救世の拳が掴み取る!   作:カオスサイン

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天星が導いた再会と激闘!PARTⅠ

Sideコルネリア

「クソッ!?何が一体どうなっていやがるんだ!?先日の焼却部隊の件といい…」

「…」

パパは何時にも増して相当に機嫌が悪かった。

「真逆プトラの地を襲撃したあのエスデスの部隊までもが壊滅状態だと!?…だがしかしプトラと反乱軍にはほとんど繋がりがねえしあのエスデスにまともに戦り合って傷を付けられる奴だなんてオールベルグぐらいしか思い当たらねえ!…」

「パパ…」

心当たりがありすぎる…だけど私は言わない。

「お前達次の仕事が決まった。反乱軍の製塩所潰しだ」

「はい…」

私このままだと駄目だよね…心の呟きは虚しく掻き消えた。

 

その頃、Sideセイヤ

「おおー!…」

「わー!お馬さんだ~!」

「ヒヒーン!」

先日のプトラ護衛の礼として俺があの村を旅立つ二年ちょっと前にラオウさんの愛馬である黒王号とジュウザさんの愛馬の間にデキタ娘である白王号が漸く外に出しても大丈夫とのお墨付きをもらえたとの事でバットさん経由で送られてきた。

実に久し振りに会った白王号は優雅な佇まいで旅の足となってくれていた。

レムスちゃんも大喜びで休息時には遊んでもらっていた。

「ほらよっと!」

道中で遭遇した特級危険種であるキングガッピーを討伐して食料確保しながら進むと…「ン?こんな所に工場が…」

明らかに場に適応してはいない何かの生産工場が建っていた。

此処危険種のエンカウント率凄い高い場所なのによく無事だったな。

「あれ?…」

工場の中を探索してみるとつい直近まで使っていた形跡があった。

それと…中庭には大量のキングガッピーや他の危険種の白骨が積み重ねられていた。

「間違い無い!…」

「パパ、いっぱいお塩があったよ!」

俺がその白骨を眺めているとレムスちゃんがそう言ってくる。

成程此処は革命軍が利用していた施設だったか。

帝国側に居所を悟られてしまって慌てて放棄されたか…奴等に奪われたらしょうもないので持ち出せる分は持ち出した。

しかしさっきのあの大量の危険種白骨…彼女達も此処を利用していたのか?…そうなるとまだ近くの街村に…

「パパ~?」

「ああ、ちょっと懐かしさを感じてね…行こうか」

「うん!」

そして付近にあるスイウンの街にへと辿り着く。

この街は他と比べて帝国の手があまり行き届いていないおかげで栄えているが…だがそれと同時に密偵とかが入り込みやすくなっているともいえる。

観光ついでに探してみるか…そう思い立った俺はレムスちゃん達を預けて街を散策してみる事にした。

「!…この感じは!…」

街郊外に近い場所で幾つかの殺気を感じ取った俺は急いで向かった。

其処では…

「あれは!…ダニエルさん!?…それにあっちの男は…」

戦いを繰り広げていたのはオールベルグの執事長であるダニエルさんと劇団の時に居た鞭使いのやさ男だった。

百戦錬磨のダニエルさんがあの程度に負けるとは思えないがどうにも彼の動きが鈍い気が…腕を怪我しているのか!…

あ、なんとかやさ男を岩壁にぶっ飛ばしたけど大してダメージが入っていない…やはり怪我を負っているせいで力が出し切れていないのか。

そこに…

「不味い!?ダニエルさん!…」

やさ男の背後に隠れてタイミングを見計らっていたのだろうか…お仲間のツクシちゃんとポニィちゃんが草むらから飛び出してきてやさ男を援護する。

恐らくツクシちゃんが扱う銃の情報は持ち得ていないだろうし今のダニエルさんの状態じゃとても捌き切れないぞ…そう思った俺は駆け出す。

「久し振りに使うがこれでいく!元斗皇拳秘奥義<白光拳(剣)>!!」

俺は己の闘気オーラで作り出した剣を投擲してツクシちゃんの撃った弾丸を破壊する。

「!?」

「あ、アイツ!サバティーニの時の!?」

「はっ!<元斗光波散発拳(剣)>!!」

「うわ!?」

「ぬ、ぬお!?」

「しまった!?」

剣の闘気を放出させて目晦ましを行いダニエルさんの肩を強引に掴んでその場から逃走した。

奴等が追って来れない場所まで避難した俺は抱えていたダニエルさんを降ろす。

「ど、何処のどなたか存じ上げませんが危ない所を助けて頂いて…!」

「あのー…俺です」

「は?」

「ですから…お久し振りですダニエルさん」

「ま、真逆君は!?…五年前から行方不明になっていた!…」

「ええ、セイヤ・キリツグです」

「な、なんと!?生きておったのか!…」

俺が自身の正体を明かすとダニエルさんは大層驚いていた。

「積もる話もありますが今はそれ所じゃないですね…ちょっと怪我診せて下さい」

「セイヤ君申し訳無いのだが持参した治療薬を使っても治らないのだよ…」

「それは外的要因で治らないだけですね…こうすれば多少楽になる筈です」

俺はダニエルさんの傷を見せてもらう。

恐らくアカメの刀で付けられた傷だな…外的要因で治らないのなら秘孔術で自己治癒力を上げてやれば良い話だ。

「む?…確かに少し楽になっておる…!」

「すぐに治る訳じゃないのでしばらく安静にしていて下さい。…メラルドさん達もスイウンに?」

「帝国暗殺部隊を今度こそ始末する為に躍起になっておられる…捕虜は捕らえましたがその時に付けられた傷なのです」

「そうですか…俺と会った事はまだ他に言わないでもらいたいんです」

「承知した…」

ダニエルさんは俺の意志を汲み取ってくれた。

そして彼と一旦別れて俺はレムスちゃん達を迎えに行くのだった。

 

 

 

 

クロメ組強化する?

  • 強化しない
  • 強化する(門下生の奥義等で)

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