Sideセイヤ
「む?…」
ある日宿泊した旅館でふとどこか懐かしい気配を感じ取ったので旅館内を散策していたら衝撃的な場面に出くわした。
「何やってんだ君ら!?」
「!?」
「アンタはサバティーニの時の!?…」
旅館の裏庭で刀を持った覚えのある黒髪ポニテ美少女と劇団の時の金髪美少女が戦っていた。
二人は俺の姿に驚いておもわず手を止めた。
「何があったか知らないけどこんな所でやめろ!」
「止めるな!」
それでも黒髪ポニテの方は攻撃の手を再開しようとする。
「しゃあねえ…ほ!」
「なっ!?…」
俺は仕方無く彼女に近付いて秘孔を突いて動きを封じた。
「アンタ一体…」
「君もタエコさんも落ち着いてくれ」
「何故私の名前を知って…!?真逆お前!?…」
俺が黒髪ポニテ少女の名前を呼ぶと彼女は驚くと同時に気が付いたようだ。
「何年振りだろうかな…」
「やはり…」
「ああ、元は組織のしがない雑用係だった男だよ」
俺のその言葉に黒髪ポニテ少女、タエコさんは確信を持ったのだった。
Sideタエコ
「生きていたというのか!?…」
私は暗殺結社オールベルグの一員である無常の風タエコ。
私は帝国暗殺部隊のメンバー暗殺依頼を師と受け持ち標的の一人であるコルネリアとの戦闘に入った。
だが其処にある男が現れて驚いた私達だったが攻撃の手を緩める訳にはいかずそのまま斬撃を再開しようとしたのだが現れた男に急接近され触れられたかと思うと突然身体がいうことを聞かなくなってしまった。
全然動きが見えなかった…しかもそれを行った者の正体は組織に数年前に組織の物資遠征部隊が壊滅させられた事件が起きてその件で唯一生死不明扱いになっていた只の雑用係だった筈の少年、セイヤ・キリツグであったのだから驚いた。
私自身は彼との繋がりはほとんどなかったが作る料理が絶品だったと一部の者達がしばらくの間意気消沈していたのを思い出したからだ。
「其処の彼女を斬っても虚しくなるだけだ…それはタエコさん自身が良く分かっている筈だ。
あの大男と違ってな…本当に斬るべき敵は他に居る事もよ」
「私は…」
私はそんな彼に言われ最初は標的であると知らずに友となったコルネリアを見た。
そうだ…彼女は只腐った帝国の上層部に言われるがままに革命軍を討伐してきただけ…そんな彼女を斬った所で現状が何ら変わる訳じゃない…私は友を斬ろうとしただけに過ぎなかったのだ。
「たまには自分の気持ちに素直になっても良いと思うぜ?暗殺者としては失格なんだろうけどよ…」
「そうしても本当に良いのだろうか?…」
「それを決めるのはタエコさん自身だろ」
「だとしても…」
彼の言葉を受けて私はますますどうすれば良いのか分からなくなった。
「大丈夫だ、ババラさんに説教喰らいそうなら俺も一緒に受けてやるよ」
「…」
そうセイヤは言う。
一方のコルネリアはセイヤの事を激しく睨みつけていた。
Sideコルネリア
「ねえ…アンタの発言で気になった所があるんだけどもしかして…」
私はタエコとの戦闘を中断し現れた青年に質問した。
この間ランク昇級試験で密かに想っていた同じ部隊のガイ君が予定時間を過ぎても一向に帰って来ず後日洞窟でボロボロになっていた遺体となって彼が発見されたからだ。
「ああ、奴を仕留めたのは俺だよ…」
「!やっぱりアンタが…どうして…どうしてよ!?…」
青年はあっさりとガイ君を殺した事を認め、それを聞いた私は悲しみを堪えながら青年を問い詰めた。
「今迄は革命軍や犯罪者の人間だったのだろうがあの男は冤罪を被せられた無実の少女を只標的だからと何の疑いも持たずに手にかけようとしていた…だからこそ俺が止めたんだよ」
「…パパが間違っているとでも言いたいの?」
「パパというのは君達の指揮官か?ならソイツは間違い無く腐った国に同調して自分達だけに都合の良い事をしているだけに過ぎないな」
「そんな事…」
青年がパパの悪口を言ったので私はたまらず反論しようとした。
