魔法科高校の劣等生に転生してしまった男の物語 作:ラルド1572684
皆様お久しぶりです!
今回はちょっと早く更新出来ましたー。
理由は…
風邪で寝込んで仕事休んでいたからです笑
何かプール熱に罹っちゃいました〜(プールなんて行ってないのに…)
皆様も気を付けて下さいね〜
では、どうぞ!
九校戦七日目
九校戦、新人戦も終わりが近い。
本日は女子“ミラージ・バット”の予選〜決勝と男子“モノリス・コード”の予選リーグの予定だ。
俺にとっては男子なんぞどうでもいいので、女子“ミラージ・バット”を見に来ていた。
“ミラージ・バット”にはほのかとスバルが出場した。
結果としては二人とも問題なく、決勝に進出した。
……ふと、思ったんだが、あの司波兄弟。
四葉との関係を隠す為、基本的に目立たないように高校生活を過ごすつもりだったんだよな?
隠す気あんのか?
誰がどう見てもあの兄弟は特別な何かがある!って思われても仕方ない成績を叩き出しているんだが…。
そんな事思いながら自販機で飲み物を買っていたら、後ろから声をかけられた。
「ちょっといいかしら?」
振り返ると愛梨達がいた。
「あ〜、三高の三人娘…」
「変な呼び方しないでもらえますか!」
「んで、なんか用?」
「……まぁ、いいです。まずは黒岩君、優勝おめでとうございます」
何か頭を抱えているのだが…。
頭痛かな?
まぁ、とりあえず…
「愛梨もね。それに二人も入賞おめでとう」
「ん、ありがとう」
「ありがとうなのじゃ〜」
「立ち話もなんだし、座って話をしようか?ついでに何か飲む?奢るよ」
そう言って三人に飲み物を奢った後、近くの休憩スペースに座り込む。
そして最初に愛梨が口を開く。
「改めてだけど、まずは謝罪させてもらうわ」
「謝罪?」
なんかあったけ?
謝ってもらう事無いと思うけど…。
「貴方に最初に会った時の話です。『貴方では三高の選手に勝てない』この発言については私が間違っていました。申し訳ございません」
「分かりました。私は貴方の謝罪を受け取ります。……これでいい?」
「……貴方ねぇ、正式に謝罪しているのだけど…。けど、貴方がいいならそれでいいわ」
そこに沓子が口を挿む。
「相変わらず、愛梨は律儀だの〜」
すかさず俺も…
「だよね〜。今の今まで忘れてたよ〜」
最後に栞が…
「…でもそこが愛梨の良いところ」
「〜貴方達、好き勝手言い過ぎですわよ!」
赤く顔を染めながら吐き捨てる愛梨に俺達は堪えきれず笑い出してしまうのであった。
少しすると…
「……悠仁、一ついい?」
栞が急に問いかけてきた。
「イイよー」
「実は貴方にお礼を言いたかったの…」
「お礼?」
「あの夜(の電話)の事…」
「ああ、あれね…」
「わたしはあの夜、
「あんなに泣き叫んでいたのにな…(笑)」
「言わないで…。恥ずかしい…」
「俺の方こそ、(思った事)ぶちまけちゃったけど大丈夫だったか?」
「大丈夫。身も心も曝け出した(気分だ)から気持ちが軽くなった」
「本当?栞の
「それは、お互い様。わたしも悠仁の
「それならイイけど…」
「むしろ、弱っていたわたしにあんな事したのだもの……。悠仁に責任をとって貰おうかしら?」
「…勘弁してくれ」
「とにかく悠仁、本当にありがとう」
俺達の話に愛梨が参戦してきた。
何故か顔が赤いのだが…。
「貴方達!わたし達に秘密で何やっていたの!?」
……これはプライバシーな話だからな〜
栞の方に目を向けると向こうも同じ事思っているようだ。
ならここは…
「「秘密」」
「なっ!?」
愛梨は愕然としてる。
一方、沓子はケラケラ笑ってやがる。
何故だ?
