投稿ペースはなるべく早くしますが、最速でも1週間に1話のペースで進むと思います。
結構練って書いているので…
この1話の投稿時点では、書きだめがあと2話程あるので、そこまでは速いと思いますが、そこからは結構忙しい身なので、あまり早く投稿することは難しいです。すみません。
久しぶりに執筆した作品なので、読みにくいかもしれません…
ハーメルンでは初投稿です。
たくさんの方に見てもらいたいです(^^)
プロローグ―敗北―
―742―
1人の男と、同じ種族と思われる数人が口論をしていた。
「なぜだ!なぜ私達は壁の中に避難できないのだ!?」
「貴様らは巨人だ!人間の形をした巨人だ!貴様らは神聖な壁の中に入ってはならない!」
1人の男は踵を返して歩きだす。背を向けられた数人は、その男に叫んでいるが、その男は振り返らず、姿を消した。
「・・・・・・悪魔の一族が・・・
根絶やしにしてやる・・・!」
刻まれた深い憎しみは100年以上もの間、無くなることは無かった――――
――――――――――――――――――
―860―
ウォール・シーナ内部
「くそっ!くそっ!!」
次から次へと巨人が迫ってくる。先日、1日において、ウォール・ローゼ及びウォール・シーナが突破された。
その理由は謎の青色の超大型、同じく青の女型、黒の鎧の一斉突破である。殆どの人類は117年前のように食い尽くされ、残っているのはエレンら104期とリヴァイ、ハンジ、エルヴィンなどの調査兵団の精鋭達のみである。
「チッ、きりが無ぇ!おいエレン!お前の巨人化は本当にもう使えねえのか!?」
普段よりもさらに鋭い眼差しでエレンを睨んだリヴァイにエレンは渋い顔で首を振る。
「はい、何故か何度試しても全然なれません・・・」
「僕とアニとライナーもダメです!」
「なんてこった・・・」
本来の超大型、鎧、女型はベルトルト、ライナー、アニの3人であるが、先日の3体が何か関係しているのか、この3人は巨人化が使えないでいる。
「エレンが持ってる『座標』は使えないの?」
「それは使えるか分からねえ」
エレンが首を振る。
「エレン、今はそんな呑気なことを言ってられる状況じゃない。出来なければ死ぬ。出来れば生きられる。やるしかない」
「・・・・・・ああ、そうだったな!」
エレンは今まで自分から使おうとして座標を使ったことが無かった。しかし、やらなければならないと、腹を括った。
エレンは1度巨人の来ない建物の上に立ち、目を閉じ、大きく息を吸い込んみ、大きく吐き出す。頭の中に、巨人に対する激しい憎悪を掻き立てる。目の前で殺されてしまったトーマスや、ミーナたち、そしてリヴァイ班の方たち、そして、食い尽くされてしまった全ての人類へ―――――
ドクン,ドクン・・・
鼓動が速く強くなる。
感情は顔には出ていないが、エレンの心は憎しみで溢れている。
ドクン,ドクン,ドクン・・・!
もう一度深く息を吸い込む。全ての感情を吐き出すようにカッと目を見開き、適当な15m級の巨人を鋭く睨んだ。
次の瞬間、全ての巨人がエレンたちを狙うのをやめ、その一体を目掛けて一斉に走り出した。すぐにその標的の巨人は倒され、全身を貪られて身体から蒸気が出始めた。
「エレンの『座標』はまだ使えるようだな」
ようやく手を休められたライナーが建物の上にのぼり、1つため息をついて標的の方を見ていた。
「エレン!気を抜かないで下さい!そろそろ次の奴に座標を!」
「ああ!」
ウオオオオオオオオオオーーーーーーーー!!!!!!!