「標的の指示を出しているのはパパなんだろ?だがしかし君達自身でその人物の事を少しでも深く知ろうとしていたのかい?」
「そ、それは…」
青年の更なる追撃の言葉に私は反論する余地すらも与えられず口籠るしかない。
そういえばアカメも仲を深めていっていた標的に対して情を感じたが結局始末したという事を思い出した。
彼女も相当に苦しんでいたんだ…私達が今の今迄やってきた事って一体…
「苦しいなら俺が助けてやるよ…どの道君達のパパはブチのめしてやらないといけないみたいだからな」
「私がアンタの事をパパに報告するって思わないの?」
「ん?だって君には引っ掛かる事があるんだろ?まあ報告されても俺は負けないけどな!」
あっけらかんと青年はそう答えた。
どうやらこっちの考えは完全に見透かされていたようね…。
だったらもう良いのよね…。
「タエコさん、一度すれ違ってしまった仲だけど私と本当の友達になってもらえないかしら?」
「あ…ああ私もそう思っていた所だった」
私は自分の持った気持ちに素直になる事を決め改めてタエコさんにお願いした。
どうやら彼女もそう思ったようであっさりと受け入れてくれたのだった。
Sideセイヤ
無事に二人は互いに命の奪い合いをやめて仲直りしたようだった。
「それじゃあええっと…」
「コルネリアよ、貴方の名前も聞かせてもらえるかしら?」
「セイヤ・キリツグ、元雑用係の今はいち拳法家の旅人だ」
互いに自己紹介を交わした後に俺はコルネリアさんに聞いた。
「コルネリアさん、今の所は早く戻った方が良い…帰ったらイバラという男の事を調べて欲しいんだ」
「分かったわ。それとなくパパに聞いてみるわね」
敵の情報を探る為に俺はコルネリアさんに頼んだ。
コルネリアさんの事を見送った直後、今度はタエコさんと話す。
「今更だけどお久し振りですね」
「ああ…よもやこの様な形で再び会うとは思わなかったが…はっ!?そういえば師匠は!?」
「!」
タエコさんは思い出したかのように裏庭を飛び出して行く。
俺は慌てて追いつくも彼女は青い顔をしていた。
「師匠がまだ帰って来ていないんだ…帝国暗殺部隊の男性メンバーを討伐しに山岳方面へ向かったのだが…」
「真逆!?…急ごうタエコさん!」
「あ、ああ…」
タエコさんの師であるババラさんの身に何かあったのだと察した俺達は急いで救援に向かった。
だが…
「し、師匠!?…」
「これは…」
向かった山岳地帯の周囲は爆発したかの様なクレーター跡がありその中心部にはある物が落ちていた。
「そんな!?…」
それはババラさんが身に着けていた腕輪の破片だった。
「…恐らくコルネリアさんが言っていたパパが出てきて追い詰められた末の自爆って所だろうな…」
鞭持ちのあの眼鏡のやさ男は兎も角、剣を持った青年の相手はいくらあの婆さんでも相当厳しかった筈だ。
そこに更に指揮官クラスの増援があったとなっちゃあくたばってしまったのも無理はないだろう…。
俺は悲しみに暮れるタエコさんを励ますしか出来なかった…。
「私は一度拠点へ帰還する、師匠の訃報を報告しなければならないからな…セイヤお前はどうするんだ?」
「俺はしばらくそっちに帰る気はないよ…後出来たら俺が生存している事は報告しないでおいてもらえると助かる…何か不都合が起きたら困るしな…」
「分かった…ならまた再び逢うその時までか」
「ああ!」
俺はタエコさんと一時別れ又一人旅に戻るのだった。
タエコとコルネリアちょっと強引ですが生存させられました!
ババラさんは流石に無理でしたが…感想お待ちしています。
クロメ組強化する?
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強化しない
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強化する(門下生の奥義等で)