「沓子も詳細は知らないが、一応、俺達の(電話の)事、知っている筈だぞ?きっかけは、沓子からだし…」
「なっ!?」
「こら、悠仁!ここでワシに振るのでは無い!」
……少し整理しよう。
何故、愛梨が赤くなっているのか。
ついでに固まってしまったのか。
そして、沓子は何故笑っているのか。
その答えは俺と栞の先程の会話が理由だと仮定する。
俺の(自称)IQ200の脳が導き出す答えは…。
ふっ…。
謎は全て解けた。
じっちゃんの名にかけて真実はいつも一つ!
「
俺の意図に気付いた沓子はとても良い笑みを浮かべながら…
「
二人して愛梨をいじりながら、愛梨の誤解を解くのであった。
一応、愛梨の名誉の為にナニを想像していたかは言わないでおこう。
……めっちゃ楽しかった!!
そんなこんなで話ていたらある事故が起きた。
それは男子“モノリス・コード”予選で起きた。
四高による違反行動で一高の選手が負傷して病院送りになってしまったと言う内容だ。
「……これは、ゴメン。状況を確認したい。本部に戻るわ」
愛梨達にそう告げ、俺は一高本部に向かうのであった。
一高本部に向かう途中、達也に会った。
本部に向かいながら達也に状況を確認する。
「達也、さっきの中継見たか?」
「何の話だ?」
「その様子だと中継見ていないな?…“モノリス・コード”で事故らしい。しかも、森崎くん達の試合で…」
「それは、またどうして?」
「詳しくは知らん。何か四高の違反行動をしたらしい」
「『らしい』ってことは悠仁も詳しくは知らないんだな?」
「ああ、だから本部に向かってる」
そうこうしてるうちに一高本部に辿り着く。
中に入ると中の空気はとても重い。
うわーって思っていると中にいた深雪が達也を発見する。
「お兄様!」
深雪が一目散に駆け寄ってきた。
隣には雫の姿もある。
「“モノリス・コード”を観戦すると聞いていたが、悠仁が言った通りやはりモノリス・コードで事故があったんだな?」
「はい、事故と言いますか……」
「深雪、あれは事故じゃないよ」
言い淀む深雪の横から雫が強い口調で口を挿む。
「故意の
うわ〜。
雫さん激オコじゃないですか…。
気持ちは分からんでもないけど…。
「雫……今の段階であまり滅多なこと言うものじゃないわ。まだ
「そうですよ、北山さん」
雫達の背後から、ななみん先輩が割り込んできた。
「単なる事故とは考えにくい……それは確かですけど、決めつけてはダメ。疑心暗鬼は口にするほどますます膨れ上がって、それがいつの間にか事実として独り歩きしてしまうものだから」
ほー。
いかにも
普段の姿ではあまり考えられないな〜。
さすが
雫も反省しているそうだし…。
そんな事思っていたらななみん先輩がジト目でこちらを見てきた。
「……何ですか?」
「……何か失礼な事考えていない?」
「いや?さすが生徒会長って考えていましたよ」
「そう?……まぁ、いいわ。ねぇ、達也くん、少し相談したいことがあるんだけど…」
ななみん先輩は納得はしていなかったがすぐに話を切り上げた。
それどころではないんだろう…。
代わりに達也に話しかていた。
「自分ですか?」
「チョッと、一緒に来てくれないかな?」
「……分かりました」
達也とそう言うと二人は天幕の奥に向かっていった。
何かすごい睨みつけている深雪を放っておいて…。
その後、二人に詳しい話を聞いた。
森崎くん達は四高選手の『
病院送りになってこの後の試合に出場出来ないことなど。
「それにしてもほのか、大丈夫かな…」
「ええ、この後の決勝に支障が無ければいいのだけれど…」
雫も深雪も不安そうだ。
それも仕方ないか…。
同級生が怪我で病院送りになっっちゃったから…。
「大丈夫だろう…」
「「えっ?」」
「何たって達也がいるからな。だから大丈夫。不安だったらアイツの側にいればいいぞ」
俺の言葉に雫が少し呆れながらツッコミをする。
「……そこは普通、『俺がいるから大丈夫』って言う所じゃない?」
「フッ……深雪はどう思う?」
「えっ?まぁ、悠仁さんよりお兄様の方が安心感がありますね…」
「……雫。これが答えだ」
「……何か違う気がするし、悠仁、自分で言って悲しくならない?」
……なります。
精神年齢で言えばもう四十歳ぐらいなのに十六歳ぐらいの高校生に安心感で負けるってどうよ?
