救世の拳が掴み取る!   作:カオスサイン

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帝国軍を断罪し、狂う歯車を正す!

Sideセイヤ

「体はどうだい?」

「あ、パパ~!どうもしないよ~?」

「それなら良いんだ」

糞ハゲマッドの非道な手から救った少女レムスちゃんは俺の秘孔医療術によって薬物依存の症状は完治、根底の帝国への不要な忠義心が綺麗さっぱり消え去り普通の少女として第二の人生を手にすることが出来た。

彼女の普段の振る舞いから孤児などではなく何処からかか誘拐された挙句に兵士にされてしまった御嬢様なんだなと俺はあたりをつけた。

何故か俺の事をパパ呼びしてくるがそれももう受け入れた。

恐らく彼女の本当の親はもう生きてはいないだろうしな…立派に親代わりを務めてみせようさ。

さてとこの子にこれ以上の野宿をさせる訳にもいかないからここらで宿をしばらくの間取るとしようかな。

そう思って俺は通りがかった村を訪れようとしていたその時だった…。

パチパチ…

「何この音―?…」

「真逆!?…」

レムスちゃんも聞こえてくる物音に疑問を感じ俺は嫌な予感を感じたので急いだ。

「これは!…」

それはやはり村が火事に遭っている所であった。

それも一軒や二軒じゃない村全体が炎に覆われてしまっていた。

只の放火とかではないなと感じた俺はレムスちゃんに急いで隠れてくれと言って様子を見に行った。

其処では…

「ヒャッハアー!決められた税を納めぬ者達などこの国には不要だー!」

「うわあああー!?」

「お、お許しをおー!…」

「酷え!…」

其処には帝国軍の者達が持っている火炎放射器や武器で村の人々を襲っていた。

「ならテメエは地獄の閻魔様にでも許しを請い続けるんだな!」

「なにアチチチ!?……」

これは帝国軍による焼き討ちだと確信し俺は当然その凄惨な光景に怒りを感じて帝国軍の一人から火炎放射器を奪い取って問答無用に浴びせて襲われてた村人を救出し逃がした。

「き、貴様一体何のマネだ!?」

「テメエ等、一歩でもその場から動けば命は無いと思え…」

「何をおおお?!だったら貴様から血祭にしてやろうかあー!」

「忠告はしたぞ…あちゃあ!!」

尚も非道を続ける帝国軍に警告を促すが当然のように襲いかかってきたので俺は遠慮無く奴等に回し蹴りを入れた。

「?…だははは!全然当たってないでやんの!」

「いや直撃しているさ…お前達は既に死んでいる」

「何…ふげべええ!?……」

「あぎゃらぴいいー!?……」

北斗神拳奥義<北斗円環斬襲脚>…目にも止まらぬ回し蹴で敵の秘孔を突く技だ。

俺を取り囲んでいた帝国軍兵達は断末魔の叫びを上げてこの世から跡形も無く消え去った。

「むっ!?…こ、これは!?…」

村の奥まで向かってみると大勢の村人の男達が帝国軍に拘束され張り付けにされてしまっていた。

「う、うわあああー!?」

「お父さーん!…」 「あなたー!…ど、どうかお慈悲を!…」

「そらそらー!帝国に歯向かった罰の執行だー!」

悲痛な声を上げる母娘をよそに帝国軍兵達は喜々としながら火炎放射器を向けようとしていた。

「ショオ!」

俺は急いで拘束具を纏めて叩き割いて彼等を解放した。

「な、なんだあ貴様はー!?」

「!?」

俺は無言で奴等に殺気を飛ばして動きを封じさせた。

だが…

「逃げようたってそうはいかんぞ!さあ、やるのだ!」

殺気の範囲外に居たリーダー格らしき人物が逃げ遅れた村人を拘束していた。

だが様子が可笑しい。

「ぼ、僕にはとても出来ません…」

兵達の中で只一人火炎放射器を向ける事を躊躇している者が居た。

「ああン?!」

「だ、だってこ、ここまでするだなんて聞いていませんよ!…」

「五月蠅いボルス!ワシが貴様の事を口添えしてやった恩を忘れたか!もういい!貸せ!」

「あ!?…」

リーダー格は処刑を躊躇していたボルスと呼ばれた人物から得物を奪い取って向けようとしていた。

だがそんな事はさせない!

