ハイスクールドロップキック   作:ガラクタ山のヌシ

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続きましたねー


第15話

「ゼヒュー…コヒュー…き…来たぞ…ハナゾノ・ユリネ…」

 

息も絶え絶え、と言った様子の堕天使総督がオカルト研の部屋に倒れ込むようにやって来たのは、電話から一分と少し過ぎた頃のことだ。

 

「遅かったじゃない。運動不足かしら?いくら研究が趣味とは言っても、無様を晒すのはいただけないわね?」

 

見下ろすような姿勢で倒れたアザゼルに声をかけるゆりね。

しかしその声に同情の色は無い。

部下の管理は上司の役目。

仕事が忙しかったのならともかく十中八九趣味に没頭した挙句にそれを果たせず、あまつさえ可愛い後輩に危害が及びそうな事態に至った遠因たる彼に対してはある種当然の対応でもあったわけだが。

 

「おっ…おまっ…これでも…ゼェ…全力疾走して…ハァ…」

 

疲労困憊と言った様子で会話にならない。

息が整うのを待つまでの間、邪神ちゃんがちょっかいをかけていたが、当のアザゼルには、それに構う余裕も無かった。

それよりも、その陰でもてなそうとする朱乃に「いいのよ。自業自得なんだから」と言っていたゆりねにショックを受けたくらいだが。

 

「そ…それで、ウチの部下は…」

「向かって来た連中は斬って捨てたわ。リーダー格らしきコイツ以外はね」

「ひぃ〜ん!!アザゼル様ぁぁぁ〜〜!!」

 

そう言って、ゆりねの手にしていたやたら大きい黒い袋から取り出されたのは何故か首だけで生きている部下。

自分を見るや安堵した様子だが同時に部下の変わり果てた姿にアザゼルはギョッとしていた。

 

「そ…それは一体…どんな原理なんだ?」

 

技術者としての興味なのか、それとも上司としての心配からか質問を投げかけるアザゼル。

 

「えぇ、ウチの神社と、あといくつかの呪法を掛け合わせてアレンジした私のオリジナルの術式よ。抵抗されるのも面倒だったし、証人は生かしてこそ価値があるものでしょ?」

 

その声色は言外に言い訳や嘘は許さない、という圧を感じさせるものだった。

 

「それで…他にも裏で手引きしてるような心当たりのある部下はいるかしら?」

 

その言葉にアザゼルは全脳細胞を活用して心当たりを探す。

ゆりねの怒りの矛先を逸らす先…もとい、現状に不満のありそうな部下、と言えば…。

 

「こ…コカビエルだ!!あのバーサーカーなら何か動くかも…」

 

そうだ!!そうに違いない!!何ならそうであってくれ!!とでも言わんばかりの勢い。

と言うか、ほぼ証拠も何も無いなんなら心証だけのでっち上げだが、ここで黙ればどんな目に遭うのか…堕天使総督はかつてのトラウマに内心震え上がる。

そんな彼の心理を知ってか知らずかゆりねは邪神ちゃんにお仕置きしつつ「…そう」と短く返すと

 

「じゃあその堕天使の監視と、万一の際の粛清…お願いできるかしら?」

 

お願い…と言うが、立場的には事実上の命令とも取れる。

少なくともアザゼルはそう感じた。

 

「そっ…それは…」

「まさか堕天使総督様がただの人間に借りを作りっぱなしだなんてみっともない真似…しないわよねぇ?」

 

プライドと世間体、レイナーレという人質兼生き証人。そしてゆりねの言葉という事実に、アザゼルは……。

 

「ハイ…」

 

ただ、頷くしかできなかった。




いやぁ〜珍しく平和?な回でしたねぇ(白目)
天界陣営は〜どないしよ
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