ゆりねは取り敢えず、ライザーの話にあった修道女風の人物とやらを木場達に見つけて部室に連れてきてもらい、事情を聞くことに。
堕天使達の狙いが気になるし、利用されているようならばできる限りの保護もしたい。
「はじめましてね。私は花園ゆりねっていうの。よろしく」
「はっ…はい…アーシア・アルジェントです。よろしくお願いします」
両者とも軽く自己紹介を済ませる。
「それで…何であんなとこにいたのよ?」
「はい…実は…」
観念したのか、それともさほど警戒心と言うものが無いのか、モジモジと言いにくそうに語り出すのは元キリスト教会の聖女、アーシア・アルジェント。
彼女は幼い頃より教会の聖女として祭り上げられていたものの、ある日手負の悪魔を癒すのに神器を使った事で魔女認定を受け、所属していた教会から破門宣告を受けたとか。
「困ってらっしゃる方に人も悪魔も関係無いと思っての行為だったのですが…」
しょんぼりとした様子でアーシアはそう言う。
「ああ〜…」
ゆりねはそれを聞いて、なんとも言えない表情を浮かべる。
「むぅ…このように身も心も美しい美少女を追放するとは紳士の風上にもおけんな…」
わざとなのか天然なのか、サラッと口説くようなことを言うライザー。なお、アーシアはよくわからなそうに首を傾げているので、響いていない模様。
「メデューサと同じ匂いがしますの〜♪」
嬉々としてカモろうとする邪神ちゃん。
ここら辺はいつも通りである。
そして、さっそく動き出す邪神ちゃん。
ゆりねの前なのにいい度胸である。
「なぁなぁ、アーシアよぉ〜ちょ〜っとお金貸してくれですの〜♪」
初対面の相手にいきなり擦り寄る邪神ちゃん。
寄生先を見つける嗅覚は流石と言ったところか。
「へ?お、おかねですか?」
「そ〜なんですの〜助けて欲しいんですの〜♪」
「そ…そんなにお困りなんですか?」
「なんだよ〜!!本人がこんなに困ってるって言ってんだろうが!!困ってるやつに人も悪魔も関係ねーって嘘だったのか〜?あぁ〜ん!?」
「えぇ〜っと…ちょっとまってて下さいね…教会を放逐される時、一緒に幾らか持たされたのでそこから切り詰めれば…」
最初は困惑した様子だったものの、邪神ちゃんに助けを求められるや聖女モードに入るアーシア。
かなりチンピラ根性丸出しだったが、それだけ切羽詰まっていると解釈したのか…。
「あぁ〜♪そうなんですの〜?それなら五万円ほど…」
「邪神ちゃん」
短く名を呼ばれただけなのに、邪神ちゃんは身震いする。
「ひっ…!!」
アーシアの横を見るとそこには恐ろしい表情のゆりね。
ちょうどアーシアからは死角となっているため見えない位置にある。
なお、他の悪魔一同も引いた表情を浮かべている模様。
まぁ、色々と汚いモノから遠ざけられてきた以上、多少の世間ズレは仕方ないと言えば仕方ない。
「それで?何であんな廃教会になんて行ったのよ?」
話題を元に戻すゆりね。
部長席をとられて若干悔しそうな様子のリアス。
「はい…あの廃教会に言ったのはレイナーレ様という方から教えていただいたからで…」
「レイナーレ?」
聞いたことがない名前に首を傾げるゆりね。
「はい。堕天使の方なんですが…」
「オレが見た堕天使の内の一人かもしれんな」
そう言うなり、ゆりねは武器を取り、再度カチコミに入る…かと思われたが…。
「そうそう邪神ちゃん」
扉に手をかけたゆりねに声をかけられる邪神ちゃん。
「な、何ですの?」
「ちょっと、隣の空き教室に来て」
「え?いやでもこれから…」
「来なさい」
「…………………ハイ」
「それとリアス」
「あっハイ」
「ちょっとアーシア連れて適当に校内案内でもしてなさい」
それを聞いて何かを察したリアス。
「そ…それじゃ、行きましょ?アーシア」
「え?でも邪神ちゃんさんにまだお金…」
「いいから…行きますわよ」
頭上に?を浮かべ、なかなか部室を出ようとしないアーシアに、朱乃も参戦して、どうにか脱出…ではなく、校内の案内を始める。
その後、いつものように邪神ちゃんが折檻されたのは言うまでもない。
邪神ちゃん…こりないなぁ…。