「だったら俺が代わってやろうか?」

「おう?この楽しみが理解出来る奴が居るとはな!ほらよっと!」

「ひっ!?…」

俺はそうリーダー格の男に声をかけると男は無警戒に手渡してきた。

「さあ、見せてくれ!」

「ふん!」

当然俺は村人ではなく帝国軍リーダーに火炎放射器を向け放った。

その隙に急いで村人を安全な所まで逃がす。

「…ぎゃああああ!?アチイー!?…」

「ちょっと火力が足りんかったみたいだな…」

リーダー格の男は服がちょっと燃えるくらいだったのですぐに鎮火される。

「き、貴様ー!ワシが帝国軍の一部隊を率いるメラギ様だと知っての愚行かあー?!」

「今日も子悪党は良く吠えるな…」

「何をお!?お前達何をボサっとしている?ワシの楽しみを邪魔したコイツをとっとと殺せー!」

「「「!う、うおおおおー!」」」

メラギと名乗った男の命令でさっきまで俺が飛ばした殺気で動きが止まっていた者達ははっとなって再び一斉に襲いかかってきた。

「実力差を理解しないとはな…ならばもう容赦はしない!はあああああー!」

俺は上半身の服をビリビリに破り去って本気モードになった。

~推奨戦闘BGM「愛をとりもどせ!!(アレンジBGMVer)」♪~

「ホォーワッタアー!」

「ぶおっ!?」

「アチョー!」

「ガッ!?…」

「アァーチャー!」

「あぱあ!?」

俺は襲い掛かって来た帝国軍兵達を容赦無く殴り飛ばし、蹴り飛ばしていく。

「くっ!?…この無能共が!…だが此方にはまだまだ兵力はあるのだぞ!」

メラギは此方を物量作戦で潰そうと企んでいるようだがそうは問屋が卸さない。

「やめておけ…無駄に雑兵共が消え去るだけだ…」

「相手はたった一人だ!者共かかれえー!」

「うおおおー!」

俺の忠告など虚しく奴は残りの部隊を投入して襲わせてくる。

「無駄だと言ったのだがな…仕方無いか…ホオー!アータタタッタァーー!!」

向かってくる残りの帝国兵達を問答無用に蹴り飛ばし、殴り飛ばしていく。

「こ、こんな馬鹿な事が!?あれだけの数をこんな一瞬で!?…」

メラギは二百は居た筈の兵達がたった一人の男に短時間でやられた事に青冷める。

「め、メラギ隊長ー、い、いはいよーぶわがっ!?……」

「あぎゃら!?…」

「ひげええええっ!?…」

「!?」

メラギに助けを求めて駆け寄った兵の一人が痛みを訴えながら断末魔を上げて体を爆散させたのを合図に残りの兵達も一斉に爆散していく。

メラギはそんな部下達の異変を目にして更に青くなる。

「き、貴様は一体!?…」

「さて残るはアンタだけのようだな…権力を乱用して弱者をいたぶり続けたその罪地獄で悔い続けるがいい!」

「ひいっ!?…」

「おっと逃がす訳無いだろ」

メラギの質問を無視し俺は奴に歩みを進める。

逃げ出そうとする奴だったが即座に捕まえる。

「アータタタタッタタタタッタタ!!」

「ぶぶべえええー!?…」

俺はメラギに連続聖拳突きを喰らわせる。

「い、いてえ!?…」

奴は膨れ上がった顔を抑えようとしているが

「北斗神拳奥義<北斗百裂拳>!メラギとかいったか…テメエはもう既に死んでいる」

「そ、そんな!?…うわぎゃ!?……」

メラギは即死秘孔を俺に突かれていた事によって跡形も無く爆散していった。

「残りは僕って訳かい…」

「いやアンタはまだ他の奴等と違って戻れるから見逃すさ」

「え?…」

ボルスと呼ばれていた男は俺の発言にきょとんとした。

「ボルスさんだっけ?アンタはあの糞野郎に半ば脅されていたんだろ?だったらこの村の復興でも手伝って償いをすれば良いさ」

「ほ、ほんとにいいのかい?!」

「ま、代わりに俺の事は言わないでもらえると助かるけど…今度からは言いなりになるんじゃない己自身で行動しな!守りたいもんがあるなら猶更だ」

「分かった!ありがとう、ありがとう!…」

ボルスさんに感謝された後、俺は村人達を彼の事について説得する為集める。

被害者である彼等の半数は反対していたものの実際にボルスさんが躊躇しているのを目にしていた人達の証言もあってボルスさんは共に村の復興の手伝いを約束したのだった。

無論俺達もしばらくの間だけ手伝ったよ。

 




ボルスさん狂う前に救済!原作でそこまで詳しくは語られていないのでほぼオリ展開になりましたが

クロメ組強化する?

  • 強化しない
  • 強化する(門下生の奥義等で)

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