駒王学園OG、花園ゆりねからの電話がかかって来てから小一時間が過ぎようとしていた。
そんなオカルト研究部の面々は…。
「……………」
「……………」
「……………」
「……………」
皆、一様に沈黙していた。
部室には重苦しい空気が立ち込め、その様子はさながら暴君の圧政に怯える民衆が如し。
とは言え、花園ゆりねという人物自身は普段はそれほど危険人物というほど言動に問題があるわけではない。
むしろ普段はクールながら礼儀正しく、親切には親切で返してくれる常識人。
また基本的に面倒見もいいしそういったところはリアスも朱乃も後輩として素直に尊敬してはいた。
ただし……。
「一度スイッチが入った花園先輩は…正直私たちでは止められません…」
先ほどの電話で過去の出来事を思い出したのか、げっそりした様子の朱乃にその場に集まっていた部員達は驚きの声をあげる。
「そ、そんなに危ない人なんですか?」
そう問いを投げかけるのは木場祐斗。
オカルト研究部の一員であり顔、性格共に女子人気の高いイケメンである。
「…気になりますね」
控えめにそう言うのは塔城小猫。
普段は無口で表情にも乏しいせいかミステリアスな雰囲気を醸し出すも、その名の示すように小柄で愛らしい学園のマスコット的な扱いをされている少女だ。
「ふ…ふふふ…」
リアスの紅茶の入ったカップを持つ手がカタカタと震えている。
表情も無理に笑みを浮かべようとしているような、そんなひきつった笑顔である。
「端的に言うわね」
やがて、落ち着きを取り戻したリアスは真剣な面持ちで話を切り出す。
「先輩に今日一日、あの変態三人組を引き合わせてはいけないわ。でないと…」
「で、でないと…?」
オカルト研究部一同はゴクリと固唾を飲んでリアスからの次の言葉を待つ。
すると、廊下の方から何やら物音やら話し声が聞こえてくる。
「ひぃぃぃ!!」
「ぎゃああああ!!」
「お、おたす、お助けぇぇぇ!!」
「…………」
その一連の会話に、何が起きたのかオカルト研究部の一同はなにかを察する。
噂をすれば影がさす。とは言うが…まさかこれほどまでにタイミングが重なるとはこの中の誰も思いもしなかったろう。
「あら、こっちに逃げたのね。ならちょうどいいわ」
「ゆ、ゆりね…流石にやりすぎですの…」
「逆ね。こういうのは一度許せば調子に乗ってつけ上がるから、今みたいにちょっと痛い目を見るくらいでちょうど良いのよ。むしろ命をとらない分感謝して欲しいくらいだわ」
「…こ、これでちょっと?人間パネェですの…」
その一連の会話に
「こうなるから…」
そう語るリアスは「頭が痛い」とでも言いたそうに額を手で押さえていた。
「あの人は自分が不快に思ったことには冗談や悪ふざけでは絶対に済ませない。徹底的に報復して、相手の心を折るまで止まらないのよ」
ああ、言ってたら思い出してきた…とカタカタ震える。
高笑いをしながらはぐれ悪魔や無謀にもリアスの様子を見にきたついでにと口説いて来た不死鳥を通販で購入したという刃物や鈍器でグッチャグチャのメッタメタにしている様は最早新手のホラーでしか無かった。
結構読んでくださる方が多くて驚いております…。
ありがとうございます!!