けど、この会話のおかげか、不安そうな二人だったか、少し落ち着きを取り戻すのであった。
その後の話をしよう。
午後に行われた“ミラージ・バット”の決勝はほのか、スバルのワン・ツーフィニッシュで幕を閉じた。
俺はほのか達と優勝の喜びを分かち合いたかったが何故かミーティングルームに呼び出された。
「失礼します」
中に入ると上級生の面々と達也がいた。
部屋の中に入るとななみん先輩が話を切り出す。
「悠仁くん、ご苦労様です。改めて、“クラウド・ボール”、優勝おめでとうございます」
「ありがとうございます。七草生徒会長の指導のおかげで優勝できました」
「……悠仁くんは九校戦では一種目しか出ておりません。そこで悠仁くんは達也くんと一緒に“モノリス・コード”の代役として出場してもらえませんか?」
「……色々お聞きしたい事がございますが、おそらく特例でどうにかしたのですよね?では、まず、何故、私に白羽の矢が立ったのでしょうか?」
「俺がお前を指名した」
俺の質問に達也が答える。
「会長達に“モノリス・コード”の代役になる事お願いされ、代役になることを承認した。そして、メンバーは俺が決めていいことになったから俺がお前と幹比古をメンバーに選んだ」
「……幹比古には?」
「この後、会長達と了承をとる」
最初は俺って訳ね…。
とりあえず、まずは点数の確認をしよう。
「……今回の新人戦は現在、辛うじて一位。対して三高は二位。“モノリス・コード”を棄権しても新人戦二位以上は確定。ただし、新人戦でも優勝を狙うのであれば、三高の“モノリス・コード”の一位を阻止しなければならない。……合ってますか?七草生徒会長」
「ええ」
って事は…
「つまり、三高に……いや、一条家次期当主の
「はい」
「それは学校の為にですか?」
「ええ、もちろんです」
……念のためもう一度聞こう。
「……それだけですか?」
「はい、そうですが?」
「それだけの為でしたら、私は“モノリス・コード”の代役の件を拒否します」
会長達の依頼をはっきりと拒絶した。
上級生の面々と達也はまさか断るとは…という面をしている。
そんな状況の中で…
「何故だ?」
重々しい声で十文字会頭が聞いてくる。
「メリットがありません」
「メリット?」
「はい。
この発言に摩利さんや服部先輩が反応する。
「オイ、悠仁!」
「黒岩、『たかが、学校の為』ってどういうことだ!」
「黙れよ…」
殺意すら撒き散らしながら魔力を言葉に乗せ威圧する。
その威圧に当てられ、何も言えない上級生達。
部屋全体が異様な空気に包まれる。
「……続けますよ?貴方達は一条の次期当主に勝てと言った。学校の為だけに。確かに素晴らしい事だとは思いますよ?しかし、その後の話は一切しなかった。つまり一条に勝った後は何もしないと…。一条家、敷いては、十師族に目をつけられても放置だと…。デメリットしかないですよね?」
まだまだ言うことは沢山ある。
四月の案件の事も含めて鬱憤を晴らすように話をする。
「
「……」
「少なくとも、一条家、いや十師族の方から何らかの通達ぐらいはくるでしょうね。むしろ、それだけならばいいのですが…」
「……」
ななみん先輩も十文字先輩も何も言えない。
そりゃそうだよね。
だってそんな事考えられるのならこんな事、簡単には言えないだろう。
「………仕方ない。条件を一つ付けます。七草殿と十文字殿だけでお話しさせて下さい。それができれば、“モノリス・コード”に出ます」
そもそも、この件を簡単に返事する訳には行かなかった。
何故なら、以前、学校の為にテロリストを排除した後、ずっと付き纏っていた組織の中に、七草家と十文字家もいたのだから。
一条家の次期当主を倒したなんて起きれば、また監視とかするに決まっている。
時々、盗聴器とか勝手に仕込んでくるし、前に家に入られた形跡もあったから正直、怖い。
前までは、知らないフリして耐えていれば、その内どうにかなると思っていたが、これが不味かった。
ある程度、相手に危険と思わせなければ、監視なんてものはなくならない。
この四ヶ月で学んだ教訓がそれだ。
そして、これから二つの家には釘を刺そうと思う。
なんせ、今まで好き勝手監視していたんだ…。
なら、多少脅しになっても仕方ないでしょ?
