「で?どうなのよリアス」
リアスが言い淀んでいると、ゆりねの背後から最近聞いたような声が響く。
「どーせ『センパイみたいには出来ませんでしたの〜』とかいって泣きつくんじゃねーですのー?見たとこ百年も生きてねー新参みてーだしなー?」
いつの間にか回復して戻ってきていた邪神ちゃんがニヤニヤしながらプップ〜とリアス達の方を見ながら煽り散らかし嘲笑する様は、正しく悪魔らしい悪魔を彷彿とさせる。
無論リアス達としてもイラッとはしたものの…。
「邪神ちゃん…話の腰を折らないの」
「わ、分かってますの…」
急に出てきたゆりねの殺気にビビって引っ込む姿を見てなんとか溜飲が下がる。
長い年月を生きたとしてもこうはなりたくはないものだ。
「と、取り敢えず…現状は見ていただければ分かるかと…」
取り敢えず今は一刻も早く話題を逸らす。
そのためにもいったん外に出て気分転換しつつ仕事している様を見せつけなければ…。
そうリアスが思うと
「なんか苦手な人の前みたいな反応ね?大丈夫?」
と、リアスと朱乃の心中をわかってるのかわかってないのか。
煽ってるのか心配してるのか、よく分からない言葉を投げかけられる。
「い、いえ…そんなことはありません…よ?」
冷や汗がバレないよう、必死に取り繕う。
はいそうです。なんて本心を言おうものならゆりねのプライドを傷つけかねないし、そんなことないですよと言えば、自分が尊敬している先輩を欺くことにもなる(それとバレた時の報復が怖い)。
そもそも、ゆりねが率いていた頃のオカルト研究部はいわば黄金時代。
野球部、ラグビー部で言えば当たり前のように甲子園、花園に行っていた世代といえば分かりやすいか。
その当時のメンバーがレギュラー、ベンチ含めて全ていなくなってから色々と引き継いだのがリアスなのだ。
キツイかキツくないかで言えばぶっちゃけキツイ。
苦肉の策で共学にするも目ぼしい男子が木場くらい(と言うと本人に失礼だが)しかやって来ていないのが悔やまれるくらいにしか成果は出ていない。
と、そこにタイミングよく、魔法陣が反応を示す。
リアスはコレ幸いと、嬉々としてゆりねの背中を押す。
「それでは、オカルト研究部による人助けを、ゆりね先輩にご覧に入れましょう♪」
精神的なストレスからか、或いは先達に立派になった自分の実績を見てもらえるからか、リアスはテンションが少し高めだ。
「…私人間なんだけど」
「大丈夫です!!特別仕様なんで!!大丈夫です!!」
ゆりねの背中を押しつつ、そんなことを言うリアスは何とか話題を逸らすのに必死である。
まぁ、人死になんて滅多に出ないし、数日くらいなら誤魔化せるよね!!
そう思っていた時期が…リアスにもありました。
あの日、あの時までは。
魔法陣…あの時…
あっ…。