比ヶ浜、だっけ? アンタ、コイツと知り合いなん……?」
そんな俺たち(?)にやや控え目に声をかけてくるのは、ピンク髪の前に座っている金髪ロールの女子。
……セシリア先生を彷彿とさせるなぁ。下位互換って感じだけど。
つーか、此処進学校じゃなかったっけ。どう見ても髪染めた奴らがぞろぞろいらっしゃるのはどういうわけなんだよ……。
「えぅっ? う、うん、知り合いっていうか、なんていうか……」
いや、勝手に知り合いにするなよ。
俺はアンタみたいなビッチっぽい女子高生なんて全然知ったこっちゃないんだからねっ!……って、『由比ヶ浜』?
「あれ? ひょっとしてガハマさん?」
「今まで気づいてなかったの!? ていうかガハマってなんだし!?」
おおぅ、いきなり知り合いに出会っちまったじゃねーかよ……。
と、思い出すのは一年前の今日のこと。
そういえば入学初日に犬を助けて、その後にカンピオーネになったんだったよな。一ヶ月以内に件の犬の飼い主である彼女とは再会したけれど、それから約一年関わりが無かったんだから覚えている筈がないじゃありませんかー。以上、あらすじでした。
より詳しく考えて鑑みて見れば、ガハマさんも総武だったのだし出会うのは必然かも知れぬ。それでも同じクラスなのは偶然力仕事しすぎだとは思うけれど。……むしろ因果じゃね?
「いやぁ久し振り久し振り、火鉢だよー、槇也だよー、元気にしてたかねー?」
「ちょ、ぐいぐい来すぎ! どしたのヒッk「火鉢な?」h火鉢、くん?」
「うんそう。それで頼むわ」
必殺『力技で押し切る』ッ!
ところでマキヤという字に魔鬼夜と当て字をつける思考も一瞬考えかけたんだけど、暴走族っぽいから無しにしたんよ。それこそDQNネームって奴だろうしね。はっはっは。
さて。
「……よくわからんけど、やっぱ知り合いって思えばイイワケ?」
「うん。まあそんな感じで頼む。で、えーと、」
「あーしは三浦優美子ね。よろしくー」
「はい。ミウラさんね」
「優美子でいーし」
「お、女の子を初対面で呼び捨てとか、恥ずかしいし……」
「何それウケル♪」
好し。
なんとか話題を逸らせたようだ。
このまま済し崩しに“また”俺の正体がクラスにバレるのは避けたいからなー。魔法科ならともかく、こういう一般校では人の口に戸を建てるのも難しそうだし。いや、無理じゃないよ? 無理じゃないけど、そうなったら俺の望む高校生活なんてそれこそ不可能になってくるだろうし、ね?
ついでに言うと、最終目標は小町の進学先の確保だ。マシな学校空間を構築する、というのがな。
恐怖政治で縛りつけたら本末転倒って奴だろう。わかるよね?
「……なんか、ヒッキーっぽくない……」
そんな面白くなさそうな口調のガハマさんを尻目に、八十稲羽もびっくりのペルソナを全開で金髪ロールさんへと対処させる火鉢槇也です。火鉢槇也をどうぞよろしく。
拗ねんな。後で説明してやるから。
「……とりあえず。お前らこれから始業式始まるから、雑談も其処までにしておけよー」
担任の美人女教師からの控えめな叱責が、散文的に賛歌されたとかなんとか。
× × × × ×
「ハーイ、八幡♪」
「えぇぇ……?」
なんでおんのよこの娘。
思わず辟易とした声が漏れてしまったのも仕方がない。
詳細kwskと袖をぐいぐい小煩いガハマさんを振り切って現在は教室外。
俺と対峙しているのは、これまた懐かしい顔ぶれ……というにはガハマさんほどは日を跨いでいないか。エリカ・ブランデッリ通称本家金髪ロールさんがいらっしゃった。
久しぶりっちゃ久しぶりか? 去年の夏にサルバトーレがなんかはっちゃけた事件以来、だよね。
「でも正直会いたくなかったかな」
「それを口にするかしら、普通?」
まさかあの人が女性だったとは。
お兄ちゃんと呼んでくれ、とか言っていたからてっきり男性だったのかと。
間を取って“おにねーさん”と呼ばせてもらっている。
クラス替えでニューフェイスとなったみんなで親睦を図ろう、という彼女らの仲を引き裂くには忍びなく。用事があるからとやんわり拒否ることに成功した俺はというと、この学校で目標を達成するための第一ハードルから踏み出そうとしていたところである。
わかりにくかった? まああれだよ、『前の学校』での経験を踏まえてちょいと生徒会でも見学してみようかなと。
要するにワチャンの言う「そうなんだ、じゃあ俺は生徒会行くね」をリアルで実行してやったぜ! なんかテンション上がる!
そんな俺の前に現れたのがエリカはん。
おいおい、エンカウントするにしても国籍くらい揃えろよな。ファイヤレッドでルカリオが野生で飛び出て来た気分。バグってんぞこのカートリッジ。なんか、テンション下がる。
「で、なんで居るんだよお前。確かイタリアの魔術結社の大事なポジションだとか言ってなかったっけ?」
この一年で甘粕さんも所属する機構が相応に形成されてきたから、日本政府の対魔術事件支部がキチンと成立して来たはずなのだが。
要するに、他国の魔術師がそう簡単に入り込めるような隙を見せているとは思えない。これですっかすかだとか言い出したら、甘粕仕事しろ、と某運命夜の作者張りに怒鳴りつけているところである。違うよね?