「さて、先輩方、先程はすみませんでした。が、言いたい事は分かりましたよね?」
「ああ…」
「ええ…」
「先輩方はもう情報は入っていると思いますが、俺、千葉家の血筋じゃないけど、千葉を名乗る事を許されているんですよね〜」
悠仁は千葉家の段位で“皆伝”を認められている。
個人ではあるが千葉家の剣術を教えられる立場であるという事だ。
「だから、十師族ではありませんが、千葉家の名前の力を借ります。そうすれば、
あくまで多少だが…。
「ですので、“モノリス・コード”で使用する俺の魔法の詮索は絶対にやめて下さい。大会委員に説明を求められても絶対に拒否してください。見せる物によっては千葉家の秘術になります」
「ええ、分かったわ」
ななみん先輩と十文字先輩はこれで話が終わったと感じていた。
だが…
「よし、では本題に入りましょう!」
俺の発言に困惑する二人。
そんな二人を無視して、それぞれにA4サイズのファイルを渡す。
そして、神妙な口ぶりで…
「お二人共、これは一人で読むように…。そこにはあなた方の家の秘密をそれぞれに書き出しております」
「黒岩!」
中身を見たのだろう…。
十文字先輩が声を荒げるが…
「俺の要望は一つ。……いい加減、監視を止めろ」
「監視?」
「………」
ななみん先輩は知らなそうだが……
反応的に十文字先輩は知ってそうだな?
「これ以上の監視を続ける場合、監視者を発見でき次第、
淡々と話す俺に何も言えない二人。
おそらく、二人とも俺の言う
「内容を読み次第、ファイルごと処理するのをオススメします。…俺は先輩方の人柄については好ましいと思っていますが、先輩方の家については不信感しかありません。ゆめゆめ、愚かな選択をしないようにして下さい。では、千葉家の当主と電話しないといけないので失礼しますね」
そう言って、俺はその場を去った。
達也の部屋に入るといつもの二科生メンバーが集まっていた。
「……来たか」
「来たぞ〜。とりあえず、俺も“モノリス・コード”に出ることになったからよろしく〜。んで、今、どんな状況?」
「とりあえず、今は先輩方に準備をしてもらっている最中だ。この際に作戦を決めたいと思う」
「おお〜」
「なんか悠仁、緩くないか?」
達也と俺のやりとりに幹比古が口を挿む。
「いや?さっきまで超絶真面目モードだったからね〜」
「それが答えになっているのかい?」
「幹比古、悠仁に構っているだけ無駄だ」
無駄って酷くない!?
