救世の拳が掴み取る!   作:カオスサイン

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零時代
旅劇団を救う!


Sideセイヤ

北南の村を一人旅立ちしてから数日後、俺はとある旅芸人の一団サバティーニ一座にスカウトされて共に旅を続けていた。

しかし俺と同時期に劇団に加入した二人の少女はなんか可笑しいな…女の子相手に拳は絶対に振るいたくないからなんとか穏便に済めばいいのだが…

「セイヤくーん!こっちの荷物運び入れといてくれないかしら?」

「あ、はい了解です!」

考え過ぎか?…俺はそう思い団員の一人であるアムーリャさんに呼ばれ再び作業に入った。

だがその時は訪れる…。

「団長さん話って何ですか?」

とある日の夜に劇団団長であるさんに招集をかけられる。

「うむ、君達にある提案があるのだよ…我々は実は只の旅芸人の一団ではない。

腐敗していく世を正す為に反乱軍に属する者達なのだ!」

「!」

団長であるサバティーニさんがそう話を切り出す。

成程、劇団を隠れ蓑にして密かに革命軍として動いていたって事か。

って待てよ?…これは非常に不味いぞ!?

団長さんは俺を含む新しく劇団入りした者達に革命軍に勧誘しようとしたのだろう。

だけどそれは…

「いきなりこんな事言われて困ってるかしら?でも世の中を変えたいという志は本物なのよ!だから…」

そこでアムーリャさんが俺の同期の一人であるツクシちゃんに一声かけたその時だった。

「答えは既に決まっていますよ?」

「!アムーリャさん!?」

ツクシちゃんが何処からか取り出した小銃をアムーリャさんに向けたのを見て俺は走り出す。

ドン!

「あら?…」

「あ、危なかった…」

「え?…」

俺は放たれた弾丸を寸での所でキャッチしなんとかアムーリャさんの危機を救う事に成功する。

アムーリャさんを撃ち殺そうとした当の本人は何故邪魔が入る?と疑問符を浮かべていた。

「サバティーニ一団葬る!」

「うおっと!?…」

「なっ!?(こ、コイツ早い!?只の団員だった筈!?…)」

邪魔をしてきた俺を脅威と感じたのかツクシちゃんと一緒に加入してきたアカメが斬りかかってくるが俺は回避する。

「ツクシくんにアカメくん!君達は真逆!?…」

「そうだ、私とツクシは帝国軍の暗殺部隊の一員だ…」

「なんだって!?…」

アムーリャさんを救った事で俺の事は一旦除外し団長さんはアカメ達の正体に気が付き驚いた。

彼女達が正体を露わにすると特にアカメと仲が良かった一人であったコウガさんも驚きを隠せず動揺していた。

「っと話の最中だけどここらでストップだ!」

「え!?…」

「なっ!?…」

奥義を使う訳にもいかないので俺はアカメ達が行動を起こす前に彼女達に急接近して秘孔を軽く突こうと試みた。

会話に集中していたおかげで反応が遅れて対応出来なかったアカメ達は力が抜けたかのように眠り出した。

「せ、セイヤ君、君は一体何者なんだ?…」

団長達はアカメ達をいとも簡単に無力化した俺に驚く。

「…俺はある暗殺拳を学び身に着け世を変える為に一人旅をしていたんです。

貴方方が革命軍側なら俺に敵対する理由は一切ありませんので安心して下さい」

「そ、そうだよ!彼がもしいなかったら私達下手したら全滅させられていたかもしれないのよ?!」

「そ、そりゃあそうだけどさ…」

アムーリャさんの言葉に同じ女性メンバーであるナタリアさんは口籠る。

「団長一体どうするんだ?」

そこで団員であるダンカンさんが団長さんに指示を促す。

「兎に角帝国側のスパイが入り込んできてしまった以上此処は今夜中に引き払う必要性が有るな…」

「それもそうですね…」

「あ…アカメ達の処遇はどうするんだ?」

「ううむ…それなんだがな…おいそれと決めて良い事ではない気がするのだ…」

「…」

アカメ達の処遇についてコウガさんが問い質すと団長さんは難しい顔をしていた。

そりゃあそうだろうよなあ…年端もいかない少女達を帝国側のスパイだったから処分するなんて簡単には出来ないよなあ…。

「では捕虜として扱いますか?」

「それが最善の手だろうな…では全だ…」

とりあえず方針が決定し団長さんが他の団員達に指示を出そうと大声を出そうとした時だった。

「!静かに!…外で団員じゃない気配を感じました!」

「何!?…」

俺は不穏な気配を感じ取って慌てて団長さんを止めた。

「俺が見てきやしょうか!」

「頼む!」

ダンカンさんが外の様子を調べに行くのを買って出ようとしたその時だった。

グサリッ!