エレンがうなづいた瞬間、巨人の雄叫びがどこからか聞こえた。
「この雄叫び・・・」
「うん、エレンが巨人化した時の声に似ている・・・」
「え!?」
「それより見て!」
「こ、これは・・・まずいぞ」
エレンに似た声が聞こえた瞬間、凄まじい足音の集団が聞こえたかと思うと、すぐにエレンたちの視界に入った。
「巨人の大群だ!」
「しかも全方位から・・・」
「これは・・・もう・・・人類の・・・」
――――負けだ・・・
誰かがそんな声をもらすと、エルヴィンが大声をあげた。
「まだだ!諦めるな!戦うことを放棄するまでは人類の負けではない!戦うぞ!!」
残された12人の目が絶望の目から兵士の目へと変わる。
『オオーーーーーーーー!!!!!!!!!』
勝利への信念を掲げたエレンたちは、後少しで巨人の大群が来る所に胸を張って構えた。
「エレン!座標を使って!」
ヒストリアが叫ぶ。 小さな顔からは険しさがみ見える。
「ああ!」
「エレンよけろ!!」
エレンが目を閉じた瞬間、巨人がエレンに向かって飛んだ。
「!?くっ!」
エレンはよけようとしたが、間に合わず、体当たりをくらって後ろに吹き飛ばされ、壁にそのままぶつかった。
「ぐっ・・・」
「エレン!」
「寄るな!!」
意識が朦朧として倒れ込むエレンにミカサが駆け寄ろうとして振り返った所に、リヴァイが怒鳴る。
「なぜ・・・!?」
「巨人がすぐそこまで来ている。巨人に背を向けてそいつに寄って何が出来る」
「・・・」
エルヴィンが刃を巨人に向けて叫ぶ。
「まずその奇行種だ!仕留めろ!」
――――――――――――――――――
「くっ・・・」
少しばかり意識が飛んで昏睡状態だったエレンが目覚めた所に飛び込んできた光景は仲間が食われている光景だった。
「な・・・うああ・・・
エルヴィン団長・・・
ハンジさん・・・」
エルヴィンは下半身を食われ、ハンジはちょうど頭を噛み砕かれるところだった。
「ああ・・・
サシャ・・・
コニー・・・」
サシャは上半身を噛みちぎられ、コニーは丸呑みされた。二人が息絶える瞬間は目覚めたばかりのエレンの視界に焼き付けられた。
「ベルトルト・・・
アニ・・・
ライナー・・・
お前らも・・・」
ベルトルトはすでに頭部が無かったが、少しばかり細めで、背が高いことと、首のない亡骸が服装の見える仰向きに倒れていたことで判別出来た。アニは両手両足を失って失血死し、ライナーは顔を含めた左半身の右半分を食われている。
「くそっ・・・
ヒストリア・・・
ジャン・・・」
ヒストリアはちょうど今、悲鳴をあげながら首の部分を噛み切られ、体の方が巨人の胃袋へと流れていった。ジャンは横腹を食われてまだ血がドクドクと溢れている。
「ア・・・アルミン・・・」
巨人に左足を掴まれて逆さ釣りにされ、右足を失っているアルミンはその全身を自らの血で染めている。まだ息はあるようで、小さな悲鳴がエレンの耳には届いた。
「やめろーーーーーっっ!!!!!」
引き出した今のエレンの叫びは実際には微かな声だった。巨人の口が開き、アルミンは巨人に飲み込まれた。
「うああああ・・・・・・」
エレンの目からは涙が止まらなかった。一緒に外の世界を夢見た幼い時からの親友はもうこの世から旅立った。
思わず目を逸らすとそこではまだリヴァイとミカサが戦っていた。
あの2人はきっと・・・
エレンがそう思っていた矢先、リヴァイが紐が切れた操り人形のように、空中で機動力を失い、地面に叩きつけられた。ガスが無くなったのだ。
それを逃さず、何体もの巨人が駆け寄り、一体がリヴァイの左腕を摘んで持ち上げた。エレンはリヴァイが自分の方を見ていることに涙がさらに溢れていた。
「うっ・・・ぐっ・・・リヴァイ・・・兵・・・ 長・・・」
―――――何で笑ってるんですか・・・何を言っているんですか・・・聞こえませんよ・・・
エレンに初めて見せたリヴァイの笑顔は少し口角を上げただけだった。リヴァイが何かを喋っているのは見えても、内容は聞こえなかった。
そして、リヴァイは一斉に巨人に噛み付かれて息絶えた。
「ああああ・・・・・・」
残された人類はエレンとミカサのみになった。そして・・・・・・
「くそっ!くそっ!動けよオレの体!」
意識ははっきりしていても、頭を強く打ってしまったせいで、エレンの体は動かない。
「ミカサ!」
ついにミカサも巨人に捕まってしまった。体を手で握られている。ミカサはもはやガスもあと僅かで刃も切れ味がおちてきたので、半ば獲物と捕食者の関係を強く感じさせられてしまった。
「エレン・・・私は・・・あなたを・・・守れなかった・・・」
ミカサの頬を涙が伝う。エレンも泣き叫んでいる。そして巨人がミカサを口に運ぼうとする。
「やめろおおおおーーーっっ!!!!」
「エレン・・・」
―――お休み・・・
涙で溢れた顔を無理やり笑顔に変えて、エレンに最後の言葉を発したところでミカサの頭蓋骨はパキパキという音を立てて、巨人の歯によって砕かれた。
「うあああああああーーーー!!!!!!」
人類の最後の1人、エレンは叫んでいた。なぜ人類は全て奪われるのか。夢も。命も。全て巨人が悪い。巨人が憎い。
ドクン・・・ドクン・・・
鼓動が激しくなる。巨人に底のない憎悪を感じ、エレンの表情は怒りが全てを支配している。
失った友、失った全ての人類。一人ひとり、それぞれ、人生があった。愛する人が居た。愛される人が居た。希望に満ち溢れていた。
―――それを・・・巨人は・・・全て奪った!