「あら、つれないわね。でもおあいにく様、こう見えてキチンと手続踏んで来日して来たのよ?」
「来日目的はなんですか?」
「弱体化した日本の魔術機構を補強するためにね。バラバラになった魔術結社各社を、もう一度纏め上げるには私みたいな看板が居た方がずっと有利に事が運ぶのよ?」
外国人選手を取り入れて言い訳する日本球団みたいなことを言いやがる。
ていうか、その理屈でいくとこうして一般校に居る意味が無いだろうに。
「で、本音は?」
「魔王様の傍に居たいからに決まってるじゃないの♪ むしろ仕事なんてどうでもいいのだけれどね、私的には♪」
「いや、建前くらいはきっちりと立てて置けよ」
その「傍に居たい」が「籠絡する為」に聞こえたのは空耳ですか? やだ、俺の副音声仕事しすぎ……。
とりあえず俺はおにねーさんに問いかけてみるね。と、ISにてTEL。
『もしもしひねもす? どういうわけっすかおにねーさん?』
『うん。ごめん』
てめぇ。
一言で理解できた『剣王』サルバトーレの言い訳にもならない言い訳に、頭痛が痛い(過重表現)。
恋する乙女のPassionがどうのと言っていたが、要するにイタリアの魔王では抑えつけきれなかったらしい。
「……とりあえず、俺、この学校じゃ火鉢槇也って名乗っているから。他人前じゃ間違えんなよ」
「りょうかーい♪ あ、部屋が狭いから八幡のおうちにお邪魔してもいいかしら? 日本って家が小ぢんまりとしているのね、メイドも住み込めないなんて。まるでウサギ小屋だわ」
「邪魔だからくんな。つーか、既に満員で隙間もねーよ」
小町とラウラとアテナと深雪(重要度順)、あと飼い猫一匹で実家は混雑状態だよ!
両親? 知らね。
× × × × ×
翌日。
昨日の天気予報では夏日になるとか言い出していたホーエンツォレルン楓ちゃんの予報に疑問を持ちつつ登校してみれば、それどころでは無い事態を目の当たりにしてしまい呆然自失のオレガイタ。
「……なぁガハマさん」
「ヒッキー、ガハマさんは止めてよ」
「お前もヒッキー止めてよ。火鉢君だっつうの。それよりさ、……席替えっていつしたの?」
つい昨日までは居た筈の、ガハマさんの前の席の金髪ロールが消え失せて、ちょっとしたモブキャラに変更されているのですが。
具体的にはそこらにいるタイプの、ちょっと焦げたような茶色髪。日焼け、と言うべきかね。運動部の娘とかなっていそう。
「? してないけど?」
「え、いやでも、お前の前の……ミウラ?」
「あ、うん。昨日なんか、髪染め直したみたい」
え、じゃあそこの人昨日の金髪ロール? どういう心境の変化が。
後ろでぼそぼそ喋っていると、さすがに煩わしかったのか、件の彼女が振り返る。
っていうか俺睨まれてね? 威圧感凄いね! なんだか女王様っぽい!
「火鉢ィ、アンタ、昨日一緒に歩いていた人誰?」
「は?」
「校内で、アンタのこと探していたら見たんだけど」
エリカのことか?
疑問符を浮かべていると、横のガハマさんもなんだか反応しそうなふいんき(何故か変換できない)。
Mission! コンマで返事をしろ!
「ちょい顔なじみでそれより三浦がそれを問う心境や如何に」
「……外国の人?」
「イタリア人」
「マジか……」
だよね?
国籍詳しくは知らんけれど、ヨーロッパ系列だったようなそうでなかったような(興味なし)。
そしてそのまま机へ突っ伏すミウラ=サン。
意気消沈っぷりが的確過ぎて、いっそボッチっぽい。
お、俺の専売特許を奪うだと……ッ!(驚愕)
って、ひょっとしてそれが原因?
本家の金髪ロール目撃しちゃったから、下位互換程度じゃ恥ずかしくて高校デビュー諦めたって言う話か? いや、2年時で高校デビューは遅いだろうけど。
……どうでもいいけど、コイツの話題の持って来方が少し距離感可笑しいな。
ヤメテよ、その勿体ぶった言い回し。ツンデレがツンツンしているようにしか聴こえないじゃないの。
かっ、勘違いなんてしないんだからねっ! ……違うか? 違うな。
~大体のあらすじ
これで此処から読み始めた人でも大丈夫だな(確信
ちなみに北山はボーカロイドではありません。キッタキタと迷ったけど、それじゃあ別のキャラになっちゃうしね(今更
~原作との相違点
ガハマとあーしが初対面
原作でクラスカーストが出来上がっていたのは原作開始が四月からでは無かった為と…そうだよね? 手元に無いからわかんないや(適当
~エリカ参戦
満を持しての襲撃
高1時にそれなりに事件があった模様
口調はそれなりの推移を得て砕けたモノへ
~サルバトーレ(TS
自称違いのネタの筈がいつの間にか決定事項に
ま、まあ二次創作だから大丈夫な範囲だよね?(震え
~ホーエンツォレルン楓ちゃん
ふんどし姿のご老人らが踊り飽かして桜前線を呼ぶ祭りの中継にて、「うるせぇこのくたばり損ない共!」と本気でキレて暴言を吐く姿がなんか可愛くてイイと評判になった、最近話題のお天気魔女
金髪で眼鏡でつるペタの中学生、という『設定』
導入ってことで短め
活動報告にてアンケートをやりますね