「あぐっ!?…」

「ダンカンさん!?」

「ま、真逆!?…」

「(しまった!?既に敵が此方の動きを把握していたのか!…クソッ!?想定出来ていた筈なのに…)」

ダンカンさんはテントを突然突き破ってきた剣に刺されてしまっていた。

そこで俺達は漸く自分達が既に敵に完全包囲されている事に気が付いた。

ダンカンさんは斬られて外に放り投げ出されてしまったのを見て俺は即座に行動を起こす。

「邪魔させてもらうぞ反乱分子の雑魚共!」

「暗殺部隊の本隊!?…」

「い、嫌あああああー!?」

剣を持った男が俺達が居るテントに侵入してきて得物を向けてきていた。

逃げ場を失って団長さん達は冷静でいられない。

「ン?…アカメにツクシがやられているだと?…」

男は倒れて眠っているアカメ達の姿に気が付き訝しむ。

今だ!俺は北斗神拳奥義の一つである影の歩を繰り出して男の背後に接近し秘孔を突いた。

「何っ!?…ざ、雑魚が何時の間に俺の後ろに!?…それに体が動かん!?…」

「俺の影の歩に気が付けないとはまだまだ甘いな!経絡秘孔の中の一つ、「椎神」を突いた。これでテメエはどうあがいてもこの場からしばらくは動く事が出来なくなった!安心しろアカメさん達の仲間なら今はまだ殺しはしない」

「ぐっ!?…」

「さ、外に早く出ましょう!」

「あ、ああ…」

秘孔を突かれて動けなくなった男を放置し俺達はテントから脱出する。

アカメさん達は抱えられる余裕など無いので男と一緒だ。

そして外に出ると数人の男女が待ち構えていた。

「団長さん達は下がって!俺が一人で奴等の相手します!」

「き、気を付けてね!…」

「ああ!」

アムーリャさんに心配されたので俺は返答し前へと出た。

「チーフがやられるなんて…」

「安心しろ殺してはいない…他の二人も命の保証はしている」

「信用出来っこないね!」

どうやらさっきの男がリーダー格だったらしいな。

眼鏡をかけたやさ男が鞭の様な武器を振るって俺の片腕に巻き付けてくる。

「甘いぞ!」

「んなっ!?…」

俺は鞭をするりと抜けやさ男に急接近する。

「たっ!」

「うっ!?…」

動揺した隙を突いてさっきのリーダー格の男と同じ秘孔を突いて動きを封じる。

「やあああー!」

「帝国の敵め!」

其処に小柄な赤髪ポニテの少女と金髪巨乳美少女が二人同時に仕掛けてくる。

「やりにくいったら…カワイコちゃんは大人しくおねんねしてな!」

「は、早い!?…」

「何!?今の動き!?…」

アカメ達と同様に少女達を強制的に眠らせてやる。

「グリーン、コルネリア、ポニィ!?クソが!レイアーススーツ!」

「この感じ!…恐らく臣具か!…」

残った大柄な男は仲間の名前を叫びながらヒーロースーツの様な物を纏って突撃してきた。

「ふっ!」

俺は軽くじゃコイツは戦闘不能には追い込めないと思い剛の拳の一発を振るう。

「甘いな!」

「むっ!?…」

大男の体が土と化し姿が消える。

あのスーツの能力か!

だとすると…俺は感覚を研ぎ澄まして奴の居所を探る。

「其処!」

「ぐわっ!?…」

俺の足下から奇襲をかけようとした奴の頭を掴み上げ捕獲する。

「アンタみたいな奴の相手は面倒だからこのままブッ飛んでいきやがれええええー!」

「嘘だろおいいいいいーー!?…」

俺は奴を空高く放りブン投げてやった。

予想外だったのか奴はそのまま驚きの声を上げながら森林方面へとブッ飛んでいったのだった。

「す、凄い!…ホントに一人で撃退しちゃった…」

「さ、敵の増援がやって来る前に!」

「あ、ああ…」

敵を片付けてすぐに俺達は殺されてしまったダンカンさんやその他の団員達を回収しこの場を離れるのを急ぐのだった。

 

それから数分後、Side?

「何だあ?…この惨状はあ?!」

俺の名はゴズキ、羅刹四鬼の一人で帝国暗殺部隊を率いる男だ。

そろそろ標的を仕留めている頃だろうと様子を見に来てやったら暗殺部隊は皆明らかに可笑しな様子だった。

それ所か人数も足りない。

よもやあの程度の規模の反乱分子にやられたとでもいうのか?

「おいグリーン」

「は、はい…やっと動けた…」

「ったく、一体どういう事か説明しろや!」

「そ、それが…」

何故か突っ立っていたグリーンに問い質した。

「何だって?…」

「も、申し訳ありません!真逆只の旅芸人一味にあんな奴が居るとは予想外でして…」

聞けば団員の何人かは始末出来たが現れたある男にグリーン達は手も足も出せずに瞬く間に戦闘不能にされたとの事。

しかも肝心なメインターゲットであったサバティーニを含む数名には逃げられてしまったとの事だった。

「クソがっ!…オネスト大臣に何て報告すりゃあ良いんだよ…」

「手配書を帝都中に回しますか?」

「いや、恐らく無駄だろうな…」

「そうですか…」

何処のドイツだか知らねえが必ずこの失態は埋めてやる!…

 

クロメ組強化する?

  • 強化しない
  • 強化する(門下生の奥義等で)

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