達也はそのまま話を続けやがった。
「まず、フォーメーションだが、悠仁にはディフェンスを頼みたい」
「……了解〜。とりあえず、自陣のモノリスに近づく相手を倒せばいいんだろう。ついでにモノリスに魔法を撃ち込まれても硬化魔法で固めておけば、モノリスが崩れる事はないし…」
「ああ、そうだな。モノリスが崩れた後、元に戻すのは反則だが、崩れるのを阻止する事を禁止する記載はルールブックには載っていないからな。その認識で頼む」
「うわっ!?きったね…」
「悠仁、悪知恵だけは働くのね…」
何か、レオとエリカが心外な事言ってくるんだが…。
抗議しないとね。
「『きたない』とか『悪知恵』とは失礼な…。エリカもレオも同じような事言うんだな…」
「「どういうことだ(よ)」!!!!」
いや〜、いい感じで反応してくれるねー
面白い!
「ハイハイ、二人共、落ち着いて。今はちゃちゃ入れちゃダメですよー」
興奮した二人を宥める美月。
いや、マジで助かる。
「……じゃあ、いいか?幹比古には遊撃を頼みたい」
今度は幹比古の番のようだ。
達也から話を聞いた幹比古は…
「遊撃?」
「ああ、オフェンスとディフェンス、両方を側面し支援する役目だ」
幹比古に役目を説明した後、達也はそのまま質問する。
「この前の雷撃魔法、あの種類の遠隔魔法は他にも持っているんだろう?」
「それは、まぁ…」
幹比古の歯切れの悪い返事。
まぁ、古式魔法の家系は自分達の持っている魔法を隠したがるからな〜。
しゃあないか…。
「あの雷撃魔法は殺傷性ランクCだよな?」
「……あれは、あくまで麻痺させることを目的にした魔法だからCランク相当だよ。公開はしていないけど…」
「非公開か…。じゃあ、明日使うのはまずいんだろうな?」
「いや…構わない。秘密にしているのは魔法そのものじゃなくて発動過程だから。呪符じゃなくてCADで発動すれば大丈夫。……達也」
「何だ」
「達也は…言ったよね?僕の……吉田家の術式には無駄が多くて、そのせいで僕は魔法が思うように使えないって」
「ああ」
この発言には俺、達也、幹比古以外の全員が驚く。
エリカなんて凄い目で達也を見てるし…。
「あの時には術の正体を隠す偽装の術式が施されていた。でも、多分それが達也が言う無駄ってことなんだろうね」
「ああ…。長い呪文を唱えていた頃なら有効だったんだろう。しかし、CADで高速化された現代魔法においては有効ではない」
幹比古が小さく吹き出す。
しかし、その笑いには自嘲の色は無かった。
「ハハッ、なるほど、威力で勝っているはずの古式魔法が現代魔法に敵わない訳だ」
「それは違うぞ、幹比古」
「えっ?」
「古式魔法と現代魔法に優劣は無い。それぞれに長所と短所がある。単に正面からぶつかり合えば、発動速度が圧倒的に勝っている現代魔法に分があるという訳で、知覚外からの奇襲ならば古式魔法の威力と隠密性に軍配が上がるだろう。要は、使い方だ。九島閣下も仰っていたじゃないか。そして、俺がお前を推薦したのは、お前の持つ魔法の奇襲力が大きな武器になると考えたからだ」
「奇襲力ね……そんなこと言われたのは初めてだよ」
幹比古は瞼を閉じながらそう呟いた後、迷いを振り払うように目を開く。
「分かった。僕が使える術式は、呪符だけじゃなくてCADにも一応プログラムしてあるから、達也が思う通りににアレンジしてよ。僕は、達也を信じることにするから」
何か、いい話してるとこ悪いんだが…。
幹比古……俺は?
俺のことすっかり忘れていませんかね?