極限までに研ぎ澄まされたエレンの殺意は矛先を巨人に向けて動き出そうとしている。
「っ!?ぐああっ!」
エレンの死角から現れた巨人が、エレンの体を強く握る。
「畜生っ!!はなせっ!!」
強く抵抗するエレンだったが、逃れられる様子ではない。
―――畜生っ・・・畜生っ・・・俺もこんな奴らに・・・くそぉっ!
エレンの頭には今までの記憶が流れていた。
―――ああ、これが走馬灯ってやつか・・・色んな事があった。
ハンジさんは本当に変な人だってけど、結構好きだったな。
エルヴィン団長は本当にすごい人だった。あの人は、全てを人類の勝利に捧げていた。心から尊敬していたのに・・・
サシャがうまそうに飯を食っているところは見てて楽しかったな。バカを見ているのも楽しかった・・・まだあの2人を見ていたかった・・・
ベルトルトとライナーは2人とも強かったな。1度は俺たちの敵だったけど、奴らを裏切ってまで仲間になってくれた。あいつらも自分を見つけてくれて、ありがとうと言ってたし、良かったんだと思う。
アニも同じだ。憲兵団に入るのをやめて、オレたちの仲間になった。アニも本当に強かったな・・・
ヒストリアとはもっと話していたかったな。あいつと話してるだけでなんかすごく楽しかった。でも・・・もう・・・
ジャンは馬鹿正直すぎで、感情が丸出しで嫌な奴だったけど、嫌いじゃなかった。でももうあいつとケンカすることもできない・・・
アルミンは1番付き合いが長かったから、見てられなかった・・・あいつがいたから、オレは外の世界に・・・もっと一緒にいたかった。そして一緒に外の世界を探検したかった・・・
リヴァイ兵長はオレの憧れだった。あの人はきっと俺以上に仲間を失っては弔ってきただろう。人類最強はもういない。そして・・・人類も・・・
ミカサは1番一緒にいるのが長かったし、オレの家族だから、真っ先に弔ってやりたいけど、オレがこんなに情けないから、それすらもできない・・・
皆に・・・会いたい・・・
エレンの目からは涙が止まらなかった。悲しくて、悔しくて。思い出すのは失った仲間のことばかり。
巨人のせいだ。巨人がいなければ、こんな果てしない悲しみと底のない憎しみは味わなくて済んだのに・・・
ドクン・・・ドクン・・・!
巨人の口が開いた。俺を放り込む気だ。その瞬間、涙で流されかけていた憎悪がさらに強く蘇った。悲しみの涙が、悔しさと、怒りの涙に変わる。
手を伸ばし強く握り締める。手のひらには、爪が食い込み、血が流れる。悔しさと憎しみに自分が許せない。
ドクンドクンドクン・・・!
「駆逐してやる・・・!!
この世から、一匹残らず!!
オレが!!!
この手で!!!!」
最後の願いは巨人のひと噛みによって砕かれた。死んでも死にきれない程の力を持った憎悪を残して・・・
この日、人類は――――
――――絶滅した。
――――――――――――――――――
―――俺たちの勝ちだ・・・でも・・・
―――――座標はどこに行った・・・
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どうでしたでしょうか?
今回はプロローグなので、本格的なのは次回からです。
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