ありがとうございます。
「お邪魔しますの〜♪」
ガララ…と空いた扉から入ってきたのは、下半身が蛇で上半身が裸の女性…いわゆるラミアのような姿の悪魔だ。
とは言え、リアス達には見覚えが無い。
恐らくは海外の出身なのだろうとオカルト研究部側は解釈し、ゆりねはどうしたのかと言う疑問と、その関係者ならもてなさなくてはという双方の思いが交差しどうしたものかとアタフタしていた。
「ほらほらぁ〜。世話んなった先輩の同居人様がわざわざ来てやってんだぞ〜!?茶のひとつでも出すのが礼儀ってモンじゃねぇのかぁ?あ〜ん?」
どっかりと用意された椅子に腰掛け、横柄な態度をとる様は完全にチンピラのそれだ。
「え…あの…先輩は?」
恐る恐ると言った様子で投げかけられたその質問にそんなことかと言わんばかりに返す。
「あぁ〜…ゆりねならさっき…」
…………………
「それじゃ、私はコイツら職員室に突き出してくるから、邪神ちゃんは先に行ってあいさつでもしてなさい」
…………………
「って、言ってましたの」
「ソウデスカ…」と棒読みがちにリアスが返答したのを聞き入れると、何やら偉そうに腕組みをして店での注文待ちの、それも横柄な客のような態度をとる。
「では…どうぞ…」
朱乃は突然のことながらススッと用意していたのだろうお茶を差し出す。
来客ということで、出されたのはもちろんいい銘柄だ。
取り敢えずこれで気でも落ち着きてくれれば…そう思う朱乃だが…。
「お茶請けは何ですの?」
図々しいことこの上ない物言いだが、かと言って無碍にもできない。
何せあの先輩の関係者だ。
こんなんでもそれなりの立場なのかもしれない。
そう思うとお高いクッキーの缶を開けて中身を器に丁寧に並べ配膳する作業も無心になれる朱乃であった。
差し出されたクッキーがお気に召したのか
「うんめぇ〜♪ですの〜♪」
と、邪神ちゃんは幸せそうな表情を浮かべる。
周囲がホッとした様子でいると
入り口の方からそこにいる数名にとっての聞き慣れた声が聞こえてくる。
「…何してんのよアンタ?」
邪神ちゃんは背後からかけられたドスのきいた言葉にビクッ…と反応する。
全員の視線がそちらに向かい、その先には医療用の眼帯をつけゴスロリファッションに身を包んだ美少女の姿が。
「ゆ、ゆりね…?職員室で色々聞かれるから時間がかかるって…」
困惑した様子の邪神ちゃんに冷めきった視線を向けるゆりね。
「もうとっくに終わったわよそんなの。それよりもアンタ…」
ゆりねは邪神ちゃんに引き続き冷たい眼を向ける。
「別れ際にくれぐれも、粗相のないようにって言ったの…もう忘れちゃったのかしらね?」
ゆりねは椅子に座る邪神ちゃんの背中を足でグリグリと踏みつけつつ、どこから取り出したのか右手に持つ日本刀をペシペシとしている。
その様子はまさに「どう料理してくれようか…」とまな板の上の鯉を見る板前が如し。
「ち、違…こ、コレはこいつらにハメられて…」
身の危険を感じたからか、初対面のオカルト研究部員たちを売ろうとする邪神ちゃん。
最低なことこの上ないのである。
しかし…。
「なんでそんなすぐわかる嘘、つくのかしらね…?」
あっさりとゆりねに嘘と見抜かれたことによりお仕置きを敢行されることに。
ゆりねは腰掛ける邪神ちゃんの尻尾をむんずと掴むと椅子から引き摺り下ろし
「ちょっと隣の空き教室借りるわね?」
と、有無を言わさぬ言い方で言う。
「え、えぇ…」
「その…ごゆっくり…」
リアスと朱乃の二人がそういうと
「ありがとう」
そういい笑顔でピシャッとオカルト研究部の入り口を閉める。
邪神ちゃんの悲鳴が聞こえてきたのは、それからすぐ後のことだった。
次回、やっと自己紹介…。