一応、幹比古の為色々としたと思っていたんだが…。
何か、達也に全部持ってかれた気分だ。
そう思いながらも幹比古と達也の会話はまだ続く。
「ありがとう、幹比古。信じてくれたついでに、もう一つ、教えて欲しいことがある」
「いいよ。必要なことなんだろう?だったら隠すつもりはない。僕をここに送り込んだのは父上なんだから、こういう経緯で秘密が漏れても、家として文句は言えないはずだ」
「安心してくれて良い。口は硬い方だ」
「あ〜……。俺も口は硬い方だ。ここで聞いたことは他言しないと約束するぜ」
「私もです」
「あたしが口、硬いの、知っているでしょ?」
「俺も俺も〜」
今まで黙って聞いていた達也と幹比古以外の俺達は競うように口の硬さをアピールした。
なお、幹比古は何故か、俺とエリカに対して胡散臭そうな目を向けてきやがった。
……エリカはともかく俺もそんな風に思われていたんだ…。
ちょっと傷つく。
「じゃあ、手短に訊くぞ。『視覚同調』は使えるか?」
「……そんなことまで知っているのかい?九重先生はそんなことまで君に教えているの?」
「まあな」
「……つくづく君には驚かされるよ、達也。えっと、質問の答えはYESだ。『五感同調』はまだ無理だけど、一度に二つまでなら『感覚同調』を使える」
「視覚だけで十分だよ、幹比古。じゃあ、作戦だが……」
一応、俺も関わりありそうなので、幹比古と一緒に達也の作戦を聞くのであった。
部屋を変えて、今は急ピッチで“モノリス・コード”の準備をしていた。
この部屋には俺達の他に深雪、後、調整のお手伝いにあーちゃん先輩もいる。
そして、達也が自分のと幹比古のCADの調整を終えた後、今度は俺の番になった。
「達也、悪いが俺のCADは俺がやる」
それに意義を唱えたのは意外にもあーちゃん先輩だった。
「待ってください。黒岩君には失礼ですけど、黒岩君のCADも司波君に調整してもらった方がいいのではないでしょうか?」
おそらく、先程の幹比古の調整を見てしまったのだろう。
アイツは簡単に魔法式を
それをあーちゃん先輩は理解してしまったのだろう。
だが…。
「あーちゃん先輩……。確かに達也はCADの調整に関しては天才です。そこに関しては理解しております。けど、俺のCADの調整に関しては、達也の調整も正直に言って
俺のこの発言に深雪が冷たい眼差しでこちらを見てくる。
…ヤバイ。
「俺の魔法は現代魔法ではありません。どちらかといえば古式魔法ベースですかね…。魔法発動過程で必ず、CADが必要な現代魔法は俺には使えません」
「えっ?」
「つまり、他人にCADの調整をされると、俺は魔法が使えなくなるんですよ。これは、達也に限った話ではありません。例えそれが天才魔法技師
この発言に俺以外の全員が驚く。
「要するに、
俺は全員が何か言う前にさっさとCADの調整を行う。
五分ぐらいして、調整を終えたので、未だにポカーンとしているエリカ、レオを捕まえて…
「レオ、エリカ。ちょっと調子を確かめる。手伝え」
レオとエリカの首根っこを掴んで演習場に向かうのであった。
対象物の「一つの面」に加重がかかるようにエイドスを書き換える魔法
屋内に人が居るときに使った場合、殺傷性ランクAに相当する魔法
にこにこみさん!
サブタイトルのⅦ、Ⅷ、Ⅸが抜けている件。
ご指摘ありがとうございます。
まさかサブタイトルの数字が抜けていたとは…。
穴があったら入りたい……。
本当にありがとうございました!!
後、次回は秘密兵器悠仁くんの登場です!
悠仁くん意気込みは?
悠仁「敵は全て切り捨てる!!!」
次回、十四話“魔法って頑張れば意外と何とかできるよね?”
悠仁「俺って何かやっちゃいました?」
次回もお楽しみください!!
もし悠仁が九校戦の競技に出場するなら
-
やっぱりなし…
-
スピード・シューティング
-
クラウド・ボール
-
バトル・ボード
-
アイス・ピラーズ・ブレイク
-
モノリス・コード