プロローグ
Side?
「う、うああああああー!」
「無駄無駄!そんな鉛玉如きじゃこのイバラ様は倒せないぜえ!」
「あああああ!?……」
「み、皆…」
俺の名はセイヤ・キリツグ。
小さい時に両親が流行り病で亡くなってしまいとある暗殺結社の雑用係の一人として身を置かせてもらっていた。
頭領であるメラルドさんは少しばかり変な人だけど家事スキルを磨きに磨き続けてきていたおかげである程度の良評価を貰い、部隊のメイドさん達にもよくしてもらっていたので不満などなかった。
そんな生活を送っていたある日、俺は何時も通り食料確保精鋭部隊の数人のメイドさんと共に危険種狩りに少しばかり遠出していた。
其処で思わぬアクシデントに見舞われてしまった…腐敗の真っ只中である帝国が抱える暗殺拳使いの精鋭である羅刹四鬼の一人に偶然出くわしてしまったのだ。
イバラと名乗った男は此方が暗殺結社の一員であると知るといなや奴は襲いかかってきて次々と徹底応戦したメイド隊を手にかけていった。
やがて最後の一人も奴に殺されてしまい俺だけが残されていた。
「あン?なんだまだ残っているのかと思えば只のお荷物持ちのガキか…目撃者もいねえしそんなガキ相手にしたってオモシロくもなんともねえからとっとと失せな!」
「う、うわあああああー!?…」
イバラの言葉に俺はたまらず逃げ出していた。
皆ごめんなさい!…無残に殺されてしまったメイドさん達の事を思いながら俺は拠点へと帰還する事も頭になくて見知らぬ土地にまで逃げ続けてしまっていた。
持ってきていた備蓄食料も数日で底尽きてしまいいよいよ己の命運もこんな所で尽き果てるのかと倒れ伏した。
ババラさん、ダニエルさん、メラルドさん、そして俺の初恋の人であるカサンドラさんや他のメイド隊の皆…帰れなくてごめんなさい…。
だがそんな少年をこの世界の神は見捨てても決して見捨てなかった者達が居た!
それは…
「む?こんな所で行き倒れか…」
「ふむ…まだ息はあるようだな」
「ならば村に連れ帰って介抱するのだ」
その正体は北と南に輝く星を持つ者達だった。
~それから数年後~
「お師匠様方、今迄どうもありがとうございました!」
「うむ、くれぐれも我等がうぬに授けた拳、使い道を誤るでないぞ」
「理解しています!それでは…」
行き倒れていた俺はある人達の好意に救われ一命を取り留めた。
そして彼等に伝授してもらった数々の拳法で世を正していくと決意し惜しむも村を後にしたのだった。
「セイヤは大丈夫であろうか?」
「何を心配する事がある?唖奴は我等が課した地獄の様な特訓を耐え切った男だぞ」
「そういうラオウも震えているぞ?主に腕が…」
「ぬう!?…」
「ははは、天下の拳王様も流石に可愛い弟分が心配でたまらないか!」
「喧嘩を売っておるのかジュウザァ!」
セイヤを見送り出した数人の大男達は彼の事について語っていた。
「世を変えたい志は我々も同じだがこの村を長期間離れる訳にはいかないからな…裏切者も出てきてしまった事だし」
「まだ動くべき時ではないか…」
クロメ組強化する?
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強化しない
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強化する(門下生の奥義等で)